Designed, Built, Tested
Board pictured here has been fully assembled and tested.

Overview

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評価用ボード

型番に"Z"が付いているものは、RoHS対応製品です。 本回路の評価には以下の評価用ボードが必要です。

  • MAXREFDES278# ($267.50) EV Kit
在庫確認と購入

デバイス・ドライバ

コンポーネントのデジタル・インターフェースとを介して通信するために使用されるCコードやFPGAコードなどのソフトウェアです。

MAX22200 GitHub no-OS Driver Source Code

説明

MAXREFDES278#はIO-Link® 8チャンネル・ソレノイド・アクチュエータのフル機能リファレンス設計で、保護機能を内蔵したMAX22514 IO-Linkトランシーバーがベースとなっています。FETを内蔵したMAX22200 1Aオクタル集積化シリアル制御ソレノイド・ドライバを使って、8チャンネル・ソレノイド・アクチュエータの動作を確認します。このリファレンス設計には2つの電源オプションがあります。IO-Linkマスタを通じて直接電源を取ることで最大800mAの合計負荷に対応することもできますし、外部電源を使ってこれより大きい電流を供給することも可能です。IO-Linkマスタへの逆電流を防ぐとともに、常にIO-Link部分へ電力を供給できるように、この設計は過電圧(OV)、低電圧(UV)、および逆電圧に対する保護機能を備えたMAX17608電流リミッタを使用しています。

わずか85mm × 42mmの産業用フォーム・ファクタにまとめられたMAXREFDES278#は、業界標準のM12コネクタを使用しているので、4線IO-Linkケーブルを使用できます。それぞれのソレノイド・チャンネルは専用の2方向端子ブロックを備えています。

この設計では、STM32低消費電力マイクロコントローラが、MAX22200オクタル・ソレノイド・ドライバとMAX22514 IO-Linkデバイス・トランシーバー間のインターフェースに使われています。MAX22514は、電圧トランジェント圧縮(TVS)ダイオードなどの保護コンポーネントを外付けしなくても面積の小さいプリント基板(PCB)内で信頼性の高い通信を行うことができるように、サージ保護機能を内蔵しています。MAX22514は小さい25バンプのウェハ・レベル・パッケージ(WLP)と24ピンTQFNパッケージで提供されており、MAXREFDES278#の小型化に寄与しています。この設計は、MAX22514の内蔵アクティブ逆極性保護機能を使って逆極性保護を実現しています。MAX22514は、DC/DCコンバータを1個と低ドロップアウト(LDO)レギュレータを2個(3.3Vと5.0V)内蔵しています。DC/DCコンバータはマイクロコントローラ用の3.3V電源とMAX22200用のロジック電源を生成するために使われ、消費電力と必要部品数を削減して、スペースとコストを節約します。MAX22514も消費電力を減らすためにオン抵抗の小さいC/Qドライバを備えており、このリファレンス設計の消費電力を最小限に抑えて、放熱量を非常に低くすることを可能にしています。

このIO-Linkデバイスは、TMG TE社(Technologie Management Gruppe Technologie und Engineering)のIO-Linkデバイス・スタックを利用して、あらゆるIO-Linkバージョン1.1準拠のマスタと通信を行います。このボードは、標準的なM12ケーブルを使って規格準拠のIO-Linkマスタと接続するために、オスのM12コネクタを備えています。関連するソフトウェアを使ってMAXREFDES165#、またはMAXREFDES145#などのUSB IO-linkマスタにMAXREFDES278#を接続すれば、容易に評価を行うことができます。

設計ファイルやソフトウェアは「設計リソース(Design Resource)」タブからダウンロードでき、ボードも購入可能です。リファレンス設計のドキュメントには上に示すハードウェアについての説明が記載されています。

アプリケーション

  • 産業オートメーション
  • アクチュエータ・モジュール
  • PLCおよびDCSシステム
  • スマート・アクチュエータ

機能と利点

  • IEC 61131-9準拠
  • TMG TE IO-Linkスタック
  • IO-Linkバージョン1.1準拠
  • オクタル・ソレノイド・ドライバ

Details Section

高度なファクトリ・オートメーション・ソリューション(すなわちインダストリ4.0)にはより多くのスマート・センサーとアクチュエータが必要で、通常これらは、センサー/アクチュエータとコントローラ(マスタ)間のIO-Linkポイントtoポイント・シリアル通信を使って制御されます。IO-Linkデバイス・トランシーバーおよびマスタ・トランシーバーICのリーディング・プロバイダであるマキシム・インテグレーテッドは、製品のより迅速な市場投入を支援するフル機能のリファレンス設計ソリューションも提供しています。これらの実証済み設計は、IO-Link規格への準拠に必要なすべてのハードウェア条件とソフトウェア条件に対応しています。

