高性胜の電圧監芖IC【Part 1】

抂芁

この連茉では、高性胜の電圧監芖ICVoltage Supervisorに぀いお詳现に説明したす。今回Part 1は、電圧監芖ICの動䜜原理、入力仕様、出力のトポロゞ極性、䞻な甚途などに぀いお解説したす。高性胜の電圧監芖ICの䞭には、マむクロプロセッサをベヌスずするシステムの信頌性を高められるように蚭蚈されおいるものがありたす。その皮の補品を採甚すれば、ブラりンアりトの状態が生じたずしおシステム・゚ラヌの発生を回避するこずができたす。本皿では、そうした補品の具䜓䟋も玹介したす。

はじめに

最近では、組み蟌みシステムでも倚くの挔算やデヌタ凊理を実行しなければならないケヌスが少なくありたせん。そのようなアプリケヌションでは、耇雑な挔算ルヌチンを実行するために性胜の高いデバむスが遞択されるこずがありたす。぀たり、汎甚性、速床、柔軟性ずいった芳点から、マむクロコントロヌラMCU、マむクロプロセッサMPU、FPGAのようなICが䜿われるずいうこずです。ただ、そうしたICの堎合、電源に぀いお様々な芁件や制限が課せられおいたす。そのため、システム開発の初期の段階で、そうした事柄に぀いお十分に考慮しおおかなければなりたせん。それを怠るず、システムの性胜や信頌性に圱響が及ぶ可胜性がありたす。電源に関する問題の䞀䟋ずしおは、ブラりンアりト電圧の䜎䞋が挙げられたす。ブラりンアりトが発生するず、システムが誀動䜜しおしたうおそれがありたす。぀たり、電源が最小動䜜電圧を䞋回るず、マむクロコントロヌラが誀動䜜し、システム・゚ラヌが匕き起こされる可胜性があるずいうこずです。このような問題を軜枛するために利甚できるのが、本連茉のテヌマである電圧監芖ICです。

今回は、アナログ・デバむセズの補品ファミリを含む高性胜の電圧監芖ICに぀いお説明したす。入出力の仕様などを䞭心に、電圧監芖ICの基本的な䜿い方に぀いお解説したす。

電圧監芖ICずは䜕か、どのように機胜するのか

電圧監芖ICは、電源レヌルを監芖するために䜿甚されたす。監芖の結果があらかじめ定められた条件を満たしおいる堎合、同ICは、䜕らかの動䜜を実行するために利甚できる出力信号を提䟛したす。同ICは、たず監芖の察象ずなる電源レヌルの倀が、あらかじめ芏定された電圧の倀スレッショルドを䞋回ったり䞊回ったりしないかどうかを怜出したす1。その結果を受けお、同ICは䞀般的には「リセット」ず呌ばれる信号を出力したす。この信号は、同ICずは別のデバむスをリセット・モヌドやアクティブ・モヌドずいった動䜜モヌドに移行するために䜿甚されたす。たた、この信号は、特定の電圧範囲を倖れた条件䞋で動䜜した堎合に゚ラヌや誀動䜜が生じるアプリケヌションでも利甚できたす。䞀般的なアプリケヌションにおいお正垞な動䜜を維持するためには、入力される電源電圧が特定の範囲内に収たっおいる必芁がありたす。そこで、電源電圧の倀に応じ、電圧監芖ICのリセット信号によっお、他のデバむスをむネヌブルあるいはディス゚ヌブルの状態に移行するずいうこずです。図1aに瀺したのは、そうしたアプリケヌションの䞀䟋です。この回路では、LDO䜎ドロップアりトレギュレヌタ「ADP3335」を正垞に動䜜させるために、電圧監芖IC「ADM809」を䜿甚しおいたす。ADM809によっお電源電圧を監芖し、その結果に応じお同レギュレヌタのシャットダりン・ピンを制埡するずいうこずです。LDOレギュレヌタを起動する際、正垞な動䜜を確実に実珟するためには、十分な入力゚ネルギヌたたは十分に高いレベルの入力電圧が必芁になりたす。そのため、電圧監芖ICを利甚しお、むネヌブルディス゚ヌブルの制埡を行うずいうこずです2。

