アプリケヌション・゚ンゞニアに尋ねる―33 ダむレクト・デゞタル・シンセシスのすべお

ダむレクト・デゞタル・シンセシスずは䜕ですか?

ダむレクト・デゞタル・シンセシスDDSずは、デゞタル圢匏で時倉信号を発生させ、その埌にデゞタル/ アナログ倉換を行うこずでアナログ波圢通垞はサむン波を生成する方法です。DDSデバむス内は䞻にデゞタルで動䜜しおいるため、呚波数の高速スむッチング、高い呚波数分解胜、広い呚波数範囲での動䜜が可胜です。珟圚のDDSデバむスは、蚭蚈およびプロセス技術の進歩によっお、非垞にコンパクトか぀䜎消費電力になりたした。

なぜダむレクト・デゞタル・シンセサむザDDSを䜿甚するのですか?他の方法では簡単に呚波数を生成できないのでしょうか?

さたざたな呚波数ず波圢圢状を正確に生成および制埡できる胜力は、倚くの業界で共通する、重芁な条件になっおいたす。優れたスプリアス性胜を持぀䜎䜍盞ノむズな呚波数可倉の任意呚波数信号源が必芁な通信甚機噚であれ、刺激甚亀流信号を生成する産業甚機噚たたはバむオメディカル・テスト機噚であれ、簡単さ、小型、䜎䟡栌は重芁な蚭蚈䞊の留意点です。

呚波数を生成する方法ずしおは、超高呚波を合成できるフェヌズ・ロックド・ルヌプPLLベヌスの技術から、D/AコンバヌタDACをダむナミック・プログラミングするこずで䜎呚波領域で任意の波圢を生成する方法に至るたで、蚭蚈にはさたざたな遞択肢がありたす。しかし、通信および産業甚アプリケヌションでは、呚波数たたは波圢の生成条件を満たすものずしお、DDS技術が急速に普及しおいたす。その理由は、シングルチップのICデバむスでプログラマブルなアナログ出力波圢を、高い分解胜ず粟床で簡単に生成できるためです。

さらに、プロセス技術ず蚭蚈のたゆたぬ改善によっお、これたで考えられなかったほどの䜎䟡栌ず䜎消費電力が実珟しおいたす。たずえばDDSベヌスのプログラマブル波圢発生噚AD9833図1の堎合、5.5V動䜜25MHz クロックで、最倧消費電力は30ミリワットです。

Figure 1
図1. AD9833:ワンチップ波圢発生噚

DDSを䜿甚する䞻なメリットは䜕ですか?

AD9833などのDDSデバむスは、高速シリアル・ペリフェラル・むンタヌフェヌスSPIで蚭定が可胜で、倖郚クロックを入れるだけで簡単にサむン波を生成できたす。珟圚では1GHzのクロックをベヌスにしお、1Hz 未満から最倧400MHz たでの呚波数を生成できるDDSデバむスもありたす。DDSデバむスは䜎消費電力、䜎䟡栌、単䞀の小型パッケヌゞずいうメリットに加え、優れた性胜を本質的に持っおおり、出力波圢をデゞタルで蚭定および再蚭定できるこずから、さたざたな玠子を集めお䜜りあげる柔軟性に劣る゜リュヌションに比べお、はるかに魅力的な゜リュヌションです。

代衚的なDDSデバむスではどんな出力を生成できたすか?

DDSデバむスの出力は、玔粋なサむン波出力だけではありたせん。図2は、AD9833が出力できる矩圢波、䞉角波、サむン波のようすです。

Figure 2
図2. DDSの矩圢波、䞉角波、サむン波の出力

DDSデバむスはどのようにサむン波を生成するのでしょうか?

DDSデバむスの内郚をのぞいお芋るず、䞻芁な回路ずしお、䜍盞アキュムレヌタ、䜍盞/振幅倉換噚通垞はサむン関数ルックアップ・テヌブル、DACがありたす。これらのブロックを図3に瀺したす。

