車載オーディオのイノベーションが、クルマの燃費向上をもたらす日を・・・
何かを追求すれば、何かが犠牲になる。設計者の前にいつも立ちふさがる、トレードオフの壁。車載インフォテインメント機器の設計では、新機能・高機能を求めるドライバーの声、コスト・重量の削減を求める自動車メーカーの声、この2つに応えなければなりません。トレードオフの壁は、極めて高くそびえ立っています。
3つのチャレンジ
車載インフォテインメント機器を手掛けるパナソニックオートモーティブシステムズアメリカ社は、この壁を乗り越えるため、パートナーを迎えることにしました。それが、私たちアナログ・デバイセズです。
私たちに与えられた課題は、3つ。重量の軽減と、コストの削減。そして、先進のアプリケーションをシンプルな設計で実現することです。
これらの課題をクリアすべく、私たちは新たなソリューションを提案しました。A2B®(オートモーティブ・オーディオ・バス)技術を使ったトランシーバ「AD24xx*シリーズ」です。
たった1つのソリューション
車載HiFiオーディオ機器は、通常、重くてかつ高価なケーブルを必要とします。しかも、1本や2本ではなく、数多く使用。しかし、A2B®ソリューションを使えば、低価格で、シールドのないシングル・ツイストペア線1本だけで、複数チャンネルのオーディオ・データと制御データを、クロック、電源と共に供給可能になります。実際、このソリューションを使用したところ、高音質を確保しながら、ケーブル・ハーネスを大幅に(最大75%!)軽量化することができたのです。
ケーブルの削減がもたらすメリットは、「コストの削減」、「設計、実装、メンテナンスの簡素化」、さらに軽量化によって最終的には「燃費の向上」という効果ももたらします。
しかも、このA2B®ソリューションでは、音声認識やアクティブ・ノイズ・キャンセレーションといったアプリケーションで使用される複数のセンサーを、デイジーチェーンで接続することが可能で、合わせてセンサーへの電源供給も行うのでセンサー毎にローカル電源が要りません。またアプリケーションのマスターユニットに搭載されているマイコンと1個のマスターA2B®トランシーバから、スレーブA2B®トランシーバが搭載された複数のセンサー(最大8個)をリモートで制御することでシンプルなバスシステム構築を実現します。このシステム設計の簡素化により、設計コストをより一層削減することが可能です。
A2B®トランシーバを搭載した初のクルマは、すでに街を走り出しています。そしてその数は、これからますます増えてゆくことが期待されます。
*AD24xxシリーズ: 当初はAD2410、 最新製品はAD242x
お客様と共に想像の先へ、50年の英知 世界をリードする信号処理技術で「アナログとデジタル」「夢と現実」との懸け橋を担ってきたアナログ・デバイセズ。私たちはこれか らも、夢とプロセスをお客様と共有しながら、イノベーションを加速し、ブレークスルーを生む、新たなソリューションを切り拓いてまいります。想像を超える可能性を―50年目のアナログ・デバイセズ。 |
お客様の声
私たちのOEM顧客は、マーケット戦略において次世代インフォテインメント・システムを重視しており、私たちとしても開発に注力しています。こうした中、私たちはアナログ・デバイセズのA2B®ソリューションに着目し、いち早く採用。その結果、複雑な配線がシンプルになり、これに伴い、コストと重量を大幅に低減できることが明らかになりました。
このソリューションは、マイクロフォン・アレイや、アクティブ・ノイズ・キャンセレーションといった私たちが市場をリードするアプリケーションに最適であり、次世代インフォテインメント・システムに欠かせないものになるでしょう。
―Jonathan Lane氏
パナソニックオートモーティブシステムズアメリカ社
A2B技術は、シンプルかつコスト効率が高く、スケーラビリティまでを備えたデジタル・オーディオ相互接続ソリューションとしての位置付けを確立しました。A2Bにより、HARMANは様々な車両プラットフォームに対して差別化されたシステムを幅広く供給することが可能となりました。AD2428ファミリは、当社の既存のA2Bカー・オーディオ・ソリューションに対して、短い開発期間でシームレスにグレードアップする道筋を示してくれます。
―Darby Hadley氏
HARMAN社
ライフスタイル・オーディオ事業部グローバル・エンジニアリング
車載オーディオSBU担当バイス・プレジデント