高品質の波圢を簡単、効率的か぀柔軟に生成するDDSデバむス

芁玄

ダむレクト・デゞタル・シンセシスDDS技術は、医療、工業、蚈枬、通信、防衛などさたざたな分野の広範なアプリケヌションにおいお高品質の波圢の生成および倉曎に甚いられおいたす。この蚘事では、この技術の抂芁を瀺し、そのメリットず制玄を説明し、アプリケヌションのいく぀かの䟋ずこの技術をすぐに利甚できるようにする新補品をご玹介したす。

はじめに

倚くの業界で共通しお求められる重芁な条件に、さたざたな呚波数ずタむプの波圢の正確な生成、簡単な操䜜、短時間の倉曎があげられたす。スプリアスフリヌの優れた動的性胜を持぀䜎䜍盞ノむズのアゞャむル呚波数源を必芁ずする広垯域トランシヌバの堎合であれ、安定した呚波数励振を必芁ずする産業甚蚈枬制埡システムの堎合であれ、䜍盞連続性を維持しながら、調敎可胜な波圢を短時間に、簡単か぀経枈的に生成するこずができる胜力は重芁な蚭蚈基準になりたす。ダむレクト・デゞタル呚波数合成はこれを実珟するこずができたす。

呚波数合成ずは

スペクトル茻茳が増倧する䞀方、消費電力が少なく品質の高い蚈枬機噚に察する芁求が高たるなか、新しい呚波数範囲を䜿甚しながら、既存の呚波数範囲を効率的に利甚するこずが求められおいたす。その結果、呚波数生成をさらに適切に制埡するこずが必芁ずなっおいたすが、倚くの堎合これは呚波数シンセサむザによっお行われたす。これらのデバむスは、任意の呚波数fCを䜿甚しお関連する必芁な呚波数fOUTず䜍盞で波圢を生成したす。䞀般的には、次のような単玔な関係匏になりたす。

fOUT = εx× fC

ここで、スケヌリング係数εxは、時に正芏化呚波数ず呌ばれたす。

この匏は、必ず実数の段階的な近䌌化のアルゎリズムを䜿甚しお実装されたす。スケヌリング係数が有理数で2぀の互いに玠である敎数の比であるずき、出力呚波数ず基準呚波数の比は調和関係になりたす。しかし倚くの堎合、εxは非垞に広い範囲の実数に属しおおり、倀が蚱容範囲に入るずすぐに近䌌化は打ち止めされたす。

ダむレクト・デゞタル呚波数合成

呚波数シンセサむザのこのような実甚化の1䟋が、ダむレクト・デゞタル呚波数合成DDFSです。䞀般的に、短瞮しおダむレクト・デゞタル・シンセシスDDSずいいたす。この技術は、デゞタル・デヌタ凊理によっお、固定呚波数リファレンス぀たりクロック源fCに関連させお呚波数たたは䜍盞を同調する出力を生成したす。DDSアヌキテクチャでは、プログラマブルなバむナリ同調ワヌドで蚭定するスケヌリング係数によっお、基準呚波数぀たりシステム・クロック呚波数を分呚したす。

簡単に蚀えば、ダむレクト・デゞタル呚波数シンセサむザは、䞀連のクロック・パルスをアナログ波圢䞀般的にはサむン波、䞉角波、たたは矩圢波に倉換したす。図1に瀺すように、その基本的な構成芁玠には、䜍盞アキュムレヌタ出力波圢の䜍盞角に察応する数倀を生成するもの、䜍盞デゞタル・コンバヌタ特定の䜍盞角で生じる出力振幅の瞬間的なデゞタル比を生成するもの、D/AコンバヌタDACデゞタル倀をサンプリングされたアナログ・デヌタ・ポむントに倉換するものがありたす。

Figure 1
図1. DDSシステムの機胜ブロック図

サむン波出力の堎合、この䜍盞デゞタル・コンバヌタは䞀般的にサむンルックアップテヌブルです図2。䜍盞アキュムレヌタは、Nず぀カりントし、次匏に基づいおfCに関連する呚波数を生成したす。

Equation 1

ここで
Mは、同調ワヌドの分解胜です2448ビット。
Nは、䜍盞アキュムレヌタの出力ワヌドの最小の挞進的䜍盞倉化に察応するfCのパルス数です。

Figure 2
図2. DACを䜿った代衚的なDDSアヌキテクチャず信号経路

Nが倉化するず、出力の䜍盞ず呚波数が即時に倉化するため、システムは本質的に䜍盞連続になりたす。これは、倚くのアプリケヌションにおいお重芁な特性です。フェヌズ・ロックド・ルヌプPLLなどのアナログ型システムずは異なり、ルヌプ・セトリング時間は必芁ありたせん。

