要約
MAX2322は、PCS (1900MHz)帯域CDMA (符号分割多重アクセス方式)アプリケーション用に最適化された高性能SiGeレシーバフロントエンドICです。この製品にはLNA、ミキサ、および選択可能な周波数LOバッファがあります。このアプリケーションノートには、2.14GHzのWCDMA (広帯域CDMA)アプリケーション用に調整されたMAX2322の測定性能が紹介されています。この例で使用されている中間周波数(IF)は190MHzです。分析ではフロントエンド利得、ノイズ指数および3次インターセプトが示されており、それぞれ18.5dB、5.8dBおよび-4.1dBmです。
追加情報
はじめに
MAX2322は、PCS (1900MHz)バンドのCDMA (Code Division Multiple Access:符号分割多重アクセス)アプリケーション用に最適化された高性能SiGeレシーバフロントエンドICです。MAX2322には、LNA、ミキサ、及び選択可能な周波数LOバッファが含まれています。LNAには、高利得高直線性、高利得低直線性、及び低利得の3種類のモードがあります。これらのモードは、LIN、GAIN、及びSHDNの各ピンによって制御されます。ミキサには、高IIP3 (Input Third-Order Intercept Point:入力3次インターセプトポイント)で、低ノイズの差動IFポートがあります。このアプリケーションノートでは、2.14GHzのWCDMA (広帯域CDMA)アプリケーション用にチューニングしたMAX2322の性能の測定結果について説明します。この例で使用した中間周波数(IF)は、190MHzです。
図1. MAX2322のブロック図
アプリケーション回路の性能
LNAセクションは、13dBの利得と2dBのNFを達成し、IIP3は8.8dBmです。入力と出力の反射減衰量は、それぞれ-11.1dBと-27.5dBです。低利得モードに切り替えると、利得は10dB減少します。LNAのバイアス抵抗を変更すると、IIP3と消費電流を設定することができるため、要求に合わせた柔軟な設計が可能となります。
ミキサセクションは、LO入力レベルが-7dBmの場合、10.5dBの利得と9.3dBのNFを達成し、IIP3は4dBmです。このミキサは、差動 IF出力用に最適化されており、IF出力マッチング用に2kΩの並列抵抗が必要です。このボードは、190MHz IF出力に同調され、バランを介して50Ωにマッチングされます。評価ボードのバランは、RF測定機器との簡易インタフェースとして使用されます。また、ミキサにはオフチップバイアス抵抗があります。バイアス抵抗を変更すると、IIP3と消費電流の値が変化します。
図8に回路図を示し、表1と表2に性能データを示します。
表1. LNAの性能
(VCC = 3.0V、高利得モードと低利得モードを設定、BUFFEN = ローレベル、LOX2 = ローレベル)
LNA High-Gain Mode | ||||
(unit) | 2110MHz | 2140MHz | 2170MHz | |
NF | (dB) | 1.99 | 2.08 | 2.18 |
Gain | (dB) | 13.13 | 12.78 | 12.51 |
Input RL | (dB) | -11.43 | -11.85 | -11.56 |
Output RL | (dB) | -31.35 | -27.53 | -23.46 |
Input IP3 | (dBm) | 8.92 | 8.83 | 9.17 |
ICC (IC total) | (mA) | 20.2 |
LNA Low-Gain Mode | ||
2110MHz | 2140MHz | 2170MHz |
5.20 | 5.47 | 6.41 |
-2.59 | -2.87 | -3.45 |
-23.51 | -22.61 | -20.87 |
-21.56 | -21.94 | -16.77 |
11.83 | 14.41 | 12.33 |
16.79 |
表2. ミキサの性能
(VCC = 3.0V、LO = ハイサイド入力、IF = 190MHz)
(unit) | 2110MHz | 2140MHz | 2170MHz | |
NF | (dB) | 9.82 | 9.36 | 10.15 |
Gain | (dB) | 10.88 | 10.58 | 10.30 |
Input IP3 | (dBm) | 4.00 | 4.00 | 3.91 |
上記の2つの表には、入力と出力の伝送ライン損失は含まれていません。
図2. S11のスミスチャート
図3. S22のスミスチャート
図4. S11
図5. S21
図6. S12
図7. S22
カスケード解析
デュプレクサの損失を2dB、状態間のバンドパスフィルタ(BPF)の損失を3dBと仮定した場合、カスケード性能は次のようになります。
![]() |
|||||
Gain |
18.5dB
|
-2dB
|
13dB
|
-3dB
|
10.5dB
|
NF |
5.8dB
|
2dB
|
2dB
|
3dB
|
9.3dB
|
IIP3 |
-4.1dB
|
8.8dBm
|
4dBm
|

図8. MAX2322アプリケーションの回路図
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