説明
高電圧におけるDC電流の検出には、多くの場合困難が伴います。市販のハイサイド電流検出ICのほとんどはよくて30Vまたは40Vまでです。 (MAX4080/4081のような)より新しい製品は最大76Vまで検出可能です。より高い電圧の場合は、電流検出アンプはフォトカプラと組み合わせる ことができます。ハイサイドの電圧はフォトカプラのスタンドオフ電圧によってのみ制限されます(図1)。
図1. グランドを基準とした出力電圧VOUT = ISHUNT (4.80V/A)は、ハイサイド負荷電流に比例します。この構成の回路は最大1Aの負荷電流を測定します。
高精度のハイサイド電流検出アンプ(U1)と高直線性のアナログフォトカプラ(U3)を使用すると、ハイサイドの使用電圧は1000VDCにまで拡張されます。U3は連続1000VDCに対応します。そのUL定格は5000VRMSで1分間、トランジェントサージ定格は8000VDCで10秒間です。(高電圧を扱う時は、該当する安全上の注意事項の全てを遵守して下さい。)
この回路にはフローティング部分と接地部分があり、各々がローカル低電圧電源を必要とします。フローティング部分は負荷電流を検出し、フォトカプラの高電圧側を駆動します。接地部分はフォトカプラの低電圧側を監視し、ハイサイド負荷電流に比例する電圧を出力します。選ばれたフォトカプラは、LEDの非直線性とドリフト特性を実質的になくすフィードバックフォトダイオードを高電圧側に備えています。更に、その2つの緊密に整合されたフォトダイオードが、絶縁バリアにおける直線伝達関数を保証します。
動作中には、負荷電流がシャントR1を流れて小さな電圧を生成します。この電圧を監視するU1は、比例する電流10mA/Vを出力します。この比例出力電 流がR2を流れることによって、メイン負荷電流に比例する電圧が生成されます。残りの回路はR2の両端電圧の複製を生成しますが、フォトカプラの低電圧側 に生成します。U2はR2の両端の電圧を監視して、Q1を通じてフォトカプラのLEDを駆動します。LEDによって生成される光はハイサイドおよびローサ イドのフォトダイオードに均等に当たります。U4はローサイドフォトダイオードを監視して、ハイサイド負荷電流に比例する電圧を出力します。グラフは出力 電圧をシャント電流の関数として示しています(図2)。
図2. 図1の設計において出力電圧 対 シャント電流は直線的です。
他の最大負荷電流を監視して異なる電圧範囲を出力するためにこの回路を改造するには、3つのパラメータを使います。最大U1出力電流は1.5mAですか ら、最大許容シャント電圧は150mVです。また、最大許容フォトダイオード電流は50µAです。R1の値は、監視する最大負荷電流において150mVを 生成するように選んでください。そして、1.5mAで所望の対応する最大出力電圧を生成するR2値を選択してください。R3とR5はマッチングさせ、所望 の最大出力電圧においてフォトダイオードを流れる電流が50µA未満になるような値を選んでください。
R3 ≥ (VOUT_MAX)/(50 × 10-6)
この回路OUTPUTはR2の両端の電圧を忠実に再生します。オペアンプMAX4162が選択された理由は、入力バイアス電流が小さく(1pA)、入出力 スイングがレイルトゥレイルであり、単一の9Vバッテリで動作可能だからです。図のように、R1 = 150mΩ、R2 = 3.32kΩの場合、上記の伝達関数を使用するとISHUNT = 1Aの時の出力電圧は4.80Vになります。ISHUNT = 1.00Aにおける実験結果は、VOUT = 4.84Vで誤差1%未満です。
これと同様のアーティクルが「EDN」誌の2001年3月1日号に掲載されました。
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