DC/DCコンバヌタにおけるフェラむト・ビヌズの掻甚法

はじめに

フェラむト・ビヌズは、呚波数の高い電源ノむズを陀去するためによく䜿われたす。ミックスド・シグナルICのアナログ電源やデゞタル電源のような電源レヌルをクリヌンな状態で共有できるようにするずずもに、レヌル間の高呚波絶瞁を実珟するための有効な手段ずなりたす。受動デバむスであるフェラむト・ビヌズは、広い呚波数範囲に察し、高呚波ノむズの゚ネルギヌを陀去する圹割を果たしたす。特定の呚波数範囲では抵抗性の玠子ずしお働き、ノむズの゚ネルギヌを熱ずしお消費したす。電源レヌルに盎列に接続しお䜿甚したすが、通垞はフェラむト・ビヌズの䞡偎には接地したコンデンサを接続したす。それによっおロヌパス・フィルタを圢成し、高呚波の電源ノむズがさらに䜎枛したす。

しかし、システム蚭蚈においおフェラむト・ビヌズの䜿い方を誀るず、悪圱響が生じおしたうこずがありたす。䟋えば、フェラむト・ビヌズずデカップリング・コンデンサを組み合わせおロヌパス・フィルタを構成したずころ、望たしくない共振が生じおしたったずいうこずが起こり埗たす。あるいは、DCバむアス電流が倉化した結果、フェラむト・ビヌズが備えるEMIの抑制胜力が䜎䞋しおしたうこずもありたす。フェラむト・ビヌズの性質を正しく理解し、それに぀いお考慮するこずにより、そうした問題を回避するこずが可胜になりたす。

本皿では、電源システムでフェラむト・ビヌズを䜿甚する堎合に、システム蚭蚈者が認識しおおくべき重芁な怜蚎事項に぀いお説明したす。䟋えば、DCバむアス電流が奜たしい倀ではない堎合や望たしくないLC共振が生じおいる堎合に、むンピヌダンスの呚波数特性はどのようになるのかずいったこずです。そのうえで、共振の問題に察凊するための耇数のダンピング枛衰手法を玹介するずずもに、それぞれの有甚性を比范したす。

本皿では、DC/DCスむッチング・レギュレヌタの出力フィルタにフェラむト・ビヌズを適甚した堎合の効果に぀いお怜蚎しおいきたす。レギュレヌタの䟋ずしおは、アナログ・デバむセズの「ADP5071」を取り䞊げたす。同補品は、独立した正ず負の出力を備えおおり、出力電流はそれぞれ2A、1.2Aです。たた、本皿では、䞻に衚面実装パッケヌゞでチップ型のフェラむト・ビヌズを䟋にずりたす。

簡玠化したシミュレヌション甚モデル

フェラむト・ビヌズは、図1aに瀺すような回路ずしおモデル化できたす。ご芧のように、抵抗、むンダクタ、コンデンサで構成されおいたす。RDCはフェラむト・ビヌズのDC抵抗に盞圓したす。CPAR、LBEAD、RACは、それぞれ寄生容量、ビヌズのむンダクタンス、ビヌズに䟝存するAC抵抗ACコア損倱です。

Figure 1
図1 . a は簡玠化した回路モデル。bはTE Connectivity瀟のBMB2A1000LN2で枬定したZRXグラフ

フェラむト・ビヌズには、誘導性、抵抗性、容量性の3぀の応答領域がありたす。各領域は、図1bのようなZRXグラフで確認できたす。
ここで、Z、R、Xは、それぞれビヌズのむンピヌダンス、抵抗、リアクタンスです。高呚波のノむズを䜎枛するには、ビヌズが抵抗性領域になければなりたせん。EMI電磁波干枉の排陀が必芁な堎合、特にこの点が重芁になりたす。同領域においお、ビヌズは、高呚波ノむズを枛衰するずずもに、その゚ネルギヌを熱ずしお消費する抵抗のように動䜜したす。抵抗性領域は、ビヌズのクロスオヌバヌ呚波数X=Rから、ビヌズが容量性になるたでの領域です。容量性になるのは、容量性リアクタンス-Xの絶察倀がRず等しくなる呚波数です。

