RFシグナル・チェーンに関する論考【Part 2】重要なビルディング・ブロック

RFアプリケーションのシグナル・チェーンは、ディスクリート・コンポーネントやICコンポーネントを使用して構成されます。各ビルディング・ブロックは、それぞれのRFシグナル・チェーンの基盤を成す要素だと言えます。本稿のPart1に相当する「RFシグナル・チェーンに関する論考――特性と性能指標」では、各コンポーネントの特性評価に用いられる主要な特性、性能指標について説明しました。所望のシステム性能を達成するためには、各RFコンポーネントについて深く理解しておかなければなりません。どのようなコンポーネントを選択するかにより、最終的なアプリケーションにおいてRFシグナル・チェーン全体の性能が決まるからです。

図1に示したのは、標準的なRFシグナル・チェーンの例です。本稿では、このシグナル・チェーンで使われている主要なコンポーネントについて詳しく説明します。ここでは、システム・レベルのシグナル・チェーンの定義に関する分類上の基準に基づき、最も一般的なRF対応のICに限定して解説を進めることにします。具体的には、RFアンプ、周波数生成用のIC、周波数逓倍器/分周器、ミキサー、フィルタ、スイッチ、アッテネータ、ディテクタなどを取り上げます。アプリケーションに適したビルディング・ブロックを選択する上での指針として、ぜひ本稿を活用してください。

図1. 一般的なRFシグナル・チェーン
図1. 一般的なRFシグナル・チェーン 

RFアンプ

アンプの主な機能は、小さな入力信号を増幅して、より大きな信号を出力することです。したがって、RFアンプの性能を表す主な指標もゲインになります。つまり、入力電力に対する出力電力の比が重要だということです。とはいえ、ゲインだけでなく、ノイズ、帯域幅、効率、直線性などの指標も重要です。最適なアンプを設計するには、それらの性能パラメータのトレードオフにうまく対処しなければなりません。これらの特性を分類上の主な基準として考えると、特定のアプリケーションに応じて性能が最適になるように設計されたアンプを選択するべきだということになります。逆に言えば、各種のアプリケーションに応じて分類される様々な種類のアンプが提供されているということです。

代表的なRFアンプとしては、低ノイズ・アンプ(LNA:Low Noise Amplifier)が挙げられます。LNAは、大きなノイズを発生させることなく、小振幅(低電力)の信号のレベルを高められるように最適化されています。優れたLNA製品の場合、ノイズ指数(NF:Noise Figure)はサブGHzの範囲で1dB未満、より高い周波数で数dBのレベルになります。シグナル・チェーン全体のNFはその初段によって決まります。したがって、多くの場合、感度を最大化するためにレシーバーのフロント・エンドにはLNAが使用されます。もう1つの代表的なRFアンプがパワー・アンプ(PA:Power amplifier)です。通常、PAは、送信側のシグナル・チェーンの出力段で使用されます。PAは電力の処理を対象として最適化されています。熱の放散を低く抑えながら、高い効率で大電力の出力を供給します。

3次のインターセプト・ポイント(IP3)の高いアンプ、つまり直線性に優れるアンプは、広いダイナミック・レンジを実現します。つまり、PAと同様の特性を備えています。この種のアンプは、直線性が高くなるように最適化されているので、ピーク対平均電力比(PAPR:Peak to Average Power Ratio)が高い信号を使用するアプリケーションでは、PAよりも適していると言えます。例えば、ベクトル変調された信号を使用する通信システムでは、直線性の高いアンプを使うことによって、歪みを最小限に抑えることができます。このことは、低い符号誤り率(BER:Bit Error Rate)を達成する上で非常に重要な意味を持ちます。

可変ゲイン・アンプ(VGA:Variable Gain Amplifierは、ダイナミック・レンジの広いアプリケーションに適しています。VGAは、広い範囲の信号レベルに対応可能であり、ゲインを調整することによって送信信号や受信信号の振幅の変化に対応します。デジタル制御方式のVGAの場合、データ・バスにおいて制御用のパラメータを適用することができます。この方法は、アプリケーションにとって段階的なゲイン調整が重要な要因にならない場合に使用することが可能です。一方、アナログ制御方式のVGAは、デジタル制御データを使用できない場合や、アプリケーションがステップ的な外乱に耐えられない場合に最適です。VGAは、自動利得制御(AGC:Automatic Gain Control)を適用したい場合によく使用されます。あるいは、温度の変化や、コンポーネントの特性変化によるゲインのドリフトを補償するためによく用いられます。

LNA、PA、VGAなどのRFアンプの中には、広い範囲の周波数(最大で数オクターブ)に対応して動作するように設計されているものがあります。それらは、広帯域アンプに分類することもできます。そうした製品は、中程度のゲインで広い帯域を対象として増幅を実現します。多くの場合、このような製品は、広帯域アプリケーションにおける主信号の経路のフロント・エンド段で使用されます。通常、広帯域アンプは、分散型のアンプ回路を使って設計されます。効率とノイズを犠牲にしつつ、大きなゲイン帯域幅積が実現されます。