DACは䞀般に、DDSコア䜍盞アキュムレヌタず䜍盞振幅コンバヌタず䜿甚するように特に蚭蚈された高性胜回路です。倚くの堎合、このようにしお埗られるデバむス通垞はシングル・チップを䞀般的にコンプリヌトDDSたたはC-DDSず呌びたす。

さたざたな呚波数䜍盞倉調方匏に察応できるように、実甚的なDDSデバむスは通垞耇数のレゞスタを集積しおいたす。䜍盞レゞスタが内蔵されおいる堎合、その内容は䜍盞アキュムレヌタの埌で加算されたす。これによっお、䜍盞同調ワヌドに合わせお出力サむン波の䜍盞遅延ができたす。この機胜は、通信システムの䜍盞倉調アプリケヌションにずおも䟿利です。䜍盞同調ワヌドのビット数、したがっお遅延の分解胜は、加算噚回路の分解胜によっお決たりたす。

DDS゚ンゞンずDACを1぀のデバむスに集積するこずには、利点も欠点もありたす。しかし、集積されおいるかどうかにかかわらず、きわめお高玔床の高品質なアナログ信号を生成するにはDACが必芁です。DACはデゞタル・サむン波出力をアナログ・サむン波に倉換したすが、シングル゚ンドでもよいし差動にするこずができたす。重芁な条件をいく぀かあげるず、䜎䜍盞ノむズ、広垯域WB-ず狭垯域NB-の優れたスプリアスフリヌ・ダむナミック・レンゞSFDR、䜎消費電力です。倖付け郚品のDACの堎合、信号凊理に十分な速床を必芁ずするため、パラレル・ポヌトを備えたものを䜿甚したす。

DDSずその他の゜リュヌションの比范

呚波数を生成するその他の方法ずしおは、アナログのフェヌズ・ロックド・ルヌプPLL、クロック発生噚、そしおFPGAを䜿甚しおDACの出力をダむナミックに蚭定する方法などがありたす。これらの技術を簡単に比范するには、スペクトル性胜ず消費電力を調べたす。これを定性的に瀺したのが衚1です。

è¡š1. DDSずこれに代わる技術のハむレベル比范

消費電力 スペクトル玔床
備考
DDS
䜎
äž­
同調が簡単
ディスクリヌト DAC + FPGA
äž­
䞭高
同調可胜
アナログ PLL
äž­
高
同調は困難

フェヌズ・ロックド・ルヌプは、䜍盞比范噚、デバむダ、電圧制埡発振噚VCOで構成される垰還ルヌプです。䜍盞比范噚は、基準呚波数ず出力呚波数通垞は係数Nによっお分呚を比范したす。䜍盞比范噚が生成した誀差電圧はVCOに印加され、出力呚波数が生成されたす。ルヌプがセトリングするず、出力のリファレンスに察する呚波数や䜍盞の関係が正確なものになりたす。PLLは、特定の察象垯域で高い忠実床ず安定した信号を必芁ずする䜎䜍盞ノむズ、高スプリアスフリヌ・ダむナミック・レンゞSFDRのアプリケヌションに優れたデバむスであるず長い間考えられおきたした。

しかし、PLLは呚波数出力ず波圢を正確か぀短時間に同調させるこずができず、応答も遅いため、アゞャむルな呚波数ホッピング、あるいは䞀郚の呚波数䜍盞シフト・キヌむング・アプリケヌションには向いおいたせん。

その他の方匏、たずえば、DDS゚ンゞンを内蔵したフィヌルド・プログラマブル・ゲヌト・アレむFPGAを垂販のDACず組み合わせお出力サむン波を合成する方法では、PLLの呚波数ホッピング問題は解決したすが、ほかの匱点がありたす。システム䞊の䞻な欠点ずしおは、動䜜やむンタヌフェヌスのために必芁な電力が高いこず、高コスト、サむズが倧きくなるこずに加えお、システム開発では゜フトりェアハヌドりェアメモリのオヌバヌヘッドが増えるこずがあげられたす。たずえば、最新のFPGAでDDS゚ンゞン・オプションを䜿甚する堎合、60dBのダむナミック・レンゞを持぀10MHzの出力信号を生成するには、最倧72kBのメモリが芁求されたす。さらに蚭蚈者には、埮劙なトレヌドオフやDDSコアのアヌキテクチャに粟通し、簡単に扱えるこずが求められたす。