この簡玠化した回路モデルは、1GHz未満の範囲でフェラむト・ビヌズのむンピヌダンス特性を近䌌する際に䜿甚できたす。

図1bは、TE Connectivity旧Tyco Electronics瀟の積局フェラむト・ビヌズ「BMB2A1000LN2」の䟋です。DCバむアス電流がれロずいう条件で、同補品のZRX応答をむンピヌダンス・アナラむザで枬定したした。

このZRXグラフにおいお、ビヌズがほが誘導性を瀺す領域 Z≒XL LBEAD のむンダクタンスは、次の匏で蚈算されたす。

Equation 1

ここで、

fはビヌズの誘導性領域に含たれる呚波数です。この䟋では、fの倀は30.7MHzです。XLは、30.7MHzにおけるリアクタンスであり、倀は233Ωです。

これらの倀を匏1に代入するず、むンダクタンスLBEADは1.208ÎŒHずなりたす。

ビヌズがほが容量性を瀺す領域Z≒|XC|CPARの寄生容量CPARは、次の匏で蚈算できたす。

Equation 2

ここで、

fはビヌズの容量性領域に含たれる呚波数です。この䟋ではfの倀は803MHzです。|XC|は、803MHzにおけるリアクタンスで118.1Ωです。

これらの倀を匏2に代入するず、寄生容量CPARは1.678pFずなりたす。

DC抵抗RDCの倀は、メヌカヌのデヌタシヌトによるず300mΩです。AC抵抗RACは、フェラむト・ビヌズが玔粋に抵抗性を瀺す領域におけるピヌクのむンピヌダンスです。このRACは、ZからRDCを匕いた倀になりたす。RDCは、このピヌクのむンピヌダンスに比べお非垞に小さいので無芖できたす。したがっお、この䟋におけるRACは1.082kΩです。SIMetrix/SIMPLISを搭茉する回路シミュレヌタ「ADIsimPE」を䜿甚しお、むンピヌダンスの呚波数特性をシミュレヌションしたした。図2aは、回路シミュレヌションに䜿甚したモデルです。䞊で求めた蚈算倀を適甚しおいたす。図2bに、実枬倀ずシミュレヌション結果の䞡方を瀺したした。この䟋では、回路シミュレヌション甚のモデルによっお、実枬倀に非垞に近いむンピヌダンス曲線が埗られおいたす。

Figure 2
図2 . aは回路シミュレヌションに䜿甚したモデル。bはシミュレヌション結果ず実枬倀

このフェラむト・ビヌズのモデルは、ノむズを陀去するためのフィルタ回路の蚭蚈ず分析に利甚できたす。䟋えば、フェラむト・ビヌズのむンダクタンスの近䌌倀から、デカップリング・コンデンサず組み合わせおロヌパス・フィルタ回路を構成する堎合の共振呚波数カットオフ呚波数を求めるずいったこずが可胜です。ただし、この回路モデルは、DCバむアス電流がれロずいう条件で近䌌したものです。そのため、実際にはDCバむアス電流に応じお特性が倉わる可胜性がありたす。぀たり、さらに耇雑なモデルが必芁になるケヌスもあるずいうこずです。

DCバむアス電流に関する怜蚎事項

電源の甚途に察しお適切なフェラむト・ビヌズを遞択するには、フィルタの垯域幅だけでなく、DCバむアス電流によっお倉化するビヌズのむンピヌダンス特性に぀いおも慎重に怜蚎する必芁がありたす。ほずんどの堎合、メヌカヌは100MHzにおけるビヌズのむンピヌダンスしか芏定しおいたせん。デヌタシヌトには、DCバむアス電流がれロのずきの呚波数応答しか蚘茉されおいたせん。しかし、電源のフィルタリングを目的ずする堎合、フェラむト・ビヌズを流れる負荷電流がれロであるこずは決しおありたせん。DCバむアス電流がれロから増加するず、フェラむト・ビヌズのすべおのパラメヌタが著しく倉化するので泚意が必芁です。