RFアンプの中には、より一般的なカテゴリであるドライバ・アンプ(またはドライバ)に分類されるものがあります。ドライバ・アンプは、シグナル・チェーンにおいて、第二のアンプ、ミキサー、A/Dコンバータ(ADC)/D/Aコンバータ(DAC)といった別のコンポーネントを制御するために使用されます。より詳しく言えば、特定の動作パラメータを調整し、接続先のコンポーネントが最適な条件で動作できるようにすることが目的です。ドライバ・アンプは必ずしも特定のコンポーネントを駆動するために設計する必要はありません。RFアンプの中でも、駆動機能を目的としていることが示唆されているものは、ドライバ・アンプだと考えることができます。同様の一般的なカテゴリに、バッファ・アンプ(またはバッファ)があります。これは、信号源が負荷からの影響を受けないようにするために使用されます。例えば、局部発振器(LO)を負荷から分離するためにアンプでバッファするといった具合です。負荷インピーダンスの変動が発振器の性能に与える望ましくない影響を最小限に抑えるために適用するということです。

ここで、古典的なスーパーヘテロダイン・アーキテクチャについて考えてみます。その場合、LOアンプとIF(中間周波数)アンプも広い意味でRFアンプに含めることができます。両アンプの主な違いは、シグナル・チェーンにおける使用目的にあります。LOアンプはLOのパスで使用し、ミキサーに必要なレベルでLOの信号を駆動します。そのため、LOドライバまたはLOバッファと呼ばれることもあります。一方、IFアンプは、より低い周波数を対象として動作するように設計されています。そのため、シグナル・チェーンで言えばIF段に最適なソリューションとなります。

もう1つ一般的なカテゴリのアンプがあります。それはゲイン・ブロックです。ゲイン・ブロックは、ゲインの平坦性に優れ、リターン損失が少ないという特徴を備えています。そのため、RF、IF、LOの信号経路に使用することができます。多くの場合、ゲイン・ブロックの設計には、マッチング回路とバイアス回路が使われています。それらによって、必要な外付け部品の数が最小限に抑えられています。結果として、シグナル・チェーンへの統合作業を簡素化することができます。ゲイン・ブロックには、汎用品として提供されているものがあります。一方で、様々な周波数、帯域幅、ゲイン、出力電力レベルをカバーする特定用途向けの製品も提供されています。

ここまでに説明したように、ひと言でRFアンプと言っても様々な種類があります。本稿で説明したもの以外にも、様々な特徴を組み合わせて様々な性能を実現した製品が提供されています。例えば、リミット・アンプと呼ばれる種類の製品は、広い入力電力範囲にわたり、圧縮/安定化された出力電力を供給します。また、低位相ノイズ・アンプと呼ばれるものは、信号の完全性が求められるアプリケーション向けに最適化されています。ログ・アンプと呼ばれるものは、本質的にRF信号の検出機能を提供するRF‐DCコンバータだと言うことができます(詳細は後述)。表1に、本稿で取り上げたアンプの概要をまとめておきます。

表1. 主なRFアンプの概要
アンプの種類 顕著な特徴
LNA(低ノイズ・アンプ) ノイズを最小限に抑えつつ、電力の小さい信号を増幅する
PA(パワー・アンプ) 高い効率で大電力の出力を提供する
IP3の高いアンプ クレスト・ファクタの高い信号に対する直線性に優れる
VGA(可変ゲイン・アンプ) ゲインを調整できるので、広範な電圧の信号に対応できる
広帯域アンプ 広い範囲の周波数に対応できる
ドライバ・アンプ 接続先のコンポーネントに応じた動作条件を実現できる
バッファ・アンプ 信号源に対する負荷インピーダンスの変動の影響を最小限に抑えられる
ゲイン・ブロック ゲインの平坦性とリターン・ロス性能に優れ、外付け部品の数を最小限に抑えられる
リミット・アンプ 広い入力電力範囲にわたって圧縮/安定化された出力電力を供給できる
低位相ノイズ・アンプ 付加される位相ノイズを最小限に抑えられる

RFアンプは、ここまでに説明した以外の基準に基づいて分類することもできます。例えば、機能、動作モード(アンプのクラス)、組み立て方法、プロセス技術などが基準になり得ます。それらすべてについて説明するのは、本稿のカバー範囲を超えています。本稿では、RFシグナル・チェーンの一般的なアーキテクチャに関連する最も一般的なRFアンプの解説にとどめることにしました。

周波数生成用のIC

周波数生成用のICは、RFシグナル・チェーンにおいて様々な処理に使われます。例えば、周波数変換、波形の合成、信号の変調、クロック信号の生成といった具合です。周波数生成用ICの選択にあたっては、対象とするユース・ケースに応じ、出力周波数範囲、スペクトル純度、安定性、チューニング速度など、いくつかの指標が使用されます。また、周波数生成用のICとしては、様々なユース・ケースに応じて最適化された多様な選択肢が用意されています。例えば、電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)、フェーズ・ロック・ループ(PLL)、周波数シンセサイザIC、トランスレーション・ループIC、DDS(Direct Digital Synthesizer) ICなどが挙げられます。

