2つのRMS検出器を備えた双方向ブリッジIC、RF電力と反射損失の測定に対応

RF電力の検出を伴うアプリケーションでは、方向性カプラ(Directional Coupler)がよく使用されます。各アプリケーションにおいて、シグナル・チェーン上の複数個所に適用されることも少なくありません。本稿では、アナログ・デバイセズの新製品「ADL5920」を紹介します。これは、広帯域に対応する方向性ブリッジをベースとしたカプラに、2つのRMS(Root Mean Square)応答検出器を組み合わせて、5mm × 5mmの表面実装パッケージに収めたものです。従来のディスクリート構成の方向性カプラでは、特に1GHz未満の周波数において、サイズと帯域幅の間のトレードオフが問題になっていました。ADL5920は、従来品をはるかに上回るメリットを提供します。

一般に、伝送路上のRF電力と反射損失は、方向性カプラとRF電力検出器を使用して測定されます。

図1に示したのは、送信/反射されたRF電力を監視する無線アプリケーションやテスト&計測アプリケーションにおける双方向カプラの使用例です。システムにRF電力の監視機能を組み込みたいケースは少なくありません。その例としては、送信パスにおいて、複数の信号源を(RFスイッチまたは外付けケーブルによって)切り替えて接続するケースが挙げられます。

Figure 1
図1 . R Fシグナル・チェーンにおける順方向電力と反射電力の測定

方向性カプラは、入射RF電力と反射RF電力を区別できるという重要な性質を備えています。入射RF信号が、順方向のパスにおいてカプラを通って負荷へと向かうとします(図2)。このとき、RF電力のごく一部(通常は、入射信号よりも10dB~20dB低い信号)がカップリングされ、RF検出器が駆動されます。順方向電力と反射電力の両方を測定する場合には、順方向パス用のカプラとは方向が逆のもう1つのカプラを使用します。2つの検出器からの出力電圧信号のレベルは、順方向と逆方向のRF電力に比例します。

Figure 2
図2 . 方向性カプラとR F検出器を用いた一般的なR F電力測定システム

表面実装型の方向性カプラには、帯域幅とサイズの間に本質的なトレードオフが存在します。1オクターブの周波数範囲(つまり、FMAXがFMINの2倍)に対応する双方向の方向性カプラは、6mm2という小さなパッケージで一般的に提供されています。それに対し、マルチオクターブに対応する表面実装型の方向性カプラは、それよりもかなり大きなものになります(図3)。広帯域に対応するコネクタ付きの方向性カプラであれば、マルチオクターブの周波数範囲にも対応します。ただ、その種のカプラは、表面実装型のものよりもはるかに大型です。

Figure 3
図 3 . コネクタ付きの方向性カプラ、表面実装型の方向性カプラ、ADL5920 の評価用ボード。ADL5920 は方向性ブリッジと2 つのRMS検出器を備えるI Cです。

図3 には、ADL5920 の評価用ボードも示しています。ADL5920(RFコネクタの間に配置されています)は、60dBもの検出範囲を備えています。5mm × 5mmのMLFパッケージに収められた新たなRF電力検出用ICです。図4に、ADL5920のブロック図を示しました。

Figure 4
図4 . ADL5920 のブロック図

ADL5920では、方向性カプラによって順方向信号と反射信号を検出するのではありません。そうではなく、特許取得済みの方向性ブリッジ技術を利用します。それにより、オンチップで、広帯域に対応するコンパクトな信号カップリングを実現することが可能になります。方向性ブリッジの動作の仕組みを理解するために、基本に立ち返ってホイートストン・ブリッジの仕組みをおさらいしておきましょう。

ホイートストン・ブリッジ

方向性ブリッジの概念は、平衡時に差動電圧がゼロになるホイートストン・ブリッジをベースとしています(図5) 。ホイートストン・ブリッジにおいて、一方のレグのうち1つの抵抗の値は可変(R2)です。残りの抵抗のうち2つ(R1とR3)の値は固定されています。抵抗としてはR1、R2、R3、Rxの計4つが存在し、Rxの値は不明です。R1 = R3のとき、R2とRxが等しければVOUT = 0Vとなります。可変抵抗の値が正しく設定され、ブリッジの左側と右側の分圧比が等しくなったら、ブリッジは平衡状態に入ったことになります。そのとき、測定の対象となるノード間の電位差を表す出力電圧VOUTの値はゼロになるということです。

