非線形回路ハンドブック

第三章 非線形回路を理解する

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乗算器パラメータのチェック項目

出力オフセット(OUTPUT OFFSET)

初期出力オフセット(Initial ): Vx = Vy = 0V の時の出力電圧。この仕様は、外部調整なしの時の 25 °C での最大オフセットを定めています。いかなる場合でも、このオフセットは外付けのポテンショメータまたは分圧器を使ってゼロに調整することができます。出力が 1 V 未満のときは、オフセットが主要な誤差です。

封止時のシフトと内部トリムの許容誤差のため、初期オフセットはゼロにはなりません。乗算器の精度定格が高いほど、初期オフセットは小さくなります。

平均オフセットと温度の関係(Average vs. Temperature): 出力オフセットの温度依存性。オペアンプと異なり、乗算器における平均オフセットと温度の関係は初期オフセットに依存しません。

例 — 429B: オフセット = 最大 ±10 mV、トリムなし

オフセットの温度特性 = 最大 ±1 mV/ °C

70 °C での最大オフセットは以下のように計算します。

数式85,86

平均オフセットと電源の関係(Average vs. Supply): 電源電圧の変化が乗算器出力電圧に与える影響の度合いを、DC での電源電圧変化 1 % あたりのミリボルト数で表した値。合計誤差と電源の関係同様、この量は 1 ボルトあたりのボルト数(V/V)で表わすことができます。逆に、オフセットに対する電源電圧変動除去比(PSRR)を対数形式(dB)、つまり PSR = 20log10PSRR で表すこともできます。例えば、429 と 427 のオフセット感度は 1mV/1 %∆VS、つまり 1 mV/150 mV です。したがってオフセット PSRR は 150 で、PSR は約 43 dB です。

 

スケール・ファクタ

スケール・ファクタ(Scale Factor)(静的な値または低周波数時の値): 平均スケール・ファクタと理想スケール・ファクタ 1/10/V との差。このファクタによる誤差は出力信号の % で表されます。つまり、0.5 % のスケール・ファクタ誤差は EO = 10 V の場合に 50 mV の誤差を生じ、EO = 1 V の場合は 5 mV の誤差を生じます。スケール・ファクタ誤差に含まれるのは平均線形ゲイン誤差だけです(つまり、一方の入力を一定にし、もう一方の入力がレンジ内をスイングする時の、出力レンジ全体の「最良直線」のスロープの誤差)。

非線形成分については、非線形性の項で説明します。

スケール・ファクタ誤差は、任意の 1 点でゼロに調整することができます。ただし、非線形性により、X-Y 動作レンジ全体にわたってスケール・ファクタ誤差をゼロに調整することはできません。限定された領域(例えば 1 つまたは 2 つの象限)について、平均スケール・ファクタ誤差を最小誤差に調整することや、すべての入力値に対して最善の妥協点が得られるように調整することは可能です。

 

非線形性

非線形性(Nonlinearity): それ以上減らすことのできない誤差成分。仕様値は、規定されたテスト条件で平均スケール・ファクタ誤差をゼロに調整した時の、乗算器出力と理論的出力の最大差を表わしています。非線形性をテストするための方法を、本章末尾の図 40、図 46、および図 47 に示します。出力波形と入力波形は同じ形状をしている必要があるので(一方の入力は一定)、テスト回路は、乗算器出力電圧と、一方の入力を一定に保持した状態でレンジ全体をスイングする入力との差を表示します。平均スケール・ファクタ誤差(スロープ)は、ゼロに調整されます。

ユニポーラの一定電圧に対し、このようにして測定した 432 と 427 の代表的非線形性曲線を図 28 a ~ d に示します。これらの各曲線には、逆の極性に対応する曲線が存在します(必ずしも同じ形状とは限りません)。曲線は滑らかで、原点に不連続が生じていないことに注意してください。432 の X の非線形性が放物線形状をしているのは、X 入力に主として 2 次高調波歪み(X2 に比例)があることを示しています。S 字形をした 427 の非線形曲線は、3 次歪みが支配的であることを示しています。