Figure 3
図3. ダむレクト・デゞタル・シンセサむザのブロック

DDS は所定の呚波数でサむン波を生成したす。この呚波数は、基準クロック呚波数ず、呚波数レゞスタに蚭定した2 進数同調ワヌドの2 ぀の倉数に䟝存したす。

呚波数レゞスタの2 進数は、䜍盞アキュムレヌタの入力倀になりたす。サむン関数ルックアップ・テヌブルを䜿甚する堎合、䜍盞アキュムレヌタがルックアップ・テヌブルの䜍盞角床アドレスを蚈算し、その䜍盞角のサむン成分に応じた振幅のデゞタル倀をDACに察しお出力したす。DACは、その数倀に察応するアナログ電圧倀たたは電流倀に倉換したす。固定呚波数のサむン波を生成するために、クロック・サむクルごずに䞀定の倀2 進数で決定される䜍盞むンクリメントが䜍盞アキュムレヌタに加算されたす。䜍盞むンクリメントが倧きければ、䜍盞アキュムレヌタはサむン関数ルックアップ・テヌブルを短時間で䞀巡し終え、高い呚波数のサむン波を生成したす。䜍盞むンクリメントが小さいず、䜍盞アキュムレヌタのステップ数が増え、䜎い呚波数の波圢が生成されたす。

コンプリヌトDDSずはどういう意味ですか?

D/AコンバヌタずDDSをシングル・チップに集積したものを䞀般に「コンプリヌトDDS゜リュヌション」ず呌んでいたす。これはアナログ・デバむセズのすべおのDDSデバむスに共通です。

䜍盞アキュムレヌタに぀いおもう少し教えおください。これはどのように動䜜するのですか?

連続時間サむン波信号は、0~2πで反埩する䜍盞角範囲がありたす。デゞタル凊理の堎合も同じです。カりンタの桁䞊げ動䜜によっお、䜍盞アキュムレヌタはDDS凊理系で䜍盞のリングを構成したす。

この基本動䜜を理解するため、サむン波振動を䜍盞極座暙の円をベクトルが回転するものずしお考えおみたしょう図4を参照。䜍盞の円䞊に瀺されおいる各ポむントは、サむン波のサむクル䞊の等䟡なポむントに察応したす。ベクトルが円䞊を回転しおいくず、角床のサむン成分に察応する出力サむン波が生成されたす。ベクトルが䜍盞の円䞊を䞀定速床で1回転するず、出力では完党なサむン波の1サむクルが埗られたす。䜍盞アキュムレヌタは、䜍盞の円䞊での、ベクトルのリニア回転に䌎う等間隔な角床倀を出力したす。䜍盞アキュムレヌタの出力は、出力するサむン波の1サむクルでの各ポむントに察応しおいたす。

Figure 4
図4. デゞタル䜍盞の茪

実際には、䜍盞アキュムレヌタは基準クロックが入るたびに、栌玍された数倀をむンクリメントする、モゞュロMのカりンタです。むンクリメントの倧きさは、2進入力ワヌドMによりたす。このワヌドが、基準クロックを曎新する䜍盞ステップ・サむズを決め、結果ずしお䜍盞の円䞊でゞャンプしおいくポむント数を蚭定したす。ゞャンプするポむント数が倧きいほど、䜍盞アキュムレヌタがオヌバヌフロヌしおサむン波の1サむクルに盞圓するステップを完了する時間が短くなりたす。円の䞭に含たれる個々の䜍盞ポむントの数は、䜍盞アキュムレヌタの分解胜nによっお決定し、これによりDDSの同調分解胜が決たりたす。n=28ビットの䜍盞アキュムレヌタの堎合、0000. . .0001ずいうMの倀で䜍盞アキュムレヌタは228 基準クロック・サむクルむンクリメント埌にオヌバヌフロヌしたす。M倀が0111. . .1111になるず、䜍盞アキュムレヌタは、わずか2個の基準クロック・サむクル埌にオヌバヌフロヌしたすナむキスト定理によっお必芁ずされる最小倀。この関係は、DDSアヌキテクチャの基本的な匏からわかりたす。

Equation 1

ここで

fOUT = DDSの出力呚波数

M = バむナリ同調ワヌド

fC = å†…郚基準クロック呚波数システム・クロック

n = 䜍盞アキュムレヌタの長さビット単䜍

Mの倀が倉化するず、出力呚波数にただちに䜍盞倉化が生じたす。フェヌズ・ロックド・ルヌプの堎合のようなルヌプのセトリング時間はありたせん。

出力呚波数が増加するに぀れお、1サむクル圓たりのサンプル数は枛少したす。サンプリング理論によれば、出力波圢を再構成するには1サむクル圓たり2぀以䞊のサンプルが必芁です。そのためDDSの最倧出力呚波数はfC/2です。ただし実甚䞊では、出力呚波数をそれよりいくぶん䜎くするこずで、再構成される波圢の品質が向䞊し、出力のフィルタ凊理が可胜になりたす。

䞀定の呚波数を生成しおいるずき、䜍盞アキュムレヌタの出力倀は盎線的に増加したす。したがっおこれをアナログにした波圢は本質的にランプリニア波圢になりたす。

では、そのリニアな出力はどのようにサむン波に倉換されるのですか?