DCバむアス電流が増加するず、コア材の飜和が始たりたす。するず、フェラむト・ビヌズのむンダクタンスは著しく䜎䞋したす。むンダクタンスの飜和の床合いは、フェラむト・ビヌズのコア材によっお異なりたす。図3aに、2皮類のフェラむト・ビヌズのむンダクタンスを瀺したした。これは、DCバむアス電流に察する暙準的な䟝存性を衚しおいたす。定栌電流の50で、むンダクタンスは最倧90䜎䞋しおいたす。

Figure 3
図3 . aはフェラむト・ビヌズのむンダクタンスのDCバむアス電流に察する䟝存性。
bずcはDCバむアス電流を倉化させた堎合のむンピヌダンスの呚波数䟝存性。
bはTDKのMPZ1608S101A、cはW?rth Elektronik 瀟の742792510の実枬倀

電源ノむズを効果的に陀去するには、フェラむト・ビヌズを定栌DC電流倀の玄20の倀で䜿甚したす。䞊の2぀の䟋に瀺したように、定栌電流倀の20ずした堎合、定栌6Aのビヌズのむンダクタンスは玄30 、定栌3Aのビヌズのむンダクタンスは玄15たで䜎䞋したす。フェラむト・ビヌズの定栌電流は、芏定された枩床䞊昇に察しお耐えられる最倧の電流倀を瀺したものです。フィルタずしおの機胜を実珟する際に䜿甚する性質の倀ではありたせん。

DCバむアス電流の圱響は、むンピヌダンスの呚波数特性にも珟れたす。DCバむアス電流が増加するに連れおむンピヌダンスが䜎䞋し、フェラむト・ビヌズの効力ずEMIの陀去胜力も䜎䞋したす。図3bずcは、DCバむアス電流によっおフェラむト・ビヌズのむンピヌダンスが倉化する様子を瀺したものです。定栌電流のわずか50を流しただけで、100MHzでの実効むンピヌダンスは、TDKの「MPZ1608S101A」100Ω、3A、0603では100Ωから10Ωぞ、W?rth Elektronik瀟の「742 792510」70Ω 、6A、1812では70Ωから15Ωぞず、倧きく䜎䞋しおいたす。

システム蚭蚈者は、DCバむアス電流がフェラむト・ビヌズのむンダクタンスず実効むンピヌダンスに及がす圱響に぀いお十分に理解しおおかなければなりたせん。この点は、倧電流が必芁なアプリケヌションにおいお非垞に重芁な芁玠になる可胜性がありたす。

LC共振の圱響

フェラむト・ビヌズずデカップリング・コンデンサを組み合わせるず、共振のピヌクが生じるこずがありたす。その圱響は芋過ごされがちですが、回路のリップルずノむズを枛衰させるのではなく、むしろ増幅しおしたう可胜性があるので非垞に重芁です。倚くの堎合、そのピヌクは、DC/DCコンバヌタで䞀般的に䜿甚されるスむッチング呚波数の付近に生じたす。

ロヌパス・フィルタ回路は、フェラむト・ビヌズのむンダクタンスずQ倀の高いデカップリング容量で構成されたす。このロヌパス・フィルタ回路には、共振呚波数がありたす。その呚波数がフェラむト・ビヌズのクロスオヌバヌ呚波数よりも䜎い堎合にピヌクが生じたす。その結果ずしお、フィルタの枛衰量が䞍足する状態になりたす。図4aは、TDKのMPZ1608S101Aに぀いお、むンピヌダンスの呚波数特性を実枬した結果です。抵抗成分によっお䞍芁な゚ネルギヌを消費するわけですが、その倀は玄20MHz30MHzに達するたで倧きくなりたせん。それ以䞋の呚波数領域では、フェラむト・ビヌズは䟝然ずしおQ倀が非垞に高く、理想的なむンダクタずしお機胜したす。フェラむト・ビヌズを甚いた兞型的なフィルタでは、0.1MHz10MHzの範囲にLC共振呚波数が珟れたす。300kHz5MHzの暙準的なスむッチング呚波数を䜿甚するには、フィルタのQ倀を䞋げるために、さらなるダンピングを行う必芁がありたす。

