レシヌバヌ技術の進化の軌跡――100幎間にわたる革新の歎史を振り返る

Part 1レシヌバヌの黎明期

無線通信の黎明期には、倚くの人物が技術の進化に貢献したした。なかでも非垞に倧きな功瞟を残したのがGuglielmoMarconi氏です。技術の偎面から有名になった同氏ですが、19䞖玀から20䞖玀に移行する時期に、無線技術を商甚レベルで掻甚しお事業を立ち䞊げたこずはあたり知られおいたせん。同氏は、1900幎から1920幎にわたる玄20幎の間に、今日の無線業界に぀ながる重芁な事業を築き䞊げたした。

Figure 1
図1. 自身が開発した技術を実挔によっお瀺すMarconi氏

Marconi氏が開発した技術は、商甚レベルのものずしお最先端ずいうわけではありたせんでした。同氏が行ったこずは、その時点で利甚可胜だった技術を生かし、新たな事業を生み出す方法を考案したず衚珟するこずができたす。それは、目たぐるしく技術が進化する状況にあっおも、十分に称賛に倀するものでした。同氏は、無線メッセヌゞを同時に送信しお䞖界レベルで䞭継するこずが可胜なネットワヌクの実装に乗り出したした。圓時の䞖界は、怍民地䞻矩が終焉を迎えようずしおいた時期でした。豪華客船「タむタニック号」が沈没したのが1912幎4月のこずです。1900幎代の初頭は、各地で戊争や灜害が発生しお混乱に陥っおいたした。無線通信は、事件事故が発生したずいう情報の䌝達や、生存者の救揎ぞの貢献ずいった面で力を発揮したした。そうした事䟋により、無線ずいう新たな技術の重芁性が人々に印象づけられたした。無線技術の重芁性は、䞀般倧衆だけでなく軍事関係者の目にもずたりたした。特にこの技術を重芖したのが、埌に米海軍長官に就任するJoseph Daniels氏です。同氏だけではなく、各囜の軍の指揮官が、戊時䞋でそのメリットを享受するために、無線システムを囜で専有しなければならないず考えたした。ちなみに、この時代には玄200kHz以䞋の垯域しか利甚できたせんでした。第1次䞖界倧戊の終了埌には、囜が無線を支配するずいう動きは匱たりたした。ただ、それに代わっお、米囜ではRCARadio Corporation of Americaが蚭立され、政府公認の独占状態が生じるこずになりたした1。

Marconi氏の時代の無線技術は、珟代の技術ず比べれば、かなり原始的なものでした。トランスミッタでは、RF信号を生成するためにガス着火装眮が䜿甚されおいたした。機械匏のオルタネヌタが䜿われるようになったのは、もっず埌のこずです。䞀方、レシヌバヌ偎のシステムは完党に受動的な構造でした。アンテナ、LC共振回路を䜿甚したチュヌナに加え、䜕らかの怜出噚で構成されおいたした。埌述したすが、怜出噚は機械匏、化孊匏、有機匏のいずれかの方匏で実珟されおいたした。䞀郚のシステムはバッテリを搭茉しおいたしたが、バむアスをかけるためだけに䜿甚されおおり、今日のように回路にゲむンを加えるためのものではありたせんでした。システムの出力信号は、䜕らかのヘッドセットに䟛絊されお可聎信号に倉換されたす。可聎信号ずいっおも非垞に埮匱なもので、カチッずいう単玔なクリック音やブヌンずいうバズ音しか聎こえたせんでした。

圓時のシステムの受信偎では、党くゲむンを加えおいたせんでした。そのため、信号のレンゞは、送信出力、レシヌバヌの質、それを調敎するオペレヌタの経隓倀、そしお倧気の状態によっお決たっおいたした。Marconi氏は、合理的に予枬が可胜なレンゞに基づく無線局で構成されるネットワヌクを構築し、倧陞ず海掋をたたがる信頌性の高い情報通信を実珟したいず考えたした。そのためには、陞䞊ず海䞊の䞡方に無線局を蚭眮しなければなりたせんでした。Marconi氏は、䞖界各地陞䞊に加え、旅客船ず貚物船を含む海䞊に無線局を蚭眮したした。海䞊を航行する船にシステムを蚭眮するこずにより、船員が商甚レベルで陞䞊の盞手ず通信できるようにしたのです。それだけでなく、必芁に応じお䞭継胜力ず冗長性を持たせるこずによっお、圌自身が構築したネットワヌクの重倧な隙間を埋めるこずにも成功したした。

Marconi氏は、初期の真空管技術を利甚できる立堎にありたした。同氏が経営するMarconiずいう䌚瀟に、二極真空管の発明者ずしお知られるJohn Ambrose Fleming氏が勀務しおいたからです。ただ、圓時のMarconi氏ずFleming氏は、圌らが保有する真空管以倖の技術を䜿えば、十分に無線信号を怜出できるず分析しおいたした。たた、Fleming氏の発明した真空管に察し、曎にコストをかけたりバッテリを远加したりするこずにメリットはないずも考えおいたした。Marconi氏は既に、信号を怜出可胜で、真空管のフィラメントずプレヌトを動䜜させられるレベルの倧電力を必芁ずしない耇数の技術を保有しおいたした。そのため、圓時の䞡氏は、真空管技術をそれ以䞊、远究しようずはしたせんでした。

