LT8355-1

評価用ボードEVAL-LT8355-1-AZは、LT8355-1を搭載した高電圧デュアルLEDコントローラです。チャンネル1は昇圧LEDドライバとして、チャンネル2は昇降圧モードLEDドライバとして組み立てられています。どちらのチャンネルも、FBネットワークとLED接続を調整することで、昇圧LEDドライバまたは昇降圧モードLEDドライバに変更できます。入力が8V～18Vの場合、EVAL-LT8355-1-AZはチャンネルごとに1列のLEDを駆動します。チャンネル1は、450mAで最大72VのLEDを駆動し、チャンネル2は、1Aで最大30VのLEDを駆動します。EVAL-LT8355-1-AZは、立下がりが6.2V、立上がりが7.5Vに設定された低電圧ロックアウト（UVLO）を備えています。EVAL-LT8355-1-AZは、PWM調光、アナログ調光、シャットダウン、LEDの断線や短絡に対する故障保護と通知機能を備えています。

EVAL-LT8355-1-AZは250kHzのスイッチング周波数で動作し、EMI放射を低減するためにスイッチング周波数を250kHz～310kHzに変調させるスペクトラム拡散周波数変調（SSFM）機能を備えています。スペースとコストを節約するために、小型セラミック入出力コンデンサが使用されています。100Vの高電圧外付けパワー・スイッチと100Vのキャッチ・ダイオードを、チャンネル1では最大32Wの昇圧出力用に、チャンネル2では最大30Wの昇降圧モード出力用に使用します（組み立て時）。オープンLED過電圧保護（OVP）では、LEDストリングがオープンになると、ICの定電圧レギュレーション・ループを使用してLED+～LED–の電圧を、チャンネル1では約81Vに、チャンネル2では約36Vに制限します。

EVAL-LT8355-1-AZの入出力フィルタは、EMIを更に低減するのに役立ちます。フィルタは小型のフェライト・ビーズまたはインダクタと、高周波セラミック・コンデンサで構成されています。パワーMOSFETのゲート・ピンにある小型の抵抗は、高周波EMIを低減するために使用されます。これらのフィルタを適切なボード・レイアウトおよびSSFMと組み合わせると、EMIを低減してCISPR25クラス5の制限値に準拠するために非常に効果的です。EVAL-LT8355-1-AZの推奨レイアウトと4層PCBの厚さに従ってください。最良の効率とPWM調光性能を得るために、EMIフィルタを取り外すことができます。

LT8355-1の内蔵PWMTGハイサイドPMOSドライバは、接続されたLEDのPWM調光を支援します。外部で発生するPWM信号を使用して、PWM調光によりLEDストリングの正確な輝度制御を行い、達成可能な最高PWM調光比を実現できます。また、LT8355-1の内部生成PWM機能を利用することで、最大128：1の指数調光を実現できます。PWM調光を実行する場合、各チャンネルのLEDストリングの動作中のフリッカを防止するためにSSFMがPWM信号に整合します。この整合は、内部および外部のPWM調光の両方で行われます。LT8355-1は、チャンネル1ではCTRL1アナログ調光を使用し、チャンネル2では、CTRL2ピンとIADJ2ピンを使用して2ピン・アナログ調光を行います。

入力の低電圧ロックアウト（UVLO）、LED電流、出力過電圧保護（OVP）、スイッチング周波数はすべて、EVAL-LT8355-1-AZの抵抗に対する単純な変更で簡単に調整できます。チャンネルを昇圧、昇降圧、および降圧モードのLEDドライバに変換し、低EMI、PWM調光、および故障診断機能を維持するよう変更を加えることができます。降圧モード、昇降圧モード、および昇圧LEDドライバの回路図は、データシートに記載されています。EVAL-LT8355-1-AZのカスタマイズ方法については、データシートを参照するか、アプリケーション・チームにご相談ください。

LT8355-1のデータシートには、部品、動作、および用途の詳細が記載されています。評価用ボードEVAL-LT8355-1-AZのデモ・マニュアルと併せて、LT8355-1のデータシートを必ず参照してください。LT8355IUFDM-1は、熱強化型露出グラウンド・パッドが付いた、側面からハンダ付け可能なプラスチックの28ピンQFNパッケージとして組み立てられており、オートモーティブ・アプリケーション向けのAEC-Q100認証を取得しています。最大の性能を得るため、ボードを適切にレイアウトすることが重要です。データシートの「プリント回路基板の設計」セクションを参照してください。