Figure 4
図4 . a はMPZ1608S101AのZRXグラフ。
b はフェラむト・ビヌズずコンデンサから成るロヌパス・フィルタのS21応答

この圱響の䟋ずしお、フェラむト・ビヌズずコンデンサから成るロヌパス・フィルタのS21呚波数応答を図4 b に瀺したす。ご芧のようにピヌクが生じおいたす。䜿甚したフェラむト・ビヌズは、TDKのMPZ1608S101A100Ω 、3A、0603 です。デカップリング・コンデンサは、村田補䜜所が提䟛する䜎ESR 等䟡盎列抵抗 のセラミック・コンデンサ「GRM-188R71H103KA01」10nF、X7R、0603です。負荷電流は数ΌAのレベルずしたした。

ダンピングを適甚するこずなくフェラむト・ビヌズで構成したフィルタは、そのQ倀によっお玄10dB15dBのピヌクを生じさせる可胜性がありたす。図4bでは、2.5 MHzの付近にゲむンが10dBにも及ぶピヌクが生じおいたす。

たた、1MHz3.5MHzでは信号が増幅されたす。このピヌクが、スむッチング・レギュレヌタの動䜜呚波数垯に生じるず問題が起きたす。スむッチングに䌎う奜たしくない成分が増幅され、フェヌズ・ロック・ルヌプPLL 、VCO電圧制埡発振噚、分解胜の高いA/DコンバヌタADCずいった感床の高い負荷の性胜を損なう恐れがあるのです。図4bは、非垞に負荷が軜い数ΌAレベルずいう条件の䞋で埗られた結果です。珟実ずしお、数ΌAから1mAの負荷電流しか必芁ずしない回路システムのうちの䞀郚や、動䜜モヌドに応じお省電力のために停止する回路に向けた電源回路も存圚したす。そのため、数ΌAレベルずいうのも珟実的に起こり埗る条件だず蚀えたす。なお、ピヌクが生じるず、システム内のノむズが増倧しお䞍芁なクロストヌクが発生する恐れがありたす。

図5に瀺したのは、ADP5071のアプリケヌション回路䟋です。その正出力には、フェラむト・ビヌズを䜿っお構成したフィルタを接続しおいたす。図6は、ADP5071の正出力を呚波数軞で芋たもの出力スペクトルです。スむッチング呚波数は2.4MHz、入力電圧は9V、出力電圧は16V、負荷電流は5mAずしおいたす。

Figure 5
図5 . ADP5071のアプリケヌション回路䟋。
ビヌズずコンデンサから成るロヌパス・フィルタを正出力に接続しおいる
Figure 6
図6 . 負荷電流が5mAの堎合のADP5071の出力スペクトル

フェラむト・ビヌズのむンダクタンスず10nFのセラミック・コンデンサにより、2.5MHz付近に共振のピヌクが生じおいたす。2.4MHzの基本リップル呚波数は枛衰されるどころか、10dBも増幅されおいたす。

共振のピヌクに圱響するその他の芁因ずしおは、フェラむト・ビヌズを䜿っお構成したフィルタの盎列むンピヌダンスず負荷むンピヌダンスが挙げられたす。゜ヌス抵抗を高くすれば、ピヌクはかなり䜎枛されたす。しかし、そうするず負荷に察するレギュレヌションの胜力が䜎䞋しおしたいたす。そのため、実際にはこの方法は採甚できたせん。盎列抵抗によっお電圧降䞋が生じるので、負荷電流の増加に䌎っお出力電圧が䜎䞋するこずになりたす。負荷むンピヌダンスもピヌクの応答に圱響を䞎えたす。負荷が軜い堎合には、倧きなピヌクが生じたす。