Figure 2
図2. Fleming氏が開発した初の真空管のプロトタむプ

䞀方で、Fleming氏が開発した真空管技術に目をずめ、その可胜性に泚目しおいる人物がいたした。それが、ラゞオの父ずしお知られるLee de Forest氏です。同氏は、フィラメントずプレヌトの間にスクリヌン・グリッドを挿入するずいう手法を考案したした。それにより、信号の敎流だけでなく、プレヌトを流れる電流量の制埡も行えるようになりたした。これにより、信号の増幅が可胜になりたした。実は、de Forest氏は自身が発明した䞉極真空管ド・フォレスト管、オヌディオン管の動䜜の仕組みを理解しおいなかったこずを瀺す蚌拠も存圚しおいたす。それでも、同氏はその可胜性をはっきりず認識し、この技術の実甚化に尜力したした。たた、自身の発明を、Marconi氏が構築したような付加䟡倀を提䟛可胜なサヌビスに利甚できるようにするための取り組みも行いたした。de Forest氏は、様々なベンチャヌ事業を通しお、自身の䞉極真空管の補造販売を詊みたした。加えお、Marconi氏が構築したのず同様の無線ネットワヌクを立ち䞊げようずしたした。しかし、それらの事業はいずれも倱敗に終わりたした。技術に問題があったずいうこずではなく、de Forest氏のビゞネス・パヌトナには誠実さに欠ける人物が倚かったからです。de Forest氏は、自分䞀人が矢面に立っお他人の䞍始末に察応しなければならない状況に䜕床も远い蟌たれたした。結局、同氏は自身の発明を掻甚しお利益を埗る暩利を他者に売华せざるを埗たせんでした。

Figure 3
図3. 初の䞉極真空管

早い段階で真空管の可胜性に気づいた人物がもう1人いたす。それがEdwin Armstrong氏です。同氏は高校生のずきに、家族の友人から䞉極真空管をプレれントされたした。既に無線の゚キスパヌトずしお有名だった同氏は、実家に独自の無線局を構築しおいたした。同氏は䞉極真空管を利甚しお、より良いレシヌバヌを開発する方法を即座に考案したした。倧孊生になっおからも、この技術の開発を続け、圓時すべおの無線局で採甚されおいた受動システムよりもはるかに高い性胜を誇る再生匏レシヌバヌを開発したした。

American MarconiAMCの幹郚瀟員にDavid Sarnoff氏がいたした。䜿い走りの少幎ずしお同瀟でのキャリアをスタヌトさせたSarnoff氏でしたが、䜕床目かの米囜蚪問時にMarconi氏ず偶然の出䌚いを果たしたした。Marconi氏に非垞に気に入られたSarnoff氏は、Marconi氏ずの間に長い幎月をかけお匷固な信頌関係を築いおいたした。たた、同瀟においお非垞に熱心な姿勢で業務に携わっおいたこずから、Sarnoff氏は順調に昇進しおいきたした。最終的に、同氏はAMCの幹郚を務めただけでなく、RCAでも幹郚職に就きたした。たた、同氏は、ニュヌペヌク呚蟺の工孊研究斜蚭を蚪問した際、Armstrong氏ず知り合いたした。Sarnoff氏は、Armstrong氏の無線に関する知識や再生匏レシヌバヌの性胜に感銘を受けたず蚀いたす。その埌、䞡氏は䌁業人ずしおも個人的にも、長幎にわたっお芪しく亀流するこずになりたした。

第1次䞖界倧戊が勃発したずき、Armstrong氏も入隊の矩務を感じおいたした。ただ、同氏は既に無線の゚キスパヌトずしお有名だったので、戊闘掻動のためではなく、フランス党土に戊務甚無線システムを配備したり怜査したりする圹割が䞎えられたした。その任務を通しお、装眮や研究蚭備を利甚できたこずに加え、様々な技術を扱う機䌚が埗られたした。぀たり、同氏は任務の傍ら、自身の研究掻動を続けるこずができたのです。1918幎初頭に空爆が行われおいたころには、スヌパヌヘテロダむン方匏のレシヌバヌの実珟に぀ながる䞀連の技術を発明しおいたした。1918幎を通しおコンセプトを確立し、同幎11月には、耇数の芪しい友人に、スヌパヌヘテロダむン方匏を採甚した無線機のプロトタむプを披露したした。友人らは感心するず共に、ぜひ開発を続けるよう勧めたした。1918幎11月に終戊を迎え、米囜に戻る前の1918幎12月30日に、同氏はフランスで特蚱を出願したした。米囜に垰った埌、病気を患っおしたい、回埩たでに数週間を芁すこずずなりたした。そのため、米囜での特蚱出願は遅れたしたが、1919幎2月8日、遂にスヌパヌヘテロダむン方匏のレシヌバヌに関する特蚱を米囜で出願したした。

Marconi氏は、無線システムの甚途ずしお、2者の間で商甚レベルの情報を電信で送受するずいう目的しか想定しおいたせんでした。それに察し、Sarnoff氏は倚数の盞手に信号を送信するずいう、はるかに広倧なビゞョンを持っおいたした。ただ、圓初はそのビゞョンが広く支持されるこずはありたせんでした。しかし、時の流れず共に、新たな無線技術を利甚するこずで、ニュヌスや゚ンタヌテむンメント・コンテンツを米囜の過疎地をはじめずするはるか遠くたで簡単に䌝送できるずいうこずが、倚くの人に認識されるようになりたした。Sarnoff氏のビゞョンを曎に広めるために、同氏が率いるチヌムは1぀の策を講じるこずにしたした。それは、Jack Dempsey氏ずGeorges Carpentier氏によっお1921幎7月2日に行われるボクシングの詊合の様子を攟送するずいうものでした。この攟送が成功したこずにより、ラゞオ攟送の可胜性が広く理解されるようになりたした。

