ソフトウェアの概要
Windows互換のTEConcept CT GUIソフトウェアはIODDファイルのインポート機能を備えており、USBを介してPCに接続します。このソフトウェアは、MAXREFDES79のウェブページにある「Design Resources」タブからダウンロードできます。TEConcept CTソフトウェアの画面を図3に示します。このソフトウェアの使い方をステップバイステップで示したクイック・スタート・ガイドも、MAXREFDES79ページの「Design Resources」タブからダウンロードできます。
図3. MAXREFDES37 TEConcept CTツール
ファームウェアの詳細
MAXREFDES37は、すぐに使用できるIO-Linkサーボ・ドライバとして予めプログラムされた状態で出荷されます。ファームウェアはルネサスRL78マイクロコントローラをターゲットとしており、図4に示すシンプルなフローチャートに従っています。このファームウェアは、IARシステムズのIAR Embedded Workbenchを使ってCで書かれ、TMG TEのIO-Linkデバイス・スタックを利用しています。
図4. MAXREFDES37#ファームウェアのフローチャート
プラグイン後、MAXREFDES37はIO-Linkマスタからのウェイクアップ信号を待ちます。ウェイクアップ信号を受信すると、MAXREFDES37はIO-Linkマスタの2304kbpsのボー・レート(COM3)に同期します。通信パラメータをやり取りした後、MAXREFDES37はIO-Linkマスタにセンサー・プロセス・データを送ることにより、2msごとに周期的なデータ交換を開始します。センサーが取り外された場合、IO-Linkマスタは取り外されたセンサーを検出します。
ユースケースの詳細
MAXREFDES37を購入する前に考慮すべきユースケースは2種類有ります。ユースケース1は、MAXREFDES37を単純に使用することです。MAXREFDES37は、図5に示すようにユーザが用意したIO-LinkマスタとIO-Linkケーブルに接続できるよう、予めプログラムされています。ユースケース2は、図6に示すように総合的なファームウェア開発システムが必要な場合です。
図5. ユースケース1はMAXREFDES37クイック・スタート・システム
表1. ユースケース1に必要な推奨コンポーネント
ユースケース1(MAXREFDES37クイック・スタート・システム)
社名
名称
発注部品番号
マキシム・インテグレーテッド
IO-Linkサーボ・ドライバ
(プログラムされた状態で出荷)
同梱:HiTec HS-53サーボ・モータ
MAXREFDES73
マキシム・インテグレーテッド
USB IO-Linkマスタ
(2本のIO-Linkケーブルを同梱)
MAXREFDES79
図6. ユースケース2はMAXREFDES37ファームウェア開発システム
表2. ユースケース2に必要な推奨コンポーネント
ユースケース2(RL78/G13開発システム -- RL78/G13用ルネサス・スタータ・キット)
社名
名称
発注部品番号
ルネサス・エレクトロニクス
RL78/G13用ルネサス・スタータ・キット
RL78 & E1プログラマ/デバッガ用IAR Embedded Workbenchを含む
YT0KR50100LS000BE
マキシム・インテグレーテッド
IO-Linkサーボ・ドライバ
(プログラムされた状態で出荷)
HiTec HS-53サーボ・モータを含む
MAXREFDES37
マキシム・インテグレーテッド
USB IO-Linkマスタ
(2本のIO-Linkケーブルを同梱)
MAXREFDES79
マキシム・インテグレーテッド
E1-MAXREFDES37アダプタ・ボード
MAXREFDES23DB#
RL78/G13の詳細や不明な点についてはルネサス・エレクトロニクスへお問い合わせください。
クイックスタート
必要な装置:
マキシム・インテグレーテッドから購入:
MAXREFDES37(ボックス内容)
MAXREFDES37ボード(注1を参照)
HiTec HS-53
ユーザが調達
Windows 7またはWindows 8のUSBポート付きPC
MAXREFDES79# USB IO-Linkマスタ(注1を参照)