VCOは、外部から入力される電圧によって、周波数が制御された出力信号を生成します。そのコアとしては、様々な種類の共振器を使用することができます。高品質の共振器を使用するシングルコアのVCOであれば、限られた周波数範囲でより高い位相ノイズ性能を実現できます。一方、より品質の低い共振器を使っているVCOのノイズ性能は平凡なものとなります。ただ、広い帯域に対応して動作することが可能です。マルチバンドに対応するVCOでは、いくつかの高品質の共振回路を切り替えて使用します。そうした製品は、広い帯域への対応と高い位相ノイズ性能を実現できる優れたソリューションだと言えます。但し、コアの切り替えには相応の時間が必要です。その制約によってチューニング速度が遅くなります。通常、VCOはPLLと共に使用します。

PLLやPLLシンセサイザは、周波数合成やクロック・リカバリに必要なVCOの出力周波数の安定性を確保するために使用されます。図2(a)に示すように、PLLには位相検出器が組み込まれています。VCOの出力周波数をN分周したものをリファレンス周波数と比較し、その差を表す出力信号を使って、VCOに印加するDC制御電圧を調整します。それにより、周波数ドリフトを瞬時に補正して、発振器の動作を安定に維持します。一般的なPLL ICは、誤差検出器と帰還分周器を内蔵しています。誤差検出器とは、チャージ・ポンプを備える位相周波数検出器(PFD:Phase Frequency Detector)のことです。図2(a)で言えば、破線で囲んだ部分がPLL ICに相当します。PLL ICに外付けのループ・フィルタとVCOを組み合わせて、リファレンス周波数の信号を入力することで、安定な周波数を生成するための完全な帰還システムが構成されます。なお、この種のシステムは、VCOも内蔵するシンセサイザIC(PLLシンセサイザIC)を使用することで大幅に簡素化することができます1

PLLシンセサイザICは、PLLとVCOを1つのパッケージに統合したものです。所望の機能を実現するために必要なものは、ループ・フィルタとリファレンス入力だけです。このようなPLLシンセサイザICは、正確な周波数を生成するためのデジタル制御機能を備えています。通常は、様々な制御に対応できる汎用性の高いソリューションとして製品化されます。例えば、多くの製品は、パワー・スプリッタ、周波数逓倍器、周波数分周器、トラッキング・フィルタを内蔵しています。そのため、内蔵するVCOの基本的な対応範囲を超えて、最大で数オクターブの周波数をカバーすることができます。各コンポーネントに固有のパラメータによって、出力周波数範囲、位相ノイズ、ジッタ、ロック時間など、シンセサイザ回路全体の性能が決まります。

トランスレーション・ループICは、PLLの概念に基づくものですが、それとは種類の異なるシンセサイザ・ソリューションです。図2(b)に示すように、PLLとは異なるアプローチで実装されます。ご覧のように、トランスレーション・ループICでは、帰還ループにおいてN分周器ではなくダウンコンバージョンを担う集積型のミキシング段を使用します。ループ・ゲインは1に設定し、帯域内の位相ノイズを最小限に抑えます。トランスレーション・ループ製品としては、図2(b)の破線の部分がIC化されます。このICは、ジッタの影響を非常に受けやすいアプリケーション向けに設計されます。外付けのPFD、LOと組み合わせることにより、小さなフォーム・ファクタで、計測器のレベルの性能を備えた完全な周波数合成ソリューションを実現できます。

DDS ICは、PLLシンセサイザICに代わるものであり、それとは異なる概念に基づいて実現されます。DDSの基本的なアーキテクチャを図2(c)に示しました。ご覧のように、クロック信号に相当する高精度のリファレンス周波数信号、対象となる信号(波形のデジタル・データ)を生成する数値制御発振器(NCO:Numerically Controlled Oscillator)、最終的なアナログ出力を供給するDACから成るデジタル制御システムです。DDS ICは、高速なホッピング速度、周波数と位相を微調整するための分解能、高い出力歪み性能を備えています。優れたノイズ性能と周波数に対する高いアジリティが最も重要な意味を持つアプリケーションに対して理想的なソリューションとなります2

図2. 周波数生成用のICのブロック図。(a)はPLL IC、(b)はトランスレーション・ループIC、(c)はDDS ICを表しています。
図2. 周波数生成用のICのブロック図。(a)はPLL IC、(b)はトランスレーション・ループIC、(c)はDDS ICを表しています。

周波数生成用のICは、様々な要件が課せられる多様なアプリケーションで使用されます。例えば、通信システムでは、エラー・ベクトル振幅(EVM:Error Vector Magnitude)を低く維持するために、帯域内のノイズを抑えることが求められます。また、スペクトル・アナライザでは、高速な周波数掃引を実現するためにロック時間の短いLOが使用されます。更に、高速ADC/DACでは、高いS/N比を実現するためにジッタの小さいクロックが使用されます。