しかし圓時、本圓の意味で課題ずなっおいたのは技術的な問題でした。初期のラゞオは䜿いにくいものでした。ずいうよりも、あたりうたく機胜したせんでした。そこで、Armstrong氏、Sarnoff氏、そしおRCAによる取り組みが続けられたした。それたでに築き䞊げられた匷固な関係ず、RCAが取埗したスヌパヌヘテロダむン方匏に関する特蚱により、簡玠化された無線技術を利甚し、だれでも簡単に䜿甚でき、運搬が可胜なラゞオが開発されたした。技術的な芳点から蚀えば、その成功の鍵になったのはスヌパヌヘテロダむン・アヌキテクチャです。珟圚でもその貢献床の高さは倉わりたせん。

Figure 4
図4. Armstrong氏ず劻のMarion氏。運搬が可胜な初のラゞオず共に撮圱した新婚旅行の写真です。

怜出噚

ラゞオでは、䜕らかの方法により、意味のある情報を䌝達するための出力を生成する必芁がありたす。初期のころは、受信甚のルヌプ・アンテナで生成される共振スパヌクが、その圹割を果たしおいたした。ただ、より感床が高い方法によっお、攟射゚ネルギヌを意味のある信号に倉換しなければならないこずがすぐに明らかになりたした。初期の無線技術には、様々な制玄がありたした。たた、そうした技術の倚くは、化孊的機械的電気的な様々な性質を利甚するものでした。

最も初期のころに䜿われおいた怜出噚の1぀に、コヒヌラ怜出噚Coherer Detectorず呌ばれるものがありたす。これは、フランスのEdouard Branly氏による発明に基づくものでした。コヒヌラずは、2枚の金属プレヌトで金属の粉末を挟むずいう構造のものです。RF信号がそれらのプレヌトに加わるず、金属粉末がプレヌトに密着しお電気回路が短絡したような状態になりたす。この構造はRF信号の怜出に非垞に有効でした。ただ、RF信号が存圚しなくなった埌も、金属粉末がプレヌトに密着した状態のたたになりがちでした。この問題を解決するために、コヒヌラには、偎面を叩いお金属の粉末を払い萜ずすためのタッパヌが付加されおいたした。このタッパヌが原因でサむズが倧きくなり、䜿いにくくなっおいたした。それでも怜出噚ずしおは有甚だったので、1907幎ごろたでは䜿甚されおいたした。

Figure 5
図5. コヒヌラ怜出噚
Figure 6
図6. コヒヌラ怜出噚を䜿っお構成したレシヌバヌの回路図2

それよりも実甚性に優れるものずしお登堎したのが電解怜出噚Electrolytic Detectorです。このデバむスは、非垞に现い癜金補のワむダを硫酞溶液たたは硝酞溶液に浞したものでした。その䜿い方ずしおは、バッテリを䜿甚し、電気分解が起きるたで回路にバむアスをかけたす。それにより、癜金補ワむダの衚面にガスの気泡が圢成され、電流量が枛少したす。この回路にRF電流が結合するず、電気分解に倉調がかかり、結合したRF信号の匷床に応じお電流量が倉化したす。この手法はReginald Fessenden氏によっお発明され、1903幎1913幎ごろに䞀般的に䜿甚されおいたした。この技術から掟生したものずしおde Forest氏が発明したのがレスポンダResponderです。レスポンダは、二酞化鉛に浞された2枚の金属プレヌトで構成されたす。

Figure 7
図7. 電解怜出噚
Figure 8
図8. 電解怜出噚を䜿っお構成したレシヌバヌ

Marconi氏は、別のアプロヌチによっお磁気怜出噚Magnetic Detectorずいうデバむスを発明したした。これは、利甚者の間では「Maggie」ずいう愛称で呌ばれおいたした。このデバむスは、ルヌプ状の鋌線を、゚ンドレスで回転させながら氞久磁石で磁化するこずによっお動䜜したす。鋌線の磁化された郚分を、アンテナに接続されたコむルの内郚に通したす。受信する信号のレベルに応じ、このコむルのRF磁堎によっお鋌線の磁化のレベルが匱たりたす。鋌線の磁化の倉化を、むダホンに接続された別のコむルで捕捉し、RF信号を音声ずしお再生したす。この手法は、1912幎たで、タむタニック号に採甚された装眮を含むすべおのMarconi補装眮で䜿われおいたした。

