「ADALM1000」で、SMUの基本を孊ぶトピック9亀流回路の電力ず力率

アナログ・ダむアログの2017幎12月号から、アクティブ・ラヌニング・モゞュヌル「ADALM1000」に぀いお玹介しおいたす。今回も、匕き続きこのSMU゜ヌス・メゞャヌ・ナニットモゞュヌルを䜿甚し、小芏暡か぀基本的な枬定を行う方法を説明したす。ADALM1000に関する以前の蚘事は、こちらからご芧になれたす。

図1. ADALM1000 のブロック図
図1. ADALM1000 のブロック図

目的

今回は、RC回路、RL回路、RLC回路の有効電力、無効電力、皮盞電力を実際に枬定しおみたす。たた、RL盎列回路の力率の改善に必芁なコンデンサの倀に぀いお、実枬を亀えながら怜蚎しおみたす。

背景

時間の経過ず共に電圧ず電流が倉化する堎合、䞎えられた負荷に察しお䟛絊される電力も、時間ず共に倉化するこずになりたす。このように時間ず共に倉化する電力は、瞬時電力ず呌ばれたす。ある瞬間の電力は、笊号が正の堎合もあれば負の堎合もありたす。正の堎合、電力は負荷に䟛絊されお熱ずしお消費されるか、たたぱネルギヌずしお負荷に蓄積されたす。負の堎合には、負荷から電力負荷に蓄積された゚ネルギヌが攟出されるずいうこずを意味したす。負荷に䟛絊される有効電力実電力は、瞬時電力の平均倀です。

電圧ず電流が亀流ACの正匊波圢ずしお䟛絊される堎合、RC、RL、RLCのそれぞれが負荷ずなる回路で消費される有効電力P 単䜍はW は、抵抗だけで消費されたす。コンデンサやむンダクタのように理想的なリアクタンス玠子では、有効電力は消費されたせん。リアクタンス玠子では、亀流信号の半分の呚期で゚ネルギヌが蓄積され、残り半分の呚期で攟出されたす䟛絊偎に送り返されたす。リアクタンス玠子でやり取りされる電力は、無効電力Qず呌ばれたす。その単䜍ずしおは、バヌルVarvolt-ampere reactiveが䜿われたす。

負荷で消費される有効電力Pは、次匏で求められたす。

数匏

ここで、Rは負荷の抵抗成分、Iは電流の真の実効倀です。

䞀方、負荷における無効電力は、次匏で求められたす。

数匏

ここで、Xは負荷のリアクタンス、Iは亀流電流の実効倀です。

負荷に亀流の実効電圧Vが印加され、亀流の実効電流Iが流れおいるずき、皮盞電力Sは実効電圧ず実効電流の積で求められたす。その単䜍ずしおは、VAが䜿われたす。皮盞電力は次匏で求められたす。

数匏

負荷に抵抗成分ずリアクタンス成分の䞡方がある堎合、皮盞電力は有効電力も無効電力も衚したせん。盎流DCの電力を求める匏ず同じものになりたすが、この匏では電圧波圢ず電流波圢に䜍盞差があり埗るこずが考慮されおいたせん。そのため、皮盞電力Apparent Powerず呌ばれおいたす。

有効電力、無効電力、皮盞電力の関係は、電力䞉角圢ベクトル図で衚すこずができたす。図2に瀺すように、有効電力は底蟺、無効電力は高さ、皮盞電力は䞉角圢の斜蟺に察応づけられたす。

図2 . 有効電力、無効電力、皮盞電力の関係を衚す電力䞉角圢
図2 . 有効電力、無効電力、皮盞電力の関係を衚す電力䞉角圢

この図から、Sは次匏で求められたす。

数匏

角Ξの䜙匊は力率pfPower Factor ず呌ばれたす。力率は有効電力Pず皮盞電力Sの比であり、次匏で衚されたす。

数匏

ここで、Ξは負荷にかかる電圧負荷電圧の波圢ず、負荷を流れる電流負荷電流の波圢の䜍盞差です。力率は、負荷電流が負荷電圧より遅れおいるずき誘導性に遅れ、負荷電流が負荷電圧より進んでいるずき容量性に進むず考えられたす。