周波数逓倍器

基本周波数用の発振器では所望の周波数範囲をカバーできないケースがあります。そのような場合には、IC化された周波数逓倍器を使用するとよいでしょう。そうすれば、より高い周波数の信号を生成することができます。周波数逓倍器では、素子の非線形性を利用して、入力信号の高調波に相当する周波数の信号を出力します。対象とする高調波(出力信号)の次数に応じ、ダブラ(2逓倍器)、トリプラ(3逓倍器)、クワドラプラ(4逓倍器)といった分類が行われます。4次よりも更に高次の逓倍器も存在します。

周波数を逓倍するためには、様々な種類の非線形素子が使用されます。例えば、ダイオード回路を利用するパッシブ逓倍器、トランジスタを利用するアクティブ逓倍器といった具合に分類されます。アクティブ逓倍器にはDCバイアスを供給する必要がありますが、パッシブ逓倍器と比べて数多くのメリットが得られます。例えば、変換ゲインが大きい、低い入力レベルで駆動できる、基本周波数とスプリアス周波数を大きく減衰できるといったことです。

周波数逓倍器は、PLLシンセサイザにおいて、VCOと組み合わせられることがよくあります。また、LOの信号経路でも広く使用されています。周波数を高めるためのシンプルで安価なソリューションですが、あらゆる周波数逓倍器は共通の欠点を抱えています。それは、位相ノイズが少なくとも20log(N)〔dB〕悪化するというものです。ここで、Nは逓倍率を表します。例えば、ダブラでは位相ノイズのレベルが少なくとも6dB増加します。このことは、高速ADC/DACに対するクロック供給など、位相ノイズとジッタの影響を受けやすいアプリケーションでは大きな問題になります3

周波数分周器とプリスケーラ

周波数分周器は、周波数の高い信号を受け取り、周波数の低い信号を出力します。現在、周波数分周器のほとんどは、バイナリ・カウンタやシフト・レジスタを使用したデジタル回路として実現されています。周波数分周器は、クロック分配回路やPLLシンセサイザの設計に広く採用されているほか、多くのアプリケーションで使われています。周波数分周器の中でも、固定分周比を備えるものはプリスケーラと呼ばれます。一方で、分周比をプログラムできるものも数多く存在します。分周比Nで分周を行うと、出力信号の位相ノイズを20log(N)〔dB〕改善することができます。但し、その改善の度合いは、周波数分周器自体で付加される位相によって制限されます。その位相は、アクティブ回路で発生し、出力に付加されます。優れた周波数分周器では、付加される位相が小さく、高調波成分も小さく抑えられます。これらは、周波数分周器の主要な特性として扱われています。

RFミキサー

基本的なRFミキサーは、3ポートのコンポーネントです。非線形の素子あるいは時間に応じて変化する素子を使用し、2つの入力信号の和と差の周波数を含む出力信号を生成します。一般に、RFミキサーはパッシブ・ミキサーとアクティブ・ミキサーに分けることができます。パッシブ・ミキサーは、ダイオードまたはFETトランジスタをスイッチとして使用して動作します。一方、アクティブ・ミキサーでは、トランジスタをベースとする回路を使用して周波数変換を実現します。パッシブ・ミキサーでは、広い帯域幅と高い直線性を得ることができます。DCバイアスの印加は不要であり、一般的にはアクティブ・ミキサーよりも優れたNFが得られます。但し、パッシブ・ミキサーでは変換損失が発生します。そのため、LOからは電力の大きい信号を供給しなければなりません。それに対し、アクティブ・ミキサーではゲインも実現できます。そのため、パッシブ・ミキサーを使う場合と比べると、LOの駆動レベルは大幅に低くても構いません。ダウンコンバータ/アップコンバータの設計では、パッシブ・ミキサーのコアとアクティブ・ミキサーの回路を組み合わせて使用します。それにより、NFや直線性を犠牲にすることなく変換ゲインを得ることができます4