ダンピング手法の比范

ここでは、共振のピヌクを倧幅に䜎䞋させるために䜿甚できるダンピング手法を3぀玹介したす図7。

Figure 7
図7 . 3皮のダンピング手法ず、それぞれを適甚した堎合の呚波数応答

方法Aは、デカップリング・コンデンサのパスに抵抗を盎列に接続するずいうものです。それによっお、回路の共振が枛衰したす。ただし、高い呚波数におけるバむパス効果は䜎䞋したす。方法Bでは、小さな抵抗をフェラむト・ビヌズに䞊列に接続したす。この方法でも回路の共振は枛衰したす。しかし、高い呚波数におけるフィルタの枛衰特性が䜎䞋しおしたいたす。図8に、MPZ1608S101Aのむンピヌダンスず呚波数の関係を瀺したした。この図には、10Ωの䞊列抵抗を接続した堎合ず接続しない堎合の特性を瀺しおいたす。緑色の点線は、フェラむト・ビヌズに1 0 Ωの抵抗を䞊列接続した堎合のトヌタルのむンピヌダンスです。このむンピヌダンスの倀はかなり䜎枛されおおり、1 0 Ωの抵抗が支配的になっおいたす。しかし、10Ωの䞊列抵抗を接続したフェラむト・ビヌズのクロスオヌバヌ呚波数は3.8MHzで、フェラむト・ビヌズ単䜓のクロスオヌバヌ呚波数である40.3MHzず比べおかなり䜎くなりたす。そのため、フェラむト・ビヌズは、はるかに䜎い呚波数範囲で抵抗性を瀺し、Q倀が䜎䞋するこずによっおダンピング性胜が改善されたす。

Figure 8
図8 . aはMPZ1608S101AのZRXグラフ。bはその拡倧図

方法Cでは、容量の倧きいコンデンサCDAMPずダンピング抵抗DAMPを盎列接続したものを远加したす。倚くの堎合、これが最善の方法です。

コンデンサず抵抗を远加するず、回路の共振が枛衰したす。しかも、高呚波におけるバむパス効果は䜎䞋したせん。この方法では、容量の倧きいコンデンサによっおDCが遮断されたす。そのため、抵抗で過床に電力が消費されるこずもありたせん。このコンデンサの容量は、すべおのデカップリング・コンデンサの総容量よりもはるかに倧きくする必芁がありたす。しかし、それによっおダンピング抵抗の倀は小さくお枈みたす。ピヌクを䜎枛するために、共振呚波数におけるコンデンサのむンピヌダンスは、ダンピング抵抗よりも十分に小さい必芁がありたす。

図9は、図5に瀺したアプリケヌション回路に方法Cのダンピング手法を適甚した結果です。この図でも、ADP5071の正出力を呚波数軞で芋おいたす。CDAMPずRDAMPずしおは、それぞれ1ÎŒFのセラミック・コンデンサず2ΩのSMD抵抗を䜿甚したした。結果ずしお、2.4MHzにおける基本波リップルは5dB枛少しおいたす。これは、図6で10dB増加しおいたのずは察照的です。

 Figure 9
図9 . ADP5071の出力スペクトル。
ビヌズずコンデンサから成るロヌパス・フィルタに、方法C のダンピングを適甚した堎合の結果

䞀般に、方法Cが最も掗緎された手法だず蚀えたす。しかも、ダンピング専甚の高䟡なコンデンサを賌入するこずなく、セラミック・コンデンサに抵抗を盎列に接続するこずによっお実装できたす。最も安党な方法は、詊䜜を行った際に調敎できるように蚭蚈しおおき、䞍芁ならば抵抗を取り倖せるようにしおおくこずです。この手法の欠点は、郚品のコストが䜙分にかかり、必芁な基板面積が倧きくなるこずだけです。

たずめ

本皿では、フェラむト・ビヌズを䜿甚する際に考慮すべき䞻な怜蚎事項に぀いお説明したした。たた、フェラむト・ビヌズの簡単な回路モデルも玹介したした。そのモデルを䜿甚し、DCバむアス電流がれロであるずいう条件の䞋でむンピヌダンスの呚波数特性をシミュレヌションしたした。それにより、実枬倀に非垞に近い結果が埗られるこずもわかりたした。

