LEDドライバ:任意の降圧・昇圧・昇降圧トポロジを使用し、3V~40Vの広い入力範囲で3000:1のトゥルー・カラーPWM調光を実現
はじめに
高出力LEDは、TV投影やスキャナー、その他様々なオートモーティブおよびアビオニクス(航空電子機器)製品の光源としてますます多く使われるようになっています。これらはすべて、降圧、昇圧、昇降圧、あるいはSEPIC構成のいずれにおいても、一定したLED電流が不可欠です。広い光強度ダイナミック・レンジでLEDカラーを維持できるパルス幅変調(PWM)は、このようなLEDシステムの調光に適しています。LT3518は、高度に集積された2.3Aフル機能LEDドライバとして、高出力LEDドライバ・アプリケーション向けの様々なトポロジで、3000:1のトゥルー・カラーPWM™調光比を実現できます。
LT3518は、45Vのパワー・スイッチ、100mVのハイサイド電流検出、および的確なオープンLED保護機能を備えています。このデバイスは、従来の電圧帰還ループと電流帰還ループを組み合わせ、定電流源、あるいは定電圧源として動作します。プログラマブルなソフトスタート機能を備えているため、起動時の突入電流を制限し、入力電流のスパイクを防ぐことができます。LT3518の3V~40Vという広範な動作入力範囲は、オートモーティブ・アプリケーションに最適です。10:1のアナログ調光範囲を利用することで、合計の調光範囲が更に30,000:1に拡張されます。PWM制御信号への過渡応答を改善するため、PMOS切断スイッチ・ドライバが内蔵されています。動作周波数を250kHzから2.5MHzの範囲で設定できるため、効率やコンポーネント・サイズに合わせて外付け部品を最適化できます。LT3518はまた、スイッチング・ノイズによる干渉を低減するため、外部クロックと同期することができます。
極めて効果的なPWM調光制御
内部クロックと外部PWM信号とのアラインメント
LEDドライバの多くは、独立型の内部自走発振器で動作します。内部発振器がハイからローに遷移すると、それぞれのスイッチング・サイクルが開始します。PWM調光では、PWM信号がローのときには、スイッチがオフになります。PWM信号がハイになっても、図1に示すように、スイッチは次の発振器のハイからローへの遷移が起動するまで待機する必要があります。この起動遅延は、0から1発振器サイクルの範囲で変化するため、それが達成可能なPWM調光比を制限してしまいます。高PWM調光比が必要な場合、この余分なサイクルが妨げになるということです。

図1. 一般的なLEDドライバ・タイミング図。
図2に示すように、LT3518はコンバータの動作に新たなタイミング方式を採用しています。LT3518は、自走発振器を使用する代わりに、内部発振器を外部PWM信号に整合させます。PWM信号がローの場合、内部クロックは無効化されています。PWMの立上がりエッジ後200nsの固定遅延で内部発振器は起動します。このように、LT3518はPWM入力信号に高速で応答できるため、達成可能なPWM調光比を向上できます。

図2. LT3518タイミング図。
PMOS切断スイッチ・ドライバ
最新のLEDドライバの設計では、PWMのロー時間におけるVCピンへの内部負荷はすべて無効化され、外部補償コンデンサのVCピンの充電状態が維持されます。この機能により、トランジェント回復時間が短縮され、達成可能なPWM調光比を更に向上できます。ただし、降圧/昇降圧モードのLEDドライバで最適なPWM調光比を得るためには、他のICで複数の追加外付け部品を使用し、PMOS切断スイッチを駆動する必要があります。図3に示すように、代表的なPMOS切断スイッチ・ドライバは、NMOSトランジスタおよびレベル・シフト抵抗ネットワーク(R1とR2)で構成されています。このタイプのPMOSドライバは、高速過度応答と高消費電力の間でトレードオフを調整する必要があります。入力電圧とLED電圧の組み合わせが多様であることも、レベル・シフタの設計を困難にしています。