Figure 5
図5 . ホイートストン・ブリッジ

単方向ブリッジ

図6に示したのは、単方向ブリッジの回路図です。これは、この種のデバイスの基本的な動作を的確に表すものだと言えます。まず、方向性ブリッジは、特定のZoに対して設計する必要があります。また、挿入損失は最小限に抑えなければなりません。RS = RL = R = 50Ωであれば、ブリッジの検出抵抗は5Ωになります。これであれば、挿入損失(<1dB)と信号の検出の間でまずまずのバランスがとれていると言えます。負荷から逆算してROUTを計算すると、ポートのインピーダンスはちょうど50 Ωになります。RINを計算すると、ポートのインピーダンスは50.8Ωです(|Γ| = 0.008、RL = -42dB、VSWR = 1.016)。図に示すように、RFIPに信号を印加すると、RINは約50Ωなので、RFIPの電圧はソース電圧の約1/2になります。ここで、RFIPの電圧が1Vであるとすると、RFOPの電圧は約0.902Vになります。

この電圧は、さらに0.909倍(= 10/11)減衰されます。差動アンプの反転入力は0.82Vとなり、差動電圧は(1 - 0.82) = 0.18Vになります。このブリッジの実質的な順方向カップリング係数Cplは、次のようになります。

Equation 1

ブリッジにおける平衡状態では、次のようになります。まず、信号が逆方向(RFOPからRFIP)に印加される場合、VFWDの検出器(またはCplのポート)によって観測される差動電圧は、理想的にはゼロになります。また、信号が順方向(RFIPからRFOP)に印加される場合には、最大の信号が観測されます。このような構造において最大限の方向性を実現するには、精度の高い抵抗を使用することが何よりも重要です。そのため、抵抗を集積することにはメリットがあります。

単方向ブリッジにおいて、反射損失の計算に必要な絶縁性を確認するには、デバイスを逆にして入力信号をRFOPに印加します。その場合、ブリッジは平衡状態になり、差動アンプの非反転入力と反転入力の電圧は等しくなります。分圧比が等しく0.909 = (10R/(10R + R) = (R/(R +0.1R))であることから、差動電圧が(V+ - V-) = 0Vとなるということです。

Figure 6
図6 . 単方向ブリッジの概略回路図

双方向ブリッジ

図7は、双方向ブリッジの回路図です。ADL5920はこれに似た回路を備えています。50 Ωの環境における単位抵抗Rは50 Ωです。したがって、図7のブリッジの検出抵抗の値は5 Ωで、2つのシャント回路の抵抗値はそれぞれ約1.1kΩとなります。

この回路には対称性があるので、RSとRLも50 Ωである場合、入力抵抗RINと出力抵抗ROUTは50 Ωに近い等しい値になります。

ソース・インピーダンスと負荷インピーダンスがどちらも50 Ωである場合、内部回路の抵抗について解析することにより、VFWDはVREVと比べてかなり大きくなることがわかります。実際のアプリケーションでは、これはソースから負荷への最大電力伝送に相当します。この場合、反射電力は小さくなり、VREVは非常に小さくなります。

次に、RLの値が無限大(オープン・サーキット)またはゼロ(負荷の短絡)の場合に何が起きるのか考察しましょう。どちらの場合も、抵抗の解析を再度行うと、VFWDとVREVがほぼ等しいことがわかります。これは、実際のシステムでオープン・サーキットや負荷の短絡が生じると、順方向電力と反射電力の値が等しくなるという意味です。以下では、そうした状況についてさらに詳しく分析してみます。

Figure 7
図7 . 双方向ブリッジの概略回路図

VSWRと反射係数

回路の解析の中でも、誤差についての完全な解析は非常に複雑で難易度が高いと言えます。そのレベルは、本稿のカバー範囲を超えているので、ここでは一部の基本的な概念について簡単に説明するにとどめます。詳細については、Marki Microwaveのアプリケーション・ノート「Directivity and VSWR Measurements」1をご覧ください。

伝送線路上の電圧/電流に関する重要な概念に進行波があります。これは、位置と時間の関数として表されます。伝送線路上の電圧と電流の一般解は、順方向進行波と逆方向進行波から成ります2。それらは、いずれも距離xの関数になります。

