電源回路のループの安定性と補償方法について理解する【Part 2】異常/問題のあるボーデ線図
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要約
電源回路の特性を確認する際には、非常に有用なツールとしてボーデ線図が利用されます。実際に電源回路のボーデ線図を取得した結果、ゲイン/位相のプロットが不自然な形状を成しているケースに遭遇することもあるでしょう。ただ、その場合でも、電源回路そのものに異常や問題があるとは限りません。本稿では、そうした例を具体的に示した上で、その原因を明らかにします。なお、本稿は2部構成の記事の2回目(Part 2)です。第1部の「電源回路のループの安定性と補償方法について理解する【Part 1】基本的な概念、利用可能なツール」では、ナイキスト線図による安定性の判別法やボーデ線図の活用法など、ループの安定性に関する重要な概念について説明しました。
はじめに
電源回路を設計する際には、優れた動的応答を実現すると共に、安定性を確保する必要があります。一般的な電源回路は、クローズド・ループを活用することで実現されています。ボーデ線図は、そうしたフィードバック・システムの特性を確認するための標準的な方法として認知されています。ボーデ線図を利用することにより、ループの帯域幅と安定性を確保するためのマージンを定量化することが可能になるからです。設計/開発の過程で、実際に電源回路のボーデ線図を取得したとしましょう。その結果、ゲイン/位相のプロットが異常な形状、問題がありそうな形状を示していることがあるはずです。また、安定性の確保に向けて、ループに十分なマージンがあるのかどうかが不明確なケースもあるでしょう。そのような状況では、ナイキスト線図やナイキストの安定判別法が重要な代替手段になります。それらは、発生している事象について説明したり、ループの安定性を判断したりする上で、ボーデ線図よりも役に立つ可能性があります。
標準的な電源ループのボーデ線図、設計時に考慮すべき事柄
まずは図1をご覧ください。これらは、標準的な降圧型のスイッチング・レギュレータ(SMPS:Switched-mode Power Supply)の特性を表しています。図1(a)のボーデ線図は、同SMPSの制御ループの特性を周波数領域で示したものです。一方、図1(b)はその負荷過渡応答(時間領域)を表しています。これらの図は、「LTpowerCAD®」という設計ツールによって作成した回路のモデルを使用して取得しました。図1(a)のプロットを見ると、設計した電源回路の帯域幅は約32kHz、位相マージンは約70°であることがわかります。通常、降圧型のSMPSでは、位相マージンが45°以上あれば許容できるレベルだと言えます。60°以上の位相マージンが得られていれば、安定性の面では十分でしょう。しかし、これらのプロットを見て疑問を感じる人もいるはずです。図1(b)では、8kHzの付近においてループのゲインが0dBよりもはるかに高くなっています。それに対応する位相は約38°で、45°を下回っています。つまり、ゲインは高いのに位相は小さくなっているということです。ここに、安定性に関する問題は潜んでいないのでしょうか。
図1. 降圧コンバータ(LTC3833)の特性。(a)はループ・ゲインのボーデ線図、(b)は負荷過渡応答です。LTpowerCADを利用して取得しました。実線は、補償用のコンデンサCTHの値が510pFの場合、破線は同1500pFの場合の結果です。
この問いに対する答えは「いいえ」です。これについては、Part 1の記事1で説明したナイキストの安定判別法の概念を適用することでうまく説明できます。図2に、図1(a)のボーデ線図(実線)に対応するナイキスト線図(概念レベル)を示しました。ご覧のように、T(jω)のプロットが単位円を横切る前に、その位相角は45°より小さくなる可能性があります。ただ、T(jω)のプロットは点(-1, 0)から遠く離れています。したがって、ナイキストの安定判別法によれば、このシステムは非常に安定しているということになります。
図2. 図1(a)において実線で示したボーデ線図に対応するナイキスト線図(概念レベル)
実際、ループの帯域幅より低い周波数範囲で位相が増大するように設計することは可能です。ただ、その場合、電源の動的応答性能は向上していない可能性があります。図1の例では、単純なタイプ2の補償回路を使用しています。フィードバック系の誤差アンプ回路では、補償用のコンデンサCTHと直列に抵抗RTHを接続しています。ここで、CTHの値を510pFから1500pFに増やしたとします。図1(a)に示した破線のプロットは、その場合の特性を表しています。CTHの値を大きくすると、補償後のゼロがより低い周波数に移動します。そのため、低い周波数範囲の位相は60°を上回るレベルまで増大します。しかし、このような位相の改善結果として電源の動的性能が向上することはありません。CTHの値を大きくすると、図1(a)の破線のプロットで示したように周波数が低い領域のゲインが低下します。その結果、負荷が変動した後のVOUTのセトリング・タイムが長くなります。つまり、図1(b)に破線で示したような応答波形になるということです。VOUTのアンダーシュートとオーバーシュートのトータルの振幅に変化は生じません。結論として、元の設計(図1の実線)は、低い周波数領域における位相の値は低いものの、より良い選択を行っていると言えます。