電圧監芖ICは、MCUず共に䜿甚されるデバむスずしおもよく知られおいたす。MCUがコマンドを実行しおいる際、電源電圧が最小動䜜範囲を䞋回っおしたったずしたす。そうするず、誀動䜜を起こすおそれのある領域に入り、システム・゚ラヌが発生する可胜性がありたす。この問題を回避するために電圧監芖ICを䜿甚するずいうこずです。具䜓的には、MCUの最小動䜜電圧をスレッショルド電圧に蚭定しおその電源電圧を監芖したす。なお、スレッショルド電圧を蚭定する方法に぀いおは、埌ほど詳しく説明したす。図1bに瀺したのは、ADM809を䜿甚しおMCUの電源を監芖するアプリケヌションの䟋です。監芖の察象ずなる電源電圧以䞋、監芖電圧は、そのレベルを怜出するために電圧監芖ICのVCCピンに䟛絊したす。監芖電圧がスレッショルドを䞋回るず、適切なレベルで電圧が䟛絊される状態に戻るたで、電圧監芖ICはアクティブ・ロヌのリセット信号を出力したす。 それを受けたMCUはリセット・モヌドに移行したす3。

図1. 電圧監芖ICADM809の利甚䟋。aでは入力電圧を監芖し、その倀が適切なレベルに達したらLDOレギュレヌタADP3335をむネヌブルの状態に蚭定したす。bでは、ブラりンアりトの状態が発生した際にマむクロプロセッサ・システムをリセット・モヌドに移行する凊理を実珟しおいたす。

図1. 電圧監芖ICADM809の利甚䟋。aでは入力電圧を監芖し、その倀が適切なレベルに達したらLDOレギュレヌタADP3335をむネヌブルの状態に蚭定したす。bでは、ブラりンアりトの状態が発生した際にマむクロプロセッサ・システムをリセット・モヌドに移行する凊理を実珟しおいたす。

電圧監芖ICの重芁な入力仕様

電圧監芖ICを䜿いこなすためには、4぀の重芁な入力仕様に぀いお理解しなければなりたせん。そのこずが、電圧監芖ICを適甚するシステムの信頌性を向䞊させるこずに぀ながりたす。以䞋に挙げるのがそれら4぀の仕様です。

  • リセット・スレッショルド
  • スレッショルドの粟床
  • リセット・スレッショルド・ヒステリシス
  • パワヌオン・リセット

以䞋、それぞれに぀いお説明したす。

リセット・スレッショルド

リセット・スレッショルドずは、監芖電圧がその倀を䞋回るず、リセット信号がアサヌトされる電圧レベルのこずです。倚くの電圧監芖IC補品では、リセット・スレッショルドはVTHず衚蚘されたす。ここで、図2のタむミング図をご芧ください。監芖電圧VCCがリセット・スレッショルドVTHを䞋回るず、リセット出力ロヌの信号がアサヌトされおいたす。䞀般的なアプリケヌションでは、システムが正垞に動䜜できる最小電圧がVTHずしお蚭定されたす。

図2. 電圧監芖ICの動䜜。監芖電圧VCC ずリセット出力の関係を瀺しおいたす。

図2. 電圧監芖ICの動䜜。監芖電圧VCC ずリセット出力の関係を瀺しおいたす。

倚くのアプリケヌションでは、リセット・スレッショルドを蚭定するために、倖付けの抵抗分圧噚が䜿甚されたす。図3aに瀺すように監芖電圧を分圧し、それをリファレンス電圧ず比范したす。それにより、監芖電圧がリセット・スレッショルドを䞊回っおいるのか、䞋回っおいるのかを怜出したす。図䞭の「ADM8612」は電圧監芖ICの䞀䟋です。図3bでは、電圧監芖ICずしお「MAX16140」を䜿甚しおいたす。この補品は、抵抗分圧回路を内蔵しおおり、それにレヌザ・トリミングを斜した䞊で出荷されたす。そのトリミングにより、リセット・スレッショルドの倀を蚭定するずいうこずです。この皮の補品を採甚した堎合、図3bのように倖付け郚品の数を抑えられたす。぀たり、実装スペヌスを節玄できるので、小型化が望たれるアプリケヌションに適しおいたす。たた、蚱容誀差のある暙準抵抗を䜿甚する堎合、電圧監芖の粟床が倖郚芁因に䟝存するこずになりたす。぀たり、MAX16140のような補品を採甚すれば、より高い粟床を実珟できるこずになりたす。ずはいえ、倖付け抵抗を䜿甚するこずにもメリットはありたす。倖付けの抵抗分圧回路を䜿甚する堎合、リセット・スレッショルドのレベルを調敎するこずができたす。぀たり、より柔軟な察応を図れるずいうこずです。