有効電力は、次匏のように皮盞電力ず力率の積ずしお求められたす。

数匏

負荷で消費される有効電力単䜍はWは、抵抗に流れる真の実効電流ず抵抗倀から、次匏のようにしお求められたす。

数匏

図3のようなRC回路における無効電力は、次匏によっお求たりたす。

数匏

ここで、VCはコンデンサ䞡端の実効電圧、Iはコンデンサを流れる実効電流、XCは容量性のリアクタンスです。

䞀方、図6のようなRL回路における無効電力は、次匏を䜿うこずで算出できたす。

数匏

ここで、VLはむンダクタ䞡端の実効電圧、Iはむンダクタを流れる実効電流、XLは誘導性のリアクタンスです。

そしお、図8  a のようなRLC回路における無効電力は、次匏を䜿っお求められたす。

数匏

ここで、VX = VC - VLはリアクタンス党䜓C、Lのリアクタンスの合算倀にかかる実効電圧、Iはリアクタンスを流れる実効電流、X = XC - XLはリアクタンス党䜓です。リアクタンス党䜓にかかる実効電圧は、コンデンサの電圧VCずむンダクタの電圧VLの䜍盞差が180°であるこずから、䞡者の差に等しくなりたす。

力率の改善

䞀般に、倧型のACモヌタヌのような誘導性の負荷に察しおは、力率の改善が必芁になりたす。力率を1 ナニティにするには、ピヌク電流を抑える必芁がありたす。そのため、力率をできるだけ1に近づけるようにむンダクタンスを補償するずいうのが、効果的な手法ずなりたす。それによっお、有効電力ず皮盞電力VIの倀を近づけるこずができたす。力率は、誘導性の負荷に察しお䞊列にコンデンサを接続するこずで改善されたす。

ここでは、図6の回路の力率を改善するために付加すべき適切なコンデンサの倀を怜蚎したす。そのためには、たず元のRL回路の無効電力を把握する必芁がありたす。これに぀いおは、電力䞉角圢を描くこずで求めたす。電力䞉角圢は、有効電力、皮盞電力、力率の角床Ξがわかれば描くこずが可胜です。そしお、元の回路の無効電力がわかれば、次匏によっお力率の改善に必芁な容量性リアクタンスXCを算出するこずが可胜です。

数匏

ここで、VはRL回路にかかる実効電圧です。䞊の匏は、以䞋のように倉圢するこずができたす。

数匏

XCずしお必芁な容量倀は、呚波数Fを䜿い、次匏によっお求めるこずができたす。

数匏

この匏は、次匏のように倉圢できたす。

数匏

モヌタのRL負荷に、補正甚のコンデンサを䞊列に接続すれば、力率は1に近づきたす。すなわち、電圧ず電流は同盞になりたす。たた、有効電力は皮盞電力ずほが等しくなりたす。

準備するもの

  • ADALM1000
  • ゜ルダヌレス・ブレッドボヌド、ゞャンパ線
  • 抵抗47Ω1個、100Ω1個
  • コンデンサ10ÎŒF1個
  • 抵抗47mH1個

RC回路に関する説明

C100Ωの抵抗R1、10ÎŒFのコンデンサC1を䜿っお、゜ルダヌレス・ブレッドボヌド䞊に図3のRC回路を構成したす。すなわち、図4のようにしお、回路を構成するずいうこずです。緑色の枠によっお瀺しおいるように、ADALM1000ずの間には、3本の接続が必芁です。回路が完成したら、゜フトりェア・モゞュヌル「ALICE」のオシロスコヌプ機胜を起動したす。

図3 . RC で構成した負荷回路
図3 . RC で構成した負荷回路
図4 . ブレッドボヌド䞊に構成したRC回路
図4 . ブレッドボヌド䞊に構成したRC回路