図3に示したのは、電源回路の評価を行う際の標準的な設定の例です。これにより、フィードバック・ループのボーデ線図を取得します。その際、出力電圧のフィードバック・パスには10Ω~50Ωといった値の小さい抵抗(図3では10Ω)を挿入します。つまり、VOUT(ノードA)とコントローラの入力Vout_sense(ノードB)の間に抵抗を配置します。通常、この抵抗はフィードバック信号を受け取る内部の抵抗分圧器の上側に位置することになります。そして、この10Ωの抵抗の両端にはネットワーク・アナライザからの信号を印加します。すなわち、広い周波数範囲にわたる小振幅(通常50mV pp以下)のAC信号が入力されます。ループ・ゲインを表すボーデ線図は、ネットワーク・アナライザによって取得します。同アナライザは、ある周波数範囲にわたってVA(s)/VB(s)というAC信号の比を検出/算出してゲインを提示します。
図3. 電源回路を評価するための標準的な設定。これにより、フィードバック・ループのボーデ線図を取得します。
以下では、典型的なボーデ線図の例をいくつか示すことにします。いずれの例も、何らかの異常があるかのような形状を成しています。
【ケース1】ループ・ゲインは高いのに、低周波領域で位相が小さくなる、または負の値になる
図4(a)に示したのは、実験によって取得したボーデ線図の例です。これを見ると、ループの帯域幅の周波数をはるかに下回る非常に低い周波数で位相が負の値になっています。ただ、周波数が高くなるにつれ、位相の値は増加していきます。クロスオーバー周波数fBWにおける位相マージンは正の大きな値になっています。果たしてこの電源回路は安定したシステムだと言えるのでしょうか。それとも何らかの問題を抱えているのでしょうか。
図4. ケース1に対応するボーデ線図(a)。低い周波数で位相が負の値になっています。(b)は、(a)のボーデ線図に対応するナイキスト線図(概念レベル)です。
まず、この種のボーデ線図は実測によって取得した場合にだけ見られるものです。例えば、LTpowerCAD上でこの電源回路に対応する小信号モデルを使ってボーデ線図を取得した場合、このような結果が得られることはありません。これについては、以下に示す点について考慮する必要があります。
図5. 図4(a)に対応する電源回路の負荷過渡応答
【ケース2】ゲインのプロットが0dBと複数回交差するが、位相は-180°よりも大きい
図6(a)に示したのは、異常が見られるボーデ線図のもう1つの例です。ご覧のように、ゲインのプロットは0dBの軸と3回交差しています。ただ、位相は大きな正の値を維持しています。何が原因でこのような奇妙なボーデ線図が得られるのでしょうか。また、この電源回路は安定なシステムだと言えるのでしょうか。
図6. ケース2に対応するボーデ線図(a)。「SIMPLIS」によって生成したものです。ご覧のように、クロスオーバー周波数を超えた部分のゲインが不自然になっています。ただ、(b)のナイキスト線図を見ると、この電源回路は安定したシステムであることがわかります。
通常、図6(a)のようなボーデ線図は、図7に示すような電源回路を対象とした場合に取得されます。この電源回路には、ローカルの出力コンデンサが存在します。その後段に当たる電源の出力側には、ポスト・フィルタとしてインダクタとコンデンサから成る回路が追加されています。このLCフィルタがボーデ線図に影響を及ぼしています。ノイズの影響を受けやすいアプリケーションでは、スイッチングに伴う出力電圧のリップルをなるべく小さく抑えるべきです。そのために、図中のLSのようなインダクタ(またはフェライト・ビーズ)が追加されることがあります。なお、LSとしては実際にインダクタ製品が使われるとは限りません。出力ケーブルやプリント基板の長い配線パターンの寄生インダクタンスが同じ役割を果たす場合があります。いずれにせよ、ローカルのコンデンサ、リモートのコンデンサCCFとCbF、インダクタLSの共振によって、図6のような異常なボーデ線図が取得されるということです。これについて理解するためには、図8を参考にするとよいでしょう。この例では、電源回路のローカルの出力VOUTを検出ポイントとしています。図8は、このポイントから見たローカルのC/L/CのインピーダンスZ1(s)を表しています。Z1(s)のゲインをプロットすると、共振による谷とピークが現れます。それにより、ループ・ゲインにも谷とピークが生じます。
図7. 出力にLCフィルタを追加した電源回路(その1)
図8. 出力コンデンサとLC回路のインピーダンスZ1(s)。電源のローカル出力側から見たインピーダンスについて分析しています。