IO-Linkは、オープン規格、フィールド・バスの有無とは関係なく使用可能、低コストといった特長を備えた初のポイントtoポイント型シリアル通信プロトコルで、センサーやアクチュエータとの通信に使われ、国際標準(IEC 61131-9)として採用されています。IO-Linkは、世界中の産業用機器の相互運用を標準化します。IO-LinkはPLCから直接機能させたり、あらゆる標準フィールド・バスに組み込んだりすることが可能で、すぐに、MAXREFDES278#などのスマート・デバイスと通信するためのデファクト・スタンダードとなりました。

このリファレンス設計を使用すると、IO-Linkを使って8個の個別のソレノイドのプログラムと診断を行うことができます。これは、産業用アクチュエータ機器のOEM(相手先ブランド名製造業者)がエンド・ユーザに工場の現場レベルでの総合的な柔軟性を提供し、SKUやBOMの削減や購入および製造の合理化を実現しながら、機器類の設置と試運転を容易にします。

マキシム・インテグレーテッドとTMG TEは互いに協力して、IO-Linkバージョン1.1/1.0規格に準拠したMAXREFDES278#リファレンス設計を開発しました。MAXREFDES278#設計には、業界標準であるMAX22514 IO-Linkデバイス・トランシーバー、TMG TEのIO-Linkデバイス・スタックを使用する低消費電力のマイクロコントローラ、およびソフトウェアであらゆる設定が可能なMAX22200オクタル・ソレノイド・ドライバが使われています。このフル機能のリファレンス設計は、85mm × 42mmのPCBに組み込まれていますが、そのほとんどの面積はコネクタで占められています。また、組立てコストを抑えるために、コンポーネントはすべて上面に配置されています。

図2にMAXREFDES278#システムのブロック図を示します。

Figure 2. MAXREFDES278# system block diagram.

図2. MAXREFDES278#システムのブロック図

MAXREFDES278# IO-Linkオクタル・ソレノイド・ドライバは最小限の電力とスペースしか必要とせず、産業用の様々な制御およびオートメーション・アプリケーションに使われている多数のアクチュエータ用として、理想的なソリューションとなっています。

MAX22514 IO-Linkデバイス・トランシーバーは、IO-Linkバージョン1.1.1.0の物理層仕様に準拠しています。MAX22514は、ドライバと2つのリニア・レギュレータを含め、産業用のセンサーとアクチュエータに広く使われている高電圧機能を内蔵しています。また、過酷な産業環境においても確実な通信を行うことができるように、広範な保護機能を備えています。3本のI/Oピン(V24、C/Q、GND)はすべて逆電圧と短絡から保護されており、±1kV/500Ωのサージ保護機能を内蔵しています。これによってPCB面積が非常に小さく抑えられており、TVSダイオードなどの外部保護部品も不要です。また、オン抵抗の小さいドライバ(C/Q)が消費電力をさらに低減するので、このリファレンス設計は最小限の電力しか消費せず、発熱量も非常に低く抑えられています。動作は通常の24V電源から最大36Vまで仕様規定されています。さらにサージ保護機能を内蔵していることに加え、高い電圧耐性(すなわち、I/Oピンの絶対最大定格がTVSダイオードなしで65V)を備えているので、トランジェント保護を簡略化できます。

MAX22514の内蔵DC/DCレギュレータは、マイクロコントローラおよびMAX22200用の3.3V電源を生成し、追加的な外部コンポーネントと必要面積を減らします。

MAX22514は高い設定自由度とSPIインターフェースを通じた診断機能を備えているほか、IO-Link通信用の3線UARTインターフェースも備えています。

MAXREFDES278#は、IO-Linkインターフェース部分にあるMAX22514がサージ保護機能を内蔵しているので、バリスタやTVSダイオードなどの外部保護デバイスを必要としません。このリファレンス設計は、静電放電について定めたIEC 61000-4-2規格(最大±4kV)と電気的高速トランジェントについて定めたIEC 61000-4-4規格(±4kV)の両方に適合しています。IO-Link側は、最大±1.0kVのサージ能力を満たすように設計されています(t = 1.2/50μsで2A)。

