Battery Fuel Gauge: バッテリ残量ゲージ
Battery Fuel Gaugeとは
意味
バッテリ残量ゲージ(バッテリ・ガスゲージ)とは、バッテリに追加されるかバッテリから除去される累積エネルギーを測定する機能またはデバイスであり、バッテリの充電レベルを高精度で見積もることができます。
バッテリ残量ゲージの実装方法
バッテリ・システムは、ホスト側の残量ゲージまたはパック側の残量ゲージを使用して設計できます。
上図では、ホスト側の残量ゲージがホスト・システムに内蔵され、アプリケーション・プロセッサに接続されています。残量ゲージをバッテリ内に配置するのではなく、アプリケーション回路の一部として実装すると、バッテリが安価になり、交換も容易になります。
上図では、パック側の残量ゲージがバッテリ・パックに内蔵され、セルに接続されています。セルと残量ゲージが接近しているため、充電状態のレポートの精度向上やソリューション・サイズの小型化などの利点があります。
残量ゲージの仕組み
バッテリ残量ゲージには、主にクーロン・カウントとオープン回路電圧(OCV)測定という2つの方式があります。
クーロン・カウントは、バッテリに出入りする電荷を測定することによって、電荷の使用量を推定するプロセスです。この方式は短期間であれば良好に機能しますが、時間の経過とともに小さなドリフト誤差が継続的に増大します。これらの誤差を修正する場合は、バッテリを定期的に完全充放電する必要があります。
バッテリの充電状態(SOC)を監視するもう1つの方法は、オープン回路電圧を測定することです。OCVは、現在の電圧を測定し、バッテリの特性評価と過去の電圧履歴を使用してそのバッテリ・モデルのリアルタイム・シミュレーションを実行することで推定されます。OCVは安定的にバッテリのSOCに関係しているため、OCVを使用してSOCを決定することができます。この方式は、時間の経過に伴う容量のドリフトに影響されないためより高精度です。また、電流検出抵抗を必要としないため、消費電力も抑えられます。
クーロン・カウントは短期間の精度に優れ、OCVは長期間の精度に優れています。さまざまなアプリケーションでより優れた結果を実現するために、これら2つの方式をModelGaugeなどのアルゴリズムと組み合わせることができます。ModelGaugeはOCVアルゴリズムを使用して、電圧ベースの残量ゲージの安定性を維持しながら、クーロン・カウンタによって発生するオフセット誤差を定期的に除去します。
使用すべきバッテリ残量ゲージのタイプは、アプリケーションによって異なります。