 

フィードスルー

フィードスルー(Feedthrough)。理想的には、乗算器のどちらかの入力がゼロの時は、もう一方に加えられる信号に関わらず、出力はゼロになります。実際には、ゼロでない方の入力の一部が「フィードスルー」して(突き抜けて)出力に現われます。

図 28: 代表的非線形性曲線 a. モデル 432 の X 入力の非線形性(±10 V 入力信号、Y = 10 V、垂直スケール: 20 mV/div.)
a. モデル 432 の X 入力の非線形性(±10 V 入力信号、Y = 10 V、垂直スケール: 20 mV/div.)
図 28: 代表的非線形性曲線 b. モデル 432 の Y 入力の非線形性(±10 V 入力信号、X = 10 V、垂直スケール: 20 mV/div.)
b. モデル 432 の Y 入力の非線形性(±10 V 入力信号、X = 10 V、垂直スケール: 20 mV/div.)
図 28: 代表的非線形性曲線 c. モデル 427 の X 入力の非線形性(±10 V 入力信号、Y = 10 V、垂直スケール: 10 mV/div.)
c. モデル 427 の X 入力の非線形性(±10 V 入力信号、Y = 10 V、垂直スケール: 10 mV/div.)
図 28: 代表的非線形性曲線 d. モデル 427 の Y 入力の非線形性(±10 V 入力信号、X = 10 V、垂直スケール: 10mV/div.)
d. モデル 427 の Y 入力の非線形性(±10 V 入力信号、X = 10 V、垂直スケール: 10mV/div.)
図 28: 代表的非線形性曲線

 

フィードスルー信号は 2 つの成分で構成され、一方は線形、もう一方は非線形です。線形成分は、変化する入力側の電圧と「ゼロ」入力側の実効オフセット電圧の積です。これは、大きさが同じで方向が反対のオフセットをトリム入力(X0、Y0)に加えることによって、ゼロにトリムできます。

非線形成分は乗算器回路の非線形性によるものですが、オフセット調整によってこれをゼロにすることはできません。視覚的に表わすと、これは非線形性曲面と XZ 平面および YZ 平面との交線です(この章の図 3 と図 4)。

図 29(a ~ d)は、432 と 427 の代表的な X および Y のフィードスルー波形です。

図 29: 代表的フィードスルー曲線 a. モデル 432 の X のフィードスルー(X = ±10 V、Y = 0、垂直スケール: 50 mV/div.)
a. モデル 432 の X のフィードスルー(X = ±10 V、Y = 0、垂直スケール: 50 mV/div.)
図 29: 代表的フィードスルー曲線 b. モデル 432 の Y のフィードスルー(Y = ±10 V、X = 0、垂直スケール: 50mV/div.)
b. モデル 432 の Y のフィードスルー(Y = ±10 V、X = 0、垂直スケール: 50mV/div.)
図 29: 代表的フィードスルー曲線 c. モデル 427 の X のフィードスルー(X = ±10 V、Y = 0、垂直スケール: 10 mV/div.)
c. モデル 427 の X のフィードスルー(X = ±10 V、Y = 0、垂直スケール: 10 mV/div.)
図 29: 代表的フィードスルー曲線 d. モデル 427 の Y のフィードスルー(Y = ±10 V、X = 0、垂直スケール: 10mV/div.)
d. モデル 427 の Y のフィードスルー(Y = ±10 V、X = 0、垂直スケール: 10mV/div.)
図 29: 代表的フィードスルー曲線 e. モデル 429 のフィードスルーの周波数特性
e. モデル 429 のフィードスルーの周波数特性
図 29: 代表的フィードスルー曲線

 