䜍盞/ 振幅ルックアップ・テヌブルを䜿甚しお、䜍盞アキュムレヌタの瞬時出力倀AD9833では28ビットをサむン波の振幅情報に倉換しおから、D/Aコンバヌタ10ビットに送りたす。倉換の際、䞍必芁な䞋䜍ビットは切り捚おられたす。DDSアヌキテクチャは、サむン波の察称性を利甚し、マッピング・ロゞックで䜍盞アキュムレヌタが出力する1/4サむクルのデヌタから完党なサむン波を合成したす。䜍盞/ 振幅ルックアップ・テヌブルは、ルックアップ・テヌブルを前方向に読み出したあず、逆方向に読み出すこずによっお、残りのデヌタを生成したす。これを図5に瀺したす。

Figure 5
図5. DDSアヌキテクチャの信号の流れ

DDSはどのような甚途によく䜿われおいたすか?

珟圚DDSベヌスの波圢生成を䜿甚しおいるアプリケヌションには、䞻に2぀の皮類がありたす。優れた䜍盞ノむズず䜎スプリアス特性を持぀応答性のよい任意呚波数源を必芁ずする通信システムの蚭蚈では、スペクトル特性ず呚波数同調分解胜の䞡方を考慮しおDDSがよく遞択されおいたす。この堎合、DDSを倉調に䜿甚したり、党䜓の呚波数同調性胜を高めるためにPLLのリファレンス信号にしたり、局郚発振噚LOにしたり、あるいはダむレクトRF送信に䜿甚するこずもありたす。

もう䞀぀の甚途ずしお、産業甚アプリケヌションやバむオメディカル・アプリケヌションの倚くで、DDSをプログラマブル波圢発生噚ずしお䜿甚しおいたす。DDSはデゞタル倀で蚭定が可胜であるため、埓来のアナログ蚭定型の波圢発生噚ずは異なり、倖付け郚品を倉曎するこずなく、波圢の䜍盞ず呚波数を簡単に倉曎するこずができたす。DDSを䜿甚すれば、呚波数をリアルタむムで簡単に倉曎するこずで、共振呚波数を調べたり、枩床ドリフトを補償したりするこずができたす。このようなアプリケヌションにおけるDDSの甚途ずしおは、むンピヌダンスの枬定むンピヌダンス倉化量を甚いるセンサヌなど、マむクロ・アクチュ゚ヌタ甚のパルス波倉調信号の生成、LANや電話ケヌブルの枛衰量の怜査のための可倉呚波数源などがありたす。

実甚的な機噚やシステムの蚭蚈者にずっおDDSの䞻な利点は䜕でしょうか?

コスト競争力があり、高性胜で、機胜が集積化された珟代のDDS ICは、通信システム、センサヌどちらの分野でも䞀般的に利甚されるようになっおいたす。蚭蚈技術者にずっおは、以䞋が魅力的な点です。

  • デゞタル制埡されたマむクロヘルツの呚波数分解胜ず1°未満の䜍盞可倉機胜
  • きわめお高速な出力呚波数同調たたは䜍盞における倉化速床。オヌバヌシュヌト/ アンダヌシュヌトがなく、アナログ回路関連のルヌプ・セトリング時間も関係ない、䜍盞が連続した呚波数ホッピング
  • DDSのデゞタル・アヌキテクチャは、アナログ・シンセサむザ・゜リュヌションで必芁ずされる郚品の経幎倉化や枩床ドリフトに関連した手動調敎や埮調敎が䞍芁
  • DDSアヌキテクチャのデゞタル制埡むンタヌフェヌスは、高分解胜を維持したたたプロセッサ制埡によるシステムの最適動䜜を可胜にする環境を実珟

FSK倉調ではDDSデバむスをどのように䜿甚したすか?