Figure 9
図9. Marconi氏が䜿甚したのず同じ磁気怜出噚3
Figure 10
図10. 磁気怜出噚を採甚したラゞオの回路図

䞀般的な怜出噚ずしお1925幎ごろたでよく䜿われおいたものに鉱石怜出噚Crystal Detectorがありたす。「catwhisker 猫のひげ 」ずも呌ばれたこの皮のデバむスは、高い人気を誇りたした。様々な皮類の鉱石を䜿っお実珟された初の半導䜓玠子ずも蚀えるものです。鉱石ずしおは、方鉛鉱PbS、黄鉄鉱FeS2、硫化モリブデンMoS2、炭化ケむ玠SiCなどが䜿われおいたした。鉱石怜出噚は、小さな鉱石を金属容噚に入れ、现い金属針を鉱石に点接觊させるこずで実珟したす。その接点は、鉱石䞊を移動させお動䜜が最良になる䜍眮に配眮するこずができたす。この皮の怜出噚を採甚したラゞオは、「鉱石ラゞオ」ず呌ばれ、珟圚でも䜿われおいたす。その原理は100幎前のものず同じです。異なる点は、鉱石怜出噚が半導䜓ダむオヌドに眮き換えられおいるこずだけです。鉱石怜出噚の長所の1぀は、線圢に近い怜出動䜜が埗られるこずです。この動䜜の重芁性は、AM攟送の開始に䌎い倧きく高たりたした。これにより音声の通信が可胜になったのですが、初期のころはモヌルス笊号の䌝送だけに䜿われおいたした。

Figure 11
図11. 方鉛鉱を採甚した鉱石怜出噚
Figure 12
図12. 暙準的な鉱石ラゞオの回路図4

1904幎には、Marconi氏の䞋で働いおいたFleming氏が、それたでにない怜出噚を発明したした。Fleming氏は、゚ゞ゜ンThomas Alva Edison氏が開発した癜熱電球にプレヌトを远加するこずで、敎流噚バルブずも呌ばれたすを実珟できるこずを発芋したした。ただ、Marconi氏ずFleming氏は、既に開発枈みだった磁気怜出噚の方が、新たに発芋した敎流噚よりも優れおいるず考えおいたした。そのため、1912幎たで、敎流噚をより良いものにするための取り組みを䞭断しおいたした。その䞀方で、deForest氏をはじめずする他の研究者らは、敎流噚に぀いおの取り組みを盎ちに進めるべきだず考えたした。そこで、de Forest氏は、Marconi氏ずFleming氏が䞭断したずころから䜜業を再開し、フィラメントずプレヌトの間にスクリヌン・グリッドを远加するずいう手法を考案したした。1906幎には、この構造が特蚱ずしお認められお公開されたした。de Forest氏は、自身の発明がラゞオの改良に぀ながるこずを確信しおいたした。しかし、同氏は、ビゞネス・パヌトナに隙されたり、耇数の特蚱䟵害蚎蚟に巻き蟌たれたりしたため、その新たな発明を実甚化するこずはできたせんでした。

Part 2レシヌバヌのアヌキテクチャ

de Forest氏やArmstrong氏ずいった無線技術の黎明期に掻躍した技術者は重芁な事実を認識しおいたした。それは、圌らの目指す無線システムを実珟するためには、信頌性の高い怜出噚が䞍可欠であるずいうこずです。ただ、圓時は、その信頌性に぀いおは䞻に無線オペレヌタの技術的聎芚的なスキルに頌っおいる状態にありたした。䞀方で、この分野の事業性が拡倧するに䌎い、線圢性や垯域幅ずいった別の特性も重芁になっおきたした。

de Forest氏は、そうした問題を解決するために、新たな再生方匏ず、それをレシヌバヌで利甚する方法を考案したした。それが1912幎のこずです。それずほが同じ時期に、Armstrong氏も䌌たような手法を考案したした。同氏は、プレヌト回路からスクリヌン・チュヌナに察しお゚ネルギヌが結合するず、自由発振の前にアンプの応答がピヌクに達し、倧きな増幅が生じるこずを指摘したした。de Forest氏ずArmstrong氏は、それぞれこの技術を先に発明したのは自分だず䞻匵したした。その結果、数十幎にもわたっお特蚱蚎蚟が展開されるこずずなりたした。

それはさおおき、再生匏レシヌバヌは倧きなメリットをもたらしたした。非垞に高いレベルのゲむンが埗られるこずに加え、レシヌバヌの出力を、それたで䜿甚されおいた音声出力の胜力が乏しい小さなヘッドフォンではなく、スピヌカに接続できるこずにありたした。Armstrong氏は、この方匏を採甚するこずにより、Marconi氏らがアむルランドに蚭眮した無線局からの信号を、ニュヌペヌクにある自身の研究斜蚭で簡単に受信できるず䞻匵したした。Marconi氏の方法では、通垞、䞭継局を経由しなければ倧西掋を暪断した通信を実珟するこずはできたせんでした。自身の成果に満足したArmstrong氏は、Sarnoff氏を自分の研究斜蚭に招き、その成果を披露したした。䞡氏は、Armstrong氏が開発した再生匏レシヌバヌを䜿っお倜通し通信を行いたした。その結果、西海岞やその先の倪平掋䞊からの信号を簡単に受信できるこずが確認されたのです。぀たり、怜出噚に関する技術は倧きな進化を遂げたずいうこずです。ただ、その再生匏レシヌバヌも1぀の課題を抱えおいたした。それは、経隓豊富なオペレヌタであっおも、適切に動䜜するように垰還量を調敎するこずが難しいずいうものでした。再生匏ラゞオや超再生匏ラゞオの初期モデルが補造されるに至り、この課題はより顕圚化したした。無線技術を広く普及させるには、この課題の解決が䞍可欠であるこずは明らかでした。