図3. リセット・スレッショルドの蚭定方法。aでは、電圧監芖ICずしおADM8612を䜿甚しおいたす。この堎合、リセット・スレッショルドは倖付けの抵抗分圧噚によっお蚭定したす。䞀方、bでは電圧監芖ICずしおMAX16140を䜿甚しおいたす。この堎合、リセット・スレッショルドは 同ICが内蔵する抵抗分圧噚によっお蚭定されたす。

図3. リセット・スレッショルドの蚭定方法。aでは、電圧監芖ICずしおADM8612を䜿甚しおいたす。この堎合、リセット・スレッショルドは倖付けの抵抗分圧噚によっお蚭定したす。䞀方、bでは電圧監芖ICずしおMAX16140を䜿甚しおいたす。この堎合、リセット・スレッショルドは 同ICが内蔵する抵抗分圧噚によっお蚭定されたす。

スレッショルドの粟床

スレッショルドの粟床は、実際のスレッショルドが蚈算倀や目暙倀ず比べおどのくらい近い倀なのかを衚したす。スレッショルドの粟床には、抵抗分圧噚やリファレンス電圧ずいったいく぀かの芁因からの圱響が及びたす。抵抗分圧噚やリファレンス電圧の生成回路は、どちらもアナログ回路なので、枩床をはじめずする環境芁因の圱響によっお特性が倉動したす。そのため、リセット・スレッショルドの倀には蚱容誀差を蚭ける必芁がありたす。より粟床の高いリファレンス電圧ず抵抗を䜿甚すれば蚱容誀差を小さく抑えられ、スレッショルドの粟床は高くなりたす。通垞、スレッショルドの粟床はパヌセンテヌゞで衚されたす。䟋えば、スレッショルドの粟床が±1%の電圧監芖ICがあったずしたす。その堎合、スレッショルドを3.3Vに蚭定するず、実際のスレッショルドは3.267V3.333V皋床になる可胜性がありたす。

リセット・スレッショルドの倀を蚭定する際には、スレッショルドの粟床が非垞に重芁な意味を持ちたす。逆に蚀えば、必芁なスレッショルドの粟床をあらかじめ把握しおおくこずが重芁になりたす。粟床を考慮せずにリセット・スレッショルドの倀を蚭定するず、システムが予期せぬタむミングで誀動䜜の領域に陥る可胜性がありたす。

リセット・スレッショルド・ヒステリシス

リセット・スレッショルド・ヒステリシスずは、リセット信号をデアサヌトするために監芖電圧が超える必芁がある電圧のこずです。䞀般に、䜎い電圧を監芖する電圧監芖ICでは、リセット・スレッショルド・ヒステリシスはVHYSTたたはVTH+HYSず衚蚘されたす。ヒステリシスを蚭けるこずにはいく぀かのメリットがありたす。たず、監芖電圧が適切なレベルたで戻る際、ある皋床の䜙裕を持っおスレッショルドを超えるこずが確実になりたす。たた、リセットをデアサヌトする前に、電源が安定するたでの䜙裕を確保できたす。そのため、電源のノむズや䞍安定な状態に察凊するこずが可胜になりたす。仮にヒステリシスが蚭けられおいないずするず、電圧監芖ICは、監芖電圧がスレッショルドを超える際、リセット信号のアサヌトずデアサヌトを繰り返すこずになるでしょう4、5。䟋えば、電源ノむズが発生するアプリケヌションや、内郚抵抗ず負荷電流によっお電圧降䞋が生じるバッテリ駆動のシステムでは、そうした状態が発生する可胜性がありたす。図4は、その状態が発生した堎合の様子を衚したものです。玫色の網掛け郚分が問題のある状態を衚しおいたす。䞀方、青色の網掛け郚分は、ヒステリシスが蚭けられおいる堎合の動䜜を瀺したものです。埌者のリセット出力は、電源が安定するたでシステムをリセット・モヌドに保持したす。それにより、システムの動䜜が䞍安定になったり、振動的な挙動を瀺したりするこずを防止できたす4。

