3.5GHz WLLトランシーバ用RF IC

2004年01月12日
myAnalogに追加

myAnalog のリソース セクション、既存のプロジェクト、または新しいプロジェクトに記事を追加します。

新規プロジェクトを作成

要約

このアーティクルでは3.5GHzで利用できる、ワイヤレスローカルループ(WLL)トランシーバ用のRF ICのブロック図を紹介します。MAX2645シリコンゲルマニウム低ノイズアンプ(LNA)は、デジタル論理回路から25dBの利得ステップを供給します。MAX2684は1GHzからアップコンバートし、また1GHzのIFにダウンコンバートします。MAX2620は2つのバッファ付き出力を備えた電圧制御発振器(VCO)です。VCOバッファアンプであるMAX2472とMAX2473は、高いアイソレーションを維持し、-25dBcの高調波を保持します。

追加情報:

図1.
PDFバージョンの図 (PDF, 86K, English only)

MAX2645:3.4GHz~3.8GHz SiGe低ノイズアンプ/PAプリドライバ/VCOバッファ

MAX2645は多目的で低ノイズの高直線性アンプで、3.4GHz~3.8GHzのワイヤレスローカルループ(WLL)、ワイヤレス広帯域アクセス、およびデジタルマイクロ波無線機アプリケーション用に設計されたものです。RF ICは単一の抵抗器を使って、外部から調整可能なバイアス制御機能を備えているため、ユーザは消費電流を最小にしながら、最低限必要な高直線性を満たすことができます。RF ICの高利得、低ノイズ性能、および調整可能な入力3次インターセプトポイント(IIP3)により、受信経路における極めて優れた低ノイズアンプ(LNA)、受信経路におけるIP3アンプ、送信経路におけるPAプリドライバ、またはLOバッファとして使用できます。

MAX2645 RF ICは、25dBの利得のステップ低減が可能なロジックレベルの利得制御機能を備え、高入力信号レベル状態での動作におけるIP3性能が向上しています。消費電流は、高利得モードの9mAから低利得モードの3mAに低減します。LNAはロジック制御のシャットダウンモードも備えており、消費電流を0.1µA未満にまで低減します。詳細については、MAX2645シリコン・ゲルマニウムLNAのクイックビューデータシートを参照してください。

Application Circuit
Supply Current (mA)
Gain (dB)
Noise Figure (dB)
Input IP3 (dBm)
High Gain Mode
Low Gain Mode
High Gain Mode
Low Gain Mode
High Gain Mode
Low Gain Mode
High Gain Mode
Low Gain Mode
Low NF LNA
9.2
2.7
14.4
-9.7
2.3
15.5
+4
+13
High IIP3 LNA
9.2
2.7
14.9
-10.7
2.6
16
+10.0
+15.5
PA Predriver
12
3.6
15.2
-9.7
2.6
16
+11.8
+16.2

MAX2683/MAX2684:選択可能なLOダブラ付き3.5GHzダウンコンバータおよびアップコンバータ

MAX2683/MAX2684は、3.4GHz~3.8GHz周波数帯域のワイヤレスローカルループ(WLL)とデジタルマイクロ波無線機(DMR)アプリケーション用の超高性能で低コストなRF ICです。MAX2683は100MHz~400MHz間のIF周波数へのダウンコンバート用に最適化されており、ハイサイドとローサイドの両方の局部発振器(LO)の挿入が可能です。MAX2684は800MHz~1000MHz間のIF周波数に最適化されており、LOはローサイドとなります。ロジックレベル制御により、どちらのデバイス上でも内部周波数ダブラが有効になり、外部LOソースをフルまたはハーフ周波数で駆動できます。内部LOフィルタは、LO高調波とスプリアスミキシングを低減しています。MAX2683/MAX2684をアップコンバータミキサとして使用する場合の性能とアプリケーション情報については、アプリケーションノート「低コストで高性能なMAX2683 3.5GHzアップコンバータ」を参照してください。