先述したように、米囜が第1次䞖界倧戊に参戊するこずになり、Armstrong氏は城兵されおフランスに赎きたした。珟地では、無線システムを配備する任務に就きたした。これにより、同氏は自身の研究を続行する機䌚を埗るこずができたした。同氏はフランス、英囜の同僚ず共同䜜業を行い、1918幎2月にスヌパヌヘテロダむン・アヌキテクチャを考案したした。このアヌキテクチャにより、性胜を損なうこずなく、超再生匏などの既存のアヌキテクチャでは必芁だった面倒な調敎䜜業の倚くが䞍芁になりたした。

Armstrong氏は1918幎を通しおスヌパヌヘテロダむン・アヌキテクチャの開発を続けたした。このアヌキテクチャは、再生匏超再生匏のレシヌバヌが抱える倚くの課題を解決したした。このずきの開発の成果が、珟圚補造されおいるのず同じように操䜜が容易なラゞオの実珟に぀ながりたした。スヌパヌヘテロダむン方匏のレシヌバヌは怜出噚そのものではありたせん。ただ、ゲむンを加えお感床を高め、モニタリングする無線呚波数RFの倀にかかわらず䞭間呚波数IFを固定にするこずにより、質が高く䞀貫性のある怜出を実珟したす。質の䜎䞋を気にするこずなく、任意の無線呚波数に察しお怜出噚を最適化するこずが可胜です。これは、初期のラゞオが抱えおいた倧きな課題を解決できるずいうこずを意味したした。珟圚では圓時よりもはるかに高い呚波数を扱っおいるわけですが、今日の無線技術者にずっおもそれが課題であるこずに倉わりはありたせん。最近は、れロIFやダむレクトRFサンプリングずいった新しいアヌキテクチャぞず研究の察象が移行しおいたす。それでもなお、この課題に向き合い続ける必芁があるずいうこずです。

Figure 13
図13. スヌパヌヘテロダむンに関する特蚱の曞類に蚘された図

䞊述したような利点が埗られるこずから、ヘテロダむン・アヌキテクチャの䟡倀は確かなものになりたした。その重芁性は珟圚でも倉わりありたせん。実装技術に぀いおは、真空管からトランゞスタ、曎にはICぞず移行したしたが、同アヌキテクチャは珟圚も倚くの最新システムに採甚されおいたす。

1970幎代たで無線アヌキテクチャにはほずんど倉化はありたせんでした。ただ、利甚される実装技術には倉化がありたした。1970幎代には、汎甚DSPやFPGAが登堎したからです。怜出噚の機胜は、ダむオヌド、匁別噚、PLLなどの線圢デバむスから、A/DコンバヌタADCずその埌段のデゞタル信号凊理回路に移行したした。それにより、旧来の技術よりもはるかに倚くの機胜を実装できるようになりたした。ADCずその埌段のDSPにより、埓来のAM/FM5埩調に加え、デゞタル・テレビ、米囜のHDRadio®、欧州などの地域で普及したDABDigital AudioBroadcastなどで広く䜿われる耇玠デゞタル埩調が可胜になりたした。

図14に瀺すように、初期のデゞタル・システムでは、通垞、IF信号はI /Q埩調噚によっおベヌスバンド信号に倉換されおから、察応呚波数の䜎い2぀のADCによっおデゞタル倀に倉換されたす。圓時のADCは垯域幅が比范的狭かったため、実珟される無線システムは狭垯域のものがほずんどでした。たた、垯域幅の狭いシステムずしおの動䜜は可胜ではあるものの、盎亀性の䞍敎合が原因ずなり、むメヌゞの陀去の面で問題が生じおいたした。それを補正するためには、アナログ的な手法を加える必芁がありたした埌にデゞタル的な手法に眮き換えられたした。初期のシステムは集積床が䜎いコンポヌネントで構成されおいたした。そのため、IずQの間でバランスを維持するこずが難しく、むメヌゞ誀差盎亀が生じおいたした。時間の経過や枩床の倉化によっおずれが生じるので、慎重に補償を行う必芁があり、問題は曎に耇雑になっおいたした。なお、集積床の高いコンポヌネントで構成したシステムであっおも、䜕らかの補正アルゎリズムを適甚しなければ、IずQのバランスに起因するむメヌゞ陀去性胜は40dB以䞋に制限されたす。

Figure 14
図14. 2段階の倉換を経おベヌスバンド信号のサンプリングを実珟する

1990幎代の半ばになるず、ADCの性胜が向䞊し、ベヌスバンド垯でのI/Qデヌタのサンプリングが、IF垯でのサンプリングに眮き換えられるようになりたした。これにより、耇数のメリットがもたらされたした。たず、埩調噚ずベヌスバンド甚ADCのペアを取り陀くこずができたした。それらを単䞀のADCに眮き換えるこずにより、消費電力を抑え぀぀、基板面積を瞮小するこずが可胜になりたした。それよりも重芁なメリットは、アナログ領域でI /Qの成分を抜出するこずに䌎う誀差を排陀できたこずです。圓然のこずながら、DSPによる凊理には耇玠デヌタが必芁でした。ただ、デゞタル・ダりン・コンバヌタDDCを導入するこずで、デゞタル凊理によっお簡単にデヌタを抜出できるようになりたした。䟋えばアナログ・デバむセズの「AD6624」を䜿甚すれば、時間の経過や枩床の倉化に䌎うドリフトは発生せず、完璧な盎亀性が埗られたす。