ミキサーICとしては、様々な設計のものが製品化されています。最も基本的な設計を採用したものは、シングルエンド(不平衡型)ミキサーと呼ばれます。図3(a)に、ダイオードを使用したシングルエンド・ミキサーのトポロジを示しました。シングルエンド・ミキサーでは、非線形な素子を1つだけ使用して周波数変換を行います。そのため、図のようなシンプルなソリューションを実現できます。ただ、ポート間を十分に分離することができず、スプリアスのレベルが高いという欠点があります。一方、バランスド・ミキサーでは、回路の対称性を利用します。それによって、スプリアスによる性能の限界を克服します。バランスド・ミキサーは対称性の度合いに応じ、シングル・バランスド・ミキサー、ダブル・バランスド・ミキサー、トリプル・バランスド・ミキサーに分類することができます。図3(b)のシングル・バランスド・ミキサーは、90°ハイブリッドまたは180°ハイブリッドと組み合わせた2つの不平衡ミキサーで構成されています。この種のミキサーは、LOとRFの分離、RF/LO信号の抑圧、出力LOの偶数次高調波の除去といった面で優れた性能を発揮します。また、各種のダブル・バランスド・ミキサーを使用すれば、更に性能を高めることができます。図3(c)に示した一般的な例では、RFポートとLOポートの両方に、180°ハイブリッドと組み合わせたクワッド・リング構成のショットキー・ダイオードを適用しています。ダブル・バランスド・ミキサーは全般的に性能が高く、ポート間の分離、RF/LO信号の除去、RF/LOの偶数次高調波の抑圧といった面で優れた性能を発揮します。そのため、多くのRFミキサーICで採用されています5。トリプル・バランスド・ミキサーでは、より高い分離性能と直線性が得られます。トリプル・バランスド・ミキサーでは、2つのダブル・バランスド構成を組み合わせることで、より高いレベルの対称性を実現します。それにより、周波数変換処理は最適化されます。但し、回路が大幅に複雑になるという欠点があります。

図3. ミキサーのブロック図。(a)はシングルエンド・ミキサー、(b)はシングル・バランスド・ミキサー、(c)はダブル・バランスド・ミキサー、(d)はイメージ除去ミキサーのトポロジを表しています。
図3. ミキサーのブロック図。(a)はシングルエンド・ミキサー、(b)はシングル・バランスド・ミキサー、(c)はダブル・バランスド・ミキサー、(d)はイメージ除去ミキサーのトポロジを表しています。

I/Q(同相/直交)ミキサーは、上述したのとは別のカテゴリに属するバランスド・ミキサーです。この種のミキサーでは、位相のキャンセルを利用し、外付けフィルタを使用することなく、不要なイメージ信号を除去します。図3(d)に示すように、ダウンコンバージョン・モードではイメージ除去ミキサー(IRM:Image Reject Mixer)として使われます。一方、アップコンバージョン・モードでは単側波帯(SSB:Single Sideband)ミキサーとして動作させます。I/QミキサーICには、バッファ・アンプとドライバ・アンプも集積されることがあります。それらは、上記の動作モードのうち一方のみに対応するように設計され、それぞれI/QダウンコンバータI/Qアップコンバータというカテゴリに分類されます。I/Qミキサーは、I/Q変調器とI/Q復調器という別の種類の周波数変換ICと密な関係を持ちます。I/Q変調器とI/Q復調器は、ADC/DACと組み合わせるための高インピーダンスの差動ベースバンド・インターフェースを提供します。そうしたICは、ダイレクト・コンバージョン・トランシーバーのアプリケーションに最適です。また、集積度の高い最新RFトランシーバーICでは、コア部の構成要素としてそれらの回路が使われています6

もう1つのミキサーの例として、サブ高調波ミキサーにも触れておきましょう。この種のミキサーには、サブ高調波で励起されるLOが組み込まれています。外付けの周波数逓倍器を使うことなく、周波数の低いLOを使用して高周波の設計に対応できるシンプルなソリューションを提供します。

RFミキサーは、アクティブ技術やパッシブ技術を使用して様々な形で実装されます。また、RFミキサーに、PLL/VCO、アンプ、周波数逓倍器、アッテネータ、ディテクタなどのコンポーネントを統合し、1つのパッケージで提供することが可能です。その場合、高度なアーキテクチャを活用できるように、各機能を制御するためのデジタル・インターフェースが設けられます。

RFフィルタ

RFフィルタICは、ほぼすべてのRFアプリケーションで使用されます。その機能は、所望の周波数信号のみを通過させ、それ以外の周波数成分を減衰させることです。通常、信号には、シグナル・チェーンの非線形性が原因で発生する不要なスプリアス成分や外部からの帯域外信号の成分が含まれています。そこで、RFフィルタにより、通過帯域の周波数成分はなるべく減衰させることなく、阻止帯域の周波数成分を最大限に減衰させます。その結果、不要な信号成分が抑圧されます。図4に、一般的なフィルタの周波数応答を示しました。ご覧のように、ローパス・フィルタ(LPF)、ハイパス・フィルタ(HPF)、バンドパス・フィルタ(BPF)、帯域除去フィルタ(帯域阻止フィルタ)といったフィルタが存在します。なお、阻止帯域が狭い帯域除去フィルタはノッチ・フィルタとも呼ばれます。