MAX22200は8チャンネルの36Vシリアル制御ソレノイド・ドライバです。各チャンネルは、最大1ARMSの駆動電流をシンクおよびソースできる低インピーダンス(代表値200mΩ)のプッシュプル出力段を備えています。デイジーチェーン構成もサポートするシリアル・インターフェース(SPI)を使用して、各チャンネルを個別に制御することもできます。デバイス・ハーフブリッジは、ローサイド・ドライバまたはハイサイド・ドライバとして構成できます。さらに、ハーフブリッジ・ペアを並列に配置して駆動電流を倍にしたり、フルブリッジとして構成することで最大4つのラッチ・バルブ(双安定バルブ)や4つのブラシ型DCモータを駆動したりすることも可能です。制御方法は、電圧駆動レギュレーション(VDR)と電流駆動レギュレーション(CDR)の2つがサポートされています。VDR時のデバイスはパルス幅変調(PWM)電圧を出力し、デューティ・サイクルはSPIを使ってプログラムします。所定の電源電圧とソレノイド抵抗において、出力電流はプログラムされたデューティ・サイクルに比例します。CDR時は、内蔵の無損失電流検出(ICS)回路が出力電流を検出して、内部でプログラム可能なリファレンス電流と検出値を比較します

ソレノイド駆動アプリケーションにおいて最適なパワー・マネージメントを実現できるように、励起駆動レベル(IHIT)、保持駆動レベル(IHOLD)、および励起駆動時間(tHIT)はチャンネルごとに個別に設定できます。MAX2220は必要な保護機能と診断機能をすべて備えています。これらの機能には、過電流保護(OCP)、サーマル・シャットダウン(TSD)、低電圧ロックアウト(UVLO)、負荷断線検出(OL)、およびプランジャ動作検出(DPM)が含まれます。フォルト表示ピンはフォルト・イベント信号を発し、FAULTレジスタに診断情報が保存されます。

MAX22200はコンパクトな5mm × 5mmの32ピンTQFNパッケージで提供され、−40ºC~+85ºCの温度範囲で動作します。

MAX17608調整可能過電圧および過電流保護デバイスは、+60Vから−65Vまでの正および負の入力電圧フォルトからシステムを保護するのに最適で、260mΩ(代表値)という低RONのFETを内蔵しています。調整可能な入力過電圧保護範囲は5.5V~60Vで、同じく調整可能な低電圧保護範囲は4.5V~59Vです。入力過電圧ロックアウト(OVLO)と低電圧ロックアウト(UVLO)の閾値は、外付け抵抗を使って設定します。さらに、これらのデバイスには4V(代表値)の内部入力低電圧閾値が設定されています。また、最大1Aまで設定可能な電流制限保護機能を備えているので、大容量出力コンデンサの充電開始時の突入電流を制御します。この電流制限閾値は、SETIピンとGNDの間に抵抗を接続することによって設定します。デバイス電流が設定閾値に達すると、デバイスは内蔵FET抵抗を調整することによってそれ以上電流が増加しないようにします。このデバイスは、電流が制限された状態下で、自動リトライ、連続、またはラッチオフという3つの異なるモードで動作するように設定できます。SETIピンに現れる電圧はデバイスに流れる瞬間電流に比例し、この電圧はADCによって読み出されます。MAX17608は逆方向(つまりOUTからINの方向)に流れる電流をブロックするほか、過大な消費電力を防ぐためにサーマル・シャットダウン保護機能を備えています。このデバイスは小型の12ピン(3mm × 3mm)TDFN-EPパッケージで提供され、−40°C~+125°Cの広い温度範囲で動作します。

オクタル・ソレノイド・バルブ、IO-Linkトランシーバー、逆電流および過電流プロテクタの詳細については、MAX22200、MAX22514、MAX17608のデータシートを参照してください。

MAXREFDES278#は、IO-Linkマスタに接続してそのまま使用できるIO-Linkデバイスとして、予めプログラムされた状態で出荷されます。ファームウェアはTMG TE IO-Linkデバイス・スタックを利用しています。プラグイン後、MAXREFDES278はIO-Linkマスタからのウェイクアップ信号を待ちます。ウェイクアップ信号を受け取ると、MAXREFDES278#は230.4kbps(COM3)のボー・レートでIO-Linkマスタに同期して通信パラメータを交換します。続いて、IO-Linkマスタが、アクチュエータのプロセス・データを転送することによって周期的なデータ交換を開始します。MAXREFDES278#が取り外された場合は、IO-Linkマスタがこれを検出します。