図3. 従来型LEDドライバ用の外付けPMOS切断スイッチ・ドライバ。

図4. LT3518内蔵PMOSドライバ。
対照的に、LT3518にはPMOSドライバが内蔵されており、通常600µAの小さな保持電流で1nFゲート容量のPMOSスイッチを200nsで遷移できます。このように、LT3518はボード・レイアウトを簡素化して部品表を減らし、高速過度応答を得るために高消費電力をトレードオフするというジレンマを回避します。更に、LT3518にはレベル・シフタが内蔵されており、TGピンをISPピンより7V以上低くなるようにします。内蔵PMOSドライバを使用して、フォルト保護を実行することも可能です。入力サージなどのフォルトが検出されると、PWM入力を引き下げてLEDアレイを切断、保護します。
アプリケーション
1線式高PWM調光昇圧LEDドライバ
LEDドライバの多くは、部品が1線式電流源として機能するハイサイド電流検出機能を備えています。昇圧構成でのPWM調光比を向上するため、LEDドライバは通常、ローサイドNMOS切断スイッチに依存しています。そのため、1線式の動作が制限されてしまいます。しかし、LT3518固有の内蔵PMOSドライバでは、高PWM調光比を保ちつつ、昇圧構成で1線式の動作が可能です。図5では、LT3518が昇圧構成で8個の300mA LEDを駆動しています。このセットアップでは、LED列上方に1線を接続するだけで、LED列の他方はどこでもグラウンドに戻ることができます。図6は、このセットアップを使用して取得した1000:1 PWM調光波形を示しています。

図5. LEDオープン保護付きの1線式昇圧300mA LEDドライバ。

図6. PWM周波数120HzかつVIN = 10Vにおける図5のPWM調光波形。
昇降圧PWM LEDドライバ
VINとVOUTの範囲が重複するアプリケーションの場合、昇降圧トポロジが適しています。ローサイド・スイッチを備えたLT3518を昇降圧コンバータとして機能させるには、LED電流をVINに戻す必要があります。そのため、LEDに印加される電圧はVOUT – VINとなります。図7は、オートモーティブ・アプリケーション用の昇降圧PWM LEDドライバを表しています。このセットアップでは、単一のバッテリ入力電圧を8Vから16Vまで変えることができます。6.04kΩのRT抵抗を配置し、システムを2MHzのスイッチングに設定します。これにより、標準的な1MHzのスイッチング周波数よりも高いPWM調光比が実現します。図8に示す3000:1のPWM調光比は、120HzのPWM周波数で実現しています。

図7. オートモーティブ・アプリケーション用昇降圧LEDドライバ。

図8. PWM周波数120HzかつVIN = 12Vにおける図7のアプリケーション回路の3000:1 PWM調光波形。
大電流降圧PWM LEDドライバ
LT3518は、2.3Aスイッチを備えているため、降圧構成で1.5A LEDを駆動できます。大電流LEDを駆動する際は、特に内部消費電力に注意を払う必要があります。高スイッチング周波数と高電力の入力電圧(PVIN)のどちらも、高い消費電力を引き起こし、シリコンを加熱させる傾向にあります。スイッチング周波数が1MHzで、PVINが24Vの場合、図9の回路は図10の波形で示されている1000:1 PWM調光比を実現できます。

図9. 降圧モード1.5A LEDドライバ。

図10. PWM周波数120Hzでの図9のアプリケーション回路の1000:1 PWM調光波形。
降圧構成において、高電力の入力電圧で複数のLEDを駆動する場合、オープンLED保護を検討する必要があります。図11に示すように、昇圧構成とは異なり、出力電圧はグラウンドを基準とした信号にレベル・シフトする必要があります。このように、LT3518固有の定電圧ループが降圧構成の出力電圧を規定値に調整することにより、LEDを保護することができます。

図11. 降圧構成用のオープンLED保護セットアップ。
まとめ
LT3518は、大電流、高電圧、かつ高精度のLEDドライバとして、様々なトポロジで高いPWM調光比を実現します。LT3518の汎用性、簡潔性、そして信頼性は、多くのLEDアプリケーションにとって大変有用です。LT3518は、小フットプリントのQFN UF16パッケージとリード付きFE16パッケージで提供しています。LT3518は、定電圧と定電流の両アプリケーションに対し、フル機能のソリューションを提供します。
著者について
{{modalTitle}}
{{modalDescription}}
{{dropdownTitle}}
- {{defaultSelectedText}} {{#each projectNames}}
- {{name}} {{/each}} {{#if newProjectText}}
-
{{newProjectText}}
{{/if}}
{{newProjectTitle}}
{{projectNameErrorText}}