実際には衚2を参照、CMOS凊理の急速な進歩に最新のデゞタル蚭蚈技術ず改善されたDACトポロゞヌを組み合わせるこずによっお、これたで広範なアプリケヌションでは実珟できなかった消費電力、スペクトル性胜、コストを可胜にするDDS技術が生たれたした。コンプリヌトDDS補品は、ハむ゚ンドのDAC技術ずFPGAのナヌザヌ仕様の組み合わせによっお実珟できる最高の性胜ず蚭蚈の柔軟性にはかないたせん。しかし、DDSデバむスの単玔さずサむズ、電力、コスト面のメリットを考慮すれば、倚くのアプリケヌションでDDSデバむスが第䞀候補になるず考えられたす。

è¡š2. ベンチマヌク解析の芁玄呚波数生成技術<50MHz

フェヌズ・ロックド・ルヌプ
DAC + FPGA
DDS
スペクトル性胜
高
䞭高
äž­
システム電源条件
高
高
䜎
デゞタル呚波数同調
なし
あり
あり
同調応答時間
高
䜎
䜎
゜リュヌション・サむズフットプリント
äž­
高
䜎
波圢柔軟性
䜎
äž­
高
コスト
äž­
高
䜎
蚭蚈再利甚
äž­
䜎
高
実装の耇雑さ
äž­
高
䜎

たた、DDSデバむスは基本的に出力波圢をデゞタル方匏で生成する仕組みを採甚しおいるため、䞀郚の゜リュヌションのアヌキテクチャを簡玠化したり、波圢をデゞタル蚭定するこずもできたす。䞀般にDDSの機胜ず動䜜を説明するにはサむン波が䜿甚されおいたすが、最新のDDS ICの堎合、䞉角波や矩圢波クロックの出力も簡単です。前者の堎合はルックアップ・テヌブル、埌者の堎合はDACが䞍芁であり、簡単で正確なコンパレヌタを集積するだけです。

DDSの性胜ず制玄

むメヌゞず゚ンベロヌプSin(x)/xロヌルオフ

DACの実際の出力は、連続的なサむン波ではなく、サむン波の時間゚ンベロヌプを持぀䞀連のパルスです。察応する呚波数スペクトルは䞀組のむメヌゞず゚むリアスになりたす。むメヌゞは、sin(x)/x゚ンベロヌプに沿っお存圚したす図3の|振幅|プロットを参照。フィルタは、察象垯域倖の呚波数を抑制するために必芁ですが、通過垯域内に珟れる高次の゚むリアスDACの非盎線性などが原因を抑制するこずはできたせん。

ナむキストの基準によれば、必芁な出力波圢を再構成するために1サむクルに぀き最䜎2぀のサンプルを䜿甚したす。むメヌゞ応答は、サンプリングされた出力スペクトル内のK fCLOCK±fOUTの䜍眮に発生したす。この䟋では、fCLOCK= 25MHzおよびfOUT=5MHzであり、最初ず2番目のむメヌゞはfCLOCK±fOUT぀たり、20MHzず30MHzで発生したす図3を参照。3番目ず4番目のむメヌゞは45MHzず55MHzで珟れたす。なお、sin(x)/xのれロは、サンプリング呚波数の倍数で珟れたす。fOUTがナむキスト垯域幅1/2 fCLOCKを䞊回る堎合、最初のむメヌゞ応答は、折り返しむメヌゞずしおナむキスト垯域幅の䞭に珟れたすたずえば、15MHzの信号ぱむリアスにより10MHzになりたす。埓来型のナむキスト呚波数のアンチ゚むリアス・フィルタでは、折り返しむメヌゞを出力から陀去するこずはできたせん。

Figure 3
図3. DDSでのSin(x)/xロヌルオフ

䞀般的なDDSアプリケヌションでは、出力スペクトル内のむメヌゞ応答の圱響を抑制するためにロヌパス・フィルタを利甚したす。ロヌパス・フィルタのカットオフ条件を適切に保ち、簡単なフィルタ蚭蚈にするには、目安ずしお、経枈的なロヌパス出力フィルタを䜿甚しおfOUT垯域幅をfCLOCK呚波数のおよそ40%に制限するずよいでしょう。

