質問:
電源をオフにしたとき、 オペアンプにどんな性能 (入力インピーダンスなどの パラメータやその他の オペアンプ仕様に関して)を 期待できるでしょうか?

回答:
ずいぶん奇妙な質問のように思われますが、「アナログ・デバイセズに寄せられた珍問/難問集より」と銘打ってある以上、仕方ありません。1年間に数回はこのような質問が舞い込みます。具体的な問題はそれぞれ若干異なっていますが、結局知りたいのは電源オフのときにアンプが回路内でどのように振舞うかということです。最近もらった電子メールは、電源オフでアンプ入力にDC電圧がある状態で、FETアンプの高い入力インピーダンスを維持できるかという質問でした。簡単に言えば、「ノー」です。しかし、外部ダイオードをいくつかうまく配置すれば、一定の入力電圧範囲で高い入力インピーダンスを維持することもできます。
お察しの通り、このような質問に答えるのは必ずしも簡単ではありません。電源を入れないでアンプをテストすることなどまずなく、またそんなことをする人がいるかどうかもわかりません。これらの質問の根底にあるものを突き止めるには、一般にオフアンプの内部の働きをトランジスタ・レベルで調べる必要があります。オフアンプに関する質問に答えるのであれば、回路構成、外部からの影響、アンプの種類をすべて考慮する必要があります。
設計者は一般に、絶縁、入力インピーダンス、電流制限、さまざまな条件下でオフアンプを保護することなどの問題について助言や指針を求めています。私たちが一番よくする助言は、オフアンプに流入する電流を制限してごらんなさいということです。オフアンプには、驚くほどたくさんの抜け道が隠れています。まず最初に関係してくる要素の1つに、オフアンプの静電放電(ESD)保護ダイオードがあります。ユニティ・ゲイン用に設定されたアンプなどでは、非反転入力に1Vあれば、ESDダイオードを完全にターンオンするのに十分です。電流制限がなければ、ダイオードのみならずアンプまで破壊されてしまうことがあります。オフアンプの入力または出力に流入する電流は、約5mA以下に制限することを推奨します。多くの場合は直列抵抗があれば十分ですが、オフアンプを適切に保護するために部品を追加しなければならないこともあります。
今度オフアンプの問題に遭遇したら、電流の制限が最も大切であることを思い出してください。しかし、オフアンプを保護する絶対確実な方法は、回路内のありとあらゆる他の部品もすべてオフにすることです。