バむナリ呚波数シフト・キヌむング䞀般にFSKずいいたすは、最も簡単なデヌタ倉調方匏の1぀です。これは、連続的な搬送波の呚波数を異なる2぀の呚波数したがっおバむナリになりたすの間をシフトするこずによっおデヌタを送信するものです。䞀方の呚波数f1 : おそらく高いほうの呚波数をマヌク呚波数バむナリ1、もう䞀方の呚波数f0をスペヌス呚波数バむナリ0ずしたす。図6はマヌク/ スペヌスのデヌタず送信信号ずの関係の䟋です。

Figure 6
図6. FSK倉調

この倉調方匏は、DDSによっお簡単に実珟できたす。出力呚波数を衚すDDS呚波数同調ワヌドを適切な倀に蚭定し、送信される0ず1のパタヌンに同期しおf0ずf1が生成されるようにしたす。ナヌザは、送信前に必芁な2぀の同調ワヌドをデバむスに蚭定しおおきたす。AD9834の堎合、FSK倉調を簡単に実珟できるように、2぀の呚波数レゞスタを内蔵しおいたす。デバむスの専甚ピンFSELECTに倉調信号を入力し、適切な同調ワヌド぀たり呚波数レゞスタを遞択したす。図7のブロック図はFSK倉調の簡単な実装䟋です。

Figure 7
図7. DDSベヌスのFSK倉調回路

PSK倉調の堎合はどうですか?

䜍盞シフト・キヌむングPSKもデヌタ倉調の簡単な方匏です。PSKでは搬送波呚波数は䞀定であり、送信信号の䜍盞を倉化させお情報を䌝達したす。

PSKを実珟する方匏のうち最も簡単なものはバむナリPSKBPSKず呌ばれ、2぀の信号䜍盞0床ず180床だけを䜿甚したす。BPSKでは、ロゞック1入力に察しお0°、ロゞック0入力に察しお180°の䜍盞シフトでそれぞれ倉調したす。各ビットの状態は、先行するビットの䜍盞によっお決定されたす。䜍盞が倉化しない堎合、信号状態は同じたたですロヌたたはハむ。䜍盞が反転180床だけ倉化するず、信号状態が倉化したすロヌ→ハむ、たたはハむ→ロヌ。

PSK倉調は、DDS ICで簡単に実珟できたす。倧郚分のデバむスには、䜍盞倀を蚭定できる独立した入力レゞスタ䜍盞レゞスタがありたす。この倀は、搬送波の呚波数を倉曎するこずなく、搬送波の䜍盞倀に盎接加算されたす。レゞスタの内容を倉曎するこずで、搬送波の䜍盞を倉調させ、PSK倉調信号が生成されたす。高速倉調が必芁なアプリケヌションのために、AD9834では、専甚のトグル入力ピンPSELECTを䜿っお、あらかじめ倀が栌玍されおいる䜍盞レゞスタを遞択するこずができたす。このピンによっおレゞスタを切り替え、必芁に応じお搬送波を䜍盞倉調したす。

もっず高床なPSK圢匏ずしおは、4぀たたは8぀の䜍盞を䜿甚したす。これによっお倚盞倉化でBPSK倉調より高速なレヌトでバむナリ・デヌタを送信するこずができたす。4盞䜍盞倉調盎亀PSKたたはQPSKでは、可胜な䜍盞角は0°、+90°、-90°、180°です。各䜍盞シフトで2぀のビットを衚珟できたす。AD9830、AD9831、AD9832、AD9835は4個の䜍盞レゞスタを内蔵しおいたすが、レゞスタの耇数䜍盞オフセット倀を連続的に曎新するこずで、耇雑な䜍盞倉調方匏を実珟するこずができたす。

耇数のDDSデバむスを同期させお、たずえばI/Q機胜を実珟するこずはできたすか?

2個のシングルDDSデバむスを同じマスタヌ・クロックで動䜜させお、2぀の信号を出力させ、盞互の䜍盞関係を盎接制埡するこずができたす。図8では、2個のAD9834を1個の基準クロックで動䜜させおいたす。同じリセット・ピンを䜿甚しお2個のデバむスをリセットしたす。この組み合わせを䜿甚すれば、I/Q倉調を行うこずができたす。

Figure 8
図8. 同期モヌドの耇数のDDS IC

電源投入埌、DDSにデヌタを転送する前に、リセットをアサヌトする必芁がありたす。これにより盞方のDDS出力は既知の䜍盞になり、耇数のDDSデバむスを同期させるための共通の基準ポむントになりたす。デヌタが耇数のDDSナニットに入力されおも、コヒヌレントな䜍盞関係は維持されたたたです。盞察的な䜍盞オフセットは、䜍盞オフセット・レゞスタによっお垌望どおりにシフトさせるこずができたす。AD9833/AD9834は12ビットの䜍盞分解胜を持ち、実効分解胜は0.1°です耇数のDDSナニットの同期化の詳现に぀いおは、アプリケヌション・ノヌトAN-605 を参照しおください。

DDSベヌスのシステムの重芁な性胜仕様は䜕ですか?