ほとんどのRFアプリケーションでは、複数の周波数帯を対象としてフィルタ処理を行う必要があります。そのような処理には、スイッチド・フィルタ・バンクを使用することで対応できます。スイッチド・フィルタ・バンクは、固定帯域幅の複数のフィルタと複数のスイッチを1つのモジュールに組み込んだものです。阻止帯域の除去機能、線形なダイナミック・レンジ、スイッチング速度といった面で優れた性能が得られるよう設計されます。但し、従来のスイッチド・フィルタ・バンクには帯域選択機能の面で限界がありました。また、通常は大型で高コストの製品になります。このような問題を解消したものが、アナログ・チューニング機能やデジタル・チューニング機能を提供する小型のチューナブル・フィルタICです。この種のICは、マルチバンドの動作が必要な多くのアプリケーションにおいて、固定的なスイッチド・フィルタ・バンクに代わる魅力的な選択肢になっています。アナログのチューナブル・フィルタでは、電圧によって中心周波数やカットオフ周波数を制御します。一方、デジタルのチューナブル・フィルタでは、デジタル制御インターフェースを介して所望の特性を設定します。チューナブル・フィルタは、卓越した通過帯域性能、優れた阻止帯域性能、広いチューニング範囲、高速なセトリング時間といった特徴を備えています。そのため、様々なRFアプリケーションの厳しい要件を満たすことが可能です。

図4. RFフィルタの周波数応答。(a)はLPF、(b)はHPF、(c)はBPF、(d)は帯域除去フィルタを表しています。
図4. RFフィルタの周波数応答。(a)はLPF、(b)はHPF、(c)はBPF、(d)は帯域除去フィルタを表しています。

RFスイッチ

RFスイッチは、シグナル・チェーンを通過する高周波信号の経路を決める制御用のコンポーネントです。PINダイオード、FET、マイクロマシニングによるカンチレバー・ビームなど、様々な種類のスイッチング素子を使って構成されます。スイッチング素子の配置方法によって、様々な極数や投数を実現可能です。ここで、極数とはスイッチによって制御される独立した回路の数を表します。一方の投数は、極ごとに選択できる独立した出力パスの数です。例えば、単極n投(SPnT)のスイッチでは、1つの入力信号を、n個の出力のうちどれかに接続するという制御が行えます。代表的な単極単投(SPST)のスイッチであれば、1つの入力信号を1つの出力に接続するか否かという制御が行われます。言い換えれば、単純なオン/オフ機能が実現されるということです。図5(a)に示したのは、単極双投(SPDT)スイッチの概念図です。このスイッチでは、1つの入力を2つの出力のうちどちらにつなぐかという制御が行われます。図5(b)に示したのは、単極4投(SP4T)スイッチです。この場合、入力信号を4つの出力パスのうちいずれかに接続します。図5(c)のような複数の極を備えるスイッチも構成できます。この種のスイッチは、転送スイッチとも呼ばれます。双極双投(DPDT)スイッチは、2つの出力パスのうちいずれか一方に接続できる2つの独立した回路を備えています。

RFスイッチの設計では、より低次のスイッチを複数組み合わせて、より複雑なトポロジを実現することができます。そうしたICは、スイッチ・マトリクスあるいはクロスポイント・スイッチと呼ばれます。それらを使えば、複数の入力と複数の出力の間でRF信号の経路を柔軟に切り替えられます。

図5. RFスイッチの概念図。(a)は吸収型のSPDTスイッチ、(b)は反射型のSP4Tスイッチ、(c)は転送スイッチとその真理値表です。図中のRFCはRF対応の共通ポート、CTRLは制御電圧ポートを表しています。
図5. RFスイッチの概念図。(a)は吸収型のSPDTスイッチ、(b)は反射型のSP4Tスイッチ、(c)は転送スイッチとその真理値表です。図中のRFCはRF対応の共通ポート、CTRLは制御電圧ポートを表しています。

具体的な構成に依らず、スイッチは反射型スイッチと吸収型スイッチ(無反射型スイッチ、終端スイッチとも呼ばれます)に分類することができます。図5(a)に示すように、吸収型スイッチにはオフの状態の出力ポートを終端するための整合負荷が組み込まれています。この点が反射型スイッチとは異なります。そのような仕組みにより、電圧定在波比(VSWR:Voltage Standing Wave Ratio)を最小限に抑えることができます。また、吸収型スイッチでは、両方のスイッチ・モードで良好なリターン・ロスを維持することが可能です。これは、反射型スイッチでは実現できません。但し、この仕組みを盛り込むことで、反射型スイッチと比べて電力の処理能力が低くなります。また、回路もより複雑になります。

RFスイッチICは、様々な技術によって実装できます。例えば、シリコン系半導体のCMOSやSOI、化合物半導体のGaAsやGaN、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)などが使われています78。それぞれの技術には、周波数範囲、電力の処理能力、絶縁性、挿入損失、スイッチング速度、セトリング時間といった主要な性能指標の間にトレードオフがあります。例えば、GaAsは高温の条件下でも高い性能を発揮できますし、GaNは大電力のアプリケーションで広く使用されています。一方、シリコン系半導体は、セトリング時間、集積度、低周波特性、ESD(Electro Static Discharge)耐性などの面で優れています7。他方、MEMSを使えば、小型のCSPを採用したマイクロメカニカル・リレーを実現することができます。MEMS技術では、スイッチング速度、有限のサイクル寿命、ホットスイッチングの制限とのトレードオフにより、高い直線性、優れた電力の処理能力、高精度のDC性能を実現可能です。

