MAX2010を450MHzで動作させるための変更
要約
このアプリケーションノートでは、標準のMAX2010 (可変RFプリディストータ)のEVキットに簡単な変更を加えて、その動作周波数を450MHzに最適化する方法を示します。デフォルトでは、このプリディストーション用コンポーネントは500MHz~1100MHzでの動作を規定されています。しかし、標準のMAX2010のEVキットに少数の変更を加えることによって、その動作をより低い周波数での動作に最適化することが可能です。
変更点の概要
位相セクションの入力および出力の整合に簡単な変更を与えることによって、MAX2010可変RFプリディストータの周波数範囲を500MHzよりも下に拡張することができることが、実験によって明らかになりました。これらの変更は、位相セクションだけに関係するものであることに注意してください。利得セクションについても同様の変更が可能かも知れませんが、クラスABアプリケーションの場合、MAX2010の位相伸張だけを利用することによって最良の結果が得られます。
標準のMAX2010のEVキット(図1)を使用して、450MHzにおいて最高の性能を引き出すため、以下の部品を変更します。
C11:「未実装」から4.7pFに変更
C1:8.2pFから330pFに変更
L1:5.6nFから15nHに変更
C12:「未実装」から4.7pFに変更
L2:5.6nFから15nHに変更
図1. MAX2010のEVキットの回路図。
変更後の450MHzにおける位相伸張特性
図2のグラフは、前項で概説した変更を用いた後に450MHzで可能になる、標準的な位相伸張を示すものです。
図2. 450MHzにおけるMAX2010の位相伸張特性。
450MHzにおける寄生利得圧縮特性
図3のグラフは、前述の部品を新しい値に変更した後で実現可能になる、標準的な利得圧縮特性を表しています。
図3. 450MHzにおけるMAX2010の寄生利得圧縮特性。
450MHzにおける入力整合特性
図4. 450MHzにおけるMAX2010の入力整合。
450MHzにおける出力整合特性
図5. 450MHzにおけるMAX2010の出力整合。