要約
セルラバンドCDMAパワーアンプ(PA)のMAX2266用完全動作回路を紹介します。この回路のための出力電力、利得、ACPR、電力付加効率(PAE)およびアイドル消費電流データに加え、PINダイオードスイッチの詳細も提供されます。低電力モード(わずか39mAのアイドル電流)によって、+15dBm出力電力で15%~16%のPAE、および+13dBmで11%のPAEが実現します。
追加情報
日本向けのCDMAアプリケーションについては、「PINダイオードスイッチを備えた日本のCDMAセルラバンド用のMAX2269パワーアンプ」を参照してください。はじめに
MAX2266パワーアンプは、セルラ周波数バンドで動作する、IS-98ベースのCDMAセルラ電話用に最適化されています。効率は中間出力電力に最適化されており、中間電力にて優れた効率が得られます。このため、標準的な都市部で使用する場合や、通話時間がより長くなる場合に、平均消費電流が低減されます。
MAX2266の標準評価ボードでは、SPDTスイッチが使用されています。このボードは、+28dBmの出力電力で31%、+16dBmの出力電力で17%のPAEを実現します。ただし、このアプリケーションでは、SPDTスイッチの代わりにPINダイオードスイッチを使用します。PINダイオードに変更すると、最大出力電力での電力付加効率(PAE)が向上します。また、MAX2266は、中間及び低出力電力レベルでも良好なPAEを発揮します。
PINダイオードスイッチ
このアプリケーションでは、Alpha IndustriesのSMP1321-079を使用しました。図1にPINダイオードスイッチの回路図を示します。MAX2266が高電力モードのときはSHDN = ハイ、POW = ハイで、PINダイオードはオフに切り替わります。この状態では、POUTはハイインピーダンスになります。次に、MAX2266が低電力モードのときはSHDN = ハイ、POW = ローで、PINダイオードはオンに切り替わります。
L1とL3はチョークコイルで、L2は、PINダイオードの内部容量との並列共振が必要となります。PINダイオードの順電流は、R1によって決まります。
図1.
図2は、出力マッチング部分を示しています。低電力経路が高電力経路に接続されていない場合、MAX2266の性能はMAX2265の性能とほぼ同じになります。MAX2265は37%を超えるPAEを実現します。低電力経路のアイソレーションが低いと、PAEとACPRの劣化が生じます。高電力モードで優れた性能を得るためには、低電力経路に対して優れたアイソレーションが必要です。
図2.
性能
表1に性能結果を示します。ここでは、最大出力電力(+28dBm)、切り替えポイント(+15dBm)、及び中間出力電力(+14dBm)という3種類のデータを掲載しています。PINダイオードスイッチを使用すると、2つの出力間でのアイソレーションが高くなるため、最大出力電力でのPAEが改善されます。最大出力電力では、-45dBcを超えるACPRと35%のPAEが得られます。中間出力電力では、-46dBcを超えるACPRと、15dBmでは15%、13dBmでは11%のPAEが得られます。アイドル電流は39mAです。
表1
(VCC = 3.3V、入力信号 = CDMA上り標準)
Frequency (MHz) | Gain (dB) | ACPR (885kHz) (dBc) | ACPR (1.98MHz) (dBc) | PAE (%) | Idle Current (mA) |
High-Power Mode @ POUT = +28dBm | |||||
824 | 26.72 | -45.53 | -56.03 | 34.45 | |
836 | 26.38 | -46.44 | -57.00 | 35.08 | 127 |
849 | 25.82 | -45.88 | -56.75 | 35.47 | |
Low-Power Mode @ POUT = +15dBm | |||||
824 | 27.82 | -45.92 | -61.23 | 15.70 | |
836 | 27.62 | -46.75 | -61.34 | 15.97 | 39 |
849 | 27.26 | -47.86 | -61.26 | 15.70 | |
Low-Power Mode @ POUT = 13dBm | |||||
824 | 28.06 | -54.16 | -64.10 | 11.19 | |
836 | 27.80 | -54.91 | -64.99 | 11.19 | 39 |
849 | 27.42 | -54.65 | -62.84 | 11.19 |
図3と図4は、高電力モードから低電力モードへの切り替えポイントが+15dBmであると仮定した場合の、実際の現場でのソリューションを示しています。CDMAシステムで、実際の現場での通話時間をより長くするためには、中間出力電力でのPAEが極めて重要となります。MAX2266を+15dBmで切り替えた場合、PAEは中間電力で向上します。また、この点でのACPRは-46dBc未満となります。
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図3 | 図4 |

図5. テストのセットアップ
図6. 回路図
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