Equation 2
Equation 3

式(2)と式(3)において、V+(x)は負荷に向かって進行する電圧波、V-(x)は不整合に起因して負荷から反射する電圧波です。Z0は、伝送線の特性インピーダンスを表します。損失のない伝送線の特性インピーダンスは、古くから知られている以下の式で定義されます。

Equation 4

伝送線の特性インピーダンスとして最も一般的な値は50Ωです。伝送線がその特性インピーダンスによって終端されている場合、50 Ωのソースからは、伝送線は無限に続くかのように見えます。伝送線路上を進行する電圧波は反射せず、ソースや伝送線路上のその他の場所で反射波は検出されないからです。ただ、負荷が50 Ωでない場合には、伝送線に沿って定常波が生成されます。この定常波は検出可能なものであり、電圧定在波比(VSWR)によって定義されます。

一般に、反射係数は次のように定義されます。

Equation 5

ここで、Γ0は負荷反射係数、γは伝送線の伝搬定数です(以下参照)。

Equation 6
Equation 7
Equation 8

R、L、G、Cはそれぞれ伝送線の単位長当たりの抵抗、インダクタンス、コンダクタンス、容量です。

反射損失RLは、反射係数ΓをdB単位で表し、符号を逆にしたものです。反射係数と反射損失はよく混同され、区別なく使われるケースが少なくありません。そこで、これらについて明確に示しておきます(以下参照)。

Equation 9

上記の負荷の不整合に加えて、反射損失にはもう1つ非常に重要な定義があります。それは、インピーダンスの不連続部における入射電力と反射電力の関係によって反射損失を表すというものです(以下参照)。

Equation 10

この定義は、アンテナの設計で広く使用されています。VSWR、RL、Γ0の関係は次のとおりです。

Equation 11
Equation 12
Equation 13

式(14)と式(15)は、定常波の最大電圧と最小電圧を表すものです。VSWRは、定常波に沿った最大電圧と最小電圧の比として定義されます。伝送線路上のピーク電圧と最小電圧は、それぞれ次のようになるということです。

Equation 14
Equation 15

例えば、50Ωの伝送線において、順方向に進行する電圧信号のピーク振幅がA = 1であるとします。伝送線が完璧に整合する負荷で終端されている場合には、|Γ0| = 0となります。定常波は生じず(VSWR = 1.00)、伝送線路上のピーク電圧はA = 1となります。しかし、RLOADが100Ωまたは25Ωの場合、|Γ0| = 0.333、RL = 9.542 dB、VSWR = 2.00となり、|V(x)|max = 1.333、|V(x)|min = 0.666となります。

図8は、図7と同じものです。ただ、デフォルトの順方向の構成における信号と、負荷のリファレンス・プレーンにおける電力の進行波に関する情報を書き込んであります。物理的な構造に対して波長が長くなる低い周波数では、電圧と電流の位相が一致します。そのため、オームの法則に基づいて回路の解析を行うことができます。

Figure 8
図8. 双方向ブリッジの概略回路図。信号についての情報も書き込んであります。

ポートについては、RFIPの入力ポート( ポート1 )、RFOPの出力ポート(ポート2)、VFWDにおける結合ポート( ポート3) 、VREVにおける絶縁ポート( ポート4) として定義されています。この回路は対称構造なので、信号がZLで反射するか、RFOPに印加される場合には、ポートの定義は逆になります。

整合のとれる負荷で終端し、ジェネレータからの電圧をポート1(RFIP)に接続します。ZS = ZL = Z0 = R = 50Ωである場合には、以下に示す関係が成り立ちます。

Equation 16
Equation 17

ここで、VL/VS+は挿入損失LI(dB単位ではIL)です。

Equation 18

メインのラインには0.1 × Rの抵抗が配置されています。その両端にある2つのシャント・レグの減衰係数は次のとおりです。

Equation 19

図8に示した|VREV|と|VFWD|の式から、信号を順方向に印加した場合の両電圧の値を計算できます。各式は、概略回路図が抱える根本的な方向性の限界を示しています。その限界は、絶縁ポートにおける除去比が33dBで、理想とは異なることに起因しています。

Equation 20

図8から、線形領域における双方向ブリッジの方向性は、次の式で求められます。

Equation 21

この式から、方向性を高めるには、αが挿入損失LIと等しくなければならないことがわかります。

一般に、ICにおいて、ピークの方向性はこの概略回路図に示されている値よりも高くなります(図9)。

ZLがZOと等しくない場合(通常は等しくありません)、結合ポートと絶縁ポートの電圧(複素数になります)は、次のようになります。

Equation 22

 

