MAX9259/MAX9260のSerDesチップセットを評価するための適切な電源ジャンパ設定

要約

このアプリケーションノートでは、MAX9259EVKITとMAX9260EVKITの各基板に適切な電源ジャンパ設定について説明します。最も広く使用されている5つのジャンパ構成を取り上げます。ジャンパが正しく設定されていると、シリアライザ/デシリアライザ(SerDes)チップセットであるMAX9259/MAX9260とEVキットをUSBや外部電源による損傷から守ることができます。

シリアライザ/デシリアライザ(SerDes)チップセットのMAX9259/MAX9260は、ギガビットマルチメディアシリアルリンク(GMSL)技術を採用しています。この技術には高度な機能群が備わっているため、MAX9259EVKIT/MAX9260EVKITには多くのジャンパが搭載されています。

通常、ジャンパ設定は主にチップセットの機能に影響を与えます。ただし、不適切なジャンパ設定を組み合わせると、MAX9259EVKITとMAX9260EVKITに損傷を与える可能性もあります。たとえば、MAX9259EVKITのJU9ポジションが2-3で、JU10にシャントを取り付けると、USBコネクタで電源を投入したときに、インダクタL101に損傷を与える可能性があります。このような損傷を避けるには、MAX9259EVKIT/MAX9260EVKITの電源をオンにする前にジャンパ設定を確認してください。

表1は、MAX9259EVKIT JU9-JU10およびMAX9260EVKIT JU10-JU11の設定において最も広く使用されている5つのジャンパ構成について説明しています。表は、さまざまな電源オプションを提示しており、設計者は自分の設計に特有の要件を使用することができます。

表1. 最も広く使用されている5つのジャンパ構成
Configuration Power Supply Shunt Position
MAX9259EVKIT MAX9260EVKIT
JU10 JU9 JU11 JU10
1 Both EV kits powered by MAX9259EVKIT USB connector Installed 1–2 1–2 Installed
2 Both EV kits powered by MAX9260EVKIT USB connector Open 1–2 1–2 Installed
3 MAX9259EVKIT powered by USB connector; MAX9260EVKIT powered by external power supplies Installed 1–2 Open Open
4 MAX9259EVKIT powered by external power supplies; MAX9260EVKIT powered by USB connector Open Open 1–2 Installed
5 Both EV kits powered by external power supplies Open 2–3 2–3 Open

MAX9259EVKIT回路図の電源部は図1に示されています。またMAX9260電源部は図2に示されています。

図1. MAX9259EVKIT回路図の電源部

図1. MAX9259EVKIT回路図の電源部

図2. MAX9260EVKIT回路図の電源部

図2. MAX9260EVKIT回路図の電源部

EVキット上のS/PDIF-I2Sコンバータやオーディオデジタル-アナログコンバータ(DAC)のようなオーディオ周辺機器を初期化するマイクロコントローラは、USB+5Vから電力を得ます。このためオーディオI2S機能を用いてMAX9529/MAX9260を評価するには特別な注意が必要です。この機能は、表1のジャンパ構成3~5を利用することで得られます。USB+5Vでマイクロコントローラの電源を投入するには、5Vの外部電源が必要です。