アンリツ社事例
想像できたでしょうか
無線コミュニケーションの未来をいち早く計測できる、
一台三役のアナライザを・・・
IoTと5G時代に向けた、無線イノベーション。
無線技術が飛躍的に進化を見せる今日。その黎明期からRF分野をリードする計測器メーカーのアンリツ社は、今まさに新しい課題に挑戦しています。
それは、無線技術の進化によりこれから実現されるであろう、まだ見ぬ明日のアプリケーションに対応すること。
日々、つながりを増す世界では、いま大勢の人々が新たな通信アプリケーションの登場を待ちわびています。この期待にいち早く応えるには、画期的なアイデアを、迅速かつ効率的にテストする方法が必要です。無線テストに、変革を。アンリツ社がパートナーに選んだのが、アナログ・デバイセズでした。
無線通信を、より遠くまで、より高速に。
通信技術の目覚ましい進歩を実現、サポートしてきたアンリツ社。そのイノベーションの歴史は、実に120年以上にわたります。そして、このイノベーションの系譜の最先端に連なる製品として開発されたのが、世界初となるLTE-Advanced対応オールインワン型ラジオ コミュニケーション アナライザでした。目指したのは、複数の周波数を同時にテストでき、これまで3台の機器が必要だった機能を、1台で提供するアナライザです。
その開発に向けて、アンリツ社は長年のパートナーであり、グローバル優先サプライヤーにも認定しているアナログ・デバイセズに声をかけました。 両者の開発の舞台となったのは、アンリツ社 本社内にあるコラボレーションルーム。アンリツ社とアナログ・デバイセズのエンジニアチームは、ここで緊密な連携のもと、規格の標準化や機器の業界動向を追い掛けながら、随時、設計要件の見直しを議論。また、設計検証プロセスにおいても、機能や性能がシビアにレビューされました。
このコラボレーションにおいて、アナログ・デバイセズはかつてない高い周波数と広帯域の実現に必要なシステムレベルの知見や、シグナル・チェーン全体をカバーするソリューションを提供しました。その結果、ついに完成したのがラジオ コミュニケーション アナライザ「MT8821C」。2G/3Gから4GのLTE-Advanced、LTE-Advanced UEダウンリンクや、4x4 MIMO、5CCのダウンリンクキャリアアグリゲーションを1台でサポートする業界初のアナライザです。 R&Dから試作、量産までのすべてのプロセスにおいて、プラットフォームと端末の評価を迅速かつ柔軟・確実に、性能評価を行うことが可能。つまり、エンジニアは製品開発期間を短縮でき、世界中のユーザーに新しい無線アプリケーションを届けられるようになるのです。
夢は大きく、製品は小さく。コラボレーションの成果。
従来3台必要だった機能を、1台に。「MT8821C」のイノベーションを実現する上で大きな壁となったのが、RF回路のサイズを大幅に小さくすることでした。その壁を乗り越えるべく、アナログ・デバイセズのさまざまなソリューションが活用されましたが、特に大きな役割を果たしたのが統合PLLでした。このPLLによって、従来機種の1/2というコンパクトなRF回路を実現したのです。しかも、小型でありながら、性能・機能は進化。「MT8821C」は、位相ノイズとスプリアス性能の両方で、世界最高レベルの性能を達成しています。 さらに、次世代GUIとタッチパネルによって、優れた視認性と操作性も実現。一世代前の製品との互換性もあるので、導入もスムーズです。「MT8821C」は、優れた性能と、使い勝手を高める数々の配慮により、快適なテスト環境をもたらします。
イノベーションに次ぐイノベーションで、アンリツ社は無線通信の新時代を切り拓くソリューションを実現してきました。そして、アナログ・デバイセズは、アンリツ社のパートナーとして、D/Aコンバータ、A/Dコンバータ、PLL、RFスイッチ、オペアンプ、検波器、分周器、ログアンプなど、シグナル・チェーン全体にわたって20以上の高性能ソリューションを提供してきました。 最先端のテストに求められる厳しい性能基準を満たし、さらにその上のレベルに到達できたのも、両者のコラボレーションがあったからです。
より多くの機器がつながり、人々がつながる。
「MT8821C」によって、まだ見ぬ明日のスマートフォンやタブレット端末は、迅速かつ効率的に開発できるようになるでしょう。そして、世界中のより多くの人々が、無線コミュニケーションの恩恵に浴するようになるでしょう。 優れた効率と性能、直感的な操作性や製品開発期間において新しい標準を打ち立てた「MT8821C」。私たちアナログ・デバイセズは、アンリツ社のこの製品を通じて、無線コミュニケーションの未来に、想像を超える可能性をもたらしたのです。