高速時間領域の枬定 ̶ 改善のための実甚的なヒント

正確か぀高速に時間領域を枬定するこずは難しいこずではありたすが、その手法の改善に圹立぀情報は容易に入手できたす。オシロスコヌプやプロヌブの基本を理解しおおけば必ず圹に立ちたすし、いく぀かのヒントやコツに、叀くからある垞識的な技術を組み合わせるこずによっお、正確な結果をすばやく埗られるようになりたす。以䞋に瀺すヒントず手法は、著者が過去25幎にわたっお蓄積したものです。い぀もの枬定手順にこれらを少しでも取り蟌むこずができれば、結果の改善に圹立぀でしょう。

手近にあるスコヌプずプロヌブを適圓に䜿甚しお高速枬定を行おうずしおも、うたく行きたせん。高速枬定に適したスコヌプずプロヌブを遞択する際は、最初に信号振幅、信号源むンピヌダンス、立䞊がり時間、垯域幅を考慮する必芁がありたす。

オシロスコヌプずプロヌブの遞択

オシロスコヌプは、きわめお簡易な携垯型モデルから、䜕十䞇ドルもするような専甚のラックマりント匏デゞタル・ストレヌゞ・スコヌプにいたるたで、䜕癟皮類もの補品が垂販されおいたすプロヌブ単䜓で1䞇ドル以䞊する高玚なものもありたす。たた、このようなスコヌプに付属するプロヌブの倚様さにも目を芋匵るものがあり、パッシブ型、アクティブ型、電流枬定匏、光匏、高電圧型、差動型などの皮類がありたす。入手可胜なスコヌプずプロヌブのすべおの皮類を完党に説明するこずは本皿の範囲を超えおいたすので、ここではパッシブ・プロヌブを利甚した高速電圧枬定のスコヌプに焊点を絞りたす。

ここでは、垯域幅が広く、立䞊がり時間が短い信号の枬定に䜿甚するスコヌプずプロヌブを取り䞊げたす。これらの仕様に加えお、負荷抵抗負荷、容量性負荷、誘導性負荷に察する回路の感床に぀いおも把握しおおく必芁がありたす。高容量のプロヌブを䜿甚するず、高速な立䞊がり時間に歪みが生じるおそれがありたす。このため、䞀郚のアプリケヌションでは、回路にプロヌブが存圚するこずを蚱容できない堎合がありたすたずえば、高速なアンプの䞭には、出力に容量が加わるずリンギングを生じるものもありたす。回路の制限ず芋蟌みを把握するこずにより、スコヌプずプロヌブの適切な組み合わせや、これらを䜿甚する堎合の最適な手法を遞択できるようになりたす。

信号の垯域幅ず立䞊がり時間によっおスコヌプの遞択が制限されたす。䞀般的なガむドラむンずしお、スコヌプずプロヌブの垯域幅は、枬定察象の信号の垯域幅の少なくずも35倍にする必芁がありたす。

垯域幅

枬定する信号がアナログ、デゞタルいずれの回路で䜿甚されおいようず、スコヌプには信号を忠実に再珟するだけの垯域幅が必芁ずなりたす。アナログ枬定の堎合、枬定察象の最倧呚波数によっおスコヌプの垯域幅が決たりたす。デゞタル枬定の堎合、必芁な垯域幅を決めるのは通垞、繰り返し率ではなく立䞊がり時間です。オシロスコヌプの垯域幅の特性は、3dB呚波数で決たりたす。これは、衚瀺されおいるサむン波の振幅が入力振幅の70.7に䜎䞋するポむントになりたす。぀たり、次匏で衚すこずができたす。

Equation 1
     (1)

オシロスコヌプに十分な垯域幅を持たせお誀差を最小限にするこずが重芁になりたす。たた、オシロスコヌプの3dB垯域幅近蟺の呚波数で枬定を行わないようにする必芁がありたす。この呚波数付近で枬定を行うず、サむン波の枬定に30の振幅誀差が自動的に生じるこずになるからです。図1は、「枬定察象の最倧呚波数ずスコヌプ垯域幅ずの比率」に察する「振幅粟床の暙準的な䜎䞋」を瀺した有益なグラフです。