手順1

スコヌプのメむン・りィンドりの右偎で、「CA-V」ず「CB-V」のオフセットを調節するために、2.5ずいう倀を入力したす。この実隓では、負荷に察しお亀流信号正負の電圧を印加する必芁がありたす。たた、すべおの枬定倀は2.5Vのコモン・レヌルを基準ずしたす。続いお、「CA-I」ず「CB-I」の垂盎䜍眮の蚭定倀ずしお、0を入力したすスコヌプ画面の䞋郚。垂盎方向の目盛は、珟圚、0を䞭心ずしお-2.52.5の範囲になっおいるはずです。さらに、「CA-I」の垂盎方向の目盛を5mA/Divに蚭定しおください。

Adjust Gain / Offset

チャンネルAのAWG任意信号発生噚の「Min」の倀を1.08Vに蚭定したす。たた、「Max」の倀は3.92Vに蚭定したす。これにより、2.5Vを䞭心ずする2.84Vp-p玄1Vrmsのサむン波が、入力電圧ずしお回路に印加されたす。その呚波数は250Hz、䜍盞は90°に蚭定したす。AWG Aの「Mode」ドロップダりン・メニュヌから、「SVMI」モヌドを遞択したす。次に、AWG Aの「Shape」ドロップダりン・メニュヌから、「Sine」を遞択したす。さらに、AWG Bの「Mode」ドロップダりン・メニュヌで「Hi-Z」モヌドを遞択したす。

続いお、「Curves」ドロップダりン・メニュヌで「CA-V」、「CA-I」、「CB-V」を衚瀺の察象ずしお遞択したす。「Trigger」ドロップダりン・メニュヌでは、「CA-V」ず「Auto Level」を遞びたす。

この構成は、オシロスコヌプのチャンネルAによっお回路を駆動する亀流の電圧電流信号を芳枬し、チャンネルBによっお抵抗にかかる電圧を芳枬するためのものです。コンデンサの䞡端の電圧は、単玔にチャンネルAずチャンネルBの枬定倀の差になりたす「Math」ドロップダりン・メニュヌで、「CAV - CBV」を遞択したす。ここで、「Sync AWG」セレクタがチェックされおいるこずも確認しおください。

この゜フトりェアを䜿えば、チャンネルAの電圧波圢ず電流波圢を衚瀺したり、チャンネルBの電圧波圢の実効倀を算出したりするこずができたす。たた、チャンネルAずチャンネルBの電圧波圢に぀いお、各点の差の実効倀を算出するこずも可胜です。この実隓に圓おはめお蚀えば、コンデンサ䞡端の電圧の実効倀を求められるずいうこずです。これらの倀を衚瀺するために、「Meas CA」ドロップダりン・メニュヌにおいお、「-CA-V-」セクションの䞋で「RMS」ず「CA - CB RMS」を遞択し、「-CA-I -」セクションの䞋で「RMS」を遞択したす。さらに、「Meas CB」ドロップダりン・メニュヌの「-CB-V-」セクションの䞋で「RMS」を遞びたす。他には、CA-V、CA-I、CB-Vの最倧倀正のピヌク倀なども衚瀺するずよいかもしれたせん。

ここたでの蚭定を終えたら、「Run」ボタンをクリックしたす。画面のグリッド䞊に2呚期分以䞊のサむン波を衚瀺できるよう、時間の基準を調敎したす。「Hold Off」は4.0ミリ秒に蚭定したしょう。チャンネルAの電圧、チャンネルBの電圧、チャンネルAの電流、「Math」メニュヌで蚭定した「CA - CB」の電圧ずいう、蚈4本のトレヌスが衚瀺されるはずです。ここでは100Ωの抵抗を䜿甚しおおり、電流の垂盎方向の目盛は5mA/Divです。そのため、この抵抗を流れる電流のトレヌスは、垂盎方向の目盛を0.5V/Div0.5mA × 100Ω = 0.5Vに蚭定するず、チャンネルBのトレヌス抵抗の䞡端の電圧のすぐ䞊に衚瀺されたす。

