

Signals+ ニュースレター登録
Signals+はコネクティビティ、デジタルヘルス、モビリティ、スマートインダストリーに関する最新情報をお届けします。
ありがとうございます。ご登録のメールアドレスにお送りしたメールを確認し、ニュースレター登録を完了させてください。
世界中の人々の生活に影響を与える、画期的なテクノロジーに関する最新情報をタイムリーにお届けします。
閉じる持続血糖測定器で糖尿病の管理を容易化する
持続型血糖モニター(CGM:Continuous Glucose Monitoring)デバイスは、非常に小さな電子機器です。しかし、このシステムは世界中で数億人にも及ぶ糖尿病患者の人生を変えるほどの力を備えています。1型糖尿病の患者にとって、指先から血液を採取(指先穿刺)して血糖値を確認する作業は日常的かつ重要なものです。場合によっては、この方法で1日に7回も採血を行うことがあります。この検査によって得られる値は、採血を行ったまさにその時点での状態を表すものでしかありません。言い換えると、患者の血糖値を継続的かつリアルタイムに示すものではないということです。そのため、患者は血糖値が上がっているのか下がっているのかという判断を誤ってしまう可能性があります。問題に適切に対処するために役立つ洞察力のようなものが確実に得られるとは限らないのです。
指先穿刺による採血や、試験紙を用いた検査、更には確実性に乏しい条件下での血糖値の推測から糖尿病の患者を解放するにはどうすればよいのでしょうか。その解となるのが持続血糖測定器です。但し、そのシステムは、より使いやすく、効率的で、低価格である必要があります。また、人体への侵襲を最小限に抑えつつ、血糖と健康をプロアクティブに(先を見越して)管理することを可能にするものでなければなりません。
Meiqiの概要
事業内容
持続血糖測定器(CGMを提供する中国の大手メーカー
課題
糖尿病の患者に予防的な(後追いにならない)処置を低コストかつ容易に施すことを可能にする持続血糖測定器を提供する。
目標
Meiqiにとって第3世代品にあたる持続血糖測定器を開発する。ウェアラブル、低消費電力、小型、低価格で、長時間使用できる画期的な製品を完成させる。
アナログ・デバイセズのソリューション
CGMデバイス向けのインピーダンス測定用センサー
指先穿刺からの脱却――実用的な洞察を得つつ、コストを削減

現在は、指先穿刺や血糖値の推測から脱却し、便利で正確な持続血糖測定器へ移行すべく世界中で舵が切られている状況にあります。その先頭に立っているのが、中国の大手CGMメーカーであるMeiqiです。中国は世界最多の糖尿病人口を抱えている国です。その数は実に1億2500万人以上に上ります。この巨大な市場に対応するために、Meiqiはアナログ・デバイセズと提携を結びました。その目的は、集積度の高いウェアラブルな持続型血糖モニター機器を開発することです。これは同社の第3世代の製品(Meiqi Gen3)になります。
持続血糖測定器では、皮下に埋め込んだ微細なセンサーを使用し、継続的に血糖値を測定します。得られたデータは一旦スマートフォンまたは腕時計に送られ、そこから更にクラウドまで送信されます。それにより、リアルタイムに近いレベルの情報を得ることができます。その情報を基に、糖尿病の患者は運動や食事、インスリンの量を即座に調整することができます。その結果、重い高血糖の状態や低血糖による発作を回避することが可能になります。
また、持続血糖測定器の導入によってコストを削減できるというのも、かなり現実的な話になっています。一生涯にわたり針と試験紙を使った場合の金銭を節約したとすると、その額は患者にとってはかなり大きなものになるかもしれません。しかし、持続型血糖値モニターによって得られる洞察は、患者が長きにわたって症状を適切に管理することに貢献します。また、高度な医療処置や、通院による高額な医療費を避けることも可能になります。CGMを利用すれば、患者自身で健康を管理したり、食事の内容を変更したり、投薬の時間を調整したりすることができます。それにより、QOL(Quality of Life)を向上することが可能になります。これは多くの患者にとって非常に有益なことです。

「当社を含むCGM業界にとって、SWaP(サイズ、重量、消費電力)は大きな課題でした。アナログ・デバイセズは、この問題に完全に対処可能なソリューションを提供してくれました。アナログ・デバイセズの協業体制、システム・レベルの知識、専門技術は非常に卓越したレベルにあります。つまり、単なる部品メーカーをはるかに超える存在だということです。」Mr. Zhang Feng 章峰
CEO and Founder | Meiqi
動作原理:
持続血糖測定器