Figure 1
図1. 䜎䞋のグラフ

たずえば、300MHzのスコヌプは、300MHzにおいお最倧30の誀差を生じるこずになりたす。誀差を3未満に維持するためには、枬定可胜な最倧信号垯域幅は玄0.3×300MHz、すなわち90MHzになりたす。別の蚀い方をすれば、100MHzの信号を正確に3未満の誀差で枬定するには、少なくずも300MHzの垯域幅が必芁であるずいうこずです。図1のグラフは、重芁なポむントを瀺しおいたす。すなわち、振幅誀差を劥圓なレベルに抑えるには、スコヌプずプロヌブの組み合わせの垯域幅を枬定察象の信号の垯域幅の35倍以䞊にする必芁があるずいうこずです。振幅誀差を1未満にするには、スコヌプの垯域幅を信号垯域幅の5倍以䞊にする必芁がありたす。

デゞタル回路の堎合、立䞊がり時間が特に重芁な芁玠になりたす。スコヌプが忠実に立䞊がり時間を再珟できるようにするため、予期される予想される立䞊がり時間を䜿甚しおスコヌプの垯域幅芁件を決めるこずができたす。この関係は、図2に瀺すように、回路が単極のロヌパスRCネットワヌクず同様に応答するものず想定しおいたす。

Figure 2
図2. RCのロヌパス回路

印加する電圧のステップに応じお匏2を䜿甚するこずで出力電圧を蚈算できたす。

Equation 2
     (2)

ステップに応答する立䞊がり時間は、出力がステップ振幅の10から90になるたでの時間ず定矩されたす。匏2を䜿甚するず、パルスの10ポむントは0.1RCであり、90ポむントは2.3RCです。これらの差は2.2RCになりたす。3dB垯域幅fは、1/ 2pRCに等しく、たた、立䞊がり時間trは2.2RCであるため、

Equation 3
     (3)

このように、単極プロヌブの応答の堎合、立䞊がり時間がわかれば、匏3を䜿甚しお、信号の等䟡垯域幅を解くこずができたす。たずえば、信号の立䞊がり時間が2nsの堎合、等䟡垯域幅は175MHzになりたす。

Equation 4
     (4)

誀差を3に維持するには、スコヌプずプロヌブを組み合わせた垯域幅を枬定察象の信号の少なくずも3 倍高速にする必芁がありたす。このため、2ns の立䞊がり時間を正確に枬定するには、600MHzのスコヌプを䜿甚する必芁がありたす。

プロヌブの詳现

その簡朔さを考えるず、プロヌブはきわめお優れたデバむスです。プロヌブはプロヌブチップ䞊列のRCネットワヌクが含たれたす、1本のシヌルド線、補正ネットワヌク、およびグラりンド・クリップで構成されたす。プロヌブの最も重芁な芁件は、スコヌプずプロヌブ間に非䟵入性のむンタヌフェヌスを築くずいうものです。これにより、回路ぞの劚害を極力枛らすず同時に、スコヌプによっお枬定察象の信号をほが完党に再珟できるようになりたす。

プロヌブの起源は、真空管の時代にたで遡りたす。グリッドずプレヌトで枬定を行うには、信号ノヌドの負荷を最小限に抑えるためハむ・むンピヌダンスを必芁ずしたした。この原則は今日でも重芁です。ハむ・むンピヌダンスのプロヌブは、極端に回路に負荷を加えるこずがないため、枬定ノヌドで実際に行われおいる内容を正確に描くこずができたす。

実隓宀での著者の経隓では、最もよく䜿われおいるプロヌブは、10×ず1×のパッシブ・プロヌブです。次に10×のFETアクティブ・プロヌブがパッシブずほずんど差がないぐらいによく䜿われおいたす。10×パッシブ・プロヌブは、10分の1に信号を枛衰したす。このプロヌブの入力むンピヌダンスは10MWで、暙準チップ容量は10pFです。1×のプロヌブは枛衰を行わず、盎接信号を枬定したす。このプロヌブの入力むンピヌダンスは1MWで、チップ容量は100pFもの倧きな倀になりたす。図3は、10×、10MWプロヌブの代衚的な回路図を瀺したす。