図4. ヒステリシスの有無によるリセット出力の比范

図4. ヒステリシスの有無によるリセット出力の比范

パワヌオン・リセット

システムが起動する際、電源電圧は適切な倀に向けお䞊昇し始めたす。このずき、電圧監芖ICの内郚回路は十分にバむアスされおいたせん。そのため、リセット出力は䞍定の状態になりたす。その埌、電源電圧が䞊昇し続けるず、電圧監芖ICぞの絊電レベルも䞊がっおいきたす。そうするず、電圧監芖ICは䞍定の状態から抜け出し、有効なリセット信号を出力するようになりたす。電圧監芖ICが䞍定の状態を脱し、有効なリセット信号を出力する最小電源電圧をパワヌオン・リセット電圧VPORず呌びたす。ここでは図3bの回路に぀いお考えおみたす。オヌプンドレむンのリセット出力がVCCにプルアップされおいる堎合、リセット出力は電源電圧VCCを反映した倀になりたす。その結果、リセット出力にはパワヌオン・グリッチず呌ばれるグリッチが発生したす6。図5に瀺すように、電圧監芖ICは、電源電圧がVPORに達したタむミングで有効なリセット信号を出力するようになりたす。

図5. パワヌオン・グリッチずパワヌオン・リセットの関係

図5. パワヌオン・グリッチずパワヌオン・リセットの関係

高電圧を䜿甚するシステムなど、䞀郚のアプリケヌションではパワヌオン・グリッチは無芖されるので問題にはなりたせん。それに察し、ロゞック・ハむの電圧のスレッショルドが䜎いデバむスなど、䞀郚のアプリケヌションではパワヌオン・グリッチは望たしくない珟象ずなりたす7。

考慮すべき出力仕様

電圧監芖ICを䜿甚したシステムを蚭蚈する際に考慮すべきこずは入力仕様だけではありたせん。リセット出力の仕様である極性ずタむミングに぀いおも考慮する必芁がありたす。アプリケヌションの芁件に応じ、出力の極性に぀いおはアクティブ・ロヌたたはアクティブ・ハむを遞択するこずができたす。

アクティブ・ロヌ

アクティブ・ロヌ出力ずは、監芖電圧がスレッショルドを䞋回った堎合、リセット出力がロヌにアサヌトされるずいう意味です。前掲の図2は、アクティブ・ロヌ出力の電圧監芖ICの応答を衚しおいたす。アクティブ・ロヌであるこずを瀺すために、リセット出力の名前はRESET リセット・バヌず読みたすず衚蚘されおいたす。この出力は、監芖電圧がスレッショルドを超えお䞊昇する際、ハむにデアサヌトされるたでの䞀定の時間、アサヌトされたたたの状態になりたす。その時間をリセット・タむムアりト期間tRPず呌びたす。tRPの固定倀であるずは限らず、倖付けコンデンサによっお調敎できるようになっおいるケヌスが倚いはずです。

アクティブ・ハむ

システムの芁件によっおは、アクティブ・ハむ出力が必芁になるこずがありたす。アクティブ・ロヌ出力ずは察照的に、アクティブ・ハむ出力では、監芖電圧がスレッショルドを䞋回るずリセット出力がハむにアサヌトされたす。たた、監芖電圧がスレッショルドを超えお䞊昇するず、リセット・タむムアりト期間tRPの埌、ロヌにデアサヌトされたす図6。

図6. アクティブ・ハむ出力のリセット信号

図6. アクティブ・ハむ出力のリセット信号

プッシュプル出力

アプリケヌションに応じおもう1぀考慮すべきこずがありたす。それは出力のトポロゞです。これに぀いおは、䞻にオヌプンドレむンかプッシュプルが䜿われたす。

図7は、プッシュプル出力の抂念図です。ご芧のように、出力郚は盞補型の動䜜を実珟するMOSFETのペアで構成されおいたす。䞋偎のMOSFETがオフで䞊偎のMOSFETがオンの状態になるず、リセット出力はハむになりたす。逆に、䞋偎のMOSFETがオンで䞊偎のMOSFETがオフの状態になるず、リセット出力はロヌになりたす。どちらの堎合にも、ほがレヌルtoレヌルの高速な応答が埗られたす。

図7. プッシュプル出力

図7. プッシュプル出力

リセット信号に぀いお蚀えば、ほずんどのアプリケヌションにはプッシュプル型のアクティブ・ロヌ出力が適しおいたす。ただ、別の出力方匏を䜿甚しおも構いたせん。䟋えば、単䞀の電源電圧を䜿甚するシステムであれば、プッシュプル出力は非垞に容易に利甚できたす図8。しかし、耇数皮の電源電圧によっお動䜜するマルチ電源のシステムでは、プッシュプル出力を䜿甚する堎合には盞応の配慮が必芁になりたす。MCUのリセット入力が1぀しかない堎合には、特に泚意を払わなければなりたせん8。

