ビールを飲ませるか、超音波式メーターを使うか

2016年01月15日
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要約

世界のすべての真水の供給が尽きた場合、ビールは解決策になりません。最終的に脱水状態になるだけでなく、ビールの醸造に使用される原料の育成に必要なすべての水に加えて、ビールの生産時には、1リットルのビールを醸造するために5リットルの水が消費されます。つまり、水がなければビールもできないのです。節水には多くの方法がありますが、超音波水道メーターは水漏れによって失われる大量の飲料水の損失を除去する大きなチャンスを生み出します。

世界のすべての真水の供給が尽きたとき、我々はどうすれば良いでしょうか?ビールを飲めばいい!いや、それはだめでしょう。ビールは最終的に脱水状態を引き起こすという事実だけでなく、ビールの生産時には、1リットルのビールを醸造するために5リットルの水が消費されます1。しかも、この概算には、ビールの醸造に使用される原料の育成に必要なすべての水が含まれていません。つまり、水がなければビールもできないのです。

ビールを考えても分かるように、水はあらゆるものの生産に使用されます。入浴、食事の準備、衣類の洗濯などの日常的な用途以外に、事実上すべての生産が水を必要とします。コンピュータを作るために、約7,000リットルの水が必要だということをご存じでしたか?2そして、半導体製造プロセスで使用される大量の水は、ほとんどが超純水です。

生物である私たちは、水なしには生きられません。正直なところ、環境問題専門家である私は、環境の話を聞くのがいやになることが少なくありません。それらの話を聞いていると絶望的な気分になり、ハッピーエンドなどないように思えるからです。しかし、ハッピーエンドはあるはずです。水の問題は非常に膨大で、解決には革新的なソリューションが必要になります。

対策すべき領域の1つに、配水インフラストラクチャがあります。米国では、供給会社の1/3が、太い送水管の水漏れから家庭周りの水漏れまで、配水システム内の水漏れによって年間40%以上の真水が失われていると報告しています3。ガソリンなど、他の生活必需品について40%の損失を想像してみてください。過大な料金と無駄に、とても耐えられないでしょう。しかし水の場合は、最も貴重な資源であるにも関わらず、我々は目をつぶって何も行動してきませんでした。

配水システムの水漏れを是正する方法の1つは、メーターの改善です。標準的な機械式メーターは、実際には30リットル/時以下の水流を検出する能力が非常に劣っています4。さらに悪いことに、内部の部品が摩耗するため、機械式メーターの精度は時間とともに低下します。今日では、水流を測定するためのより良い方法があります。超音波です。超音波式メーターは、機械式メーターの10倍の高精度で水流を測定可能です。米国の平均的な家庭の水漏れが年間45,000リットルであることから5、水漏れの平均速度を概算すると1時間当り5リットルになります。これは、機械式メーターで検出するには十分な量ではありませんが、超音波式メーターなら完全に測定範囲内です。さらに、超音波測定は可動部品が不要なため、摩耗するものがありません。

超音波は素晴らしいように思われますが、何か落とし穴があるでしょうか?時間とともに投資以上の効果が得られるため、超音波式メーターは必ずしも高コストではありません。自動化された水道メーター6インフラストラクチャで超音波式メーターを使用することによって、供給会社は水漏れを特定し、今は見逃しているものに対して課金することが可能になります。収益を取り戻し、配水インフラストラクチャの引き締めを強化することができます。水4,500リットルのコストを1.50ドルとすると7、供給会社は顧客当り年間15ドルを取り戻すことになります。大量配備時のメーターのコストによりますが、供給会社は比較的早期に投資回収を達成することができるはずです。これは供給会社にとって朗報であり、数十年にわたって高精度・高信頼性の動作を続けるメーターインフラストラクチャが手に入るなら、我々すべてにとっても気分良く乾杯することができる理由になるでしょう。

マキシムでは、これらの問題を解決するための努力を続けています。メーターのメーカーが設計から市場投入までの時間を短縮し各種メーターのコストを削減するために役立つよう作られた、マキシム超音波水道メーターのMAXREFDES70#をご覧ください。

参考文献
  1. www.triplepundit.com/2010/09/how-much-water-did-it-take-to-make-that-pint-of-beer/
  2. www.mnn.com/food/beverages/sponsorstory/six-ways-we-all-use-water-without-knowing-it
  3. 「Water 20/20」、http://sensus.com/smartwaternetworks
  4. 「Evaluating domestic water meter accuracy. A case study. 」、www.cuwcc.org/Committees/Utility-Operations/FileId/2673
  5. www.epa.gov/WaterSense/pubs/fixleak.html
  6. http://techchannels.opensystemsmedia.com/signal-processing/search/?in=Sensor%20Processing%23%2520water%2520meter
  7. www.fcwa.org/story_of_water/html/costs.htm

同様の記事が2014年12月5日にEmbedded Computing Designに掲載されました。

著者について

David Andeen
David Andeen works in business development for power management at Analog Devices. He joined ADI in 2005 and previously worked in sales, marketing, and applications. He holds a Ph.D. in Materials from UCSB.

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