環境光は、心拍モニタ、浴室器具、リモート気象センサー、その他の低消費電力デバイスを駆動するエネルギー収穫源として注目されるようになってきました。エネルギー収穫システムの中心になるのは、環境光を正確に測定する能力です。この設計案では、環境光の強度に比例した電圧を提供する、簡単で費用効果の高い回路を説明します。
このセンサーは、RadioShack社製フォトレジスタのモデル276-1657という光依存性抵抗(LDR)です。図1に示すように、環境光の強度に応じて抵抗が変化します。暗い場所での抵抗の値は数メガΩですが、明るい場所では数百Ωまで変化します。このセンサーは、光量レベルの大小の変動を検出でき、電球が1つか2つか、直射日光か、真っ暗闇か、またはその中間かを識別できます。各アプリケーションにはそれぞれ適切な回路と物理的なセットアップが必要であり、正確な照明の条件を考えて若干のキャリブレーションが必要になることもあります。このセンサーは、防水性のある透明な筐体に取り付けることができるため、あらゆる気象条件下でどんな現場にも配備することができます。


図2に示す回路では、出力電圧は入力電圧と光強度の両方に反応し、AD8226計装アンプのゲイン抵抗としてフォトレジスタが用いられています。AD8226の伝達関数は次のようになります。

ここで、Gは回路ゲイン、VIN+とVIN-はそれぞれ正側と負側の入力での電圧、VREF はREFピンの電圧です。負側入力とREFピンを接地し、正側入力にVIN+ を印加すると、ゲインは次のようになります。

または

LDRの値が既知であれば、照明レベルに変換することができます。したがって、既知の印加入力電圧を持つ計装アンプの出力を監視すればよいことになります。VIN+ は、AC電圧、DC電圧、または電源をスケーリングした電圧とすることができます。なお、ゲイン精度は、内部でトリミングされた2本の薄膜抵抗の精度に依存します。
この回路を使用することで、フォトレジスタの抵抗をリモート測定が可能な電圧に変換することによって、環境光を経済的に測定できます。AD8226を選択したのは、広い電源動作範囲(2.7 ~36V)、低い無信号時消費電流(全電源電圧範囲で500μA未満)、レールtoレール出力、機能的完結性のためです。この回路は、数Ωから無限大までのどんなゲイン抵抗にも対処できます。高性能な計装アンプが安価になるにつれて、オペアンプに代わる理想的なアンプと考えられるようになりました。
図3は、VIN+ として100mV p-p、900Hz のサイン波を使用した場合のこの回路の代表的な応答です。LDRの明暗値は、約840Ωおよび約5500Ωと見なすことができます。これらの抵抗値は、LDRのキャリブレーションを使用して照明レベルに変換することができます。