Equation 23

ここで、VS+はポート1( ノードVS) における順方向電圧、VL-はポート2(ノードVL)における負荷からの反射電圧です。Θは反射信号の未知の位相で、次の関係があります。

Equation 24

式(24)のVL-を式(22)と(23)に代入し、式(21)を使用して結果を簡素化します。その上で、次の関係を適用します。

Equation 25

すると、以下のように複素出力電圧が求められます。

Equation 26
Equation 27

式(26)と式(27)から、DL>>1の場合に以下の関係が成立することがわかります。

Equation 28

ADL5920において、VREVとVFWDの電圧はVRMSRとVRMSFの電圧にマッピングされます。VRMSRとVRMSFは、dB単位ではそれぞれ(VISO/VSLP)と(VCPL/VSLP)です。このマッピングは、60dBの測定範囲を備えるLinear-in-dBのRMS検出器を2つ使うことで実現されます。ADL5920の差動出力VDIFFは、dB単位では以下のようになります。

Equation 29

ここで、VSLPは検出器のスロープであり、その値は約60mV/dBです。

式(29) の電圧からdBへのマッピングを式(28) に適用します。

Equation 30

また、式(9)を式(30)に適用すると、次のようになります。

Equation 31
Equation 32
Figure 9
図9 . ADL5920 における方向性と周波数の関係。入力レベルは20dBmです。

図10は、ADL5920が順方向に駆動される際の順方向電力を検出するRMS検出器の応答を示したものです。各曲線は、特定の電力レベルを印加した場合の出力電圧と周波数の関係を表しています。10MHzまでのグラフを示していますが、低周波側については9kHzでの動作が確認されています。図11は、同じデータを基に出力電圧と入力電力のグラフとしてプロットしたものです。各曲線は異なる周波数に対応しています。

Figure 10
図1 0 . 順方向のパスに対応する検出器の出力電圧と周波数の関係。入力電力レベルを変化させた場合の結果をプロットしています。
Figure 11
図11 . 順方向のパスに対応する検出器の出力電圧と入力電力の関係。周波数を変化させた場合の結果をプロットしています。

ADL5920のRFOUTピンが50Ωの抵抗で終端されている場合、反射信号は発生しないことになります。したがって、逆方向のパスの検出器が逆方向の電力を検出することはないはずです。しかし、現実の回路の方向性は理想状態とは異なり、周波数に伴って低下します。そのため、実際にはいくらかの信号が逆方向のパスで検出されます。図12に示したのは、RFINを横軸とし、RFOUTを5 0 Ωの抵抗で終端して、順方向/逆方向の検出器で500MHzにおける電圧を測定した結果です。2本の曲線の垂直方向のずれは、ブリッジの方向性と直接的な関係にあります。

Figure 12
図12 . 500 MHz におけるVRMSFとVRMSRの出力電圧と入力電力。ブリッジはRFINによって駆動されており、RFOUTは50 Ω の抵抗で終端されています。

図13は、負荷を変化させた場合に、順方向電力の測定値に現れる影響を示したものです。定められた電力レベルをRFINに印加し、RFOUTの負荷による反射損失を0dB~20dBの範囲で変更しました。予想どおり、その場合の電力測定ではかなり高い精度が得られます。しかし、反射損失が10dBを下回ると、その誤差が増大し始めます。とはいえ、反射損失が0dBとなっても、誤差はわずか1dBの範囲内に収まります。この点は注目に値します。

Figure 13
図13 . 負荷による反射損失と順方向電力の関係。印加電力を変化させつつ、1GHzにおいて測定した結果です。

図14は、ADL5920を使用して負荷による反射損失を1GHzにおいて測定した結果です。既知の反射損失がRFOUTのポートに適用されています。VRMSFとVRMSRを測定し、反射損失を逆算しています。

Figure 14
図14 . 負荷による反射損失と反射損失の測定値の関係。印加電力を変化させつつ、1GHzにおいて測定した結果です。

このグラフには、いくつか特筆すべき点があります。まず、ADL5920が備える反射損失の測定能力は、反射損失が増大すると共に低下します。これは、デバイスの方向性に起因する性質です。また、測定精度は駆動電力の低下と共に劣化します。これは、ADL5920が備えるRMS検出器の検出範囲と感度に制限があるためです。もう1つの特徴は、トレースの顕著なリップルに関するものです。これは、反射損失の1つのフェーズで各測定を行ったことに起因するものです。反射損失のすべてのフェーズで測定を繰り返した場合には、曲線集合が得られます。その垂直幅はリップルの垂直幅にほぼ等しくなります。