繰り返しになりますが、ループ・ゲインのプロットは0dBの線と複数回交差しており、位相は高い値のままです。果たしてこの電源回路は安定したシステムだと言えるのでしょうか。これについても、図6(b)に示す概念的なナイキスト線図によって確認できます。ご覧のように、T(jω)のプロットは単位円と複数回交差しています。しかし、点(-1, 0)からはかなり離れていますし、点(-1, 0)を取り囲むこともありません。つまり、ナイキストの安定判別法によれば、この電源回路は非常に安定したシステムだと言えます。図9に示したのは、定常状態のゲイン/位相と負荷過渡応答のシミュレーション結果です。これらの結果も、この電源回路が安定したシステムであることを裏づけています。
図9. 図6に対応する電源回路のボーデ線図と負荷過渡応答
【ケース3】電源回路の帯域幅を超えると、位相の値が急激に低下する
図10(左)に示したのも、電源回路のボーデ線図の例です。この図にも異常が現れています。ご覧のように、ゲインのプロットは約20kHzにおいて0dBと交差しています。位相マージンは約45°です。ただ、ゲインのプロットは、電源回路の帯域幅を超えると一時的に低下/上昇しています。そして、40kHzを超えると再び0dBのレベルに戻っています。その間に、位相の値は急激に低下しています。これについても、図10(右)に示した概念的なナイキスト線図を確認してみましょう。すると、T(jω)はその経路上で点(-1, 0)を通過していることがわかります。つまり、この電源回路は不安定なシステムだと言えます。
図10. ケース3に対応するボーデ線図(左)。(右)のナイキスト線図(SIMPLISで生成)からも、この電源回路は不安定であることがわかります。
ここで図11をご覧ください。これは、図10のボーデ線図に対応するフィードバック・ループの構成を示したものです。図7の例と同様に、この例でも電源回路の後段にLCフィルタを配置しています。ただ、図7の例とは異なり、フィルタ回路の後段で出力電圧を検出しています。つまり、リモートの負荷側(VOUTB)で信号を観測しているということです。
図11. 出力にLCフィルタを追加した電源回路(その2)。VOUTBのノードでVOUTを検出します。
この点で電圧を検出していることには理由があります。それは、電源の出力VOUTAからリモートの負荷側のVOUTBまでの伝導パスにおけるDC電圧の低下を補償したいからです。つまり、DCレギュレーションの精度を向上させることを目的としています。ただ、追加しているLCフィルタは2次のフィルタです。図12に示すように、Lf/C1/C2の共振周波数を超えると、ボーデ線図においてゲインがピークになる点で大きな位相遅延(最大180°)が加わります。
図12. 出力部のLC回路のインピーダンス。リモートの負荷側でVOUTを検出する場合に対応しています。
図13は、図12のシステムの負荷過渡応答を示したものです。出力電圧を見ると、定常状態で発振を起こしています。また、負荷が変動する際にも発振が生じています。つまり、このシステムは不安定だということです。
図13. 図12のシステムのシミュレーション結果。定常状態、負荷の変動時のいずれも不安定な動作を示しています。
このシステムでは、2段目のフィルタの出力、つまりリモートのVOUTで検出を行っています。このようなシステムを安定させるにはどうすればよいのでしょうか。1つの解決策は、低速のループによって電源の帯域幅を狭め、LCフィルタの共振のピークを0dBよりはるかに低く抑えるというものです。但し、そうすると、ループの帯域幅が狭くなった影響で負荷過渡応答の性能が低下します。
【ケース4】SMPSのfSW/2に、2つ目のゲインのピークが現れる
SMPSにポスト・フィルタを追加していない場合にも、スイッチング周波数の1/2の位置に2つ目のゲインのピークが現れることがあります。通常、その周波数は電源回路の帯域幅よりもはるかに高いはずです。ここで図14をご覧ください。SMPSの中には、スイッチング周波数の値が固定で、ピーク電流モードで制御を行うものがあります。その場合に図14のような結果が得られるとしたら、内部の電流用のフィードバック・ループが不安定なのかもしれません。PWM(Pulse Width Modulation)制御のデューティ・サイクルを大きくした場合にボーデ線図におけるゲインのピークが増大するとしたら、特にその可能性が高くなります。
図14. ケース4に対応するボーデ線図。SMPSにおいて、スイッチング周波数の1/2の位置に2つ目のゲインのピークが現れています。実線はデューティ・サイクルが50%の場合、破線はデューティ・サイクルが40%の場合に対応しています。
図14の例は、ピーク電流モードの降圧型SMPSを対象として取得したものです。そのスイッチング波形を図15に示しました。図15(a)は、デューティ・サイクルが41%の場合のインダクタの電流ILとスイッチング・ノードの信号波形VSWを表しています。このスイッチング波形は安定していることがわかります。一方、デューティ・サイクルを50%以上に設定すると、スイッチング波形は図15(b)に示すようなものになります。このスイッチング波形は発振し始めています。また、このスイッチング波形は、大小のオンタイム・パルスのペアが繰り返される形になっています。これは、大小のオンタイム・パルスのペアによるサブハーモニック発振と呼ばれています。それにより、インダクタの電流リップルが増大します。
