製品概要

機能と利点

  • 絶縁型DC/DCコンバータを内蔵し、CANフレキシブル・データ・レート(CAN FD)通信ポートに対応
  • 絶縁型補助デジタル・チャンネルによるバス終端のランタイム設定
  • 低消費電力のスタンバイ状態とリモート・ウェイクアップ要求に対応
  • Arduinoに対応したフォーム・ファクタ

製品概要

EVAL-ADM3055E-ARDZはArduino Unoに対応したシールドで、フレキシブル・データ・レート対応の絶縁型コントローラ・エリア・ネットワーク(CAN FD)の通信ポートに使用できます。この回路は、シリアル・ペリフェラル・インターフェース(SPI)を介してローカル開発プラットフォームとインターフェース接続できるので、新規の設計や既存の設計にフィールド・バス通信を追加するための簡便な方法として使用できます。EVAL-ADM3055E-ARDZにより、最新の複数ノードCAN FDネットワークに必要とされる帯域幅の広いCAN FDデータ・レート(最大8Mbps)と、工業用環境において必要とされる強固な電磁両立性(EMC)の両方を実現できます。

この回路は、ADM3055Eトランシーバーに内蔵された絶縁型補助デジタル・チャンネルを使用し、バス終端のランタイム設定を行います。この切替え可能な終端回路では、CAN FDバス・ライン間に、コモンモード・フィルタリング・コンデンサを備えた120Ωの分割終端が接続されています。終端が切替え可能であるため、CAN FDバスが物理的に変更された場合に終端位置を即座にソフトウェア設定できます。切替え可能な終端を使用することで、各ノードは機械的な変更を行わずに物理的な任意の位置で使用でき、ソフトウェアによってネットワーク内の終端位置を追跡することができます。

また、この回路は開発プラットフォームによって低消費電力のスタンバイ状態に設定できます。スタンバイ状態では、絶縁型CAN FD通信ポートが、リモートCAN FDノードからCAN FDバスにリモート・ウェイクアップ要求が送信されていることを開発プラットフォームに通知します。

ADM3055E CAN FDトランシーバーの回路では、ノードとCAN FDバス間において信号と電源の絶縁が強化されています。CAN FDバスへの電気的な接続には、スクリュー端子またはCAN CiA 303-1オスDサブ9ピン・ポートが使用できます。ADM3055Eトランシーバーには絶縁型DC/DCコンバータが内蔵されているため、CAN FDバスに電源を外付けする必要はありません。ここに示す例ではCAN FDネットワークに焦点を置いていますが、この回路は従来のCANネットワークに対し下位互換性があります。