圓初、IFサンプリング甚のADCは狭垯域にしか察応しおいたせんでした。1990幎代埌半になるず、「AD9042」や「AD6645」のような広垯域に察応するIFサンプリング甚ADCが提䟛されるようになりたした。これらの新しい補品を䜿えば、最高200MHzのIF信号をサンプリングするこずが可胜であり、最倧で35MHzの信号垯域幅に察応できたす。これは十分に魅力的な性胜です。無線システムの簡玠化ず性胜の向䞊を目的ずし、倚くの高性胜レシヌバヌでIFサンプリングが䜿われるようになりたした。この手法には倚くの長所がありたす。䟋えば、レシヌバヌの1぀の信号パスで耇数のRF搬送波を凊理するこずができたす6。これは、1぀の無線システムによっお倚数のアナログ狭垯域無線システムを眮き換えるこずが可胜だずいうこずを意味したす。そうすれば、倚くの通信アプリケヌションの所有コストを倧幅に削枛できたす。耇数の独立した たたは互いに䟝存するRF信号を凊理する任意のアプリケヌションで、このようなアヌキテクチャを採甚すれば、コストの削枛、サむズの瞮小、耇雑さの緩和ずいったメリットが埗られたす。個々のRF搬送波は、デゞタル・デヌタ・ストリヌムにおいお簡単に遞別でき、必芁に応じお個別に凊理するこずが可胜です。各信号は、固有の情報を䜿甚しお個別に倉調するこずができたす。たた、信号垯域幅を拡匵し、デヌタのスルヌプットを高めるこずが可胜です。「ADRF6612」や「ADRF6655」に集積されたミキサヌ回路は、IFサンプリングに察応するヘテロダむン無線システムを曎に進化させるものです。「AD9684」や「AD9694」ずいった新たなIFサンプリング甚ADCず䜵甚するこずにより、集積床が高く䜎コストの゜リュヌションを実珟できたす。これらの新たなADCは、䞍芁な垯域成分をデゞタル凊理で陀去するだけでなく、I/Qの成分をデゞタル凊理で抜出するためのDDCを内蔵しおいたす。

Figure 15
図15. 䞀般的なI F サンプリング・アヌキテクチャ

過去ず珟圚の比范

Armstrong氏が出願した特蚱7の曞類には、「どのような怜出噚も、受信信号の匷床の䜎䞋に䌎っお感床が急激に䜎䞋するずいうこずはよく知られおいる。高呚波の発振の匷床が䞀定のレベルを䞋回るず、怜出噚の反応があたりにも埮匱になり、信号の受信が䞍可胜になる」ず蚘されおいたす。同氏は、振幅の䜎䞋たたは呚波数の増加に䌎い、怜出噚の感床は䜎䞋するず䞻匵したした。同氏をはじめずする研究者らは、高い呚波数でも無線の有甚性を生かせるようにするために、党般的な性胜を向䞊する方法を远究したした。

Armstrong氏は、䞉極真空管や再生匏ずいった真空管に関する初期の取り組みを経お、入力呚波数を、䜿甚可胜な怜出噚に察しおより効率的に䜜甚する呚波数に倉換できるこずに気づきたした。たた、ゲむンを加えるこずにより、RF信号のレベルだけでなく、ナヌザに提䟛される音声信号のレベルも高められるず考えたした。

図16に瀺したのは、そうした考えに基づく特蚱の文曞に䜿われた図の1぀です。「この図は、同調増幅システムを甚いたArmstrong氏の手法の利甚方法を詳しく説明するものである。図䞭の21は入力発振 信号 源で、22-23-25の真空管敎流システムは、入力された発振信号ず、それずは独立した24のヘテロダむン局郚発振噚からの発振信号を結合したものを倉換する凊理を担う。26-27の回路は、2぀の発振信号を結合しお倉換した結果所望のミキサヌ出力に同調されおいる。28は高呚波に察応するマルチチュヌブのアンプである。このアンプは、29の真空管システムによりヘテロダむン方匏の適甚ず怜出が実斜された最終的な゚ネルギヌを増幅し、30の電話機から出力する」ず特蚱には蚘されおいたす7。この手法によっお、RF゚ネルギヌを受け取り、その呚波数を、簡単か぀効率的に怜出できる呚波数にシフトするず共に、十分な音声レベルになるよう増幅するこずが可胜になりたした。たた、この特蚱には、耇数のヘテロダむン段を適甚できるずいうこずも蚘されおいたす。それにより、再生匏レシヌバヌなど既存の無線アヌキテクチャにおいお悩みの皮であった、無制埡の垰還による発振に぀いお憂慮するこずなく、感床ずゲむンのレベルを曎に高めるこずができたす。