432 の X フィードスルーは明らかに放物線状であることに注意してください。これは、レンジの境界付近での非線形性に酷似しています。

フィードスルーと周波数の関係.フィードスルーは、入力段と出力段の容量性結合により、周波数とともに増加します。429 の X と Y 両方のフィードスルーと周波数の関係を図 29e に示します。

 

帯域幅(Bandwidth、高周波数動的パラメータ)

-3dB 小信号帯域幅(-3dB Small-Signal): 乗算器のスケール・ファクタが DC 値の 0.7 倍まで減少した時の出力周波数。「小信号」とは、通常、フルスケールの 5 % 未満の出力を意味します。例えば、±10 V(FS)の乗算器では 1 Vp-p 未満です。帯域幅は通常、一方の入力にフルスケール DC 電圧、他方の入力に 1 Vp-p 正弦波を与えて測定します。チャートを見ると、2 つのトランスコンダクタンス乗算器タイプが、パルス変調タイプまたは対数/逆対数タイプのどちらよりも広い帯域幅を有していることが分かります。

「出力周波数」という言葉は重要です。例えば、正弦波入力の二乗演算器(X = Y)として接続された乗算器の低周波数出力は、周波数が 2 倍で入力振幅の 2 乗の半分の振幅を持ち、同様の値でバイアスされた正弦波です。入力周波数が低い場合の出力振幅は、周波数が 2 倍になるので、DC X 正弦波の場合より 3dB 低下します。一方、出力の「DC」成分は、かなり高い周波数まで影響を受けない状態に維持できます。

フル・パワー応答(Full-Power Response): 乗算器出力が、目立った歪みを生じることなく、定格電流でフルスケール電圧を発生できる最大周波数。これは、一方の入力に 10 V DC を、もう一方の入力に 20 Vp-p 正弦波を加える(もしくはその逆)ことによって測定します。この場合も、トランスコンダクタンス乗算器の方が、パルス変調タイプや対数タイプよりはるかに高速です。

スルー・レート(Slew Rate): 大信号の出力電圧の最大変化率。これは、一方の入力を 10 V、他方を 10 V または 20 V のステップ・スイングにして測定します。スルー・レートを表す代表的な 429 のステップ応答を図 30 に示します。スルー・レートとフルパワー帯域幅の関係は次式で近似されます。

数式87

ここで、

S = スルー・レート(V/μs)

A = ピーク正弦波振幅(V)

fp = フル出力時の測定周波数(MHz)

例えば、429 では fp = 2 MHz(min)です。A = 10 V の場合は次のようになります。

数式88

図 30: モデル 429 のスルー・レートを表すステップ応答電圧スケール: 5 V/div、時間スケール: 200 ns/div.Vx = 20 Vp-p 400 kHz 矩形波Vy = +10.0 V
図 30: モデル 429 のスルー・レートを表すステップ応答電圧スケール: 5 V/div、時間スケール: 200 ns/div.Vx = 20 Vp-p 400 kHz 矩形波Vy = +10.0 V

 

小信号振幅誤差(Small-Signal Amplitude Error)。これは、振幅応答、つまりスケール・ファクタが 1 %(高精度タイプの場合は 0.1 %)低下する時の周波数で、「小信号」(例えばフルスケールの 10 %)を使って測定します。所定のタイプに関してこの周波数がフルパワー周波数の 1/3 以下となる場合は、フルスケールと同等の大きさの信号も「小信号」の定義にあてはまります。例えば、429 でも 432 でも f-1 % は fp の 1/6 未満なので、f-1 % は ±10 V 範囲内のすべての信号に当てはまります。

1 % 誤差帯域幅は、(伝達関数の極の数に依存して)小信号帯域幅とロールオフ・レートに関係します。応答が 1 つの極によって支配される場合、-1 % 誤差帯域幅は -3 dB 帯域幅の約 1/7 の位置になります。

数式89

したがって、(ω/ω0)≈ 1/7

トランスコンダクタンス乗算器とパルス変調乗算器の出力帯域幅、つまり速度は、基本的に信号レベル(スルー・レートを除く)や入力の別(X または Y)には依存しないことに注意してください。これは興味深い点です。また、特に興味深いのは、測定帯域幅が、測定対象の「小信号」に加えられる DC バイアス・レベルに依存しないことです。