アプリケーション

ADL5920を使えば、伝送路でRF電力と反射損失を測定することができます。そのため、同ICは多様なアプリケーションで活用することが可能です。小型であることから、占有面積を抑えつつ回路に適用することができます。典型的な活用例としては、回路内の最大30dBmのRF電力を監視する用途が挙げられます。その場合、挿入損失は重要ではありません。反射損失の測定は、RF負荷を監視するアプリケーションで一般的に行われます。アンテナの故障や破損(壊滅的な破損)をチェックするために簡単な回路が使用されるケースがあります。ADL5920を使用すれば、材料分析の用途においてスカラー反射損失を測定することも可能です。この機能は、方向性(つまり測定精度)が15dBよりも高くなる約2.5GHz未満の周波数に対して最も適しています。

ADL5920の評価用ボードは、図15に示すように、2つのフォーム・ファクタで提供されています。左は従来型の評価用ボードであり、検出器の出力電圧を、SMAコネクタとクリップ・リードを使って観測することができます。この評価用ボードには、FR4基板における挿入損失のキャリブレーションに使用可能なキャリブレーション・パスも含まれています。

右側の評価用ボードは、4チャンネルの12ビットA/Dコンバータ「AD7091R-4」などのICも搭載しています。この評価用ボードは、USBに対応するアナログ・デバイセズのコントローラ・ボード「SDP-S」に接続可能です。また、RF電力と反射損失を計算して、基本的な電力キャリブレーション機能を実行するためのPCベースのソフトウェアが付属しています。

Figure 15
図15 . A D L 5 9 2 0 の評価用ボード

参考資料

1 Doug Jorgesen、Christopher Marki「Directivity and VSWR Measurements: Understanding Return Loss Measurements(方向性とVSWRの測定:反射損失の測定法を理解する)」Marki Microwave, 2012年

2 Guillermo Gonzalez「Microwave Transistor AmplifiersAnalysis and Design(マイクロ波対応のトランジスタ・アンプの解析と設計)」Prentice-Hall, 1984年

3 Eamon Nash「Understanding, Operating, and Interfacingto Integrated Diode-Based RF Detectors(集積されたダイオードをベースとするRF検出器の理解、操作、インターフェース)」 Analog Devices, 2015年11月

謝辞

思慮に富んだ議論と建設的な意見を提供してくれたSteve Boyle氏と、評価用ボードを製作してくれたRob Hicks氏に感謝します。また、測定を担当してくれたPeter Kearney氏にも深く感謝します。

著者

Eamon Nash

Eamon Nash

Eamon Nashは、アナログ・デバイセズのプロダクト・アプリケーション・ディレクタです。様々な現場や工場で、ミックスド・シグナル製品、高精度製品、RF製品に関する業務に携わってきました。現在は、衛星通信/レーダーなどで使用されるRFアンプやビームフォーマ製品に注力しています。アイルランドのリムリック大学で電子工学の学士号を取得。5件の特許を保有しています。

Eberhard Brunner

Eberhard Brunner

Eberhard Brunnerは、アナログ・デバイセズのシニア設計技術者です。1988年にカリフォルニア大学バークレー校で電気工学の学士号、1995年にオレゴン科学技術大学院で電気工学の修士号を取得しています。サンタクララ大学も卒業しています。カリフォルニア大学バークレー校を卒業した後、マイクロ波による無線技術を手掛けるHarris Farinonでモデムの設計技術者として勤務しました。1991年にオレゴン州に移り、アナログ・デバイセズのノースウエスト研究所に入所しました。同研究所では、アナログ・デバイセズのフェローであるBar r ieGilbertの直属の部下として勤務しました。それ以降、技術者、アプリケーション・エンジニアとして、製品のエンジニアリング・サポートやマーケティング、設計などの業務に従事してきました。専門分野は、非線形アナログ回路の設計、RF電力の検出、医療用イメージング、マイクロ波に関する設計です。現在は、カリフォルニア州サンタバーバラにあるPoE(Power over Ethernet)設計グループに所属しています。10件の特許を保有しています。