MAX2683/MAX2684 RF ICは、単一の抵抗器を使って、外部から調整可能なバイアス制御機能を備えているため、ユーザは消費電流と直線性のバランスを取って、システム性能を最適化できます。これらのRF ICは、シングルエンドのRFとLO入力および差動オープンコレクタのIF出力ポートを備えたダブルバランスドギルバートセルのアーキテクチャを使用します。差動IFポートには、シングルエンドまたは差動アプリケーション用の、広帯域でフレキシブルなインタフェースが備わっています。

MAX2683/MAX2684 RF ICは、+2.7V~+5.5Vの単一電源で動作します。RF ICは、3.5GHzで最適性能を発揮するため、露出パドル付きの16ピンTSSOP-EPパッケージに収められています。詳細については、MAX2683/MAX2684のクイックビューデータシートを参照してください。

MAX2680/MAX2681/MAX2682/MAX2690:400MHz~2.5GHz低ノイズシリコン・ゲルマニウム(SiGe)ダウンコンバータ

MAX2680/MAX2681/MAX2682/MAX2690超小型、低コスト、低ノイズのダウンコンバータは低電圧動作用に設計されており、ポータブル通信機器での使用に最適です。RF入力ポートの信号は、ダブルバランスドミキサを使用して、局部発振器(LO)ポートの信号と混合されます。これらのダウンコンバータミキサは、400MHz~2500MHzのRF入力周波数で動作し、10MHz~500MHzのIF出力周波数にダウンコンバートします。

MAX2680/MAX2681/MAX2682 RF ICは、+2.7V~+5.5Vの単一電源で動作し、3セルのニッカドバッテリパックまたは1セルのリチウムイオンバッテリから電力を直接供給できます。RF ICは広範囲の消費電流および入力インターセプト(IIP3)レベルを備え、システム性能を最適化します。さらに、各デバイスは、標準消費電流が0.1µA未満の低電力シャットダウンモードを備えています。IIP3および消費電流の性能については、MAX2680/MAX2681/MAX2682データシートを参照してください。

MAX2680/MAX2681/MAX2682 RF ICは、高周波数で低ノイズの先進的シリコン・ゲルマニウムプロセスで製造されており、省スペースの6ピンSOT23パッケージで提供されます。

MAX2690は差動IFポートを備えています。差動IFポートは、優れた直線性と低いLO発射を提供するとともに、CDMAセルラ電話などの差動IFフィルタを使用するアプリケーションとの整合性を備えています。ミキサのノイズ指数は900MHzで10dBです。

MAX2690はVCC = 3Vで16mAの電流を消費し、+2.7V~+5.5V電源で動作します。ロジック制御のシャットダウンモードにより、消費電流が1µA未満に低減されるため、バッテリ駆動の機器に最適です。このデバイスは、超小型10ピンµMAXパッケージで提供されます。詳細については、MAX2680/MAX2681/MAX2682のクイックビューデータシートを参照してください。

MAX2660/MAX2661/MAX2663/MAX2671/MAX2673:400MHz~2.5GHz用アップコンバータ

MAX2660/MAX2661/MAX2663/MAX2671/MAX2673超小型、低コスト、低ノイズのアップコンバータは低電圧動作用に設計されており、ポータブル民生機器での使用に最適です。IF入力ポートの信号は、ダブルバランスドミキサを使用して、局部発振器(LO)ポートの信号と混合されます。これらのアップコンバータは、40MHz~500MHzのIF入力周波数で動作し、最大2.5GHzの出力周波数にアップコンバートします。

これらのRF ICは、広範囲の消費電流と出力インターセプトレベルを備え、システム性能を最適化します。消費電流は基本的に、指定の供給電圧範囲で一定です。さらに、各デバイスは、消費電流を1mA未満に低減する低電力シャットダウンモードを備えています。