基本波に察する任意のむメヌゞの振幅は、匏sin(x)/xを甚いお蚈算できたす。この関数は呚波数ずずもにロヌルオフするため、基本波出力の振幅は同調された呚波数ずは逆に枛少したす。DDSシステムでは、この枛少はDCからナむキスト垯域幅たでの党域で3.92dBになりたす。

最初のむメヌゞの振幅は盞圓に倧きく、基本波の3dB以内です。DDSアプリケヌションのフィルタ凊理条件を簡玠化するには、呚波数プランを䜜成し、必芁なfOUTおよびfCLOCK呚波数におけるsin(x)/x振幅応答ずむメヌゞのスペクトル䞊の泚意点を解析するこずが倧切です。アナログ・デバむセズのDDS補品ファミリヌに察応するオンラむンのむンタラクティブ蚭蚈ツヌルを䜿甚すれば、むメヌゞの䜍眮を迅速か぀簡単にシミュレヌションし、むメヌゞが察象垯域の倖偎になる呚波数を遞択するこずができたす。その他の圹に立぀情報に぀いおは、「詳现な情報ず䟿利なリンク」を参照しおください。

出力スペクトルにおけるその他の異垞DACの積分埮分盎線性誀差、DACに関連するグリッチ・゚ネルギヌ、クロックのフィヌドスルヌ・ノむズなどは、sin(x)/xのロヌルオフ応答に埓いたせん。これらの異垞は、高調波やスプリアス・゚ネルギヌずしお出力スペクトル内の倚くの堎所に珟れたすが、通垞、その振幅はむメヌゞ応答に比べおごくわずかです。DDSデバむスの党䜓のノむズ・フロアは、サブストレヌトノむズ、熱雑音、グラりンド結合、その他の信号結合を生じさせるものを环積的に総合したものによっお決たりたす。DDSデバむスのノむズ・フロア、スプリアス性胜、ゞッタは、基板のレむアりト、電源の品質、さらにこれが最も重芁ですが、入力基準クロックの特性に倧きな圱響を受けたす。

ゞッタ

理想的なクロック源は、゚ッゞの発生するタむミングがたったく狂うこずがないものでしょう。もちろん、そんなものはありえたせん。最良の発振噚であっおも、理想的でない郚品で構成されるので、ノむズやその他の䞍完党性が䌎いたす。高品質で䜎䜍盞ノむズの氎晶発振噚のゞッタは䜕癟䞇個ものクロック・゚ッゞを环積しおも、ピコ秒レベルです。ゞッタは、熱によるノむズ、発振噚電子回路の䞍安定性、さらには電源、グラりンド、出力の接続からの倖郚干枉ずいった発振噚のタむミングを狂わせるものが原因になっお発生したす。その䞊、発振噚は倖郚の磁界や電界から干枉を受け、近くにあるトランスミッタからのRF干枉にも圱響されたす。発振噚回路内のシンプルなアンプ、むンバヌタ、バッファも信号のゞッタを倧きくしたす。

したがっお、䜎いゞッタず鋭い゚ッゞを持぀安定した基準クロック発振噚を遞択するこずが重芁です。高呚波の基準クロックを䜿甚すればオヌバヌサンプリングを倧きくでき、呚波数分割によっおゞッタをいくぶん改善するこずができたす。信号の呚波数を分割するず、より長い呚期に察しお同じ量のゞッタが発生する為、その結果信号䞊のゞッタの割合が小さくなるためです。

ノむズ䜍盞ノむズを含む

サンプル察象のシステムのノむズは、基本波信号の䜍盞ノむズずしお珟れる基準クロック・ゞッタを始め、数倚くの芁因に䟝存したす。DDSシステムでは、䜍盞レゞスタ出力の切り捚おによっお、コヌドに䟝存するシステム誀差が生じるこずがありたす。2進化ワヌドにすれば、切り捚お誀差が生じたせん。非2進化ワヌドの堎合は、切り捚お誀差による䜍盞ノむズによりスペクトル内にスプリアスが生じたす。スプリアスの呚波数倧きさは、コヌド・ワヌドに䟝存したす。DACの量子化誀差ず盎線性誀差も、システム内の高調波ノむズを増倧させたす。時間領域誀差アンダヌシュヌトオヌバヌシュヌトやコヌド・グリッチなどは、いずれも出力信号に歪みをもたらしたす。

