白色LEDチャージポンプの回路基板レイアウトのガイドライン
要約
多くの白色LEDチャージポンプICのPCBレイアウトは単純です。ただし、高電流チャージポンプや端子数の多いチャージポンプ(MAX1576など)では、より重要な要件があります。このアプリケーションノートでは、PCBレイアウトと設計ガイドラインについて説明します。
端子数が多い、または高電流チャージポンプを使用する白色LEDドライバのプリント回路基板(PCB)をレイアウトするときには、いくつかの注意が必要です。このアプリケーションノートでは、MAX1576を例に使用して、ガイドラインと基板レイアウトを示します。
MAX1576白色LEDチャージポンプのPCBアートワークをレイアウトするときには、以下のガイドラインを守ってください。
- すべてのGNDとPGND端子を、IC直下のエクスポーズドパッド(EP)に接続します。
- 入力、出力、およびフライングコンデンサには、X5R以上の誘電性を備えたセラミックコンデンサのみを使用してください。高出力電流の駆動、低入力/出力リップル、および安定動作のためには、低ESRであることが非常に重要です。
- スイッチングノイズによってICのバイアス回路に動作不良が生じることを防ぐため、入力コンデンサ(CINとCINP)は、入力端子とグランド端子にできる限り近づけて配置します。できれば、コンデンサとICの間にはビアがないようにしてください。
- GND端子とPGND端子、あるいはIN端子とPIN端子が別々に存在する場合、ICは電源とバイアス用に別々の入力を含むことになります。これらの端子が近くに配置されていない場合、2つの入力コンデンサを使用する必要があります。つまり、PINとPGND間のCINP、INとGND間のCINです。それぞれをできる限りICに近づけて配置します。この場合、PINとPGNDは、システム電源とグランドプレーンに接続する必要がありますが、INとGNDは局所的に静かな状態を維持します。最初にPCBの電源をCINPとINPに供給し、次に、いくつかのビアを経てCINとINに供給し、IN端子に特定の入力ノイズフィルタリングを供給します。PGNDとGNDは、エクスポーズドパッドを通じて、お互いに接続するだけです。
- チャージポンプのレギュレーションの安定性を保証するため、出力コンデンサCOUTをできるだけOUT端子の近くに配置します。また、COUTのグランド端子を最も近くのPGND端子ピンまたはGND端子、あるいはエクスポーズドパッド(EP)に接続します。
- チャージポンプからの低出力インピーダンスを保証するため、フライングコンデンサC1とC2をできる限りICの近くに配置します。フライングコンデンサは、レギュレータの安定性に何の影響も与えないので、ビアを避けることができない場合は、CINやCINPと直列に配置するよりは、C1やC2と直列に配置する方をお勧めします。
- あらゆるリファレンスバイパスコンデンサ(MAX1576にはない)または設定抵抗器(MAX1576上のRMとRF)のグランド端子をGND端子(PGNDではない)に接続します。これによって、ICのアナログブロックへのノイズカップリングを低減します。
- エクスポーズドパッド(EP)内のオプションの大きなビアは、半田接合を検査するのに役立ちます。またこのビアのおかげで、半田ごてを用いてPCBからICを容易に除去することができるようになります。
- ロジック入力のトレースとLEDへの接続は、必要な長さだけトレースします。これらの出力端子の電流は安定化されているため、これらのライン上のビアが問題を引き起こすことはありません。ただし、感度の高い無線回路にあまりに近づけてトレースすると、ライン上のリップルがRF回路に影響を及ぼす可能性があります。