AD5590

AD5590は16チャンネル入力と16チャネルの出力を持つアナログI/Oポートで、単電源4.5 V～5.25 V電源で動作する8個の自由接続可能なアンプを内蔵しています。AD5590は、16チャンネルをマルチプレクスして入力される、1 MSPS、 12ビットの逐次比較型ADコンバータを備えており、各チャンネル入力のシーケンスはあらかじめ変換順序をプログラムして設定することが可能となっています。このADコンバータは低ノイズ、広帯域幅を持つサンプル＆ホールドアンプを備えており、1MHZを越える周波数を持った入力を可能としています。

変換処理とデータ収集に関しては、マイコンやDSP等と容易にインターフェースできるように、ASYNCとシリアル・クロック信号を用いて制御されます。入力信号はASYNCの立下りエッジでサンプルされ、同時に変換器が初期化されます。ADコンバータはパイプライン遅延のないADCです。制御レジスタの関連ビットを設定することにより、ADコンバータのアナログ入力範囲を、0～VREF間あるいは0～2×VREF間で選択でき、出力コードとしてはストレートバイナリまたは2の補数のどちらかを選択することができます。変換時間は、マスタークロックが変換制御としても使われるため、ASCLK周波数によって決定されます。

AD5590のDAコンバータ部は、2つの8チャンネルにグループ化された16個12ビットDAコンバータで構成されています。各グループにはリファレンスが内蔵されています。これらの内蔵リファレンスは、パワーアップ時はオフとなっているため、外部リファレンスを使うこともできます。内蔵リファレンスはソフトウェアの書き込みによって有効となります。

AD5590では、パワーアップ時のDAC出力は0 Vですが、その後有効な書き込みが実行されるまで、このレベルを維持するパワーオンリセット回路が組み込まれています。このDACはパワーダウン機能を備えています。いずれかまたはすべてのDACチャネルがパワーダウンモード中の場合、ソフトウェアで選択可能な出力負荷を提供することによって、デバイスの消費電流を低減することができます。全てのDAコンバータの出力はLDAC機能を用いることによって、同時にアップデートさせることができます。この機能は、ユーザーが選択したチャンネルのみを同時更新する場合にも使えます。また同時に、全てのDAコンバータ出力を非同期に、ゼロコード、ミッドスケールあるいはフルスケールにCLRする機能も備えています。

AD5590は8個の低ノイズ、単電源アンプも内蔵しています。これらのアンプは、要望に応じてADコンバータ、DAコンバータに関連する信号処理、あるいは他の独立した回路として使うことができます。

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