アプリケヌション

DDSアプリケヌションは、䞻に以䞋の2぀のカテゎリヌに分けられたす。

  • デヌタの゚ンコヌディングおよび倉調アプリケヌション甚にアゞャむルな呚波数源を必芁ずする通信およびレヌダヌ・システム
  • プログラマブルな同調、掃匕、励起による䞀般的な呚波数合成機胜を必芁ずする蚈枬、工業、光孊甚のアプリケヌション

いずれの堎合も、リモヌト機噚やバッテリ駆動機噚向けの䜎電力動䜜ずサむズの条件に加えお、高いスペクトル玔床䜎い䜍盞ノむズず高いスプリアスフリヌ・ダむナミック・レンゞが求められる傟向にありたす。

倉調デヌタ・゚ンコヌディングおよび同期分野でのDDS

もっぱらレヌダヌや軍甚アプリケヌションで䜿われおきた歎史を持぀DDS補品ですが、そのいく぀かの特性の進歩性胜、コスト、サむズの改善によっお、倉調やデヌタ・゚ンコヌディングのアプリケヌションでもDDS技術が広く䜿われるようになりたした。以䞋では、2぀のデヌタ・゚ンコヌディング方匏ず、DDSシステムによる実装に぀いお説明したす。

バむナリ呚波数シフト・キヌむング BFSKたたは単にFSKは、最も簡単なデヌタ・゚ンコヌディング圢匏の1぀です。デヌタを送信するずき、連続的な搬送波の呚波数を2぀の離散的な呚波数の䞀方バむナリ1、぀たりマヌクず他方バむナリ0、぀たりスペヌスの間でシフトさせたす。図4は、デヌタず送信される信号の関係です。

Figure 4
図4. バむナリFSK倉調

バむナリ1ずバむナリ0は、それぞれ2぀の異なる呚波数f0ずf1ずしお衚されたす。この゚ンコヌディング方匏は、DDSデバむスで簡単に実装するこずができたす。出力呚波数を衚すDDS呚波数同調ワヌドを倉曎しお、1ず0の送信によっおf0ずf1が生成されるようにしたす。アナログ・デバむセズのコンプリヌトDDS補品ファミリヌの少なくずも2぀の補品AD9834ずAD9838。付録も参照では、ICに内蔵されおいる呚波数レゞスタに珟圚の2぀のFSK呚波数同調ワヌドを蚭定するこずができたす。出力呚波数をシフトするには、専甚ピンFSELECTによっお適切な同調ワヌドを含むレゞスタを遞択したす図5を参照。

Figure 5
図5. DDSAD9834たたはAD9838の同調ワヌド・セレクタを䜿甚したFSK゚ンコヌディング

䜍盞シフト・キヌむングPSKは、デヌタ・゚ンコヌディングのもう1぀の簡単な圢匏です。PSKでは、搬送波の呚波数は䞀定であり、送信される信号の䜍盞が倉化しお情報を䌝達したす。いく぀かの方匏を䜿甚しおPSKを実珟するこずができたす。最も簡単な方法は䞀般にバむナリPSKあるいはBPSKず呌ばれ、0°ロゞック1ず180°ロゞック0の2぀の信号䜍盞だけを䜿甚したす。各ビットの状態は、先行するビットの状態によっお決定されたす。搬送波の䜍盞が倉化しない堎合は、信号の状態は同じたたですロヌたたはハむ。搬送波の䜍盞が180°倉化した堎合぀たり、䜍盞が反転した堎合、信号状態が倉化したすロヌからハむたたはハむからロヌ。倧郚分のデバむスには䜍盞倀を栌玍できる独立した入力レゞスタ䜍盞レゞスタがあるため、PSK゚ンコヌディングはDDS補品で簡単に実装するこずができたす。この倀は、搬送波の呚波数を倉曎するこずなく、搬送波の䜍盞に盎接加算されたす。このレゞスタの内容を倉曎するず、搬送波の䜍盞が倉調され、PSK出力が生成されたす。高速倉調を必芁ずするアプリケヌションの堎合、䜍盞レゞスタが1組あるAD9834ずAD9838を䜿甚すれば、PSELECTピンの信号で予め倀が栌玍されおいる䜍盞レゞスタを切り替えお、必芁に応じお搬送波を倉調するこずができたす。

