LTspice:三角波と鋸波の作成

2016年03月16日
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電圧源と電流源のシミュレーションに必要とされる最も一般的な波形は、サイン波、矩形波、三角波、そして鋸波です。

サイン波、矩形波、三角波、および鋸波

サイン波、矩形波、三角波、および鋸波

LTspice®シミュレーション・ソフトウェアには、電源コンポーネント・エディタで使用できる組込みのパルス関数、サイン関数、指数関数、単一周波数FM関数、および任意区分線形関数があります。一見しただけではわからないかもしれませんが、LTspiceでは三角波関数と鋸波関数も使用できます。ただし、PULSE関数かPWL関数のどちらかから作成する必要があります。

LTspiceの電圧源関数

LTspiceの電圧源関数

PULSE関数

PULSE関数は、矩形波のような動作をする電源が必要なトランジェント回路のシミュレーションにしばしば使われます。フリーランニング矩形波が必要な場合はNcyclesを省略できます。

PULSE(Voff Von Tdelay Trise Tfall Ton Tperiod Ncycles)

三角波および鋸波を作成する簡単な方法は、上に示す電源コンポーネント・エディタでPULSE関数を編集することです。三角波を作成する場合は、パルス関数に必要な周期の1/2に等しい立上がり時間と立下がり時間を設定します。同様に、鋸波関数を作成するには、立上がり時間を周期と同じにして立下がり時間をゼロに設定します。PULSE関数は、これ以外にも変更を加えてシミュレーションに最も適した形にすることができます。これら2つの関数の波形はページ冒頭の図に示されています。

パルス関数から作成される三角波と鋸波

パルス関数から作成される三角波と鋸波

PWL関数

どのような任意波形や複合波形も、区間線形関数を使って作成できます。時間と電圧をさまざまに組み合わせることによって、任意の区間線形関数を定義することができます。

PWL(t1 v1 t2 v2 t3 v3...)

これは、t1より前の時間における電圧をV1に指定します。t1からt2までの間では、電圧がv1からv2へ直線的に変化します。時間と電圧ポイントは任意の数だけ指定でき、最後に指定された時間後の電圧は最後に指定した電圧になります。

三角波または鋸波の作成には以下の区間線形関数を使用できます。これら2つの関数の波形はページ冒頭の図に示されています。

区間線形関数から作成される三角波と鋸波

区間線形関数から作成される三角波と鋸波

これら2つの例ではPWL関数の繰り返し機能を使用しますが、これらの機能はドキュメント化されていません。これらの機能を試すには、電源コンポーネント・エディタを使用するのではなく、回路図エディタで電源シンボルのテキスト右クリックすることによって直接編集を行う必要があります。

以下では、PWL関数のドキュメント化されていないいくつかの機能を取り上げます。

  • データ・ペアを永遠に繰り返す

PWL REPEAT FOREVER (0 0 .5 1 1 0) ENDREPEAT

  • データ・ペアを5サイクル繰り返す

PWL REPEAT 5 (0 0 .5 1 1 0) ENDREPEAT

  • 式が真である限り電源をオンにするトリガ式

PWL (0 0 .5 1 1 0) TRIGGER V(node)>1

  • 時間値または電源値をスケーリング

PWL TIME_SCALE_FACTOR=0.5 VALUE_SCALE_FACTOR=2 (0 0 .5 1 1 0)

パルス関数、サイン関数、指数関数、単一周波数FM関数、および任意区分線形関数についての詳細は、LTspiceのヘルプ・ファイル(F1)に記載されています。参考のために、LTspiceシミュレーションの一例も下に示されています。

著者について

Gabino Alonso
Gabino Alonsoは、アナログ・デバイセズのPower by LinearTMグループで戦略的マーケティング・ディレクターを務めています。アナログ・デバイセズに入社する前は、Linear Technology(現在はアナログ・デバイセズに統合)、Texas Instruments、カリフォルニア・ポリテクニック州立大学で、マーケティング、エンジニアリング、オペレーション、教育など、多岐にわたる業務に従事していま...

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