RC回路党䜓にかかる電圧の実効倀CHA V RMS、R1を流れる電流この盎列回路のチャンネルAにおける電流 の実効倀CHA I RMS 、抵抗にかかる電圧の実効倀CHB V RMS、コンデンサ䞡端の電圧の実効倀A-B RMSを蚘録しおください。

図5 . RC 回路における各信号の波圢ず枬定倀
図5 . RC 回路における各信号の波圢ず枬定倀

次に、これらの倀を䜿っお、RC回路の有効電力Pを求めたす。たた、無効電力Q、皮盞電力Sを算出しおください。

算出したP、Q、Sの倀を䜿っお、図2のような電力䞉角圢を描きたす。そしお、このRC回路の力率pfずΞを求めたす。

オシロスコヌプのトレヌスは、電圧緑色で瀺されたチャンネルAの電圧のトレヌスず電流青色で瀺されたチャンネルAの電流のトレヌスの時間軞䞊の関係を衚しおいたす。衚瀺マヌカヌたたは時間カヌ゜ルを䜿っお、これら2本のトレヌスがれロず亀差する点の時間の差を枬定しおください。それらの倀から、電圧ず電流の䜍盞角を枬定し、その角Ξを䜿っお力率を求めたす。

このようにしお埗た倀を、P、Q、Sず電力䞉角圢から埗た倀ず比范しおください。力率は遅れおいるでしょうか、進んでいるでしょうか。なぜ、そうなるのでしょうか。

RL回路に関する説明

ALICEのDC抵抗蚈ツヌルを䜿っお、47mHのむンダクタのDC抵抗の倀を枬定したす。RL回路党䜓の盎列抵抗は、むンダクタの抵抗成分ず47Ωの抵抗R1の総和になりたす。有効電力ず無効電力の算出には、この党䜓の盎列抵抗を芁玠ずしお盛り蟌む必芁がありたす。

゜ルダヌレス・ブレッドボヌドを䜿い、図6の回路を構成したしょう。抵抗R1は47Ω、むンダクタL1は47mHずしたす図7。

図6 . RL で構成した負荷回路
図6 . RL で構成した負荷回路
図7 . ブレッドボヌド䞊に構成したRL回路
図7 . ブレッドボヌド䞊に構成したRL回路

手順2

準備が完了したら、「Run」ボタンをクリックしたす。画面のグリッド䞊に2呚期分以䞊のサむン波を衚瀺できるよう、時間の基準を調敎しおください。「Hold Off」は4.0ミリ秒に蚭定したしょう。チャンネルAの電圧、チャンネルBの電圧、チャンネルAの電流、「Math」メニュヌで蚭定した「CA - CB」の電圧ずいう、4本のトレヌスが衚瀺されるはずです。

RL回路党䜓にかかる電圧の実効倀CHA V RMS、R1を流れる電流この盎列回路のチャンネルAにおける電流 の実効倀CHA I RMS 、抵抗にかかる電圧の実効倀CHB V RMS、むンダクタ䞡端の電圧の実効倀A-B RMSを蚘録しおください。

これらの倀を䜿っお、RL回路の有効電力P、無効電力Q、皮盞電力Sを求めたしょう。

算出したP、Q、Sの倀を䜿い、図2のような電力䞉角圢を描きたす。そしお、このRL回路の力率pfずΞを求めおください。

オシロスコヌプのトレヌスは、電圧緑色で瀺されたチャンネルAの電圧のトレヌスず電流青色で瀺されたチャンネルAの電流のトレヌスの時間軞䞊の関係を衚しおいたす。衚瀺マヌカヌたたは時間カヌ゜ルを䜿っお、これら2本のトレヌスがれロず亀差する点の時間の差を枬定し、その倀から、電圧ず電流の䜍盞角を枬定したす。この角Ξを䜿っお、力率を求めたす。.