MAXREFDES145はTE-Concept IO-Linkマスタ・スタックを利用する8ポートのIO-Linkマスタです。また、TE-Concept IO-Link制御ツール・ソフトウェアはWindows®互換のソフトウェアで、IODDファイルのインポート機能を備えており、IODD Finderからの自動ダウンロードとUSB経由でのPC接続が可能です。ソフトウェアはここからダウンロードできます。

TE-Concept IO-Link制御ツール・ソフトウェアを図2に示します。ガイドもすべてTE-Conceptのウェブサイトからダウンロードできます。

MAXREFDES278#のソース・コードは提供されていません。TMG TE IO-Linkスタックは、MAXREFDES278#のハードウェア内に予めプログラムされ、永久ライセンスが付与された状態で出荷されます。

TMG TEの連絡先は以下の通りです。

Technologie Management Gruppe
Technologie und Engineering GmbH
Zur Giesserei 10
76227 Karlsruhe
Germany
Phone: +49 7218 28060
E-Mail: willems@tmgte.de
Internet: www.tmgte.com

Figure 3.TE-Concept IO-Link Control Tool.

図3. TE-Concept IO-Link制御ツール

MAXREFDES278#はMAXREFDES145# IO-Linkマスタを使って検証されており、MAX14819 IO-Linkマスタ・トランシーバーとTE-ConceptのIO-Link制御ツールを備えています。

「設計リソース(Design Resources)」タブにあるIODDファイル(*.xml)をダウンロードし、ソフトウェアの使用方法については「クイック・スタート・ガイド」のセクションに示すステップバイステップの説明に従ってください。マスタおよびデバイスと通信を行うTE-Concept IO-Link制御ツールのスクリーンショットを図3に示します。

デバイス(MAXREFDES278#など)のテスト設定に関する一般的な規則を以下に示します。

  • SDCIケーブルはシールドされていない長さ20mのコイル状のものを使用し、地表面から10cm(4in)離して配線してください。
  • デバイスは、地表面から10cm(4in)離して配置してください。

MAXREFDES278#は一般的な産業用の適合規格に従ってマキシム・インテグレーテッド社内でテストされており、そのテスト方法と結果は以下に記載されています。IO-Linkのインターフェースおよびシステム仕様ではサージ・テストは求められていませんが、マキシム・インテグレーテッドでは、ESDテストとEFTテストに加えてこのテストも行っています。


使用機器

  • MAXREFDES278# IO-Linkアクチュエータ
  • MAXREFDES145# 8ポートIO-Linkマスタ
  • 20mのM12ケーブル
  • Haefely® Technology ECOMPACT4 EFT/サージ発生器
  • Teseq® CDN 117信号ライン・カップリング・ネットワーク
  • Teseq CDN 3425 EFTデータ・ライン・カップリング・クランプ
  • Teseg NSG438 ESD発生器

サージ・テスト

MAXREFDES278#モジュールは、500Ωの合計ソースインピーダンスで最大±1.0kVの1.2/50μs IEC 61000-4-5サージに対する耐性がテストされています。サージ・テストはMAXREFDES145# IO-Linkマスタを使い、表1に示すように各テストで10回サージ・パルスを加えています。

表1に示すテストを行いながらマスタと通信を行っている間、MAXREFDES278#は正常な動作(コードの実行とデータの転送)を続け、テストにより損傷を受けることはなく、MAX22514のレジスタが破損することもありませんでした。

表1. IO-Linkインターフェースのサージ・テスト結果
テスト条件 サージ・テスト
L+ TO GND C/Q TO GND L+ TO CQ  
+1kV 合格 合格 合格
-1kV 合格 合格 合格

 

EFT/バースト・テスト

MAXREFDES278#は、標準のM12コネクタを備えた20mのIO-Linkケーブルを使い、IEC 61000-4-4に従って最大±4kVまでのEFT/バーストに対する耐性がテストされています。EFTテストではMAXREFDES145# IO-Linkマスタを使い、表2に示すように各テストで1分間にわたりEFTパルスを加えています。

表2. EFT/バースト・テストの結果
テスト条件 5kHz/15ms 100kHz/0.75ms
+4kV 合格 合格
−4kV 合格 合格

 

ESDテスト

MAXREFDES278#は、IEC 61000-4-2に従い最大±4kVの接触放電とエアギャップ放電によりESDへの耐性がテストされています。ESDテストは、表3に示すように、MAXREFDES145# IO-Linkマスタを使ってデータ送信のテスト動作検証を行った後に、MAXREFDES278#のM12コネクタのピンで行っています。ESDテストによってMAXREFDES278#が損傷を受けることはなく、正常に動作を続けました。