RFアッテネータ

RFアッテネータは、アンプとは逆の機能を実現するものだと言えます。つまり、RF信号を減衰させる役割を果たします。シグナル・チェーンでゲインを調整し、信号レベルのバランスをとるための制御コンポーネントとして使用されます。通常、RFアッテネータICは吸収型(透過型)のデバイスとして実現されています。RFアッテネータは大きく2つに分けることができます。減衰レベルが変化しない固定型のアッテネータと減衰レベルを調整可能な可変アッテネータの2つです。離散的な減衰レベルを実現できる可変アッテネータICは、デジタル・ステップ・アッテネータ(DSA:Digital Step Attenuator)と呼ばれます。通常、DSAは信号の粗いキャリブレーションに使用されます。つまり、既定のステップ・サイズに限定したキャリブレーションを適用する場合に使われます。信号の微調整を行いたい場合には、可変電圧アッテネータ(VVA:Voltage Variable Attenuator)が使用されます。DSAとは異なり、VVAでは減衰レベルを連続的に調整することができます。つまり、所定の範囲内で任意の減衰量を設定することが可能です。RFアッテネータは、動作周波数範囲の全体にわたって良好なVSWRを発揮し、平坦な減衰性能を備えていなければなりません。DSAでは、状態遷移の最中に信号の歪みを抑えられるよう、グリッチのない動作を実現することも求められます7

RFディテクタ

基本的なRFディテクタICは2ポートのデバイスです。入力されたRF信号の電力に比例する電圧信号を出力します。ディテクタには、ディスクリートのダイオードを使用して実装されるものがあります。それとは異なり、RFディテクタICはすぐに役立つ多くの長所を備えています。例えば、広い温度範囲に対して安定した出力電圧が得られます。また、デバイスのキャリブレーションが容易です。更に、ADCに直接接続できるバッファ付きの出力が提供されます9。最も一般的なRFディテクタICはスカラ・ディテクタです。これは、RF信号の電力の大きさを測定する必要がある多様なアプリケーションで使用されています。スカラ・ディテクタは、RMSパワー・ディテクタ、ログ・ディテクタ、エンベロープ・ディテクタなどに細分化されます。

RMSパワー・ディテクタは、入力されたRF電力の正確なRMS値を出力します。そのRMS出力は線形応答のDC電圧となります。同じRMSパワー・ディテクタでも、ログRMSディテクタと呼ばれる製品はdB単位のRMS出力に対応します。つまり、入力されたRF電力が変化すると、それに応じて線形に出力電圧(dB値)が変化します。どちらのRMSパワー・ディテクタも、高速な応答を必要としないアプリケーションで使用されます。経時的に変化し、クレスト・ファクタの高い複雑な変調信号の電力を測定する用途に最適です。通常は、平均電力のモニタリング、送信信号強度指示(TSSI:Transmitter Signal Strength Indication)、受信信号強度指示(RSSI:Received Signal Strength Indication)、AGCに使用されます。

ログ・ディテクタ(ログ・アンプとも呼ばれます)は、入力されたRF信号のリニア‐ログ変換を行いDC電圧を出力します。連続圧縮方式により、ダイナミック・レンジが非常に広い動作が実現されます。具体的には、ディテクタにカスケード接続されたリミット・アンプを使用し、その出力をカスケード型トポロジの出力段で加算します。入力電力が増加すると、多段に接続されたアンプが1つずつ飽和状態に移行し、対数関数の近似値が生成されます。ログ・ディテクタは、RSSIや、RF信号に対する入力保護など、広いダイナミック・レンジが求められるアプリケーションに最適です。

連続検出ログ・ビデオ・アンプ(SDLVA:Successive Detection Logarithmic Video Amplifier)は、やや特殊なログ・ディテクタです。周波数応答が平坦で、立上がり時間、立下がり時間、遅延時間が短いことを特徴とします。このことから、瞬時周波数測定、方向探知レシーバー、電子諜報など、超高速な動作が求められるアプリケーションに適しています。

エンベロープ・ディテクタ(ピーク・ディテクタ、AMディテクタとも呼ばれます)ICは、RF入力信号の瞬時振幅に比例したベースバンド電圧を出力します。通常は、スイッチングが高速なショットキー・ダイオードを使用して構成されます。ダイナミック・レンジが狭く、非常に短い応答時間が求められるアプリケーションに最適です。具体的な用途としては、PAのバイアス制御における高効率のエンベロープ追跡、PAの線形化、高速のRF過電力保護、高分解能のパルス検出、I/Q変調器のLOリークの補正などが挙げられます。

ディテクタICには、スカラ・ディテクタとは異なるもう1つのカテゴリがあります。それは、ベクトル電力測定用のICとして知られるものです。この種の製品は、スカラ電力測定機能よりも高度な機能を備えています10。振幅、位相、伝送経路に沿った進行方向(順方向と逆方向)など、信号に関する複数のパラメータの測定が行えます。散乱パラメータのインライン測定を行いたい場合に最適です。具体的には、ワイヤレス・トランスミッタのアンテナの調整、モジュラー・システムの自己診断、材料の分析などの用途が挙げられます。