ベクトル誤差(Small Signal Vector Error): 同じ周波数の入力信号と出力の瞬時差(ベクトル差)が 1 % に等しくなる周波数 fv。単極ロールオフ(1 次遅延)の場合、これは位相シフトが 1ラジアンの 0.01 % つまり 0.57° になる周波数で、-3 dB 周波数の 1/100 です。fv での大きさの減衰は 0.05 % に過ぎないので、ベクトル誤差は主に位相シフトによります(図 31)。

 

図 31: ベクトル誤差(ユニティ・ゲイン時)、瞬間誤差の目安
図 31: ベクトル誤差(ユニティ・ゲイン時)、瞬間誤差の目安

 

+10 V ステップのセトリング時間(Settling Time for +10V Step): 出力電圧が 10 V(フルスケール)の入力ステップに応答して、その最終値の指定パーセンテージ内に達するまでに要する時間。この時間は、ステップが加えられた瞬間から、出力が(最後的に)指定誤差範囲内に入る時点まで計測されます。したがって、これには伝送遅延、スルー時間、および線形セトリング時間が含まれます。

過負荷回復時間(Overload Recovery): 乗算器の出力が、50 % の過電圧(許容されている場合、10 V スケール・デバイスでは 15 V)が入力から除去された後で、その乗算器の線形領域に復帰するまでに要する時間。

 

出力ノイズ(Output Noise)

出力ノイズ(5Hz to 10kHz): 5 Hz ~ 10 kHz 帯域幅で両方の入力をゼロにして測定した乗算器出力のノイズの RMS 値。ノイズは目につくほど入力電圧に影響されないので、仕様値は動作領域内の任意の入力レベルに適用できます。ガウス・ノイズの場合、通常、ピーク to ピーク・ノイズは RMS レベルの約 6.6 倍に取られます(2-3 項の図 14 を参照)。乗算器のノイズは、通常、ガウス・ノイズであると仮定して差し支えありません。

広帯域ノイズ(5Hz to 5MHz): 低帯域幅乗算器の場合、このノイズには、パルス高パルス幅タイプ(427 など)の出力へのキャリア・リークなどあらゆる帯域外効果が含まれます。可変トランスコンダクタンス・タイプのノイズ・スペクトル密度は、その帯域幅全体にわたりほぼ一定で、帯域外成分はありません。

 

出力特性(Output Characteristics)

定格負荷での出力電圧(Voltage at Rated Load): 乗算器が仕様に規定する負荷電流を供給している状態での DC の最小出力電圧範囲。

出力電流(Current): フルスケール出力電圧時に乗算器出力から得られる最小電流。

負荷容量(Load Capacitance Limit): 乗算モードで、発振を起こすことなく出力に接続できる容量の最大値。

 

入力抵抗(Input Resistance)

入力端子と電源コモン間の抵抗。これは、実際の抵抗のことも、入力アンプ回路の実効入力抵抗のこともあります。通常、乗算器は、クローズドループ・オペアンプ出力のような低インピーダンスの電流源によって駆動されるので、入力抵抗は 10 kΩ ~ 100 kΩ の範囲の適切なレベルになっています。

 

入力バイアス電流(Input Bias Current)

入力ゼロボルトの状態で入力端子に流れ込む電流、あるいは入力端子から流れ出す電流。これは、内部回路のバイアス電流、例えば入力トランジスタのベース電流によるものです。

 

最大入力電圧(Maximum Input Voltage)

定格精度時(For Rated Accuracy): 入力の一方または両方に電圧を加えた場合に、仕様に規定する誤差範囲内の出力電圧を生成する最大の電圧。通常、この電圧は、わずかなオーバーレンジ能力を備えています。乗算器は、両方の入力の積が出力電圧レンジ内である限り、より高い入力でも動作します。

