MAX1441とUSB-JTAG間インタフェースボードのプログラミング

要約

MAX1441は、車載用パッシブキーレスエントリ(PKE)などのアプリケーションで容量性近接検出を実現するための信号コンディショニング集積回路(IC)です。MAX1441を組み込んだ最終製品のテストとプログラムを行う製造システムの一環として、インタフェースボードが必要となります。MAXQUSBJTAG-KITは、マキシムがこの目的のために提供するUSB-JTAG間のインタフェースボードです。このアプリケーションノートでは、インタフェースボードとMAX1441アプリケーションボードとの接続について説明します。

はじめに

MAX1441は、車載用パッシブキーレスエントリ(PKE)などの多くのアプリケーションで容量性近接検出を実現するための信号コンディショニング集積回路(IC)です。MAX1441は、2つの独立したタッチ/近接センサーチャネルが備えています。このICは、以下に示すように広範囲の環境でサポートされています。

  1. 統合開発環境のMAX-IDE—これは、アセンブラ、コンパイラ、ユーザインタフェース、およびフラッシュプログラマです。
  2. プログラムのコード例と標準アプリケーションファームウェア
  3. 完全テスト済みの評価(EV)キットMAX1441EVSYS—これには、インタフェースハードウェア、アプリケーション回路、および2つのタッチパッド付きのタッチパッド基板が含まれます。

製造用のJTAGインタフェース

 

MAX1441を組み込んだ最終製品のテストとプログラムを行う製造システムの一環としてインタフェースボードが必要となります。次の3つのオプションが利用可能です。

  1. カスタムインタフェースを開発するか、サードパーティのJTAGインタフェースボードを取得し、これをMAX1441に合わせて修正します。
  2. ジャンパ設定を変更し、EVキットボードからMAX1441を取り除くことによってMAX1441EVKITの制御部分を使用します。MAX1441EVKITボードの構成方法については、MAX1441EVKITのデータシートを参照してください。
  3. マキシムが提供する、USB-JTAG間インタフェースボードMAXQUSBJTAG-KITを使用します。

これらのオプションは、実装が正常に完了すれば、いずれも同様に正しく動作します。最初のオプションであるボードのカスタマイズまたはサードパーティのインタフェースボードの取得は、最も複雑で時間のかかる可能性のある選択肢になります。MAX1441との整合性や通信の信頼性を検証する必要があるからです。2番目のオプションは最も実績があります。マキシムの工場から出荷される各EVキットは、MAX1441の動作とインタフェース機能について完全にテスト済みであるからです。ただし、このオプションは、EVキットボードの変更が必要で、各テストシステムに1つのEVキットが専用で必要となります。MAXQUSBJTAG-KITを用いる3番目のオプションは極めて簡単で実装が容易です。MAX1441との信頼性のある通信がすでに検証されているからです。

このアプリケーションノートでは、MAXQUSBJTAG-KIT JTAGインタフェースとMAX1441の標準アプリケーション回路との間の接続について詳しく説明します。ここで記す情報は、いずれのボードやデバイス(マイクロプロセッサなど)にも当てはまります。これはJTAGの通信プロトコルに従っています。

インタフェース接続

図1に示すアプリケーション回路は、MAXQUSBJTAG-KITボード上でMAX1441とJTAGインタフェース間の接続を備えています。この回路図でわかるようにJTAGライン上で必要なプルアップ抵抗は、アプリケーション回路に含まれます。通常、プルアップ抵抗はテストシステムに含まれているため、アプリケーションボードで繰り返し使用する必要はありません。

図1. MAX1441アプリケーション回路とMAXQUSBJTAG-KITボードとの間のJTAGインタフェースの接続

図1. MAX1441アプリケーション回路とMAXQUSBJTAG-KITボードとの間のJTAGインタフェースの接続

図2は、セットアップを示します。すなわち、テストソケット付きのアプリケーション回路ボード、MAX1441のチャネル2入力に接続されたタッチプレート、およびコンピュータ(図にはありません)に接続されたMAXQUSBJTAG-KITボードです。このアプリケーションボードに搭載されたテストソケットは設計作業に使用するもので、アプリケーション回路では必要ありません。

図2. MAX1441アプリケーションボードとMAXQUSBJTAG-KITの接続セットアップ

図2. MAX1441アプリケーションボードとMAXQUSBJTAG-KITの接続セットアップ

Tシステムを動作させるには、図2のようなセットアップから開始します。まだの場合は、最初にMAX1441EVSYSのデータシートを調べて該当するソフトウェアをインストールします。次にユーザインタフェースとしてMAX1441EVSYSソフトウェアパッケージに含まれるMAX-IDEアプリケーションを使用し、MAX1441をプログラムします。最後に、デバイスの動作とレジスタの定義について、MAX1441のデータシートや他のサポートドキュメント(「MAXQ® FAMILY USER'S GUIDE」や特定のMAXQマイクロコントローラ用のユーザガイドなど)を調べます。