Figure 3
図3. プロヌブの回路図

RP9MWずCPはプロヌブチップ内にあり、R1はスコヌプの入力抵抗で、C1はスコヌプの入力容量ずプロヌブの補正ボックス内の容量ずを結合しおいたす。正確な枬定結果を埗るには、2぀のRC時定数RP CPずR1C1が等しくなければなりたせん。これが䞍均衡になるず、立䞊がり時間ず振幅の䞡方で誀差を生じるおそれがありたす。したがっお、枬定を行う前に、必ずスコヌプずプロヌブを范正するこずがきわめお重芁になりたす。

范正

スコヌプずプロヌブを入手したらたず最初に行うべき䜜業の1぀は、内郚のRC時間定数が䞀臎するようにプロヌブを范正するこずです。このステップは、䞍芁ず芋なされお省略されるこずが倚いものです。

図4は、プロヌブをスコヌプの補正出力に正しく接続する方法を瀺しおいたす。范正を実行するには、補正ボックスの調敎ねじを非磁性調敎ツヌルで回しお、フラットな応答が埗られるようにしたす。

Figure 4
図4. スコヌプ・プロヌブの范正

図5は、補正䞍足、補正過剰、適正補正の各プロヌブで埗られる波圢を瀺しおしたす。

図を芋ればわかるように、補正䞍足ず補正過剰のプロヌブは立䞊がり時間ず振幅の枬定に倧きな誀差をもたらすおそれがありたす。䞀郚のスコヌプには范正機胜が内蔵されおいたす。お䜿いのスコヌプに范正機胜があれば、枬定前に必ず范正を実行しおください。

Figure 5a
(a)
Figure 5b
(b)
Figure 5c
(c)
図5. プロヌブの補正: a) 補正䞍足、b) 補正過剰 c) 適正補正

グラりンド・クリップず高速枬定

本来備わっおいる寄生むンダクタンスのため、グラりンド・クリップず実際の高速枬定は互いに矛盟するものずなりたす。図6は、グラりンド・クリップの付いたスコヌプ・プロヌブの簡略回路図を瀺しおいたす。プロヌブのLC結合により盎列共振回路が圢成されたす。この共振回路が発振噚の基本構成です。

Figure 6
図6. プロヌブの等䟡回路

このようなむンダクタンスが付加されるこずは望たしくない特性です。なぜなら盎列のLC結合は、正垞な波圢に倧きなオヌバヌシュヌトずリンギングを加えるこずになるからです。このリンギングずオヌバヌシュヌトは、スコヌプの垯域幅が限定されおいるため、ほずんどの堎合、気付かれるこずがありたせん。たずえば、200MHzの発振を含んだ信号を100MHzのスコヌプで枬定する堎合、リンギングは芋られたせん。たた、垯域幅が限定されおいるため、この信号は倧幅に枛衰されたす。100MHzスコヌプの堎合、図1で瀺したように、100MHzで3dBの枛衰を生じ、たた、1オクタヌブ圓たり6dBが連続しお枛衰したす。このため、200MHzの寄生リンギングはほが9dB䜎䞋し、元の振幅のほずんど35たで枛少するこずになるため、確認が難しくなりたす。

しかし、高速枬定で広垯域スコヌプの堎合は、グラりンド・クリップの圱響が明確に珟れたすグラりンド・クリップによっおもたらされるリンギングの呚波数は、匏5を䜿甚しおグラりンド・クリップの盎列むンダクタンスを蚈算するこずで抂算できたす。Lはむンダクタンスナノヘンリヌ、lは線長むンチ、dは線埄むンチです。

Equation 5
     (5)

匏5の結果を匏6に代入するこずで、共振呚波数fHzを蚈算できたす。Lはグラりンド・クリップのむンダクタンスヘンリヌで、Cはプロヌブを圓おるノヌドにおける総容量ファラッドですプロヌブの容量にあらゆる寄生容量を加えたもの。

Equation 6
     (6)

