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Martin Cotter
Martin Cotter,

Senior Vice President Global Vertical Business Units and President, EMEA

Analog Devices

著者について
Martin Cotter
Martin Cotter is Senior Vice President of the Industrial and Multi Markets Business Unit. In this role, Mr. Cotter is responsible for driving strategic growth, investment and value capture, and accelerated development of leading precision and core power products and complete solutions. Serving as many broad market customers as possible through ease of selection, adoption, and deployment through expert application support.
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協調的パートナーシップと完全なソリューションが最終アプリケーションに与えるインパクト


設備の監視をはじめとするアプリケーションでは、より小型のセンサーが使用され、より高度な処理がエッジで行われるようになっています。また、それらに供給される電力は、より効率的な方法で生成されています。そうしたアプリケーションでは、実世界とサイバー空間をいかにつなぐかということが重要になります。世界中の組織は、異なる視点で技術を捉えており、その結果としてRF技術、信号処理技術、センサー技術といった分類が生まれます。ただ、どのカテゴリに属するのかということは問題ではなく、そうした技術を組み合わせて、エッジで洞察を抽出できるようにすることが何よりも重要です。

製品/サービスをより迅速に市場に投入する、より効率良く収益を上げる、エコシステムの強化と進化を図る――。新たな世界において価値をつかむために、アナログ・デバイセズはこれらを目標として掲げています。ただ、これらの目標は当社単独では達成することはできません。

アナログ・デバイセズは半世紀以上にわたり、お客様が抱える最も難易度の高い課題の解決に取り組んできました。そのために、アプリケーションのドメインとソフトウェアに関する専門知識を吸収/蓄積することで技術基盤を拡大してきました。その結果、最終的なアプリケーションに対して大きな効果を提供できるようになりました。

アナログ・デバイセズは、現実空間とデジタル空間にまたがる場所を対象として活動しています。そこは当社にとって自然な場所です。その位置で、当社のルーツであるICは、コンポーネントのレベルを超える完全なソリューションとして最終的なアプリケーション/ユーザに対する影響力を拡大してきました。

アナログ・デバイセズは、いくつもの企業から成るエコシステムを構築するのが重要であることを十分に理解しています。それにより、新たなコミュニティを作り上げ、お客様のビジネスに実質的なインパクトを与える画期的な技術を生み出すことが可能になるからです。当社は、技術、専門知識、各ドメインにおける高度な経験を組み合わせることにより、技術領域で協調的なパートナーシップを確立することを目指しています。そのようにしてエコシステムを育むことで、医療、コネクティビティ、電動化、インダストリ4.0といった分野のアプリケーションに命を吹き込むことが可能になります。

変化する世界――適応、参画、構築

アナログ・デバイセズは、お客様が製品/サービスを市場に投入するまでの時間を短縮できるよう支援を行っています。その上で鍵になるのはコラボレーションです。当社は、エッジ・ベースのソフトウェア・インフラを開発し、それを最適化するということを行っています。このインフラは、最終的なアプリケーションに容易に導入できるよう設計されています。このような取り組みには、オープンソース・コミュニティに属する開発者が欠かせません。そうした開発者によって、オープンソースのソフトウェアの能力、カバー範囲、得られる効果が増進されているからです。

ソフトウェア技術者の数は、世界で2000万人にも上ります。その多くは、オープンソースのソフトウェアを活用しています。ソース・コードの再配布、改変、コミュニティ向けの開発を自由に実施できる点が大いに評価されているのです。従来のソフトウェアは、すべてがプロプライエタリで、個々に分離されたコード・ベースで構成され、メンテナンスや拡張が難しいものでした。オープンソースの世界は、それとは全く異なります。オープンソース・コミュニティを活用することで、お客様とのコラボレーション環境を実現するために、当社にできることが格段に多くなります。その結果、お客様のビジネスを成功へと導くことが可能になります。


アナログ・デバイセズのCatalyst Centre。ここは、お客様やビジネス・パートナー、サプライヤが集う作業環境です。その広さは10万平方フィート(約9300mm2)に及びます。ここでは、当社の人材、技術、専門知識、サポート用のインフラを活用することで、効果的に協調を進めて迅速に問題を解決することができます。

お客様のコラボレーションとイノベーションを支援するADI Catalyst

ADI Catalyst Lab
アナログ・デバイセズのリビング・ラボであるADI Catalyst。 世界中のチームによる創造、連携、協調を可能にします。

ADI Catalystは、お客様と共にイノベーションを実現するためのインキュベータ・プログラムです。そのためのR&D環境としてCatalyst Centreを運営しています。同センターでは、技術領域におけるより強力な協調的パートナーシップの形成、アイデアの交換、リビング・ラボの構築、画期的なソリューションの開発が行われます。真のパートナーシップを活用してお客様による課題の解決を支援することで、スピードとコラボレーションの時代を切り拓いていきます。お客様は、この環境の中で革新的な技術やソリューションを迅速なペースで開発することができます。おそらく1年前でも不可能だったレベルの飛躍的な進化を遂げられるはずです。

「ADI Catalystは、私たち顧客企業が製品/サービスを市場に投入するまでの時間を短縮するためのコラボレーション環境を提供します。このリビング・ラボは大きなインパクトをもたらし、画期的なイノベーションを生み出して、技術を進化させます。」