もっず耇雑な圢匏のPSKでは、4皮類たたは8皮類の䜍盞を䜿甚したす。これによっお、それぞれの䜍盞倉化でBPSK倉調より高速レヌトでバむナリ・デヌタを送信するこずができたす。4盞倉調盎亀PSKでは、可胜な䜍盞角は0°、90°、90°、180°です。各䜍盞シフトは、2぀の信号゚レメントを衚珟できたす。AD9830、AD9831、AD9832、AD9835には4個の䜍盞レゞスタがあり、これを䜿甚すれば、さたざたな䜍盞オフセットで連続的にレゞスタを曎新するこずによっお、耇雑な䜍盞倉調方匏を実装するこずができたす。

同期モヌドで耇数のDDS郚品を䜿甚するI/Q機胜

倚くのアプリケヌションでは、既知の䜍盞関係を持぀耇数のサむン波信号たたは矩圢波信号を生成する必芁がありたす。よく䜿われおいる方法は同盞および盎亀倉調I/Qです。これは、0°ず90°の䜍盞角で搬送波の呚波数から信号の情報を取埗したす。2぀のシングルDDS郚品を同じ゜ヌス・クロックで動䜜させお、䜍盞関係を盎接制埡し、操䜜できる信号を出力させるこずができたす。図6では、1個の基準クロックを䜿甚しお2぀のAD9838デバむスを蚭定しおいたす。2぀のデバむスの曎新には、同じRESETピンを䜿甚したす。このようにしお、簡単なI/Q倉調を実珟するこずができたす。

パワヌアップの埌、DDSにデヌタを転送する前にリセットを行う必芁がありたす。これによっおDDS出力は既知の䜍盞に蚭定され、この共通のリファレンス角床によっお耇数のDDSデバむスを同期するこずができたす。新しいデヌタが耇数のDDSデバむスに同時に送信されるず、コヒヌレントな䜍盞関係を維持するこずができたす。぀たり、耇数のDDSデバむス間の盞察的な䜍盞オフセットを䜍盞オフセット・レゞスタによっお予想通りにシフトするこずができるのです。AD983xシリヌズのDDS補品は、12ビットの䜍盞分解胜を持ち、0.1°の実効分解胜を提䟛したす。

Figure 6
図6. 2個のDDS郚品の同期

耇数のDDSデバむスの同期に関する詳现は、アプリケヌション・ノヌトAN-605『耇数のAD9852 DDSベヌスのシンセサむザを同期させる』を参照しおください。

ネットワヌク解析

アナログ枬定や光通信システムなど、電子瀟䌚の倚くのアプリケヌションには、ネットワヌクからのデヌタの収集ずデコヌディングが䌎いたす。通垞、システム解析の条件は、既知の振幅ず䜍盞の呚波数で回路たたはシステムを動䜜させ、システムを通過する応答信号の信号特性を解析するこずになりたす。

応答信号に関しお集められた情報を䜿甚しお、䞻芁なシステム情報を調べたす。テスト察象ずなるネットワヌクの範囲図7を参照は、ケヌブル・むンテグリティ・テスト、バむオメディカル・センシング、流速蚈枬システムなどきわめお広く蚭定するこずができたす。基本的な条件が呚波数ベヌスの信号を生成しお応答信号の䜍盞ず振幅を元の信号ず比范するこずである限り、あるいはシステム党䜓に䞀連の呚波数を励起する必芁がある堎合、たたはI/Q機胜を備えたシステムのようにさたざたな䜍盞関係を持぀テスト信号が芁求される堎合でも、ダむレクト・デゞタル・シンセシスICを䜿甚すれば、゜フトりェアを通じお刺激の呚波数ず䜍盞を簡単か぀スムヌズにデゞタル制埡するこずができたす。

Figure 7
図7. 呚波数刺激を䜿甚する代衚的なネットワヌク解析アヌキテクチャ

ケヌブルの敎合性損倱の枬定

ケヌブルの敎合性の枬定は、航空機配線、ロヌカル・゚リア・ネットワヌクLAN、電話回線などのアプリケヌションでケヌブルを砎壊せずに解析するための方法です。性胜を刀定する1぀の方法は、ケヌブル䞊で倱われる信号の量を調べるこずです。既知の呚波数ず振幅の信号を泚入し、ケヌブルの遠く離れた郚分で振幅ず䜍盞を枬定するこずによっおケヌブルの枛衰量を蚈算できたす。DC抵抗や特性むンピヌダンスなどのパラメヌタによっお、特定のケヌブルの枛衰量が異なりたす。結果は䞀般に、テスト呚波数党域にわたっお信号源0dBを䞋回るデシベル数で衚されたす。察象ずなる呚波数は、ケヌブルのタむプによりたす。広範な呚波数を生成するこずができるDDSデバむスは、必芁な呚波数分解胜を持぀刺激ずしお䜿甚するこずができたす。

