Thought Leadership
より優れた実験には、より優れたデータとより優れた科学が必要である。
Andrew+で作業効率を向上
Watersが2013年に発売した最初のピペッティング・ロボットは高い評価を博し、成功を収めました。この製品は長年にわたり数々の賞を受賞しました。更に重要なことに、世界中のユーザからのフィードバックとして、Watersに多くのデータが提供されました。
これにより、世界中の研究所が、生産性と再現性という共通の課題に直面していることが明らかになりました。顧客の声を聞き、そのフィードバックを理解することで、Watersは作業効率の向上に必要とされる、市場における未開拓分野に目星を付けました。それは、ラボ内のネットワーク化された機器からのデジタル・データのキャプチャとフローを自動化し、より正確な結果、コスト削減、効率性の向上、そして世界中の研究者との共同作業能力の向上を実現する、コネクテッド・ラボの必要性です。
コネクテッド・ラボ・オートメーション
コネクテッド・ラボ・オートメーション・デバイスとLab 4.0のトレンドを牽引するWatersのチームは、シングルおよびマルチチャンネル・ピペッティング用のAndrew+の開発に着手し、細胞生物学、診断、創薬、食品検査、ゲノミクスなど、用途に関係なく作業効率を高めることのできる完全なエコシステムを提供することを決意しました。
しかし、顧客と同様に、Watersもまた、自社の主要なミッションに焦点を当てながら作業効率を向上させたいと考えていました。Watersの電子エンジニアであるJonathan Aubert氏は、ADI Trinamicとチームを組んだ理由について、このように説明しています。「効率的に作業を進める必要があるなら、並行して作業しなければなりません。ADI Trinamicとチームを組んだ理由はそこにあります。」

柔軟性が鍵となる
Maxon EC 45フラット・モータとADI Trinamicの信頼性の高いビルディング・ブロックをベースとした3つのサーボ・ドライバと、安全機能としてStallGuardを搭載したTMCM-1140を使用する1つのステッピング・モータ・ドライブを組み合わせて完成させるのに、両社合わせて4ヵ月間を要しました。これらのドライブを組み合わせることで、モータ1回転あたり8192ステップ、最大0.022度の精度を実現し、マイクロプレートに必要とされる極めて高い精度が得られます。最も重要なこととして、両社間の優れたコミュニケーションと柔軟なTMCL-IDEにより、開発時間とオーバーヘッド・コストがかなり節約されたことが挙げられます。
「TMCLは非常に柔軟性のある言語です。これは、短いタイムラインで何かを開発しながらも柔軟性を確保したい場合に重要なポイントです」とJonathan Aubert氏は続けます。「これは実に大切なことです。1つのソリューションを試してみて、それが適切なソリューションでないことが判明しても、コンポーネントはハードコードされていないので、その動作を簡単に変更し、適応させることができます。」
スピード、精度、汎用性を高めたモジュラー型ソリューション
前世代と比較して、Andrew+はより速く、より正確で、より汎用性があります。それにより、世界中のユーザがプロセスの再現性を高め、手作業によるピペッティングによる反復疲労傷害のような健康問題を予防することを支援します。また、ラボの技術者による遠隔作業を実現し、同じラボ内または異なるラボ間で情報を共有できるようにします。必要なのは1人の人間がモジュラー型システムですべてをセットアップすることだけで、残りの作業はAndrew+が行います。

すべてをセットアップするラボの技術者からチップ、Domino、消耗品の数を提供されると、Andrew+は3つのエンコーダを使用して原点復帰ルーチンを実行します。まず、ギアボックスの出力にあるアブソリュート・エンコーダが位置を検出してから、ホール・センサーからの入力がどのステップにあるかを判断します。最後に、インクリメンタル・エンコーダによって生成された既知の繰り返し可能なエンドシグナルに合わせてドライブを動かし、すべてのドライブが正しい位置にあることを確認します。
原点復帰シーケンスの後、アプリケーションはアームを使用し、選択したプロトコルに従って、すべてが正しい位置にあることを確認します。これには、各Dominoのバーコードをスキャンし、チップがある場合はその個数を数え、最大4つのピペットを収納できるスペースがあるツール・スタンドに正しいピペットがあることを確認する作業も含まれます。必要に応じて、Sartorius製のスマート電子ピペットを手動で使用することもできます。すべての準備が整うと、Andrew+は最高の信頼性と精度でタスクを実行し、ユーザは主要なミッションに集中することができます。
完全なエコシステムの提供
このラボ・オートメーション形式の鍵となるのは、Andrew+のモジュール性とWatersが提供する周辺エコシステムです。様々なDominoと200ナノリットルから10ミリリットルまでの幅広いピペットを備えたAndrew+から、Shaker+、Peltier+、その他追加のコネクテッド・デバイスまで、OneLabは効率的でエラーのないピペッティングによる日々の実験を実現します。
ラボの技術者の時間を節約したり健康問題を予防したりするエコシステムは、誰でもアクセスできるようにすることでLab 4.0を手頃な価格に抑えています。直感的に操作できる無料のOneLabソフトウェアを使用することで、誰もが自分のプロセスをドラッグ&ドロップでAndrew+に実行させることができ、生産性と再現性を高め、世界中のラボの作業効率を向上させます。
自動化されたコネクテッド・ラボを簡単に
この動画では、ADI Trinamicのビジネス・マネジメント・ディレクターであるJonas Proegerが、顧客の開発を加速し市場投入までの時間を短縮する、ADI Trinamicsのソリューション・レベル製品について語ります。
ADI Trinamicは、受賞歴のあるWatersのエコシステムを採用することで、Watersのモーション・コントロール・パートナーとして選出されたことを誇りに思います。