Padraig Fitzgerald

Becton, Dickinson and Company RCI部門シニアR&Dディレクタ

Catalyst
ADI Catalystにおける作業風景。プロジェクト・チームは、技術プラット フォームによって現実世界の状況を経験したり、アナログ・デバイセズの 広範な技術によってそうした状況を可視化したりすることができます。

ADI Catalystにおけるコラボレーションの力を示す例を紹介しましょう。医療業界の世界的リーダーであるJohnson & Johnsonは、概念実証のための試験場としてADI Catalystを利用しました。そして、新たなオートメーション・システムと状態監視システムのプラットフォームとプロトタイプを構築しました。それらは、柔軟性、品質管理の能力、製造時の安全性の向上を目指して開発されました。

Johnson & Johnsonは、アナログ・デバイセズの3D ToF(Time of Flight)技術をロボットに適用しました。それにより、製造フロアにおいて、安全性を損なうことなく作業員により近い位置(90cm以内)でロボットを稼働させられるようにしました。

Catalyst
「ToFセンサー、AGV(無人搬送車)、そしてロボット。これらは、私たちがそれまで想定していなかったものでした。私たちは、この場所で他に何ができるだろうかと考え始めました。すると突然、視界が開け、より多くのことを行えることに気づきました。それによって歯車が回り始めたのです。」

Mark McConnell

Johnson & Johnson Supply Advanced Technology Center  エンジニアリング・フェロー兼責任者

未来のソフトウェア技術者の育成

ソフトウェアが業界に与えるインパクトを拡大するためには、教育が重要な要素になります。アナログ・デバイセズは、リムリック大学 (UL:University of Limerick)や、Stripeをはじめとする複数の主要な企業と連携し、世界レベルのコンピュータ・サイエンス・プログラムであるISE(Immersive Software Engineering)の提供を開始しました。これを通じて、未来のソフトウェア技術者を継続的に育成すべく投資を行っています。この革新的なプログラムは、コンピュータ・サイエンスの教育方法に変革をもたらします。また、このプログラムは業界での経験を有した才能あふれるソフトウェアの専門家を育成することを目指して設計されています。そうした専門家によって、非常に大きな効果がビジネスにもたらされるようになるはずです。

ISEは、世界をリードする組織から成るエコシステムによって学生に提供されます。同プログラムを修了した学生には素晴らしい雇用の機会がもたらされます。集中プログラムであるISEでは、3年間で大学での課程を修了することができます。また、4年目を追加すれば修士課程も修了することが可能です。加えて、ADI Catalystは、ULなどの大学を卒業した意欲ある技術者のためのエンジニアリング・レジデンシとしての役割も果たします。これは、当社の協調的なアプローチを、次世代の技術リーダーのためのエンジニアリング・ソリューションへと拡大するものです。

アナログ・デバイセズは、将来を見据えたこのエンジニアリング・イニシアチブを更に推進していきたいと考えています。そこで、ULで博士課程に取り組む120人の学生を対象とし、Foundation of Data Scienceコースの受講料を4年間免除することにしました。学生は、「誇りあるULの卒業生として、未来の革新的な技術の創出を目指すこの情熱的なグループに対し、自分の心の中の特別な場所を捧げる」と誓うことにより、その資格を得ることができます。

Catalyst
Catalyst

ISEにおける学習風景。学生は、世界をリードする企業の専門家と共に先進的なソフトウェア・プロジェクトに取り組みます。

「ソフトウェア技術者は、最も急速に成長する業界において、世界で最も重要ないくつかの問題を解決するという素晴らしいキャリアを謳歌することができます。しかし、その数は全く十分だとは言えません。ISEは、より多くの高校生(特に若い女性)に対して、技術の世界へ向かうための素晴らしい道すじを提供することを目指しています。」

John Collison

Stripe 共同創設者、社長

最も難易度の高い問題を解決し、社会を前進させる

アナログ・デバイセズは、ソフトウェアが業界に与えるインパクトを高められるようにすることに全力を注いでいます。開発時から最終的な用途においてビジネス上の効果が得られるようになるまでのすべての過程が対象です。また、未来のソフトウェア技術者が将来の課題に備えられるようにすることにも注力しています。

アナログ・デバイセズの中核的な信念の中心には、研究、開発、イノベーションがあります。当社は、お客様にビジネス上の成果をもたらし、製品/サービスを市場に投入するまでの時間を短縮するためのリビング・ラボを提供する協調的な環境の構築を推進しています。その代表的な例がADI Catalystです。また、当社は、持続可能なエネルギーに関する取り組みによって安全かつクリーンな輸送を実現し、メーカーが高い柔軟性と効率を得られるよう支援します。

アナログ・デバイセズは、企業としての立場から、救命や環境保護につながる完全なソリューションやアプリケーションを構築します。それにより、新型コロナウイルスのパンデミックや気候の変動といった世界共通の重大な課題に立ち向かいます。当社のミッションは、先進的な技術、完全なシステム・ソリューション、アプリケーション・ドメインの専門知識を活用し、お客様のビジネスに最大限のインパクトをもたらすことです。

世界は目まぐるしく変化しています。それに対し、アナログ・デバイセズは技術領域で協調的なパートナーシップを構築することによって、そうした変化に直面するお客様を支援しています。今日の複雑な技術の世界において、すべてを単独で成し遂げられる人など存在しません。成功を収めるためには、パートナー、コラボレーター、エキスパートから成るエコシステムが必要です。共に手を取り合うことにより、世界のニーズに対応でき、大きなインパクトをもたらすソリューションを実現することが可能になるのです。