心拍/フィットネスモニタの設計のための重要な検討事項

2010年11月23日

要約

このアプリケーションノートは心拍/フィットネスモニタの種類を説明し、それらの各モニタによって収集されるデータの種類に焦点をあてます。また、USBおよびRF送信などのデータ通信とこれらのポータブル、バッテリ駆動機器における低電力設計の重要性についても議論します。

概要

フィットネスモニタは、個人の体力向上を目的として身体活動を追跡し、記録します。これは、心拍数、体温、距離、時間など、多数のパラメータを検出または測定することによって行います。腕時計型装置は、そのような情報を収集してユーザーに表示します。心拍数測定用の胸部ストラップは、鼓動と、場合によっては体温を測定し、心臓信号を調整してからデータ変換を行い、そのデータを腕時計型ディスプレイに無線送信します。オプションの靴に装着するフットポッドは、走者の歩調を測定して移動距離を算定し、そのデータを腕時計型ディスプレイに無線送信します。フィットネスモニタの中には、GPSを利用して移動距離を測定するためにフットポッドが不要なものもあります。

心拍/フィットネスモニタ
心拍/フィットネスモニタ

設計パラメータ

腕時計型装置は、運動をリアルタイムで監視し、結果をオンボードメモリデバイスやMCU内に記録します。腕時計型装置では、USBケーブルを使用して、またはPCのUSBポートに差し込んだドングル経由の無線通信によって、このデータをPCにアップロードします。

RFトランスミッタは、電源が小型バッテリであり、FCC (連邦通信委員会)の規制もあるため、消費電力が小さいことが求められます。送信距離が通常は2m足らずであるとしても、トランスミッタの消費電力が小さい場合は、データ転送の信頼性を確保するために優れたアンテナ設計が極めて重要になります。このアプリケーションでは、FSKよりも感度が高いために低電力での送信が可能なASK送信が推奨されます。送信時間を最大限に短縮してデューティサイクルを引き下げ、送信ごとにトランスミッタの電源を切断することで、さらに電力を節約することができます。

フィットネスモニタの個々の要素は、PCドングル以外はすべてユーザーが身に付け、バッテリで駆動します。そのため、小型と低消費電力が設計上重要なパラメータになります。心拍数測定用の胸部ストラップや靴に装着するフットポッドは、通常、1次ボタン電池を電源とします。腕時計型ディスプレイは、1次ボタン電池、またはACアダプタやUSBケーブルで充電可能な充電式バッテリで給電することができます。腕時計型ディスプレイには、バックライトオプションを備えた単純なセグメントLCDが使用されます。

心拍/フィットネスモニタのファンクションブロックダイアグラム。マキシムが推奨する心拍/フィットネスモニタのソリューションの一覧については、https://www.maximintegrated.com/jp/markets/healthcare/wearable.htmlをご覧ください。
心拍/フィットネスモニタのファンクションブロックダイアグラム。マキシムが推奨する心拍/フィットネスモニタのソリューションの一覧については、https://www.maximintegrated.com/jp/markets/healthcare/wearable.htmlをご覧ください。

著者について

John DiCristina

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