バッテリドレインを測定するシンプルな回路

要約

バッテリドレインを測定するためにコンパレータとリファレンスを使うシンプルなテスト回路。

ポータブルシステムのバッテリ寿命を測定するのは時間のかかる作業であり、バッテリ放電を加速する手法は信頼性の高い結果をもたらしません。通常アプローチで、バッテリ放電点まで製品を動作させ経過時間を単純に測定します。実験室の装置をつなげる余裕があれば、そのようなシステムをいくつか並列して動作させることで明らかにより多くのデータが得られます。

回路部品にかかわるデータシート仕様からバッテリ寿命を入手することはできますが、計算値は、実際の動作時間よりもかなり短い場合が通常です。電流ドレイン仕様は低電力IC向けに抑え気味になっている場合が多く、なぜなら低消費電流を容易に測定することができない高速機器で試験が行われているからです。多くの電子パラメータと異なり、バッテリ寿命は(多くの場合)、保証された最小値としてよりは現実的な標準値としてよく仕様化されます。

映画「Chinatown」によって、通常こういった作業で必要となる高価なデータ収集システムとチャートレコーダのシンプルな代替品が生まれました。(ジャック・ニコルソンが、好きなときに戻り出発時刻を確認できるように駐車してある車のタイヤ下に安い時計を置きました。)同様のトリックは、安い(しかし低電力の)クロックと低電力コンパレータ/リファレンス回路を結び付けました(図1)。

図1. この安価なクロックはバッテリ駆動ポータブルシステムの動作時間のトラッキングを行います。バッテリ電圧(または選択された出力)がR1で設定された放電スレッショルドを下回ると、停止したクロックは経過動作時間を得ます。

図1. この安価なクロックはバッテリ駆動ポータブルシステムの動作時間のトラッキングを行います。バッテリ電圧(または選択された出力)がR1で設定された放電スレッショルドを下回ると、停止したクロックは経過動作時間を得ます。

クロックは、$9.95で「partus quartz alarm」に、またその他あらゆるドラッグストアスタイルの非ディジタルのバッテリ駆動アナログクロックになりえます。IC1はCMOSコンパレータ/リファレンス回路で、クロックへの電源ゲートとなります。このICの低電流ドレイン(4µA)によって試験下の回路から電力を直接とることができます。なぜ入力端子からクロックに給電しないのでしょうか。なぜならそのように正確に動作しないからです。クロックはステッパモータを備え、短いサージで電流を消費し、振幅は100maの高さになります。お見せしている回路では、クロックの入力端子における大型のフィルタコンデンサはこの問題を解決しませんでした。

試験回路のバッテリ電圧(または希望であれば出力電圧)が、選択したスレッショルド以下になると、コンパレータ出力はローに振幅しQ1をオフにし、クロックへの電源を取り除きます。アクティブでないクロックは、試験前に12:00に設定しておくと、次に動作時間を読み込みます。

動作スレッショルド電圧を設定するためには電源を入力端子に接続し、回路が単に動作する最小電圧に調整してください。クロックが単に動作を停止するようにR1を調整してください。次に、電源を取り除き、クロックを12:00に設定し、試験回路を接続し家に帰ります。