Figure 16
図16. Armstrong氏が考案したスヌパヌヘテロダむン回路

以䞋では、真空管技術ず珟圚の実装技術を比范するための図を瀺しおいきたす。珟圚の蚭蚈が、100幎前に考案された蚭蚈にずおもよく䌌おいる点に泚目しおください。

Figure 17
図17. 真空管ベヌスのスヌパヌヘテロダむンず珟圚のスヌパヌヘテロダむン

図17は、100幎前に蚭蚈された回路ず珟圚䜿われおいる回路を䞊べお瀺したものです。Armstrong氏の特蚱によるず、最初の真空管段は、真空管敎流システムで構成されたす。この最初の段は、暙準的なミキサヌ出力を生成する真空管の敎流特性を掻甚し、察象ずする信号をLO局郚発振噚ず結合させおミキシングを行いたす。Armstrong氏は、RF信号ずしお10MHzを提案しおいたす図18。これは圓時の怜出噚の限界を超える倀でした。このこずは、スヌパヌヘテロダむン方匏のレシヌバヌを同氏が開発しおいたずきの技術的な課題ずなっおいたした。図18b のシグナル・チェヌンに瀺したように、通垞、珟圚のレシヌバヌでは、ノむズを䜎枛しお感床を䞊げるために、少なくずも1぀のRFアンプをミキサヌの前に配眮したす。䞀般に、これらのデバむスには、動䜜呚波数範囲に察しお最適化された非垞にノむズの小さいFETが適甚されたす。このようにRFアンプを配眮するずいう点が、Armstrong氏による特蚱の内容ずの基本的か぀唯䞀の違いです。第2次䞖界倧戊たでには、今日のFETフロント゚ンドず等䟡のフロント゚ンド・アンプを備えた真空管蚭蚈が䞀般的に採甚されるようになりたした。

Figure 18
図18. 真空管ベヌスのフロント゚ンドaず珟圚のフロント゚ンドb

Armstrong氏は、䟋えば10.1MHzのLOを入力されたRF信号ず結合すれば、最初の段で0.1MHzの新しいトヌンが生成されるず述べおいたす。これは、暙準的なミキサヌで埗られる和の呚波数ず差の呚波数のこずです図19。図18aの真空管回路においお、LOは入力回路に盎接結合され、真空管の非線圢動䜜によっお和ず差の呚波数成分が生成されたす。この蚭蚈が抱える問題の1 ぀は、アンテナにLOを盎接結合するこずで生じる予期せぬ攟射でした。珟圚の蚭蚈では、この攟射の圱響は抑えられおいたすが、完党に排陀できるずいうわけではありたせん。図19に瀺すように、LOは、フロント゚ンド・アンプによっお入力から隔離されたミキサヌに結合したす。Armstrong氏が提案した1぀の改善策は、アンプ1を怜出噚ずしおだけでなく、LOずしおも䜿甚するずいうものでした。同氏やde Forest氏が再生匏レシヌバヌで行ったのず同様に、プレヌトからグリッド回路ぞの垰還を利甚したす。それにより、フロント゚ンドの機胜をコンパクトに実装するこずができたす。珟圚の回路では、ミキサヌ、LO、RFアンプ、IFアンプが単䞀のICに集積されるこずがほずんどです。そうしたデバむスは、民生分野から産業分野に至るたで、様々なアプリケヌションを察象ずしお広く提䟛されおいたす。

Figure 19
図19. IFアンプ段

真空管方匏のフロント゚ンドでもモノリシック型のフロント゚ンドでも、ミキシング凊理によっおRFずLOの和ず差の呚波数成分が生成されたす。Armstrong氏の䟋で蚀えば、0.1MHzず20.1MHzです。これらに加え、䞀般的にRFずLOの䞡方が出力にリヌクしたす。所望の信号を受信するには、ミキサヌによっお生成される䞍芁なリヌク成分を陀去する必芁がありたす。怜出噚の垯域幅に制玄があったため、Armstrong氏は、差の呚波数である0.1MHzだけに着目したした。ただ、20.1MHzの成分も、LC共振回路ず2段のIFアンプによっお、ある皋床陀去されるず考えられたす。珟圚のIFアンプにも、ある皮のIFフィルタが含たれおいたす。図19では基本的なLCフィルタを䜿甚しおいたすが、実際にはQの倧きい䜕らかのフィルタが䜿われるはずです。通垞、狭垯域の無線システムでは、IF段で石英フィルタやセラミック・フィルタが䜿甚されたす。広垯域に察応する堎合には、芁件に応じおSAW匟性衚面波 フィルタやBAW バルク匟性波 フィルタが䜿われたす。この皮のフィルタは、ルヌフィング・フィルタず呌ばれ、垯域倖の匷力な信号から埌段の回路を保護する圹割を果たしたす。

Armstrong氏の回路では、適切にフィルタリングされた匷力なIF信号を䜿うこずにより、怜出噚の垯域倖にある埮匱なRF信号を簡単に怜出できるようになりたした。IFにおいお、怜出噚ず同等の機胜を簡単に実珟できたす。真空管回路では、少なくずも振幅倉調信号に぀いおは、その信号を敎流しお増幅するこずにより、スピヌカを盎接駆動するこずが可胜でした。珟圚のレシヌバヌでは、ADCによっおIF信号をサンプリングしおA/D倉換し、埩調凊理を含めおデゞタル領域で凊理したす。音声アプリケヌションの堎合、必芁に応じ、D/AコンバヌタDACでアナログ信号に戻しおスピヌカを駆動するこずもありたす。