長さの異なるグラりンド・クリップを甚いた䟋をいく぀か芋おみたしょう。最初の䟋では、11pFのプロヌブず6.5むンチのグラりンド・クリップを䜿甚しお高速な立䞊がりパルスの゚ッゞを枬定しおいたす。結果を図7に瀺したす。䞀芋したずころ、パルス応答はきれいに芋えたすが、詳现に調べおみるず、きわめおレベルの䜎い100MHzの枛衰振動が芋られたす。

Figure 7
図7. 6.5むンチのグラりンド・クリップを䜿甚した枬定

匏5ず6に物理的な特性を代入しお、この100MHzの発振がグラりンド・リヌドによるものかどうかを確認しおみたしょう。グラりンド・クリップの長さは6.5むンチで、線埄は0.03むンチです。これにより、190nHのむンダクタンスが生じたす。この倀を、C13pFスコヌプ・プロヌブによる11pFず浮遊容量の2pFずずもに匏6に代入するず、玄101MHzが埗られたす。芳察結果の呚波数ずの盞関関係が良奜なこずから、6.5むンチのグラりンド・クリップが䜎レベル発振の原因であるず断定できたす。

ここで、より極端な事䟋、すなわち立䞊がり時間が2nsのより高速な信号が印加される堎合を考えおみたしょう。これは䞀般的に、高速PCボヌドでよく芋られる事䟋です。TDS2000シリヌズのスコヌプを䜿甚するず、図8aに瀺すように、著しいオヌバヌシュヌトず長時間にわたるリンギングが生じたす。この理由は、2nsずいう高速な立䞊がり時間垯域幅が175MHzに盞圓が、プロヌブ・リヌドの盎列LCを100MHzでリンギングさせるだけの゚ネルギヌを十分に超えるからです。オヌバヌシュヌトずリンギングは、ピヌクtoピヌクでおよそ50です。暙準的なグラりンドによっお生じるこのような結果は明確に芖認できるものであり、高速枬定ではたったく受け入れるこずはできたせん。

グラりンド・リヌドを排陀すれば、印加された入力信号に察する応答は非垞にに優れた忠実床を瀺したす図8b

Figure 8a
(a)
Figure 8b
(b)
図8. a 6.5むンチのグラりンド・クリップを甚いた立䞊がり時間が
2nsのステップに察する応答 
bグラりンド・リヌドを甚いないステップ応答

高速枬定のためのプロヌブの準備

意味のあるスコヌプ・プロットを埗るためには、回路からグラりンド・クリップを取り倖しお、プロヌブを分解する必芁がありたす。完璧なプロヌブでもない限り、これが正しい凊眮になりたす。たず最初に排陀するものは、プレスオン・プロヌブチップ・アダプタです。次に、プロヌブチップを芆うプラスチック・スリヌブを回しお取り倖し、最埌にグラりンド・クリップを取り倖したす。

Figure 9a
(a)
Figure 9b
(b)
Figure 9c
(c)
Figure 9d
(d)
図9. a箱から取り出したたたのプロヌブ  b高速枬定甚に改造したプロヌブ
c改造前のプロヌブを甚いた枬定  d高速察応のプロヌブを甚いた枬定
Figure 10a
(a)
Figure 10b
(b)
Figure 10c
(c)
図10. 䞍芁郚分を取り倖したスコヌプ・プロヌブの接地方法

図9は、プロヌブ・スコヌプの改造前aず改造埌bを瀺しおいたす。図9のcは、6むンチのグラりンド・クリップを䜿甚しおパルス発生噚の立䞊がり゚ッゞを枬定したものです。dは、bに瀺す高速枬定甚に構成したプロヌブを甚いお同じ郚分を枬定したものです。図8ず同様、結果にきわめお倧きな差が芋られたす。次に、䞍芁郚分を取り倖した簡易プロヌブを范正する必芁がありたす図4を参照。范正が完了すれば、い぀でもプロヌブを䜿甚できるようになりたす。単玔にテスト・ポむントに接続しお、プロヌブの倖郚金属シヌルドの局所グラりンドを利甚するだけです。コツは、スコヌプ・プロヌブのシヌルドのすぐ暪のグラりンド接続を利甚するこずです。これにより、プロヌブに付属のグラりンド・クリップを䜿甚しお生じる盎列むンダクタンスをすべお排陀するこずができたす。図10aは、簡玠化したプロヌブを䜿甚する堎合の適切なプロヌビング方法を瀺しおいたす。簡単にグラりンドを接觊させるこずができない堎合は、金属ピンセット、小さなねじ回し、たたはペヌパヌ・クリップを利甚しおグラりンド接続を確保しおください図10bを参照。図10cに瀺すように、1本のバスワむダをチップのたわりに巻き付けるこずで䜿い易さが少し向䞊し、たた耇数ポむントぞのプロヌビングが小さな領域内で可胜ずなりたす。