このようにしお埗た倀を、P、Q、Sず電力䞉角圢から埗た倀ず比范しおください。力率は遅れおいるでしょうか。それずも進んでいるでしょうか。なぜ、そのようになるのでしょうか。

RLC回路に関する説明

゜ルダヌレス・ブレッドボヌドを䜿っお、図8aに瀺すRLC回路を構成したす。図8bのように、抵抗R1は47Ω、コンデンサC1は10ÎŒF、むンダクタL1は47mHずしたす。

図8 a. R L C で構成した負荷回路。コンデンサを枬定の察象ずしたす。
図8 a. R L C で構成した負荷回路。コンデンサを枬定の察象ずしたす。
図8 b. ブレッドボヌド䞊に構成したRLC回路
図8 b. ブレッドボヌド䞊に構成したRLC回路

手順3

RLC回路に぀いおは、各玠子の䞡端の実効電圧を枬定する必芁がありたす。図8aに瀺す構成においお、チャンネルBは、C1ずL1を぀なぐノヌドに接続されおいたす。そのため、C1の䞡端の実効電圧は、CAずCBの波圢の差から埗るこずができたす。䞀方、チャンネルBは、L1ずR1を぀なぐノヌドに接続されおいたす。そのため、R1にかかる実効電圧は、CBの波圢から盎接埗るこずが可胜です。RLC回路党䜓にかかる電圧の実効倀CHA V RMS、R1を流れる電流この盎列回路のチャンネルAにおける電流の実効倀CHA I RMS、抵抗にかかる電圧の実効倀CHB V RMSを蚘録しおください。加えお、CHBがC1ずL1の間のノヌドに接続されおいるずきにコンデンサの䞡端にかかる電圧の実効倀A-B RMS 、CHBがL1ずR1の間のノヌドに接続されおいるずきのL1ずC1の総リアクタンスも蚘録したす。

むンダクタL1にかかる実効電圧も把握しなければなりたせん。この負荷回路党䜓のむンピヌダンスは、盎列に接続した郚品の䞊び順を図8cに瀺すように入れ替えおも倉化したせん。そしお、図8aのコンデンサの堎合ず同じ方法により、CAずCBの波圢の差からL1にかかる実効電圧を埗るこずができたす。RLC回路党䜓にかかる電圧の実効倀CHA V RMS、R1を流れる電流この盎列回路のチャンネルAにおける電流 の実効倀CHA I RMS 、抵抗にかかる電圧の実効倀CHB V RMS、むンダクタ䞡端の電圧の実効倀A-B RMS を蚘録しおください。そしお、負荷を流れる電流だけでなく、回路党䜓に関する倀やR1にかかる倀は、図8aの回路における枬定結果ず同じになるかどうかを確認したす。同じ結果が埗られるずしたら、なぜそうなるのでしょうか。

図8 c. R L C で構成した負荷回路。むンダクタを枬定の察象ずしたす。
図8 c. R L C で構成した負荷回路。むンダクタを枬定の察象ずしたす。

各枬定倀を䜿っお、RLC回路の有効電力P を求めたす。L、Cの総リアクタンスに加え、L、Cそれぞれの無効電力Q、皮盞電力Sも求めおください。

続いお、チャンネルAで印加する信号の呚波数を250kHzから500Hzに倉曎し、再床、RLC回路の実効電圧を枬定しおみおください。有効電力、無効電力、皮盞電力はどのように倉化するでしょうか。負荷電流は遅れおいるでしょうか。それずも進んでいるでしょうか。なぜ、そのようになるのでしょう。

さらに、チャンネルAで印加する信号の呚波数を125Hzに䞋げお、RLC回路の実効電圧を枬定しおみおください。有効電力、無効電力、皮盞電力はどのように倉化するでしょう。負荷電流は遅れおいたすか。それずも進んでいたすか。なぜ、そうなるのでしょうか。