たた、本皿では、DCバむアス電流がフェラむト・ビヌズの特性に及がす圱響に぀いおも説明したした。DCバむアス電流が定栌電流の20よりも倧きい堎合、フェラむト・ビヌズのむンダクタンスは著しく䜎䞋する可胜性がありたす。そのような電流は、フェラむト・ビヌズの実効むンピヌダンスを匕き䞋げ、EMIの陀去胜力を䜎䞋させる恐れがありたす。DCバむアス電流が流れる電源レヌルにフェラむト・ビヌズを適甚する堎合、その電流によっおフェラむト材が飜和し、むンダクタンスが倧きく倉化するこずがないようにしなければなりたせん。

フェラむト・ビヌズは誘導性のデバむスなので、Q倀の高いデカップリング・コンデンサず組み合わせる堎合には现心の泚意が必芁です。回路に望たしくない共振が発生し、効果をもたらすどころか悪圱響が出る堎合もあるからです。しかし、本皿で提案したダンピング手法であれば、䞍芁な共振を簡単に防止するこずができたす。容量の倧きなデカップリング・コンデンサずダンピング抵抗を盎列接続し、負荷の䞡端に远加するだけです。フェラむト・ビヌズを正しく利甚すれば、効果的か぀安䟡に高呚波のノむズずスむッチングによる遷移を䜎枛するこずができたす。

参考資料

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「Application Manual for Power Supply Noise Suppression and Decoupling for Digital ICs」 村田補䜜所

Chris Burket 「All Ferrite Beads Are Not Created Equal—Understanding the Importance of Ferrite Bead Material Behavior」 TDK

Jefferson Eco、Aldrick Limjoco AN-1368 アプリケヌション・ノヌト「フェラむト・ビヌズの特性を知る」Analog Devices

David B. Fancher 「ILB, ILBB Ferrite Beads: Electro-magnetic Interference and Electromagnetic Compatibility(EMI/EMC) 」Vishay Dale

Lee Hill, Rick Meadors 「Steward EMI Suppression」 Steward

Ken Kundert「Power Supply Noise Reduction」Designer’s Guide Consulting

Steve Weir「PDN Application of Ferrite Beads」IPBLOX, LLC


謝蟞

技術的な知識に぀いおご教授/ご助蚀いただいたアむルランド リムリック倧孊のJeff Weaver氏、Donal O'Sullivan氏、Luca Vassalli氏、Pat Meehan氏に感謝したす。

著者

Aldrick S Limjoco

Aldrick Limjoco

Aldrick S. Limjocoは、アナログ・デバむセズ・フィリピンでアプリケヌション・マネヌゞャです。2006幎、アナログ・デバむセズ入瀟。蚭蚈評䟡、補品アプリケヌション、応甚研究などの分野で倚様な゚ンゞニアリング業務を担圓しおいたす。2件の米囜特蚱を保有し、スむッチング電源のリップル・フィルタ凊理に関する特蚱1件を出願䞭です。フィリピンのマニラにあるデ・ラ・サヌル倧孊を卒業し、電子工孊の孊士号を取埗したした。

Jefferson A Eco

Jefferson Eco

Jefferson A. Ecoは、珟圚、フィリピンでアナログ・デバむセズのアプリケヌション開発゚ンゞニアずしお勀務しおいたす。2011幎にアナログ・デバむセズに入瀟したした。米囜特蚱を1぀保有し、GSPS ADCに絊電するスむッチング・レギュレヌタやフェラむト・ビヌズの理解をテヌマにした技術文曞の著者や共著者ずなっおいたす。Jeffersonの担圓補品に぀いおは、産業甚アプリケヌション向けのパワヌ・マネヌゞメントや、フラむバック、降圧、反転昇降圧、LDOレギュレヌタなど様々なトポロゞの汎甚DC/DCコンバヌタに焊点を眮いおいたす。フィリピンのナガ垂にあるカマリネス・スル・ポリテクニック・カレッゞで電子工孊の孊士号を取埗したした。