MAX1132 ADCとMAXQ2000マイクロコントローラをインタフェースするSPIクロックモードの選択

2023年02月17日

説明

注:サフィックス「-bar」(CS-bar)は、CS端子のアクティブロー機能を示します。

MAX1132概要

MAX1132は、200ksps、16ビットADCです。MAXQ2000は、複数のクロックモード(8ビット、16ビット、または両方の組合せ)を使ってMAX1132とインタフェースすることができます。ADCの性能を最大限にするには、使用するモードを開発の初期段階で決定することが重要です。16クロックフレームを持つ16ビットADCは16ビットモードを使用する必要があることは明白です。しかし、ADCが24クロックフレームを使用するシナリオでは、SPIクロックモードは綿密に見きわめる必要があります。このアプリケーションノートは、8ビットモード、16ビットモード、および組合せモードの試験結果を提供します。各結果は、MAX1132が24クロックフレームを使用する場合は組合せモードが最適であることを示しています。

ハードウェア概要

This application circuit utilizes the MAX1132EVKIT and MAXQ2000-KIT.

このアプリケーション回路は、MAX1132EVKITおよびMAXQ2000-KITを使用しています。 図1はMAX1132のEVキットの回路図を示し、図2はシステムの設定を示しています。MAX1132のEVキットとMAXQ2000-KITをインタフェースするには、MAX1132のEVキットからのSCLK、CS-bar、DOUT、およびDINをMAXQ2000-KITに接続します(図2参照)。また、+5V電源は、このEVキットのAVDDおよびAGND端末に適用されます。このEVキットのJU1は、1-2 (ON)位置に設置する必要があります。JU2に最大+12Vのアナログ信号を印加し、残りのジャンパはオープン状態に維持します。MAXQ2000-KITのSW3は、システムの正しい動作を得るためにオフにする必要があります。

Note: The suffix "-bar" (CS-bar) indicates the active-low functionality of the CS pin.

図1. MAX1132のEVキットの回路図

図1. MAX1132のEVキットの回路図

图1. 同步整流降压转换器MAX15026在300kHz开关频率下的电路图

図2. 複数のSPIクロックモードの評価に使用されるハードウェアのシステムブロック図

図2. 複数のSPIクロックモードの評価に使用されるハードウェアのシステムブロック図

解析

3バイトが24クロックフレームにピッタリと収まるため、最もシンプルかつフレキシブルなSPIクロックモードは8ビットであり、MAX1132はデータ転送を実行するために24クロックフレームを必要とします。最上位バイトは、制御バイト(0x80)として使用され、スレーブに送信されます。最上位ビットは、スレーブをフラグしてコンバージョンを開始するため、極めて重要です(制御バイトフォーマットについてはMAX1132のデータシートを参照)。2つの最下位バイトは、ADCから受信されるデータです。理想的には、MAXQ2000の4MHzで動作するSPIシリアルクロックを使用し、ADCは約166.67kspsでサンプリングレートを最大化することができるはずです。表1は、ADCに接続された各信号に指定されたオシロスコープ

表1. オシロスコープチャネルの割当て
Channel Signal
1 CS-bar
2 SCLK
3 DIN
4 DOUT

MAX1132の8ビットモードのサンプルレートは、約63.7kspsです。このサンプルレートは予期したよりも低速です。この理由として、シリアルクロックには、CS-barはSCLKがハイに移行するとローに移行、1つのクロックセットから次のクロックセットに遷移、SCLKはCS-barがハイに移行するとローに移行、およびCS-barは別のサンプルが開始するまでハイ状態を維持、などの遅延があるためです(図3)。

図3. 8ビットモードのサンプルブロックからのサンプル

図3. 8ビットモードのサンプルブロックからのサンプル

SPIクロックが16ビットモードの場合、2セットの16クロック(合計32クロック)が必要です。1番目の16クロックの最上位バイトは、マイクロコントローラによって送信される制御バイトで、次のバイトはADCから受信されるデータの最上位バイトです。2番目の16クロック中、データの最下位バイトがADCから受信されます。フレーム内の残りの8つのクロックは、連続データを転送するときに同じサンプルが整合するように使用する必要があります。図4は、サンプルレートが8ビットモードと同じ63.7kspsであることを示しています。

図4. 16ビットモードのサンプルブロックからのサンプル

図4. 16ビットモードのサンプルブロックからのサンプル

より優れたオプションは、まず、8ビットSPIクロックモードを使用して制御バイトを送信し、次に、16ビットSPIクロックモードに切り替えてADCからのサンプルを受信する方法です(図5)。この利点は、複数のクロックセットで受信されたデータを分離せず、いずれのサイクルも無駄にしない点です。組合せモードでは、サンプルレートは70.4kspsで、8ビットモードと16ビットモードの両方よりも高速です。

図5. 組合せモードからのサンプルで、8ビットモードを使用して制御バイトを送信した後、16ビットモードでADCからのサンプルを受信します。

図5. 組合せモードからのサンプルで、8ビットモードを使用して制御バイトを送信した後、16ビットモードでADCからのサンプルを受信します。

上記のサンプルから収集されるデータは、時間グラフ(表2)に要約することができます。組合せモードは、MAX1132の性能を最適化する理想的な選択肢です。このモードは、フレーム内に最小セットのクロックと最小数のサイクルを使用しています。それ自体では、8ビットモードも16ビットモードも組合せモードの速度を達成することができません。

表2. シングルサンプルの各種間隔の所要時間
Interval Sample Time, 8-Bit Mode Sample Time, 16-Bit Mode Sample Time, Combination Mode
CS-bar low to SCLK high 560ns 760ns 960ns
Between 1st and 2nd clock sets 2.32µs 3.20µs 2.36µs
Between 2nd and 3rd clock sets 3.12µs -- --
SCLK low to CS-bar high 2.52µs 2.60µs 3.60µs
CS-bar high 1.48µs 1.44µs 1.48µs
Clock time 0(1/SCLK x clocks/frame) 6.0µs 8.0µs 6.0µs
Approximate total for one sample 15.7µs=63.7ksps 15.7µs=63.7ksps 14.2µs=40.4ksps
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