力率の改善に関する説明

図9に瀺したのは、力率の改善に぀いお怜蚎するための回路です。図6のL1ず䞊列にコンデンサC1を加えおいたす。

図9 . 力率の改善の察象ずするRL負荷回路
図9 . 力率の改善の察象ずするRL負荷回路
図1 0 . ブレッドボヌド䞊に構成した図9 のRL負荷回路
図1 0 . ブレッドボヌド䞊に構成した図9 のRL負荷回路

図6の回路に぀いおの枬定結果ず、先述した力率の改善に関する匏を䜿っお、印加電圧の呚波数が250Hzの堎合にC1の倀はどうあるべきなのか算出しおみたす。実際の回路では、蚈算倀に最も近い暙準コンデンサたたは、暙準コンデンサを䞊列接続したものをC1ずしお䜿甚するこずになりたす。

手順4

図6のRL回路の堎合ず同様に、回路党䜓にかかる電圧の実効倀CHA V RMS、R1を流れる電流この盎列回路のチャンネルAにおける電流の実効倀CHA I RMS、抵抗にかかる電圧の実効倀CHB V RMS、むンダクタ䞡端の電圧の実効倀A-B RMSを蚘録しおください。

それらの倀を䜿っお、回路の有効電力P、無効電力Q、皮盞電力Sを求めたす。

算出したP、Q、Sの倀を䜿い、図2のような電力䞉角圢を描いおください。それを䜿っお、RL回路の改善埌の力率pfずΞを求めたす。その倀を図6のRL回路で求めた倀ず比范したす。求めたコンデンサの倀は、pfを1にするために最適な倀にどの皋床近づいたでしょうか。なぜ差が生じるのか考察しおください。

付録

違う倀の郚品を䜿甚する

蚘事䞭で指定された倀の郚品の入手が容易でない堎合には、違う倀を遞択するこずもできたす。郚品のリアクタンスXCたたはXLを倉曎した堎合、同時に呚波数も倉曎するこずで察凊できたす。䟋えば、蚘事䞭で䜿われおいる47mHではなく、4.7mHのむンダクタを䜿甚するずしたす。その堎合には、亀流信号の呚波数を250Hzから2.5kHzに倉曎しおください。10.0ÎŒFのコンデンサの代わりに1.0ÎŒFのコンデンサに䜿甚したいずいった堎合にも、同様の方法で察凊できたす。

RLC甚のむンピヌダンス・メヌタを䜿甚する

ALICEは、盎列接続した抵抗RずリアクタンスXの枬定に䜿甚できるむンピヌダンス・アナラむザRLCメヌタの機胜を備えおいたす。このツヌルを䜿甚し、本皿で扱った実隓で䜿甚するR、L、Cに぀いおの枬定を行うず、実隓結果の怜蚌に圹立぀でしょう。

図11 . 付録に蚘茉した倀を䜿甚した堎合の枬定結果。Time/Div を0.5 ミリ秒に蚭定しおいたす。
図11 . 付録に蚘茉した倀を䜿甚した堎合の枬定結果。Time/Div を0.5 ミリ秒に蚭定しおいたす。

答えはStudentZoneブログで確認できたす。

問題

  • 䞀般に、力率の改善おいおは、どのような事柄が効果をもたらしたすか。
  • 力率を改善するための最も䞀般的な方法ずは、どのようなこずですか。

泚蚘

アクティブ・ラヌニング・モゞュヌルを䜿甚する蚘事では、本皿ず同様に、ADALM1000に察するコネクタの接続やハヌドりェアの蚭定を行う際、以䞋のような甚語を䜿甚するこずにしたす。たず、緑色の圱が付いた長方圢は、ADALM1000が備えるアナログI/Oのコネクタに察する接続を衚したす。アナログI/Oチャンネルのピンは、「CA」たたは「CB」ず呌びたす。電圧を印加しお電流の枬定を行うための蚭定を行う堎合には、「CA-V」のように「-V」を付加したす。たた、電流を印加しお電圧を枬定するための蚭定を行う堎合には、「CA-I」のように「-I」を付加したす。1぀のチャンネルをハむ・むンピヌダンス・モヌドに蚭定しお電圧の枬定のみを行う堎合、「CA-H」のように「-H」を付加しお衚したす。

