433.05MHz~434.79MHzの欧州ISM帯域用にLNAをチューニング

2004年03月04日
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要約

このアプリケーションノートでは、433MHzでの動作用にMAX2640低ノイズアンプ(LNA)をチューニングするためのRFマッチング回路について説明します。入力リターンロス、利得、および出力リターンロスの結果をグラフにまとめています。利得は16.75dBで、-7.6dBの入力リターンロスと-19.8dBの出力リターンロスが得られました。

追加情報:

MAX2640は、セルラ、PCS、GPS、2.4GHz ISM、および欧州ISM周波数帯域でのアプリケーション用に設計された、低コストの超低ノイズアンプ(LNA)です。+2.7V~+5.5Vの単一電源で動作するこのデバイスは、3.5mAの電流を消費するだけで、低ノイズ指数、高利得、高入力IP3、および400MHz~2500MHzに及ぶ動作周波数範囲を実現します。

欧州ISM帯域(433.04MHz~434.79MHz)は、汎用的な短距離デバイス(SRD:short range device)向けです。この周波数範囲用に開発した機器は、ライセンス取得を免除されるため、極めて多数の、革新的で低コストな設計が開発されるものと考えられます。この設計で、適切にチューニングされた超低ノイズアンプを使用すると、全体的なシステム性能が大幅に向上します。

特定の動作周波数範囲に対して適切なマッチング部品を使用すると、アンプの性能が向上します。入力と出力の正しいマッチング部品を使えば、「ソース」から「負荷」への、信号とエネルギーの適切な転送を保証することができます。MAX2640用に用意された散乱パラメータ(Sパラメータ)は、欧州ISM帯域(fCENTER = 433.92MHz)アプリケーションに対する適切な部品の値を決定するのに役立ちます。Sパラメータデータは、マキシムのウェブサイトからダウンロードできます。

Sパラメータの他、MAX2640評価キット(EVキット)を利用して、試作とテストを加速することができます。図1および表1は、欧州ISM帯域用に改良したEVキットの回路図と部品リストを示しています。必要な出力マッチング部品と入力マッチング部品はそれぞれ1つだけであることに注目してください(C1はDCブロッキングコンデンサです)。

図1. 欧州ISM帯域用のMAX2640 EVキットの回路図
図1. 欧州ISM帯域用のMAX2640 EVキットの回路図

表1. 欧州ISM帯域用のMAX2640 EVキットの部品リスト

Designation Qty Description
C1 1 1500pF ceramic cap (0402) Murata GRP155R71H152KA01B
C2 1 15pF ceramic cap (0402) Murata GRP155561H50JZ01B
C3 1 10µF ceramic cap (1206) AVX TAJA106D010R
C4 1 470pF 5% ceramic cap (0805) Murata GRM40COG471J50V
C5 1 47nH chip inductor (0402) Coilcraft 0402CS-47NX-B6

fIN = 433.92MHzのとき、MAX2640は16.75dBの利得、-7.6dBの入力リターンロス、および-19.8dBの出力リターンロスを提供します(図2を参照)。1.17dBという低い雑音指数が実現されています。

図2. 欧州ISM帯域用に、測定した利得、入力リターンロス、および出力リターンロス
図2. 欧州ISM帯域用に、測定した利得、入力リターンロス、および出力リターンロス

MAX2640のSパラメータを使用して同じパラメータをシミュレートすると、同様の結果が得られます(図3を参照)。

図3.欧州ISM帯域用にシミュレートした利得、入力/出力リターンロス損失
図3.欧州ISM帯域用にシミュレートした利得、入力/出力リターンロス損失

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