表3. ESDテストの結果
テスト条件 L+ TO GND C/Q TO GND
+4kV接触放電 合格 合格
4kV接触放電 合格 合格
+4kVエアギャップ放電 合格 合格
4kVエアギャップ放電 合格 合格

 

注:IO-Linkインターフェースおよびシステム仕様のバージョン1.1.2は、20mのケーブルを接続してテストを行うこと、およびデバイスのケーシングにESDを加えることを求めています。このリファレンス設計はPCBだけで金属製のケーシングがないので、ESDはオスのM12コネクタのピンに加えています。マキシム・インテグレーテッドは、ケーシングとケーブルのある状態でテストをした場合でも、この設計が表3に指定したレベルの耐性を満たすと考えています。

MAXREFDES278#は、過渡耐性について定めたIEC 61000-4-x規格のIO-Link動作と過酷な産業環境の条件を満たすように設計され、テストされています。このボードと関連ソフトウェアはMAX22514およびMAX22200の性能評価に使用するために設計されたものであり、ファクトリ・オートメーション・システムの最終製品にそのまま展開することを意図したものではありません。

MAXREFDES278#は、機能安全システムやセーフティクリティカル・システムに使用するためのものではありません。

MAXREFDES278#をテストするには、そのボードをIO-Linkマスタのポートに接続します。以下の例では、MAXREFDES145# IO-LinkマスタとTE-Concept IO-Link制御ツールを使用しています。ただし、この他にもあらゆるIO-Link対応のマスタとそれに対応するIO-LinkデバイスGUIを使用することができます。

必要なマキシム製装置

  • MAXREFDES278#


注:IODDファイルは設計ファイルのグレー・カードからダウンロードしてください。

ユーザが用意:

  • IO-Linkマスタ(つまりMAXREFDES145#)と24V AC/DCアダプタ
  • TEConcept IO-Link制御ツール・ソフトウェア
  • IO-Linkケーブル × 1本
  • USBポートがあるPC
  • 24Vソレノイドまたはモータ


手順

マスタのセットアップ手順

  • IO-Link M12ケーブルを使い、MAXREFDES278#アクチュエータをIO-Linkマスタに接続します。
  • USBケーブルを使い、IO-LinkマスタをPCに接続します。
  • 最新のIO-Link制御ツール・ソフトウェアをここからダウンロードしてインストールします。
  • 「設計リソース(Design Resources)」タブまたはIODD Finderのウェブサイトから、MAXREFDES278#のIODDファイルをダウンロードします。
  • MAXREFDES278#には、ファームウェアとIO-Linkデバイス・スタックが予めプログラムされています。


MAXREFDES278のテスト手順

  1. IO-Linkケーブルのメス側をMAXREFDES278#に接続します。
  2. IO-Linkケーブルのオス側をIO-Linkマスタのポートの1つに接続します。
  3. MAXREFDES145に24V電源から電力が供給されていること、およびUSBケーブルでPCに接続されていることを確認します。
  4. 図4に示すようにIO-Link制御ツール・ソフトウェアを開き、[FTDI USB-SPI Interface]エリアでリフレッシュ・ボタンをクリックすると、GUIが自動的にIO-Linkマスタを検出します。次に、緑の接続ボタンをクリックしてください。
  5.  

    図4. IO-Link制御ツール・ソフトウェアの接続ボタンとリフレッシュ・ボタン

     

  6. 図5に示すように、MAXREFDES278#用のIODDファイルをインポートします。TE-Concept GUIでは、[Select Device]メニューの[IODD Finder]をクリックすることによって、IODD FinderからIODDファイルを自動的にダウンロードすることもできます。
  7.  

    図5. デバイス・セレクタ

     

  8. 図6に示すように、デバイス・ツリーの[Topology]エリアで、MAXREFDES278#が接続されたポートを選択します。
  9. Power ON]ボタンをクリックすると、選択したポートのL+電源がイネーブルされます。以上で、MAXREFDES278#の電源LEDと選択したMAXREFDES145#ポートの赤いL+ LEDが点灯します。
  10. 次に[IO-Link]ボタンをクリックします。
  11.  

    図6. IO-Link制御ツール・ソフトウェア上でポートを選択

     

  12. 図7に示すように通信が正常に確立されると、IO-Link制御ツール・ソフトウェアがベンダーID、デバイスID、サイクル時間、およびプロセス・データ入力(PD入力)を表示します。PD入力の隣には、その入力の有効性が表示されます(緑が有効)。これは、マスタがIO-Linkデバイスと正常に通信していることを意味します。
  13.  