まとめ

本稿では、RFシグナル・チェーンを構成するために使われる重要なビルディング・ブロックについて説明しました。各種の機能を実現するICの分類を示し、それぞれについて解説を加えました。但し、本稿で取り上げたのは、より多様化が進むRFコンポーネントの一部にすぎません。RFシステムが複雑になるにつれ、完全なシグナル・チェーンを構築するためには、より多様なソリューションが提供される必要があります。また、複数の機能ブロックを同一のパッケージや1つのダイに統合した新たな種類の製品が生み出されることもあります。例えば、ミキサー、PLL、VCO、アンプ、ディテクタなどのコンポーネントを集積し、非常に高度な機能を小型のフォーム・ファクタで提供するといった具合です。そうした製品を採用すれば、設計の簡素化、消費電力の削減、コストの低減、開発サイクルの短縮を実現できます。

アナログ・デバイセズは、業界で最も多様なRF IC製品群を提供しています。それらによって、DCから100GHz以上までの周波数範囲を網羅しています。また、シグナル・チェーンに必要なほぼすべての機能ブロックを市場に投入しています11。具体的には、アンプ、ミキサー、フィルタなどの標準的なICから、ミックスド・シグナル・アナログ・フロント・エンドやSiP(System in Package)ソリューションまで多彩な製品を開発済みです。いずれの製品についても、完全なサブシステムであることを確認するために、徹底したテストと検証が行われています。アナログ・デバイセズの製品は、クラス最高レベルの性能を発揮します。通信システム、産業用システム、試験装置、計測器、航空宇宙システムなど、最も要件の厳しいRFアプリケーションに対応できます。また、そうしたアプリケーションの開発プロセスに携わるRF技術者向けに、アナログ・デバイセズは様々な支援を提供しています。具体的には、各種の設計ツール、ラピッド・プロトタイピング用のプラットフォーム、リファレンス設計(Circuits from the Lab®)、テクニカル・フォーラム(EngineerZone®)、世界トップ・レベルの技術サポートなどが挙げられます。

参考資料

1 Ian Collins、David Mailloux「周波数合成の革命と進化:性能の向上、サイズの小型化、設計サイクルの簡略化にPLL/VCO技術が果たした役割」Analog Devices、2020年1月

2 Jim Surber、Leo McHugh「Single-Chip Direct Digital Synthesis vs. the Analog PLL(1チップのダイレクト・デジタル・シンセサイザとアナログPLLの比較)」Analog Dialogue、Vol. 30、No. 3、1996年7月

3 Hittite Microwave Corp「Active Multipliers and Dividers to Simplify Synthesizers(シンセサイザを簡素化するアクティブ逓倍器/分周器)」Microwave Journal、2002年11月

4 Thomas Schiltz、Bill Beckwith、Dong Wang、Doug Stuetzle「Passive Mixers Increase Gain and Decrease Noise When Compared to Active Mixers in Downconverter Applications(パッシブ・ミキサーのゲイン向上とノイズ低減、ダウン・コンバータ・アプリケーションにおけるアクティブ・ミキサーと比較する)」 Analog Devices、2010年10月

5 David M. Pozar「Microwave Engineering, 4th edition(マイクロ波工学 第4版)」Wiley、2011年

6 Abhishek Kapoor、Assaf Toledano「周波数ミキシング部品を取り巻く状況の変化」Analog Devices、2016年9月

7 Bilge Bayrakci「RF and MW Control Products in Silicon(RF/マイクロ波の制御に対応するシリコン・ベースの製品)」Analog Devices、2016年3月

8 Eric Carty、Padraig Fitzgerald、Padraig McDaid「アナログ・デバイセズの革新的MEMSスイッチ技術の基礎」Analog Devices、2016年11月

9 Eamon Nash「集積化ダイオードベースRFディテクタの理解、動作、およびインターフェーシング」Analog Devices、2015年11月

10 Eamon Nash、Eberhard Brunner「2つのRMS検出器を備えた双方向ブリッジIC、RF電力と反射損失の測定に対応」Analog Dialogue、Vol. 52、No. 2、2018年5月

11RF/マイクロ波/ミリ波IC  セレクション・ガイド」Analog Devices、2020年8月

著者

Anton Patyuchenko

Anton Patyuchenko

Anton Patyuchenkoは、アナログ・デバイセズでフィールド・アプリケーション部門を担当するテクニカル・リーダーです。2015年に入社しました。RF分野で15年以上の経験を持つスペシャリストとして、同分野に関連する業務に注力しています。2007年にミュンヘン工科大学でマイクロ波工学の理学修士号を取得。卒業後は、ドイツ宇宙航空センター(DLR)のマイクロ波/レーダー研究所で研究職に就いていました。