安全レベル(Safe Level): 入力回路に損傷を与えない最大電圧。±VS という表記は、入力が電源を上回ってはならないことを意味します。電源がゼロ(または接続解除状態)の場合は、入力もゼロでなければなりません(特に IC 乗算器と 432 について言えます)。他のタイプでは、この値は絶対最大電圧として示されています。つまり、429 は、±16 V の入力と、ゼロまたは定格電源電圧で安全に使用できます。

 

電源(Power Supply)

定格性能時の VS(Rated Performance): すべての最小/最大誤差仕様が保証される電源電圧。通常は ±15 V、±2 %。

動作時(Operating): 乗算器が正常動作する電源電圧の範囲。ただし、電源電圧変動除去係数から計算した値より誤差が大きくなります。この範囲内では、乗算器は ±10 V の入力を受け入れて ±10 V の出力を与えます。一部の乗算器では、入力および出力電圧スイングと VS の関係を示すグラフが用意されています。

自己消費電流(Quiescent Current): 入力も出力もゼロ・ボルトの状態で ±VS 電源から流れ出す電流。ほとんどの乗算器にはクラス AB 出力段があるので、フル出力状態では、この電流が負荷電流にほぼ等しい量だけ増加します。

 

温度範囲(Temperature Range)

定格性能(Rated Performance): 温度係数が適用され、その他のパラメータが最小/最大限界内に留まる温度の範囲。

動作(Operating): 乗算器は動作するが、一般に、仕様に規定されている温度係数がわずかに悪くなる温度の範囲。

保管(Storage): 電源を入れることなく乗算器が耐え得る最高/最低温度。

 

パッケージ外形(Package Outline)

これは、ピン配置と機械的寸法を示すアナログ・デバイセズの標準図面を指します。乗算器は、製品によってそのサイズとピン配置が大きく異なるので、これを確認することを推奨します。

ケース寸法(Case Dimensions)(説明略)より精度の高いパルス変調タイプ(427)は、現在のところトランスコンダクタンス・タイプや対数タイプ(429、434)よりサイズが大きくなっています。最小のモジュラー型ケースは、432 などのトランスコンダクタンス IC タイプです。IC は、TO-116 ハーメチック 14 ピン・デュアルインライン・パッケージと、TO-100 10 ピン・メタルキャン・パッケージで提供されます。

 

乗算器パラメータのチェックリスト

A. 静的誤差または低周波数誤差(精度)

  1. 出力オフセット電圧
  2. X および Y のフィードスルー
  3. X および Y の非線形性
  4. 合計誤差
  5. 温度または電源電圧に伴う上記パラメータの変化

B. 動的性能

  1. -3dB 小信号帯域幅
  2. 位相シフトと周波数の関係
  3. フル出力帯域幅
  4. スルー・レート:
  5. 立上り時間
  6. セトリング時間
  7. 1 % ベクトル誤差の周波数
  8. 1 % 振幅誤差の周波数
  9. 非線形性と周波数の関係
  10. フィードスルーと周波数の関係
  11. 微分位相シフト
  12. 過負荷回復時間

C. 入力および出力特性

  1. 入力抵抗
  2. 入力電流
  3. 出力電圧
  4. 出力電流
  5. 出力抵抗
  6. 入力および出力電圧限界と電源電圧の関係
  7. 自己消費電流

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目次: 基本動作、非線形デバイスの応用、非線形回路を理解する、設計者のための技術情報

この技術書は、Analog Devices社の"Non-Linear Circuit Handbook"を和訳したものです。
非線形アナログ回路の原理、性能、仕様、テスト、応用に関する情報が1冊にまとまっています。50年以上前に考案された半導体の非線形特性を利用した回路は、最新の信号処理用の集積回路の中に隠れて、数多く使われています。
非線形回路の詳細を理解することで、それらを応用した新しい集積素子実現のもとになることを願っています。

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