流量蚈

関連する応甚分野は、パむプラむンにおける氎、その他の液䜓、およびガスのフロヌ解析です。その䞀䟋は、図8に瀺すように、䜍盞シフトの原理で動䜜する超音波流量枬定です。基本的に、液䜓が流れおいるチャンネルの䞀方から信号を送信し、その反察偎に流速に䟝存する䜍盞応答を枬定するトランスデュヌサ・センサヌを眮きたす。この技術には倚くのバリ゚ヌションがありたす。テスト呚波数は、枬定察象の物質によりたす。䞀般に、䞀定範囲のさたざたな呚波数で出力信号を送信したす。柔軟性のあるDDSを䜿甚すれば、呚波数の蚭定ず倉曎をシヌムレスに行うこずができたす。

Figure 8
図8. 超音波流量蚈

詳现な情報ず䟿利なリンク

むンタラクティブ蚭蚈ツヌル

これは、DDS向けのオンラむンのむンタラクティブ蚭蚈ツヌルです。基準クロックず必芁な出力呚波数や䜍盞がわかれば、同調ワヌドを遞択するために䜿甚できたす。同調ワヌドのほか、シリアル・むンタヌフェヌスを介しおデバむスを蚭定するのに䜿う䞀連のコヌド化されたその他の蚭定ビットも提瀺したす。倖付け再構成フィルタを適甚した埌、遞択した基準クロックず出力呚波数においお理想的な出力高調波を提瀺するこずができたす。アナログ・デバむセズの蚭蚈ツヌルぞのリンクに぀いおは、むンタラクティブ蚭蚈ツヌルのホヌムペヌゞをご芧ください。たずえば、AD9834の蚭蚈ツヌルがありたす。

評䟡甚キット

AD983xシリヌズの補品には、回路図やレむアりトを備えたフル胜の評䟡甚キットが付属しおいたす。評䟡甚キットで提䟛する゜フトりェアを䜿甚すれば、デバむスのプログラム、蚭定、テストを簡単に行うこずができたす図9を参照。

Figure 9
図9. AD9838評䟡甚゜フトりェアのむンタヌフェヌス

その他の䟿利なDDS情報に぀いおは、DDSのりェブサむトをご芧ください。

関連項目:

Murphy, Eva and Colm Slattery. “All About Direct Digital Synthesis.” Ask The Applications Engineer—33. Analog Dialogue. Volume 38, No. 3, (2004): 8–12.

A Technical Tutorial on Digital Signal Synthesis. 1999. Analog Devices, Inc.

付録

AD9838の抂芁: 図10は、AD9838 DDSのブロック図です。埮现なCMOSプロセスをベヌスにした、超䜎消費電力11mWのコンプリヌトDDSです。28ビットの呚波数レゞスタによっお、16MHzのクロックで0.06Hzの呚波数分解胜、5MHzのクロックで0.02Hzの呚波数分解胜が可胜です。䜍盞ず呚波数の倉調は、゜フトりェアたたはピン遞択を䜿っお内蔵レゞスタから蚭定したす。このデバむスは、68dBcのワむドバンドSFDRず97dBcのナロヌバンドSFDRを提䟛し、40125℃の拡匵枩床範囲で動䜜したす。パッケヌゞは、4mm×4mmの小型20ピンLFCSPリヌドフレヌム・チップ・スケヌル・パッケヌゞです。

Figure 10
図10. AD9838 DDSのブロック図
Power Consumption Spectral Purity
Comment
DDS
Low
Medium
Easy to tune

著者

Brendan-Cronin

Brendan Cronin

Brendan Croninは、アナログ・デバむセズのコア・プロダクツテクノロゞヌCPTグルヌプに属するプロダクト・マヌケティング・゚ンゞニアです。1998幎にアナログ・デバむセズに入瀟し、6幎間むンダストリアルオヌトモヌティブ補品グルヌプのミックスド・シグナル蚭蚈技術者でした。珟圚は、リニアおよび関連の技術に専念しおいたす。