䜍盞ノむズ、ゞッタ、スプリアスフリヌ・ダむナミック・レンゞSFDRです。

䜍盞ノむズは、発振噚の呚波数の短期的な倉動を衚しおいたすdBc/Hz。発振噚の呚波数倉動から生じたシングル・サむドバンド・ノむズ1Hz の垯域幅におけるデシベルで衚す、発振噚動䜜呚波数の振幅ずの比を、2぀たたは耇数の離調した呚波数においお枬定したす。この枬定倀は無線通信業界においお、特に性胜の面で利甚されおいたす。

DDSデバむスは優れた䜍盞ノむズ特性を持っおいたすか?

サンプリング・システムにおけるノむズは、倚くの芁因に䟝存しおいたす。基準クロックのゞッタは、DDSシステムの基本波信号の䜍盞ノむズず芋なすこずができたす。遞択した2進コヌド・ワヌドにもよりたすが、䜍盞量切り捚おによっお、システムに誀差量が玛れこむこずがありたす。2進コヌド・ワヌドが䜙りなしで衚珟できる比率の堎合、切り捚お誀差はありたせん。䜿甚可胜なビット数以䞊の䜙剰が必芁な比率の堎合、䜍盞ノむズ切り捚お誀差によっお、スペクトル䞊にスプリアスが生じたす。その倧きさず分垃は、遞択したコヌド・ワヌドに䟝存したす。DACもシステム内のノむズの原因ずなりたす。DACの量子化誀差や盎線性誀差は、ノむズず高調波の原因になりたす。図9は代衚的なDDSデバむスこの堎合はAD9834の䜍盞ノむズ・プロットです。

Figure 9
図9. AD9834の代衚的な出力䜍盞ノむズ・プロット。出力呚波数は2MHz、Mクロックは50MHz

ゞッタに぀いおはどうですか

ゞッタ は、デゞタル信号の゚ッゞ・ポむント䜍眮を長期的に平均化したずころからの瞬時的な倉動であり、単䜍は°rms です。理想的な発振噚なら立䞊がり゚ッゞず立䞋がり゚ッゞは完党に芏則正しいタむミングで発生し、決しお倉動するこずはないでしょう。もちろんそんなこずは䞍可胜です。最良の発振噚であっおも、珟実の郚品で構成されおいる以䞊、ノむズ源やその他の䞍完党性をもっおいたす。高品質で䜎䜍盞ノむズの氎晶発振噚のゞッタ呚期は、䜕癟䞇回クロック・゚ッゞの环積であっおも35ピコ秒ps以䞋になるでしょう。

発振噚のゞッタは、熱ノむズ、発振噚を構成する郚品の䞍安定性、さらに電源レヌル、グラりンド、出力から入りこむ倖郚干枉などが原因ずなり発生したす。その他の圱響ずしお、近くにあるトランスミッタからのRF干枉などの倖的な磁界や電界も、発振噚の出力に圱響を䞎え、ゞッタの原因になるこずがありたす。簡単なアンプ、むンバヌタ、バッファを経由させるこずでさえ、信号のゞッタを倧きくしたす。

このように、DDSデバむスの出力にはある皋床のゞッタがありたす。どのクロックにも固有のゞッタ・レベルがもずもず存圚するため、たず䜎ゞッタの発振噚を遞択するこずが重芁です。高呚波クロックを分呚するこずは、ゞッタ䜎枛の1぀の方法です。信号呚波数を分呚するず、長い呚期で同じ量のゞッタが発生するこずになり、システム時間に察するゞッタの占める割合を枛少させるこずができたす。

䞀般にゞッタ発生の根本原因を枛らし、他の発生源が混入しないようにするために、安定した基準クロックを䜿甚し、䜎いスルヌレヌトの信号や回路の䜿甚を避け、可胜な限り高い基準呚波数を䜿甚しオヌバヌサンプリング率を倧きくする必芁がありたす。

スプリアスフリヌ・ダむナミック・レンゞSFDRずは、基本波信号の最倧レベルずスペクトル内の任意のスプリアス信号゚むリアスおよび高調波関係にある呚波数成分を含むの最倧レベルずの比デシベル単䜍で衚蚘を意味したす。最高のSFDRを埗るには、高品質の発振噚を甚いるこずが重芁です。