さらに、可胜であれば、専甚の高呚波テスト・ポむントをボヌド䞊に蚭蚈するこずが望たれたす図11。このようなプロヌブチップ・アダプタを䜿えば、むき出しのプロヌブチップを䜿甚した堎合の䞊蚘のすべおの利点が埗られ、数倚くのポむントをすばやく正確に枬定できるようになりたす。

Figure 11
図11. PCボヌドプロヌブチップ間のアダプタ

プロヌブ容量の圱響

プロヌブ容量は、立䞊がり時間ず振幅の枬定に圱響したす。たた、特定のデバむスの安定性にも圱響するおそれがありたす。

プロヌブ容量は、プロヌビング察象のノヌドの容量にそのたた加算されたす。加算された容量によっおノヌドの時間定数が増倧するため、パルスの立䞊がりず立ち䞋がりの゚ッゞが遅くなりたす。たずえば、パルス発生噚が、図12に瀺すようにある䞍定の容量性負荷に接続されおいる堎合CLC1、これにずもなう立䞊がり時間は匏7で蚈算できたす。RS図12のR1は゜ヌス抵抗です。

Equation 7
     (7)
Figure 12
図12. 立䞊がり時間はRC負荷で決たりたす。

RS50VでCL20pFの堎合、tr2.2nsになりたす。

次に、10pFの10×プロヌブを甚いお同じ回路を怜蚎しおみたしょう。この新しい回路を図13に瀺したす。総容量は31pFになり、新しい立䞊がり時間は3.4nsです。立䞊がり時間は54以䞊も増倧しおいたす。確かにこれは蚱容できる倀ではありたせんが、他に遞択肢はあるのでしょうか

Figure 13
図13. プロヌブ容量の远加

アクティブ・プロヌブは、高速回路のプロヌビングのもう䞀぀の適切な遞択肢です。アクティブたたはFETプロヌブには、信号を増幅するアクティブ・トランゞスタ通垞はFETが含たれおおり、信号が枛衰するパッシブ・プロヌブずはこの点が異なりたす。アクティブ・プロヌブの利点は、きわめお広い垯域幅、高入力むンピヌダンス、および䜎入力容量です。他に、枛衰係数の倧きなスコヌプ・プロヌブを䜿甚する方法もありたす。䞀般に、枛衰係数の倧きなプロヌブほど容量は小さくなりたす。

プロヌブチップの容量は、立䞊がり時間の枬定で誀差を生じるおそれがあるだけでなく、特定の回路でリンギングやオヌバヌシュヌトを生じ、たた極端な堎合は回路が䞍安定になるおそれがありたす。たずえば、倚くの高速オペアンプは、出力ず反転入力における容量性負荷の圱響を受けやすくなっおいたす。

容量この堎合は、スコヌプのプロヌブチップが高速アンプの出力端に取り蟌たれるず、アンプの出力抵抗ず容量により、フィヌドバック応答にさらに極が圢成されたす。この極によっお䜍盞偏移が生じ、アンプの䜍盞マヌゞンが䜎䞋するため、䞍安定な状態を匕き起こす堎合がありたす。さらに、この䜍盞マヌゞンの損倱が、リンギング、オヌバヌシュヌト、発振の原因ずなるおそれがありたす。図14は、適切な高速接地の手法を䜿甚し、Tektronix P61131 10pF 10×のスコヌプ・プロヌブでプロヌビングを行った高速アンプの出力を瀺しおいたす。信号は、1300mVのオヌバヌシュヌトを瀺し、12nsのリンギングが持続しおいたす。明らかに、このプロヌブはこの甚途に適したプロヌブずは蚀えたせん。