該当するMAXREFDES37クイック・スタート・ガイドをダウンロードしてよく読み、その内容に従ってください。
ラボでの測定
使用する装置:MAXREFDES37のクイック・スタートに使用する装置とまったく同じです。
HiTec HS-53サーボ・モータを0°に駆動するMAXREFDES37のPWM信号のスクリーンショットを図7に示します。図8は、HiTec HS-53サーボ・モータを90°に駆動するMAXREFDES37のPWM信号のスクリーンショット、図9は20ms幅でのMAXREFDES37のPWM信号のスクリーンショットです。図10は、ダイナミック・サーボ・ドライブ・モードとサーボ・モータ数を様々に変化させた場合のMAXREFDES37の24Vライン電流を示したグラフです。
図7. サーボ1の値を-100、サーボ1のトラベル・パラメータを1000としたプロセス・データを使って、HiTec HS-53サーボ・モータを0°に駆動する場合(1msのPWMハイ時間)のMAXREFDES37のPWM信号のスクリーンショット
図8. サーボ1の値を100、サーボ1のトラベル・パラメータを1000としたプロセス・データを使って、HiTec HS-53サーボ・モータを90°に駆動する場合(2msのPWMハイ時間)のMAXREFDES37のPWM信号のスクリーンショット
図9. 20ms幅でのMAXREFDES37のPWM信号のスクリーンショット
図10. 条件とサーボ・モータ数を様々に変えた場合の室温におけるMAXREFDES37の24Vライン電流(表3)
表3. 図10の測定条件
番号(数量)
24Vピーク電流(mA)
条件 | グローバル:MAX17504=PFMモード
1
4
反転0、トリム0、トラベル1000、モード = ノーマル、サーボ未接続、IO-Link接続
2
12
反転0、トリム0、トラベル1000、モード = ノーマル = サーボ動作なし、HS-53を1つだけH1に接続
3
24.7
反転0、トリム0、トラベル1000、モード = (1)三角波 - 低速、HS-53を1つだけH1に接続
4
26.5
反転0、トリム0、トラベル1000、モード = (2)三角波 - 高速、HS-53を1つだけH1に接続
5
32
反転0、トリム0、トラベル1000、モード = (3)矩形波、HS-53を1つだけH1に接続
6
32
反転0、トリム0、トラベル1000、モード = (4)鋸歯波 - 立上がり、HS-53を1つだけH1に接続
7
32
反転0、トリム0、トラベル1000、モード = (5)鋸歯波 - 立下がり、HS-53を1つだけH1に接続
8
15
反転0、トリム0、トラベル1000、モード = (0)ノーマル(動作なし)、1つのHS-53をH1に接続、もう1つのHS-53をH2に接続
9
46
反転0、トリム0、トラベル1000、モード = (1)三角波 - 低速、1つのHS-53をH1に接続、もう1つのHS-53をH2に接続(両方のサーボが同じモードで動作)
10
56
反転0、トリム0、トラベル1000、モード = (2)三角波 - 高速、1つのHS-53をH1に接続、もう1つのHS-53をH2に接続(両方のサーボが同じモードで動作)
11
70
9
46
反転0、トリム0、トラベル1000、モード = (1)三角波 - 低速、1つのHS-53をH1に接続、もう1つのHS-53をH2に接続(両方のサーボが同じモードで動作)
10
56
反転0、トリム0、トラベル1000、モード = (2)三角波 - 高速、1つのHS-53をH1に接続、もう1つのHS-53をH2に接続(両方のサーボが同じモードで動作)
12
68
反転0、トリム0、トラベル1000、モード = (5)鋸歯波 - 立下がり、1つのHS-53をH1に接続、もう1つのHS-53をH2に接続(両方のサーボが同じモードで動作)
参考資料/事項
IO-Link System Description 2013 by IO-Link Company Community(IO-Link企業コミュニティによるIO-Link解説2013)、3ページ、序文
IO-Linkはifm electronic GmbH登録商標です。
WindowsはMicrosoft Corp.の登録商標および登録サービス・マークです。
RenesasはRenesas Electronics Corporationの登録商標および登録サービス・マークです。