図15. ピーク電流モードで動作する降圧型SMPSのスイッチング波形。(a)の波形は入力電圧が12V、出力電圧が5V、デューティ・サイクルが41%という条件で取得しました。(b)の波形は入力電圧が10V、出力電圧が5V、デューティ・サイクルが50%以上という条件で取得したものです。(b)では、サブハーモニック発振が生じています。
サブハーモニック発振の問題に対しては標準的な対処策があります。それは、SMPSにおいて、電流コンパレータの入力部にスロープ補償のためのランプ波生成回路を追加するというものです。図16に示したのは、この対処策を適用した結果です。ご覧のとおり、スロープ補償を追加したことで、fSW/2の部分のゲインのピークが取り除かれています。スロープ補償の最適な量はデューティ・サイクルに応じて異なります。デューティ・サイクルが高いほど、強力なスロープ補償が必要になります。アナログ・デバイセズはピーク電流モードのSMPS製品を数多く提供しています。それらのうち、ほとんどのコントローラは、適応型/非線形のスロープ補償機能を搭載しています。そのため、広範なデューティ・サイクルに対して安定性を確保することができます。つまり、ユーザはサブハーモニック発振のリスクについて憂慮する必要はありません。
図16. 図14に対応する電源回路のボーデ線図。スロープ補償を適用した場合と適用していない場合を比較しています。デューティ・サイクルは50%です。
【ケース5】ボーデ線図上では位相マージンもゲイン・マージンも良好なのに、ループがほとんど安定していない
ボーデ線図は、システムのループの安定性を定量化するための便利なツールです。これを利用すれば、クロスオーバー周波数における位相マージン、位相が-180°のポイントにおけるゲイン・マージンを確認できます。しかし、安定性を得るために十分なマージンを確保するには、それら2つだけでなく、プロット全体を確認しなければならないケースがあります。
ここで図17(左)をご覧ください。これを見ると、93°の位相マージン、13dBのゲイン・マージンが得られています。これは一般的には良好な結果であるはずです。しかし、クロスオーバー周波数fBWを超えた部分のゲインの形状を見ると、この回路にはリスクが存在している可能性があります。ゲインのプロットはある周波数範囲にわたって平坦になっていますが、その範囲の位相のプロットは大きく低下しています。ここで図17(右)に示した概念的なナイキスト線図をご覧ください。これを見ると、T(jω)のプロットは、単位円と交差した後、点(-1, 0)に危険なレベルで近づいていることがわかります。これは、回路を構成する部品のパラメータのわずかなばらつきによって、T(jω)のプロットが点(-1,0)を取り囲む可能性があるということを意味します。つまり、この回路はそのようなリスクを抱えているということです。この例の場合、ループを再設計し、T(jω)のプロットを点(-1, 0)から遠ざけるようにしなければなりません。そのようにして、安定性を確保するためのマージンを拡大する必要があります。
図17. ケース5に対応するボーデ線図(左)。位相マージンとゲイン・マージンは良好です。しかし、(右)のナイキスト線図を確認すると、リスクが存在することがわかります。
まとめ
ボーデ線図は、電源回路のループ・ゲインの安定性を確認するための便利なツールです。実際、ボーデ線図は、安定性の確保に必要なマージンを定量化するための標準的かつ非常に効果的な方法だと言えます。しかし、ボーデ線図に異常/問題があって混乱が生じるケースもあり得ます。その場合には、ボーデ線図に対応するナイキスト線図とナイキストの安定判別法を適用するとよいでしょう。そうすれば、ループの安定性について、より的確に把握することができます。本稿では、ボーデ線図に異常/問題が現れる典型的な例を示しました。その上で、それぞれの原因を明らかにすると共に対策を示しました。
参考資料
1 Henry Zhang「電源回路のループの安定性と補償方法について理解する 【Part 1】基本的な概念、利用可能なツール」Analog Devices、2022年1月
2 Henry Zhang「スイッチモード電源のモデリングとループ補償設計」アプリケーション・ノート 149、Analog Devices、2015年1月
3 Henry Zhang「Designing Power Supply Parameters in Five Simple Steps with the LTpowerCAD Design Tool(LTpowerCAD設計ツールを使用して5つの簡単な手順で電源パラメータを設計)」Application Note 158、Analog Devices、2015年9月
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