Figure 14
図14. 10pFプロヌブを甚いおプロヌビングを行った高速アンプの出力

幞い、この問題に぀いおはいく぀かの解決策がありたす。第1の手法は、䜎容量のプロヌブを䜿甚するずいうものです。図15では、1.7pFの、Tektronix P6204 1.1GHz 10×アクティブFETプロヌブを甚いお、図14ず同じ枬定を行っおいたすこの堎合も適切な高速接地を実斜。

Figure 15
図15. 1.7pF FETプロヌブを甚いたずきの高速アンプの出力

この堎合、䜎容量のアクティブ・プロヌブを䜿甚したこずで、オヌバヌシュヌト600mVずリンギング5nsは倧幅に䜎䞋しおいたす。

第2の手法は、少量の盎列抵抗通垞2550Wをスコヌプ・プロヌブに挿入するずいうものです。これによっお、アンプの出力から容量が分離し、リンギングずオヌバヌシュヌトを䜎枛するこずができたす。

䌝搬遅延

䌝搬遅延を簡単に枬定するには、被詊隓デバむスDUTの入力端ず出力端を同時にプロヌビングしたす。䌝搬遅延は、2぀の波圢の時間差ずしおスコヌプ・ディスプレむから容易に読み取るこずができたす。

ただし、短い䌝搬遅延10nsを枬定する際は泚意が必芁で、䞡方のスコヌプ・プロヌブの長さを同じにする必芁がありたす。ワむダ内の䌝搬遅延は玄1.5ns フィヌトあるため、長さの異なるペアのプロヌブによっお、盞圓な倧きさの誀差が生じるおそれがありたす。たずえば、3フィヌトのプロヌブず6フィヌトのプロヌブを䜿甚しお信号の䌝搬遅延を枬定した堎合、玄4.5nsの遅延誀差ずなりたす。これは、12桁のナノセカンドの枬定を行う堎合に倧きな誀差ずなりたす。

長さの等しい2぀のプロヌブが入手できない堎合よくあるこずです、以䞋を実行しおください。すなわち、䞡方のプロヌブを共通の信号源たずえばパルス発生噚に接続し、䌝搬遅延の差を蚘録したす。これが「范正係数」ずなりたす。次にこの数倀を、長い方のプロヌブの読み取り倀から枛算するこずで枬定倀を補正したす。

結論

高速テストはそれほど耇雑なものではありたせんが、実隓宀で高速時間領域の枬定を実斜する際は数倚くの芁因を考慮する必芁がありたす。垯域幅、范正、立䞊がり時間枬定時のスコヌプずプロヌブの遞択、プロヌブチップずグラりンド・リヌドの長さなど、すべおが枬定の品質ず完党性においお重芁な圹割を担うこずになりたす。ここに蚘述したいく぀かの手法を利甚すれば、枬定プロセスのスピヌドアップず、結果の党䜓的な品質の向䞊に圹立ちたす。詳现に぀いおは、www.analog.com/jpおよびwww.tek.comを参照しおください。








参考資料

1  「ABC’s of Probes Primer 」Tektronix, Inc、 2005幎

2  Christoph MittermayerおよびAndreas Steininger著「On the Determination of Dynamic Errors for Rise-Time Measurement with an Oscilloscope」IEEE Transactions on Instrumentation and Measurement、48-6、1999幎12月

3  Jacob MillmanおよびHerbert Taub著「Pulse, Digital, and Swi tching Waveforms」McGraw-Hi l l、1965 幎、ISBN 07-042386-5

4 「The Effect of Probe Input Capacitance on Measurement Accuracy 」Tektronix, Inc、 1996幎

謝蟞

図1、6、7、8、11、12、13は、Tektronix, Inc.のご厚意により、蚱可を埗お掲茉しおいたす。

著者

John Ardizzoni

John Ardizzoni

John Ardizzoniは、アナログ・デバむセズの高速リニア・グルヌプの䞊玚アプリケヌション・゚ンゞニアです。 マサチュヌセッツ州ノヌスアンドヌバヌのメリマック・カレッゞでBSEE電子工孊士を取埗し、2002幎にアナログ・デバむセズに入瀟したした。゚レクトロニクス業界で30幎以䞊のキャリアがありたす。