便利で、予測可能で、洞察力に富んだ糖尿病の管理法

医療は対処的なものから、より予測的なものへと移行しています。持続血糖測定器はその一例です。持続血糖測定器を提供するためには、信号処理に関する高度な知識が必要になります。実際、そうした専門知識がなければ、予測的かつパーソナライズされた医療に移行することはできません。
移行が果たせるか否かは、患者に持続的にもたらされる洞察の質にかかっています。つまり、運動が原因で血糖値が高すぎるのか、不適切な食習慣が原因で血糖値が低すぎるのかといったことを把握できるようにしなければなりません。また、そうした洞察について、長期にわたり正確に監視/判断できるようにする必要もあります。
臨床レベルの正確な血糖値のデータを使用することによって、患者は適切にインスリンを投与できるようになります。また、血液障害や心疾患、脳卒中、腎疾患、糖尿病性昏睡といった糖尿病の合併症を防ぐことも可能になります。血糖値のデータは、数日間、数週間、数ヵ月間にわたる詳細な情報がクラウドに送信されます。その情報に基づき、医療関係者は糖尿病を管理するためのより良い判断を下すことが可能になります。指先穿刺では、このようなレベルの正確かつ予測に役立つデータを得ることはできません。
臨床レベルのデータの管理に貢献するアナログ・デバイセズ
MeiqiのCGMシステム構成

完全なCGMソリューション

病院用のバージョン
センサー、トランスミッタ、レコーダで構成されます。病院で患者の血糖値を測定し、結果を保存できるように設計されています。

患者用のバージョン
センサーとトランスミッタのみで構成されます。患者はスマートフォンのアプリを使用し、自宅で血糖値のデータを測定することができます。
次世代のCGMシステムに必要な次世代の技術
Meiqiの持続血糖測定器は、高い利便性と高度な機能を備えるように設計されています。ウェアラブルな小型パッチは、針とセンサーを備えています。加えて、アナログ・デバイセズが提供するモバイル向けの次世代インピーダンス測定技術が適用されています。
この持続血糖測定器において、センサー素子は極めて重要な役割を果たします。そのセンサー素子として、Meiqiはアナログ・デバイセズの「AD5950」を採用しました。同製品は低電圧で動作することと、小型であることを特徴とします。また、アナログ・デバイセズは単なる部品メーカーをはるかに超えるパートナーとしての役割を果たしました。Meiqiにとって、アナログ・デバイセズはシステム・レベルの広範な知識、深い専門知識、デジタル医療に関する重要な経験を有する協力者だったのです。特に、慢性疾患を管理するためのウェアラブル機器に関して高い信頼度を誇る存在であったことは重要でした。加えて、アナログ・デバイセズの中国支社は、Meiqiに対して地域市場に関する貴重な洞察を提供すると共に、短納期の実現にも努めました。その結果、Meiqiは、市場投入までの期間という面で高い優位性を得ることができました。
アナログ・デバイセズとMeiqi:
先行者としての立場を堅持

Meiqiは、中国において持続血糖測定器の大手メーカーとしての地位を確立しています。第3世代の製品を設計するにあたり、同社が探していたのは単なる技術パートナーではありません。同社は、リーダー企業としてのビジョンを共有することができ、人命を救うための洞察の導入/提供を妥協なく推し進めることが可能な協力先を必要としていたのです。
アナログ・デバイセズもトップの地位にある企業です。
当社が設立されたのは50年以上も前のことです。その1日目から、当社の目標は、エンジニアリング領域における最も難易度の高い課題を解決可能な技術により、人間の潜在能力を引き出せるようにすることでした。糖尿病の患者が自分自身で血糖値を管理し、自分の健康をプロアクティブに管理できるようにすることも、この目標と合致しています。
Meiqiは、消費電力とサイズの面で課題を抱えていました。Meiqiにとって、デジタル医療技術を得意分野とするアナログ・デバイセズはパートナーとして最適でした。協業を果たした両社は、持続血糖測定器の開発分野で最も強力な存在になりました。その結果、糖尿病の患者が便利で手頃な方法によって自身の血糖値を管理することが可能になったのです。
「Meiqiは、デジタル・ヘルスという革新的な分野に携わる革新的な企業です。当社は、当社と同様のビジョンを掲げるパートナーを必要としていました。このニーズにぴったりと合致したのがアナログ・デバイセズです。アナログ・デバイセズは、先進的な技術を主導する役割を果たし、産業分野の顧客に対して比類のない価値をもたらすという原則を掲げているからです。」Mr. Zhu Jun 祝军
R&D VP | Meiqi