要約
このアプリケーションノートでは、設計内のTDA5200またはTDA5201をMAX1470スーパーヘテロダインレシーバに変更するために必要な手順を段階的に説明します。
既存のInfineonレシーバボードをMAX1470に変更し、その独自の機能を活用することを検討しているお客様には、このアプリケーションノートは最適です。図1 は、433.92MHzの信号を受信するためにチューニングされた標準的なTDA5200/TDA5201ベースの回路と、このTDA5200/TDA5201レシーバボードをMAX1470にアップグレードするのに必要となる4つの簡単なステップを示しています。
必要な機器/部品は以下のとおりです。
- お客様が組み立てたレシーバボード
- はんだごて
- MAX1470 IC
- 6.6128MHz (433.92MHzの動作)、または4.7547MHz (315MHzの動作)の水晶
- 2 x 100pFおよび1 x 3.0pFのコンデンサ(433.92MHzの動作用)、または2 x 100pFおよび1 x 4.7pFのコンデンサ(315MHzの動作用)
- 1 x 68nHおよび2 x 15nHのインダクタ(433.92MHzの動作用)、または1 x 15nH、1 x 27nH、および1 x 120nHのインダクタ(315MHzの動作用)
または米国マキシム本社+1 (408) 601-1000内線6503までお電話にてコンバージョンキットをお求めください。その際に動作周波数を指定してください。なお、英語での対応となりますのでご了承ください。
図1. 標準的なTDA5200ベースの回路(433.92MHz)および4つの変換ステップ
この変換に必要な4つの簡単なステップを以下に説明します。
- 電源電圧:MAX1470は3.3Vの電源を必要とします。TDAの5V電源をMAX1470ベースの回路に接続しないように特に注意してください。
- ICおよびXTAL (水晶)発振器:TDA5200をMAX1470に取り替えます。MAX1470 PLLは、433.92MHzの受信周波数用にXTALが6.6128MHzになるように、64xクロック分周器を使用します。使用する水晶によって、コンデンサC15とC16は異なる場合がありますが、これは、負荷容量の違いのため、その規定の動作周波数から外れた水晶を補正するためです。これは水晶プリングと呼ばれています。詳細については、アプリケーションノート1017 「MAX1470スーパーヘテロダインレシーバ用の水晶発振器の選び方」を参照してください。
- 入力マッチングとインダクタへの変更:MAX1470ベースの設計は、C1、C2、C3、L1の代わりに直列100pFコンデンサと直列68nHインダクタを使用します。さらに、C5を15nHインダクタに変更します。C3とC5コンデンサの代わりに、2つの新しいインダクタを配置する必要があります。表1に記載する値は公称ですが、PCボードのトレースによって影響を受けるため、若干のチューニングが必要となる場合があります。
- LCタンクとミキサ入力:L2、C6、C8は、表1に挙げた値に変更する必要があります。先ほども述べたとおり、記載された値は公称ですが、PCボードのトレースによって影響を受けるため、若干のチューニングが必要となる場合があります。
表1は、すべての部品変更のリストです。必要事項として記述していませんが、抵抗R2とR3は、部品数を低減するために取り除くことができます。
Infineon Circuit | Maxim Circuit | |
Supply | 5V | 3.3V |
IC | TDA5200/1 | MAX1470 |
XTAL | 13.2256MHz | 6.6128MHz (433.92MHz), 4.7547MHz (315MHz) |
R1 | 100K | Unchanged |
R2 | 120K | None |
R3 | 180K | None |
L1 | 15nH | None |
L2 | 10nH | 15nH (433.92MHz) 27nH (315MHz) |
C1 | 1pF | 100pF |
C2 | 4.7pF | None |
C3 | 6.8pF | L=68nf (433.92MHz) 120nH (315MHz) |
C4 | 100pF | Unchanged or 10nF |
C5 | 47nF | L=15nH |
C6 | 8.2pF | 3.0pf (433.92MHz) 4.7pF (315MHz) |
C7 | 100pF | Unchanged |
C8 | 100pF | 100pF |
C9 | 100pF | Unchanged |
C10 | 10nF | Unchanged |
C11 | 10nF | Unchanged |
C12 | 220pF | Unchanged |
C13 | 47nF | Unchanged |
C14 | 470pF | Unchanged |
C15 | 15pF | Unchanged |
C16 | 8.2pF | 15pF |
結果として得られる回路を 図2 に示します。
図2. 標準的なMAX1470ベースの回路(433.92MHz).
タンクのチューニングとアンテナのマッチングを正しく実行すれば、-112dBm (315MHz)または-108dBm (433.92MHz)を超える感度を期待することができます。イメージ除去は、通常、315MHzで53dB、および433.92MHzで35dBです。
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