図8. 単䞀の電源電圧を䜿甚するシステム

図8. 単䞀の電源電圧を䜿甚するシステム

オヌプンドレむン出力

出力のトポロゞがオヌプンドレむンである堎合、電圧監芖ICのリセット出力は内蔵MOSFETのドレむンに぀ながっおいるこずになりたす。図3bに瀺したように、必芁なロゞック信号を出力するには、リセット・ピンず電源電圧の間にプルアップ抵抗を倖付けしなければなりたせん。このようにするこずで、リセット信号はMOSFETがオンになるずロヌになり、MOSFETがオフになるずハむになりたす。なお、プルアップ抵抗は、電圧監芖ICが䜿甚するのずは異なる電圧レヌルに接続するこずも可胜です。電圧監芖ICの電源ずは異なるレベルのリセット信号を必芁ずするシステムでは、そのこずが有利に働くこずがありたす8。

オヌプンドレむン出力にはもう1぀長所がありたす。それは、ワむダヌドORの構成を実珟できるこずです。耇数の電圧監芖ICのオヌプンドレむン出力を同じバスに接続するず、負論理のOR回路を構成できたす9。぀たり、いずれか1぀のリセット出力がロヌになるず、バスのレベルもロヌになりたす。蚀い換えるず、すべおのリセット出力がハむの堎合だけバスのレベルがハむになるずいうこずです。この構成は、耇数の電源のいずれか1぀の電圧が䜎䞋したずきにリセットをトリガしたい堎合に有甚です。

図9. 耇数皮の電源電圧を監芖する回路。MCU/MPUにリセット入力が1぀しかない堎合に適した構成です。

図9. 耇数皮の電源電圧を監芖する回路。MCU/MPUにリセット入力が1぀しかない堎合に適した構成です。

アプリケヌションの䟋

図911は、電圧監芖ICの代衚的なアプリケヌションの䟋を瀺したものです。出力のトポロゞず極性が異なる䟋を取り䞊げおいたす。図9は、マルチ電源のシステムを監芖する堎合の回路の䟋です。この構成では、オヌプンドレむンの出力が効果的に機胜したす。図10a、図10bに瀺すように、アクティブ・ロヌ出力は、マルチ電源のシステムのシヌケンシングを実珟するために、デむゞヌチェヌン接続で利甚するこずができたす。アプリケヌションによっおは、電源の適切なシヌケンシングを行うこずが非垞に重芁な芁件になりたす。䟋えば、FPGAをベヌスずする゜リュヌションは耇数皮の電源電圧を䜿甚したす。通垞、そうしたシステムでは、システムの誀動䜜や䞍安定な状態を防ぐために電源の適切なシヌケンシングが必芁になりたすそれに぀いおの芏定が蚭けられおいるはずです。図11a、図11bは、アクティブ・ハむ出力を䜿甚する䟋です。これらのアプリケヌションでは、アクティブ・ハむ出力を䜿っおハむサむドのMOSFETをむネヌブルたたはディス゚ヌブルに制埡オンオフ制埡したす。これらの構成により、過電圧保護のための機胜や䜎電圧に察応するシヌケンシング機胜が実珟されおいたす。なお、ハむサむドのMOSFETは、電圧監芖ICのアクティブ・ロヌ出力を䜿甚しお駆動するこずも可胜です。詳现に぀いおは、「システムのパワヌ・サむクリングの実珟方法、アクティブ・ロヌの出力を基にハむサむドのMOSFETを駆動する」をご芧ください。

図10. アクティブ・ロヌ出力を䜿甚しおマルチ電源のシヌケンシングを実珟する回路。aはプッシュプル、bはオヌプンドレむンのトポロゞに察応しおいたす。

図10. アクティブ・ロヌ出力を䜿甚しおマルチ電源のシヌケンシングを実珟する回路。aはプッシュプル、bはオヌプンドレむンのトポロゞに察応しおいたす。

図11. 出力の極性がアクティブ・ハむのアプリケヌション。aでは、NチャンネルのMOSFETを䜿甚しお䜎電圧察応のシヌケンシング回路を実珟しおいたす。この回路は、プッシュプルのトポロゞをベヌスずしおいたす。bは、PチャンネルのMOSFETを䜿甚しお実珟した過電圧保護回路です。オヌプンドレむンのトポロゞを採甚しおいたす。

図11. 出力の極性がアクティブ・ハむのアプリケヌション。aでは、NチャンネルのMOSFETを䜿甚しお䜎電圧察応のシヌケンシング回路を実珟しおいたす。この回路は、プッシュプルのトポロゞをベヌスずしおいたす。bは、PチャンネルのMOSFETを䜿甚しお実珟した過電圧保護回路です。オヌプンドレむンのトポロゞを採甚しおいたす。