Figure 10
図10. 50MHzのマスタヌ・クロックを䜿甚したAD9834の出力:
(a) fOUT=16.667MHz぀たりMCLK/3の堎合、(b) fOUT=4.8MHzの堎合

ほかの通信チャンネルやアプリケヌションず呚波数スペクトルを共有するアプリケヌションでは、SFDRは重芁な仕様です。トランスミッタ出力がほかの呚波数垯域にスプリアス信号をたきちらすず、隣接する信号が砎壊されたり、劚害を受けるこずがありたす。

50MHz のマスタヌ・クロックを䜿甚したAD983410ビットDDSの代衚的な出力プロットを図10に瀺したす。aでの出力呚波数は、マスタヌ・クロック呚波数MCLKのちょうど1/3です。最適な呚波数が遞択されおいるため、25MHzの範囲に高調波成分はなく、゚むリアスは最小限に抑えられ、すべおのスプリアスが少なくずも信号より80dB䞋回っおおりSFDR=80dB、優れたスプリアス特性が芋られたす。bの䜎い呚波数での蚭定では、波圢を圢成するサンプル・ポむントが倚くありたすが、もっず珟実的なずころが芋える図になっおいたす真にクリヌンな波圢を埗るには䞍十分。2次高調波成分における最倧のスプリアス・レベルは、信号より玄50dB䞋になっおいたすSFDR=50dB。

DDSの性胜を簡単に蚭定し予枬できるツヌルはありたすか?

基準クロック、出力呚波数や䜍盞がわかれば、オンラむンのむンタラクティブな蚭蚈ツヌルを利甚しお、同調ワヌドを遞択するこずができたす。必芁な呚波数を遞択するず、倖郚再構成フィルタ適甚埌の理想的な出力高調波も瀺されたす。䞀䟋を図11に瀺したす。衚䞭のデヌタから、䞻なむメヌゞ呚波数のようすや高調波もわかりたす。

Figure 11
図11. むンタラクティブ蚭蚈ツヌルの画面。代衚的なデバむス出力のsinx/x衚瀺

これらのツヌルによっおどのようにDDSを蚭定するのでしょうか?

必芁な出力呚波数ずシステムの基準クロック呚波数がわかっおいれば十分です。蚭蚈ツヌルがデバむスの蚭定に必芁な党おのプログラミング・シヌケンスを出力しおくれたす。図12の䟋では、MCLKは25MHz、必芁な出力呚波数は10MHz にしたした。曎新ボタンを抌すず、デバむスを蚭定するための党プログラミング・シヌケンスがInit Sequenceレゞスタに栌玍されたす。

Figure 12
図12. プログラミング・シヌケンスの代衚的な画面衚瀺

DDSデバむスを評䟡するにはどうしたらいいですか?

すべおのDDSデバむスには、別売りの評䟡甚ボヌドがありたす。専甚の゜フトりェアが付属しおいるため、ボヌドを受け取っおから数分で簡単にデバむスのテスト/ 評䟡を実行するこずができたす。各評䟡甚ボヌドに添付のテクニカル・ノヌトを読めば、回路図情報のほか、掚奚する最善のボヌド蚭蚈/ レむアりト手法がわかりたす。

DDSデバむスの詳现はどこにありたすか?

DDSのホヌムペヌゞは、www.analog.com/jp/dds にありたす。

蚭蚈ツヌルぞのリンクは、http://designtools.analog.com/dtDDSWeb/dtDDSMain.aspx にありたす。

DDS技術の詳现なチュヌトリアルに぀いおは、http://www.analog.com/static/imported-files/tutorials/450968421DDS_Tutorial_rev12-2-99.pdf をご芧ください。

AN-605に぀いおは、http://www.analog.com/static/imported-files/application_notes/AN-605.pdf  をご芧ください。

最新のDDSセレクション・ガむドに぀いおは、http://www.analog.com/jp/rfif-components/direct-digital-synthesisdds/products/index.html#Direct_Digital_Synthesis をご芧ください。


著者

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Eva Murphy

Colm Slattery

Colm Slattery

Colm Slatteryは、アナログ・デバむセズのストラテゞック・マヌケティング・マネヌゞャです。1998幎の入瀟以来、テスト、補品、システム・アプリケヌションの開発をはじめずする様々な職務を担圓。3幎間にわたる䞭囜での業務経隓も有しおいたす。珟圚は産業事業郚門で、新たなセンサヌ技術やビゞネス・モデルに関連する業務に取り組んでいたす。アむルランドのリムリック倧孊で電子工孊の孊士号を取埗したした。