要約
LDO (低ドロップアウトリニアレギュレータ)をスイッチングレギュレータに置き換えることにより、3.3Vの入力から1.5V/3Aの出力を生成することができます。また、スイッチングレギュレータは、無駄の多いLDO設計の45%効率と比較して最大87%効率を上げる環境にやさしい「グリーン」デザインも提供します。既存のLDO設計の基板スペースは通常限られており、ほとんどの場合、スイッチングレギュレータには小さすぎます。MOSFET内蔵のスイッチングレギュレータMAX8505は16ピンQSOPパッケージで提供され、LDO実装面積に収まります。
今日、効率は大変重要になってきています。エネルギー価格の上昇および地球温暖化に対する関心の高まりに伴い、高効率の「グリーン」回路設計は、より低コストの動作をもたらし、環境への影響を減らします。
低コストが求められるアプリケーションでは、3.3Vの入力から1.5V/3Aの出力を生成するには、LDOが一般的な選択肢です。LDOでは電力消費が大きいため(5.4W)、一般的にTO220またはD2PACのパッケージを選択する必要があります。エネルギー消費を減らすために、ローエンドのサーバ設計でLDOがスイッチングレギュレータに置き換えられ始めました。しかし、既存のLDOの基板スペースは限られていることが多く、ほとんどの場合、スイッチングレギュレータ全体を収めるには小さすぎます。たとえば2つの1206セラミックコンデンサを搭載したD2PAC LDOレギュレータの場合、約18mm x 14mmを占有します。このような狭い領域にスイッチングレギュレータを収めることは容易ではありません。外部MOSFETを必要とする場合にはさらに難しくなります。
MAX8505は、ハイサイドとローサイドの両方のMOSFETを16ピンQSOPパッケージ(5mm x 6.5mm)に収めた高周波PWMステップダウンスイッチングレギュレータです。スイッチング周波数が1MHzであるため、入力と出力の両方のフィルタリングで小型のインダクタとセラミックコンデンサを使用することができるようになり、実装面積は非常に小さくなっています。図1にMAX8505の全体回路を示します。MAX8505は、5Vまたは3.3Vのいずれの入力も受け入れて、3Aで1.5Vの出力を生成します。標準的なピーク過渡電流は5.6Aです。主要な回路部品は16mm x 14mmの実装面積に収まり、LDOよりさらに小さな実装面積を達成しています。このデバイスは、総消費電力がわずか0.67Wで、LDOに比べてほぼ5Wの電力を節約します。表1は、0.9V、1.5V、2.0V、および2.5V出力のフィードバック抵抗値を表したものです。
図1. MAX8505の内部スイッチステップダウンレギュレータの回路
表1. 特定の電圧出力での抵抗値
VOUT | R3 | R2 |
0.9V | 10kΩ | 1.24kΩ |
1.5V | 10kΩ | 8.66kΩ |
2.0V | 10kΩ | 15kΩ |
2.5V | 10.5kΩ | 22.1kΩ |
図2は、参考用としてD2PACパッケージを右側に配置した、MAX8505 PCBレイアウトの最上層を示しています。PCBの最上層には最大の部品である、MAX8505、L1、C1、C2、およびC4が搭載されています。その他の7つの小さな部品(0603パッケージ)は、基板の反対側に配置されていますが、これらの配置については、あまり気にする必要はありません。
図2. 比較のためD2PACデバイスを横に配置したMAX8505スイッチングレギュレータの写真
表2は、LM317、MAX8505、および外部MOSFETを備えた標準的なコントローラについて、電力消費、実装面積、および外付け部品の合計数を比較したものです。MAX8505の基板スペースが最小であり、最大効率が得られています。ステップ負荷の過渡応答を図3に示します。図4に示す出力リップル電圧は10mV未満です。表3に、MAX8505の部品表を示します。
表2. LM317 LDO、MAX8505、および外部MOSFETを備えた標準的なコントローラICの比較
Parameters | LDO (LM317) | MAX8505 | Typical Controller IC |
Efficiency (%) | 45.5 | 87 | 76 |
Power Dissipation (W) | 5.4 | 0.67 | 1.42 |
Total Components | 5 | 12 | 11* |
Area (mm x mm) | 18 x 14, Single Side | 16 x 14, Double Side | – |
Conditions: 3.3V to 1.5V at 3A, design for adjustable output | |||
* 11 components are needed to achieve less than 10mV output ripple voltage. |

図3. ステップ負荷の過渡応答:0.5A~2A~0.5A
図4. Lxのスイッチング波形と出力リップル電圧
表3. MAX8505の部品表
Designation | QTY | Description | Part Number |
C1 | 1 | Input capacitor, 1206 | 10µF/6.3V |
C2 | 1 | Output capacitor, 1210 | 47µF/6.3V |
C3 | 1 | Decoupling capacitor, 0603 | 0.1µF/6.3V |
C4 | 1 | Snubber capacitor, 0603 | 3300pF/50V |
C5 | 1 | Compensation capacitor, 0603 | 220pF/50V |
C6 | 1 | Decoupling capacitor, 0603 | 0.22µF/6.3V |
R1 | 1 | Compensation resistor, 0603 | 51.1kΩ, 1% |
R2 | 1 | Voltage set resistor, 0603 | See Table 1 |
R3 | 1 | Voltage set resistor, 0603 | See Table 1 |
L1 | 1 | 2.2µF/7A SMD inductor, 6.3mm x 6.2mm x 2.5mm | Toko |
D1 | 1 | Small signal diode | 1N4148 or CMDSH-3 |
IC1 | 1 | 3A internal switch regulator | MAX8505 |
この記事に関して
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