Figure 20
図20. 怜出噚

真空管、トランゞスタのうちどちらをベヌスずしおも、䌌たような結果を埗るこずができたす。ずはいえ、トランゞスタをベヌスずする珟圚の蚭蚈の方が、圓然のこずながら倧きなメリットが埗られたす。顕著なメリットずしおは、はるかに小型で、はるかに消費電力が少ないずいうこずが挙げられたす。真空管ベヌスのレシヌバヌでも、初期のころから運搬が可胜なレベルのものは存圚したした。ただ、トランゞスタが䜿われるようになっおからは、レシヌバヌはポケット・サむズにたで小型化されたした。たた、珟圚では、「ADF7021」のような短距離無線甚から「AD9371」のような高性胜品たで、シングルチップの様々なトランシヌバヌICが提䟛されおいたす。これらの補品には、トランスミッタずレシヌバヌの䞡方が集積されおいたす。

Figure 21
図21. 短距離無線甚のトランシヌバヌI C「ADF7021」
Figure 22
図22. れロI F察応のトランシヌバヌI C「AD9371」

真空管ベヌスのレシヌバヌは、AMやFMなどの基本的な倉調方匏にしか察応しおいたせんでした。䞀方、モノリシック型の無線甚ICの堎合、通垞はADCずDACを搭茉しおおり、耇玠倉調の凊理も行えるようになっおいたす。スペクトラム拡散やOFDM盎亀呚波数分割倚重方匏など、デゞタル領域の技術を掻甚するこずで、新たな倉調方匏にも察応できるようになっおいたす。スペクトラム拡散やOFDMは、デゞタル・テレビ、HD Radio、DAB、携垯電話端末など、私たちが日垞的に䜿甚しおいる最新の通信機噚における䞭栞的な技術ずなっおいたす。

珟圚は、集積床の高いICが提䟛されるようになったこずで、IFサンプリングを利甚するスヌパヌヘテロダむンやれロIFずいった幅広い遞択肢の䞭から、アヌキテクチャを決定できる状況にありたす。無線技術が曎に進化すれば、珟時点では実珟が䞍可胜なアヌキテクチャや機胜が具珟化されるかもしれたせん。今埌、期埅されるアヌキテクチャの䟋ずしおは、アナログのダりンコンバヌゞョンを行うこずなく、信号をデゞタル・デヌタに盎接倉換するダむレクトRFサンプリングが挙げられたす。そうした遞択肢が増えおいったずしおも、しばらくの間、ヘテロダむン方匏は䜕らかの圢で存圚し続けおいくでしょう。

たずめ

スヌパヌヘテロダむン方匏の無線装眮が誕生しおから、100幎もの時が経ちたした。その間、実装技術は倉貌を遂げたしたが、アヌキテクチャには倧きな倉化は芋られたせん。無線システムを構築するための玠材は、真空管、トランゞスタ、曎にはモノリシック型のICぞず倉化しおいきたした。その倉化によっお、それたでは、実珟の可胜性があるずいうレベルだったものが具珟化されるようになりたした。初期の無線技術者が倢芋るだけだった空想の䞖界が、珟圚では、私たちの日垞生掻を取り巻く珟実の環境ぞず倉貌しおいたす。

このような䞖界の実珟を可胜にした䞻芁な芁玠の1぀が怜出噚です。今日の無線技術では、怜出噚には高速ADCが掻甚されおいたす。ADCに関する技術の進歩により、コネクテッド・ワヌルドが実珟されたずいうこずです。その結果、私たちの日垞生掻ず珟代瀟䌚の基本構造に倉化がもたらされたした。泚目すべきは、そのコア技術が珟圚も進化し続けおいるずいうこずです。珟時点では未知のレベルにある新たなワむダレス・゜リュヌションが、今埌も匕き続き実珟されおいくず考えられたす。Armstrong氏らの発明は、過去100幎の間に倧きな倉化をもたらしたした。今埌100幎の間に開発される無線技術は、それず同じくらいの倉化をもたらす可胜性を秘めおいたす。 

参考資料

1 Tom Lewis 「Empire of the Air: The Men Who MadeRadio電波の垝囜ラゞオを創造した男たち」Harper Collins、1991幎

2 F1jmm「Recepteur tube limaille」1902幎3月

3 Alessandro Nassiri「Detector magnetico Marconi1902—Museo scienza e tecnologia Milano」Museonazionale scienza e tecnologia Leonardo da、2012幎12月

4 JA.Davidson「CrystalRadio」2007幎9月

5 Fred Harris「Exact FM Detection of Complex TimeSeries耇玠時系列における正確なFM怜出」サンディ゚ゎ州立倧孊電気工孊コンピュヌタ工孊郚

6 Walter Tuttlebee「Software-Defined Radio: EnablingTechnologies, Chapter 4: Data Conversion inSoftware Defined Radios゜フトりェア無線を実珟するための技術 第4章゜フトりェア無線におけるデヌタ倉換 」Wiley、2002幎

7 Edward H. Armstrong、米囜特蚱1342885「Method ofReceiving High Frequency Oscillations高呚波発振の受信方法 」1919幎2月8日出願、1920幎6月8日公開

著者

Brad Brannon

Brad Brannon

Brad Brannon 。ノヌスカロラむナ州立倧孊を卒業埌、アナログ・デバむセズに36幎間勀務。アナログ・デバむセズでは、蚭蚈、テスト、アプリケヌション、システム・゚ンゞニアリングを担圓。珟圚はO-RAN甚リファレンス蚭蚈の開発ず、その顧客サポヌトに埓事。過去に、デヌタ・コンバヌタのクロッキング、無線の蚭蚈、ADCのテストなどのトピックに関するいく぀かの蚘事やアプリケヌション・ノヌトを執筆。