2セルAAからステップダウンレギュレータおよび3.3Vブーストを駆動
要約
2セルAAのような低電圧入力からのステップダウンには困難を伴います。ここで紹介する回路は1.5V/600mAを生成し3.3V/200mAも供給するための1つのソリューションを提供します。
入力電圧と出力電圧の両方が低い場合のDC-DC変換は特に困難を伴います。+1V以下で動作するステップアップICは入手可能ですが、+2V近くの入力電圧を許容するステップダウンICはありません。したがって、ハンドヘルド製品で電源が2セルAAバッテリの場合に、低電圧CPUコアに高効率電源を供給しようとすると問題となることがあります。このバッテリ出力は、バッテリの放電によって1.8Vまで降下することがあるためです。
図1に示す上側のスイッチモードDC-DCコンバータ(IC1)は、+3.4V~+1.8Vの範囲で変動する2セルAAの入力から1.5V/600mA以上を生成します。このステップダウンコントローラを駆動する3.3Vレイルは、大電流の同期整流型ブーストコントローラ(IC3)から供給され、IC3はそれ以外にも外部ロジックおよびCPUのI/Oブロックに電源を供給します。IC1は3.3Vでバイアスされますが、1.5V出力用の電源はバッテリから直接得ていることに注意してください。
図1. 3.3VブーストコントローラIC3によって駆動されるこのステップダウンコントローラ(IC1)は、最低1.8Vの入力から1.5Vを生成します。3.3Vレイルがその最小許容値よりも低下した場合、IC2およびQ2はQ1をターンオフすることで回路をシャットダウンします。
IC1を正しく動作させる上で3.3Vレイルが低過ぎる場合には、Q2、D2およびSOT23リセット(IC2)によってスイッチングパワーMOSFET (Q1)が強制的にオフにされます。これらの部品がなければ、パワーアップ時の状態(バッテリ電圧は存在するが、3.3Vが瞬時的に失われ、Q1ゲートがローになる)が原因となって、1.5V出力がバッテリ電圧にオーバシュートすることがあります。
1.5V出力の降圧変換効率(約85%)は、この回路が使用する超小型部品、つまり3ピンSOT23パワーMOSFET (Q1)および5mm径の表面実装インダクタを考えると非常に高いと言えます。3.3V出力については、IC3に内蔵されている同期整流によって90%以上の昇圧効率となります。
同様のアイデアがEDNの1/7/99号に掲載されました。