MAX2660/MAX2661/MAX2663/MAX2671 RF ICは省スペースの6ピンSOT23パッケージで提供されます。平衡IFポートが必要なアプリケーションには、8ピンµMAXパッケージのMAX2673をお使いください。詳細については、MAX2660/MAX2661/MAX2663/MAX2671/MAX2673のクイックビューデータシートを参照してください。

MAX2620:10MHz~1050MHzバッファ出力付きVCO

MAX2620 VCOは、低ノイズ発振器と2つの出力バッファを組み合わせて、低コストなプラスチック製表面実装ウルトラスモールµMAXパッケージに収めたものです。このデバイスはディスクリート部品によって標準的に得られる機能を内蔵しています。発振器は、外付けバラクタ同調共振器タンク回路と適切に組み合わせることで、位相ノイズが低下します。ミキサあるいはプリスケーラを駆動するために、2つのバッファ出力が設けられています。バッファにより、発振器に対する負荷のアイソレーションが確保され、負荷インピーダンスの変化によって生じる周波数プリングが防止されます。動作モードでの消費電力は、標準でちょうど27mW (VCC = 3.0V)であり、またスタンバイモードでは0.3µW未満に低減します。MAX2620は+2.7V~+5.25Vの単一電源で動作します。詳細については、MAX2620のクイックビューデータシートを参照してください。

MAX2622/MAX2623/MAX2624:モノリシック電圧制御発振器

MAX2622/MAX2623/MAX2624自立型電圧制御発振器(VCO)は、内蔵発振器と出力バッファを組み合わせて、超小型の8ピンµMAXパッケージに収めたものです。

タンク回路のインダクタおよびバラクタ素子はチップ内に集積されているので、極めて容易にこの製品を利用できます。さらに、発振器の中心周波数と周波数スパンは工場出荷時にあらかじめ設定されており、周波数範囲対制御電圧が保証されます。外部の同調電圧により、発振器の周波数が制御されます。より高い出力電力を得るため、また負荷インピーダンスの変動からデバイスを切り離すため、出力信号はアンプ段(コンデンサだけを使用して簡単に50Ωにマッチングされます)でバッファされます。

MAX2622/MAX2623/MAX2624は+2.7V~+3.3Vの供給電圧で動作します。必要な消費電流はわずか9mAです。シャットダウンモードでは、消費電流は0.1µAに低減します。詳細については、MAX2622/MAX2623/MAX2624のクイックビューデータシートを参照してください。

MAX2472/MAX2473:500MHz~2500MHz VCOバッファアンプ

MAX2472/MAX2473 RF ICは、フレキシブルで広帯域な高逆アイソレーションバッファアンプです。MAX2472は、高調波を-25dBc以下に抑制しつつ、50Ωで-5dBmを実現するオープンコレクタのデュアル出力を備えています。MAX2473はバイアス制御ピン付きのシングルオープンコレクタ出力を備え、高調波を-25dBcに抑えつつ、-10dBm~-2dBm間で出力電力を変えることができます。MAX2472/MAX2473の高逆アイソレーションと低消費電流の組み合わせは、高性能と低電力を必要とするアプリケーションに最適です。RF ICは高い入力インピーダンスとオープンコレクタ出力を備えているため、柔軟性が高く、さまざまな発振器トポロジで使用できます。

MAX2472およびMAX2473 RF ICはいずれも+2.7V~+5.5Vの単一電源で動作します。VCC = +3.0Vで、入力電力が-25dBmのとき、MAX2472は5.2mAの電流を消費します。一方、同じ条件でMAX2472が消費する電流はわずか2.7mAです。両RF ICとも、最小限の基板スペースしか必要としない小型6ピンSOT23パッケージで提供されます。詳細については、MAX2472/MAX2473のクイックビューデータシートを参照してください。

この記事に関して

製品

製品カテゴリ

最新メディア 21

Subtitle
さらに詳しく
myAnalogに追加

myAnalog のリソース セクション、既存のプロジェクト、または新しいプロジェクトに記事を追加します。

新規プロジェクトを作成