概要
設計リソース
デバイス・ドライバ
コンポーネントのデジタル・インターフェースとを介して通信するために使用されるCコードやFPGAコードなどのソフトウェアです。
AD9834 - Microcontroller No-OS Driver
AD983x GitHub no-OS Driver Source Code
AD9834 IIO Direct Digital Synthesis GitHub Linux Driver Source Code
参考資料
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The Data Conversion Handbook, 20052005/01/02
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Fundamentals of Direct Digital Synthesis (DDS)2015/02/14PDF173 kB
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MT-015: Basic DAC Architectures II: Binary DACs (Rev. A)2009/03/20PDF100 kB
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CN-0156: Amplitude Control Circuit for AD9834 Waveform Generator (DDS)2013/07/12PDF316 kB
回路機能とその特長
DDS(ダイレクト・デジタル・シンセサイザ)はサイン波、矩形波、三角波の出力波形を生成する事ができるので、波形発生器として応用できます。
AD9834 には位相変調および周波数変調の機能も内蔵されています。しかし出力信号を振幅変調するには、フルスケール電流を制御するために低消費電力DAC 又はデジタル・ポテン
ショメータが必要です。
電圧出力型DAC をAD9834 のFS ADJUST ピンに直列抵抗を介して接続し、そのピンの制御のために使用する事ができます。これによりフルスケールDAC 電流を決定できます。
この例で使用したDAC は、nanoDAC ファミリーの1つである12 ビットDAC のAD5620 です。AD5620 は5 ppm/°C リファレンスを内蔵しており、SPI のインターフェースを持っています。8 ピンSOT-23 又は MSOP パッケージです。AD5620は低消費電力(2.2 mW @ 3.3 V)で小型(8-lead SOT-23)なのでAD9834 で振幅変調を実現するために有効な製品です。
回路説明
この内蔵DAC に供給されるリファレンス電流は、内蔵リファレンス電圧(VREF)と外部抵抗(RSET)で決まります。通常この抵抗はDAC FS ADJUST からグラウンドに対して接続します。リファレンス電流はVREF/RSET になります。ここでVREF はAD9834 内蔵のリファレンス電圧で、標準値は1.20 V です。抵抗RSET の標準値は6.8 kΩ です。
DACから出力されるフルスケール電流は、このリファレンス電流量を拡大したものになります。一例とすればAD9834のフルスケール電流は下記の式になります。

FS ADJUST が可変電圧源(VDAC)に接続されている場合、フルスケール電流は下記の式になります。
AD5620 は低消費電力、小型、コスト・パフォーマンスの優れた製品です。AD5620 はnanoDAC ファミリーの1つで、5ppm/°C リファレンスを内蔵しており、8 ピンのSOT-23 又はMSOP パッケージです。AD5620 の出力電圧は0~+2.5 V です。
VDAC = 0 V (ゼロ・スケール)の時、フルスケール出力電流は最大になり、AD9834 の出力電流は約0.16 mA ~3.12 mAの間をスイングします。負荷抵抗200 Ω を接続した場合、AD9834 の出力電圧は約0.032 V~0.624 V の間をスイングします。AD9834のIOUT ピンでの電圧波形を図2 に示します。ここでDDS 出力周波数は1 MHz に設定されています。

図2 振幅制御DAC を0 V に設定した時のDDS 出力(この時最大のDDS フルスケール出力になります)
AD5620 の制御電圧出力を大きくするとAD9834 のフルスケール出力電流が小さくなります。AD5620 の制御電圧がVREF、又は1.20 V に等しい時、フルスケール電流は最小になります。
図3 は出力電流のスケールを1/4 にしたときのAD9834 出力電圧を示しています。ここでVDAC = 0.75 × VREF、 又は0.9 V です。

図3 振幅制御DAC を0.9 V に設定した時のDDS 出力(この時1/4 の大きさのフルスケールDDS 出力になります)
この回路は、広いグランドプレーンをもつ多層プリント基板に作り込む必要があります。最適な性能を実現するには、適正なレイアウト、グランディング、デカップリング技術が必要です (MT-031 Tutorial と MT-101 Tutorialを参照してください)。