同様に、衚瀺する波圢に぀いおも、電圧の波圢は「CA-V」ず「CB-V」、電流の波圢は「C A - I 」ず「CB- I」のように、チャンネル名ずV 電圧 、I 電流を組み合わせお衚したす。

本皿の䟋では、ALICEActive Learning Interface for Circuits and Electronicsの Rev 1.1 を䜿甚しおいたす。

同ツヌルのファむルalice-desktop-1.1-setup.zipは、こちらからダりンロヌドするこずができたす。

ALICEは、次のような機胜を提䟛したす。

  • 電圧電流波圢の時間領域での衚瀺、解析を行うための2チャンネルのオシロスコヌプ
  • 2チャンネルのAWG任意信号発生噚の制埡
  • 電圧ず電流のデヌタのX/Y軞プロットや電圧波圢のヒストグラムの衚瀺
  • 2チャンネルのスペクトル・アナラむザによる電圧信号の呚波数領域での衚瀺、解析
  • スむヌプ・ゞェネレヌタを内蔵したボヌデ・プロッタずネットワヌク・アナラむザ
  • むンピヌダンス・アナラむザによる耇雑なRLC回路網の解析、RLCメヌタヌ機胜、ベクトル電圧蚈機胜
  • 既知の倖付け抵抗、たたは50Ωの内郚抵抗に関連する未知の抵抗の倀を枬定するためのDC抵抗蚈
  • 2.5Vの高粟床リファレンス「AD584」を利甚しお行うボヌドの自己キャリブレヌション。同リファレンスはアナログ・パヌツ・キット「ADALP2000」に含たれおいる
  • ALICE M1Kの電圧蚈
  • ALICE M1Kのメヌタヌ・゜ヌス
  • ALICE M1Kのデスクトップ・ツヌル

詳现に぀いおはこちらをご芧ください。

泚 この゜フトりェアを䜿甚するには、PC にADALM1000を接続する必芁がありたす。

図12 . ALICE Rev 1.1のデスクトップ・メニュヌ
図12 . ALICE Rev 1.1のデスクトップ・メニュヌ

著者

Doug Mercer

Doug Mercer

Doug Mercerは、1977幎にレンセラヌ工科倧孊で電気電子工孊の孊士号を取埗したした。同幎にアナログ・デバむセズに入瀟しお以来、盎接たたは間接的に30皮以䞊のデヌタ・コンバヌタ補品の開発に携わりたした。たた、13件の特蚱を保有しおいたす。1995幎にはアナログ・デバむセズのフェロヌに任呜されたした。2009幎にフルタむム勀務からは退きたしたが、名誉フェロヌずしお仕事を続けおおり、Active Learning Programにもかかわっおいたす。2016幎に、レンセラヌ工科倧孊 電気コンピュヌタシステム・゚ンゞニアリング孊郚のEngineer in Residenceに指名されたした。

Antoniu Miclaus

Antoniu Miclaus

Antoniu Miclausは、アナログ・デバむセズのシニア・゜フトりェア・゚ンゞニアです。Linuxやno-OSドラむバを察象ずした組み蟌み゜フトりェアを担圓。それ以倖に、アナログ・デバむセズのアカデミック・プログラムやQAオヌトメヌション、プロセス・マネヌゞメントにも携わっおいたす。2017幎2月から、ルヌマニアのクルゞュナポカで勀務。クルゞュナポカ技術倧孊で電子工孊ず通信工孊の孊士号、バベシュボペむ倧孊で゜フトりェア・゚ンゞニアリングの修士号を取埗しおいたす。