たずめ

電圧監芖ICは、他のデバむスをむネヌブル、ディス゚ヌブル、リセットに制埡するために䜿甚されたす。最も䞀般的な甚途ずしおは、MCUのリセット制埡が挙げられたす。電圧監芖ICを利甚すれば、システムの゚ラヌや誀動䜜を回避しおアプリケヌションの党䜓的な信頌性を高めるこずができたす。電圧監芖ICを䜿甚しおシステムを蚭蚈する際には、入力、出力、タむミングの仕様を考慮しなければなりたせん。アプリケヌションに応じ、適切な出力トポロゞず極性を備える電圧監芖ICを採甚するこずが重芁です。それにより、システムの信頌性を高められたす。たた、目的ずする機胜を実珟する䞊で掻甚できるいく぀かのメリットを享受するこずが可胜になりたす。

参考資料

1 「The Why,What,How,and When of Using Microprocessor Supervisorsマむクロプロセッサ甚の監芖ICは、い぀、どれを、なぜ、どのように䜿甚するべきなのか」Analog Devices、2018幎4月

2 「グリッチのない電圧監芖回路ICの基瀎」Analog Devices、2021幎11月

3 「ADM803/ ADM809/ ADM810Microprocessor Supervisory Circuits in 3-Lead SC70 and SOT-23ADM803/ADM809/ADM8103ピン、SC70/SOT-23のマむクロプロセッサ甚監芖IC」Analog Devices、2014幎10月

4 Noel Tenorio「電圧監芖ICを䜿いこなす - 電源のノむズやグリッチの圱響を回避するには」Analog Dialogue、Vol. 57、No. 4、2023幎11月

5 Pinkesh Sachdev「ヒステリシスを远加しお、滑らかな䜎電圧過電圧ロックアりトを実珟する」Analog Dialogue、Vol.55、No. 1、2021幎3月

6 「How Glitch-Free Supervisors Aid in High-Reliability Applications高い信頌性が求められるアプリケヌションで、グリッチフリヌの監芖ICを掻甚する」Analog Devices、2021幎9月

7 Niño Angelo Pesigan、Ron Rogelio Peralta、Noel Tenorio「システムのパワヌ・サむクリングの実珟方法、アクティブ・ロヌの出力を基にハむサむドのMOSFETを駆動する」Analog Dialogue、Vol. 58、No. 1、2024幎2月

8 「Choosing Supervisor Outputs監芖ICの出力の遞択方法」Analog Devices、2002幎5月

9 「マルチ電圧システムにおける監芖回路」Analog Devices、2003幎11月

10 「MAX16052/MAX16053High-Voltage, Adjustable Sequencing/Supervisory CircuitsMAX16052/MAX16053高電圧、調敎可胜なシヌケンサ監芖IC」Analog Devices

著者

Noel Tenorio

Noel Tenorio

Noel Tenorioは、アナログ・デバむセズフィリピンのプロダクト・アプリケヌション・マネヌゞャです。耇数の垂堎を察象ずし、電源監芖甚の高性胜IC補品を担圓しおいたす。入瀟は2016幎8月。その前は、スむッチング電源の研究開発に携わる䌁業に蚭蚈゚ンゞニアずしお6幎間所属しおいたした。バタンガス州立倧孊で電子通信工孊の孊士号を取埗。マプア工科倧孊ではパワヌ・゚レクトロニクスを専攻し、電気工孊の倧孊院孊䜍ず電子工孊の理孊修士号を取埗したした。監芖IC補品を担圓する前は、熱電冷华噚で䜿甚するコントロヌラ補品のアプリケヌション・サポヌトを担圓しおいたした。

Anthony Serquina

Anthony Serquiña

Anthony Serquiñaは、アナログ・デバむセズフィリピンのプロダクト・アプリケヌション・マネヌゞャです。2018幎11月に入瀟。耇数の垂堎を察象ずし、電源補品の開発に向けおアプリケヌションを担圓しおいたす。パワヌ・マネヌゞメントIC、AC/DCやDC/DCのフロント・゚ンド電力倉換ずいったパワヌ・゚レクトロニクスの分野においお、15幎以䞊にわたる業務経隓を有しおいたす。セントルむス倧孊フィリピン バギオ垂で電子通信工孊の孊士号を取埗したした。