概要
設計リソース
評価用ボード
型番に"Z"が付いているものは、RoHS対応製品です。 本回路の評価には以下の評価用ボードが必要です。
- EVAL-CN0179-PMDZ ($36.49) Reference Design Board
- EVAL-SDP-CB1Z ($116.52) Eval Control Board
- SDP-PMD-IB1Z ($64.74) PMOD to SDP Interposer Board
デバイス・ドライバ
コンポーネントのデジタル・インターフェースとを介して通信するために使用されるCコードやFPGAコードなどのソフトウェアです。
製品カテゴリ
マーケット & テクノロジー
使用されている製品
参考資料
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AN-345: 低周波回路と高周波回路のグラウンド設計2004/12/06PDF491 kB
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AN-347: シールディングとガーディング2002/10/24PDF688 kB
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AN-202: デカップリング、グラウンディング、変更をうまく行うためのICアンプ・ユーザズ・ガイド (Rev. B)2002/10/09PDF597 kB
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CN0179 Software User Guide2018/10/18WIKI
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The Data Conversion Handbook, 20052005/01/02
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OPアンプ大全2005/01/02
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MT-015: Basic DAC Architectures II: Binary DACs (Rev. A)2009/03/20PDF100 kB
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CN-0179 : 200uA 以下、低電力、4 mA-20 mA、プロセス・コントロール電流ループ2011/01/11PDF511 kB
回路機能とその特長
図1.の回路はプロセスコントロール・システムとそのアクチュ エータ間の通信を行う4 mA-20 mA 電流ループ・トランスミッ タです。この回路はコスト・パーフォーマンスが優れていると ともに、産業界で最も低電力のソリューションです。4 mA-20 mA 電流ループはデジタル又はアナログ入力、出力のプログラマブ ル・ロジック・コントローラー(PLCs)や分散制御システム (DCS’s)に広範囲に使用されてきました。電流ループ・イン ターフェースが一般的に利用される理由は長距離強ノイズ耐性 データ伝送としてもっともコスト・パーフォーマンスの良い方 法だからです。低電力デュアル・オペアンプAD8657、DACのAD5621とリファレンスADR125と、リファレンス の組み合わせを使用する事に よりマイクロコントローラやデジタル・アイソレータのような より高電力のデバイスにより多くの電力を振り分ける事ができ ます。 回路の出力電流は0 mA - 20 mA です。 一般的に出力電 流4 mA -20 mA の範囲はDAC 又はマイクロコントローラの入 力コントロールの入力範囲に対応しており、0 mA -4 mA の出力 電流範囲は時折故障状態を診断するために使用されます。
12 ビット、5V 駆動のAD5621 の標準的な電源電流は75 μA です。 AD8657 は入力/出力がレールto レールのデュアル・オペアンプ で、18 V までの高電圧動作が可能なオペアンプとしては現在産 業界で供給可能な最も低電力のオペアンプの1つです(フルの 電源電圧と入力同相範囲に渡り22 μA)。高精度、マイクロパ ワー、5 V バンドギャップ・リファレンスのADR125 は消費電 流が95 μA のみです。これら3 つのデバイスの消費電流の合計 は192 μAtype です。
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回路説明
工業用プロセス・コントロールのモジュールでは、 4 mA-20 mA 電流ループ・トランスミッタがコントロール・ユニットとアク チュエータ間の通信手段として使用されます。12 ビットDAC のAD5621 はコントロール・ユニットに配置され、入力コード の関数として0 V~5 V の出力電圧(VDAC)を発生します。コー ドはSPI インターフェースを介して設定されます。入力コード と出力電圧の理想的な関係は次式で与えられます。
VDAC = VREF × (D/214) (1)
ここで
VREF ADR125 の出力でAD5621 の電源になります。 D は、AD5621 にロードされるバイナリ・コードの10 進数相当 値です。
DAC 出力電圧は検出抵抗RSENSEを流れる電流を設定します。
ISENSE = VDAC/RSENSE (2)
RSENSEを流れる電流はVDACの関数として0 mA から2 mA まで 変化します。 この電流はR1 を流れて電圧を発生し、 アンプ AD8657(A2)の非反転入力の電圧を決定します。A2 のAD8657 は閉ループなので反転入力電圧は非反転入力と同じ電圧になり ます。従って、R1 を流れる電流は R2 を流れる電流に対してフ ァクタ10 でミラーの関係になっています。この関係を式3 に示 します。
IOUT = IR2 = (VDAC/RSENSE ) × ( R1/R2) (3)
With VDAC の0 V ~ 5 V の範囲で、回路は0 mA ~20 mA の電流出力 を発生します。
AD5621 はnanoDAC ファミリーの12 ビットDAC でリファレン スADR125 の5 V 出力電圧で駆動します。このDAC は出力バッ ファを内蔵しているので出力はレールto レールに振れ、高ダイ ナミック出力範囲になっております。AD5621 の標準的な電源 電流は5V の電源電圧で75 μA です。
この回路ソリューションにはレールto レール入力のアンプを必要 とします。デュアル・オペアンプAD8657 は低電力、レールto レールなので最適な選択です。このオペアンプは規定の電源電 圧、入力同相電圧範囲で動作する時、 電源電流は22 μAtyp です。 このオペアンプは又単位電流当たりの優れたノイズと帯域幅を 提供します。AD8657 は18 V までの電源電圧で動作するオペア ンプとしては電力が最も小さなオペアンプの1つです。
ADR125 は高精度、マイクロパワー、低ドロップアウト(LDO) の電源リファレンスです。18 V の入力電圧で、静止電流は95 μAtyp のみです。LDO 電圧リファレンスを選択した理由はコン トロール・ユニットからアクチュエータへのループ線全体の電 圧ドロップをより大きくとれるからです。ADR125 は安定化の ために出力に小さな0.1 μF コンデンサを必要とします。さらに 0.1 μF~10 μF のコンデンサを並列に追加する事により、負荷の 過度応答特性を向上する事ができます。(要求はされません が)入力コンデンサの接続をお勧めします。入力に1 μF ~10 μF のコンデンサを接続すると、突然の電源電圧変化があった場 合の過度応答を改善します。さらにコンデンサ0.1 μF を並列に 追加すると電源ノイズの低減に役立ちます。
(図1.には示されていませんが)バイパス用コンデンサが必要 です。この場合、0.1 μF セラミック・コンデンサと並列の10 μF タンタルコンデンサは各デュアル・オペアンプの各電源ピンに 接続する必要があります。適切なデカップリング技術の詳細は Tutorial MT-101 に記述されています。
この回路は0 mA - 20 mA の電流を出力します。図2.は この回路 から250 Ω 負荷抵抗に流れる出力電流の測定値を示します。図 3.は出力電流の誤差曲線です。
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