AD9880

AD9880は、アナログ・インターフェースおよび高解像度マルチメディア・インターフェース（HDMI™）レシーバをシングル・チップ上に集積化するフレキシブルなデバイスです。この製品には、高帯域幅デジタル・コンテンツ保護（HDCP）をサポートする機能も内蔵されています。

アナログ・インターフェース

AD9880は、コンポーネント・ビデオ（YPbFr）およびRGBグラフィックス信号の取り込み動作を行うように性能が最適化された、全機能内蔵型8ビット、150MSPSのモノリシック・アナログ・インターフェースです。その150MSPSのエンコード・レート能力と300MHzのフルパワー・アナログ帯域幅は、すべてのHDTVフォーマット（最大1080ピクセル）とSXGAまでのFPD解像度（75Hz時で1280×1024ピクセル）をサポートします。

アナログ・インターフェースには、1.25Vの電圧リファレンスを内蔵する150MHzのトリプルADC、位相ロック・ループ（PLL）、並びにプログラマブル・ゲイン、オフセット、およびクランプ制御の各回路が集積化されています。ユーザは1.8Vと3.3Vの電源、アナログ入力、Hsync信号のみを用意するだけで十分です。スリーステートのCMOS出力は、1.8～3.3Vの電源動作が可能です。AD9880のオンチップPLLは、Hsync信号からピクセル・クロックを生成します。ピクセル・クロックの出力周波数は、12MHzから150MHzまでの範囲内です。PLLのクロック・ジッター値は、150MHz時で代表値が500ps以下に抑えられています。AD9880はさらに、コンポジット同期およびSync-on-Green（SOG）アプリケーションに対応する完全な同期信号処理も実行します。

デジタル・インターフェース

AD9880はHDMIバージョン1.1互換のレシーバを内蔵し、すべてのHDTVフォーマット（最大1080ピクセル）とSXGAまでの表示解像度（75Hz時で1280×1024ピクセル）をサポートします。このレシーバは、完全な1クロック・サイクルまでのイントラペア・スキュー許容誤差を特長としています。HDCP機能が内蔵されているので、ディスプレイは暗号化されたビデオ・コンテンツを受け入れることができます。AD9880ではビデオ・レシーバの認証、レシーバでの符号化データの解読、そしてHDCPバージョン1.1プロトコルの規定に適合して伝送時に認証を更新する動作が可能です。

最新のCMOSプロセスで製造されるAD9880は、省スペースの鉛フリー100ピンLQFP表面実装プラスチック・パッケージで提供され、その仕様は0～＋70℃の温度範囲で規定されています。

アプリケーション

• 次世代TV
• HDTV
• プロジェクタ
• LCDモニタ