    図7. IO-Link制御ツール・ソフトウェア上で正常に通信が確立された状態

     

  14. プロセス・データの下に示された診断結果がすべて「0」または「OK」であることを確認します。
    1. [Over Current fault](過電流フォルト)は8ビット値で、それぞれのビットが該当するチャンネルのステータスをフラグします。
    2. [Overload fault](過負荷フォルト)は8ビット値で、それぞれのビットが該当するチャンネルのステータスをフラグします。
    3. [Plunger Movement Indication](プランジャ動作表示)は8ビット値で、それぞれのビットが該当するチャンネルのステータスをフラグします。
    4. [Driver Status Flag](ドライバ・ステータス・フラグ)はMAX22200オクタル・ドライバのステータスを示します。
    5. [Driver Undervoltage Flag](ドライバ低電圧フラグ)は、MAX22200が低電圧状態にあるかどうかを示します。
    6. [Driver SPI Error Flag](ドライバSPIエラー・フラグ)は、MAX22200でSPI通信エラーが発生しているかどうかを示します。
    7. [Driver DPM Flag](ドライバDPMフラグ)は、MAX22200のいずれかのチャンネルにプランジャ・フォルトが生じているかどうかを示します。
    8. [Driver HIT Flag](ドライバHITフラグ)は、MAX22200のいずれかのチャンネルがHIT電流に達していないかどうかを示します。
    9. [Driver Open Load Flag](ドライバ負荷断線フラグ)は、MAX22200のいずれかのチャンネルに負荷断線状態が生じているかどうかを示します。
    10. [Driver Over Current Flag](ドライバ過電流フラグ)は、MAX22200のいずれかのチャンネルに過電流状態が生じているかどうかを示します。
    11. [Driver Thermal Error Flag](ドライバ・サーマル・エラー・フラグは、MAX22200がサーマル・シャットダウン状態にあるかどうかを示します。
  15. 図8に示すように、上に述べたステータス情報に関する詳細設定と調整は、[Port]ウィンドウ右上部分の[Parameter]メニューで行うことができます。
  16. Parameter]メニューの右側にある小さい矢印をクリックしてから、[Device Parameterization (Bit access)]の小さい矢印をクリックしてください。
  17.  

    図8. [Device Parameterization (Bit access)]メニュー

     

  18. 図9に示すように、[Channel 1 CFG (Bit access)]メニューを開き、さらに[Channel 1 CFG (Bit access)]をクリックしてハイライト表示にします。次いで[Read Selected]をクリックすると、チャンネル1の現在の設定が表示されます。
  19.  

    図9. [Channel 1 CFG (Bit access)]メニュー

     

  20. [Scale]、[Hit]、パーセント表示の[Hold currents]、およびタイミング・パラメータを選択します。これらの設定の詳細については、MAX22200のデータシートを参照してください。ステータスの詳細は、図10に示すように[STATUS (Bit access)]メニューで読み出すことができます。
  21. MAX22200の詳細なステータスとグローバル設定については、[STATUS]セクションを参照してください。
  22.  

    図10. [Status (Bit access)]メニュー

     

  23. チャンネルごとのフォルトの詳細は、図11に示すように[FAULT (Bit access)]メニューで読み出すことができます。
  24.  

    図11. [FAULT (Bit access)]メニュー

     

  25. 個々のチャンネルは、[Process Data output] -> [Half-bridge On/Off]バイトのビットを設定することによって駆動できます。各ビットが個々のチャンネルを駆動します。ビット0はチャンネル1を表します。
    1. チャンネル1を駆動するには、[Half bridge On/Off]を1に設定します。
    2. チャンネル2を駆動するには、[Half bridge On/Off]を2に設定します。
    3. チャンネル3を駆動するには、[Half bridge On/Off]を4に設定します。
    4. チャンネル1と3を駆動するには、[Half bridge On/Off]を5に設定します。
  26. グループを作成することもでき、これは[Trigger A]ビットまたは[Trigger B]ビットによって駆動されます。
    この機能をイネーブルするには、個々の[Channel Configuration]で[Trigger Select]ビットを設定する必要があります。
  27. ソレノイド用に外部24V電源を使用できる場合は、[Process Data Output]の[Actor PWR from IO-Link]ビットを設定することによって、IO-Linkからの24V電源をディスエーブルできます。

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