PONコントローラDS1863/DS1865のマニュアルモードにおけるバイアスDACのプログラム方法

要約

このアプリケーションノートは、PONコントローラDS1863/DS1865の内蔵バイアスDACをマニュアルモードでプログラムする方法について説明します。

はじめに

PONコントローラDS1863およびDS1865には、マニュアルモードまたはオートモードで動作する13ビットのバイアスDACが内蔵されています。このアプリケーションノートは、マニュアルモードでDACをプログラムするための手順を説明します。

バイアスDACの制御

BIAS-ENビット(テーブル02h、レジスタ80h)に0が書き込まれている場合、バイアスDACはMAN IBIASレジスタ(テーブル02h、レジスタF8h〜F9h)によってマニュアル制御されます。

MAN IBIASレジスタは14ビットのレジスタであり、次のような構成になっています。

MAN IBIASレジスタ

F8h Reserved Reserved 212 211 210 29 28 27
F9h 27 26 25 24 23 22 21 20
  Bit 7             Bit 0

マニュアルモードにおけるプログラミング

バイアスDACレジスタのプログラムを行うためには、パスワードレベル2のアクセス権が必要です。また、BIAS-ENビットに0をセットする必要があります。値を変更するには、MAN_CNTLレジスタ(テーブル02h、レジスタFAh)を使用して、MAN IBIASの値をレジスタ経由でバイアスDACに送り込みます。すなわちDACの書込み手順は次のようになります。

  1. 書込みコマンドでMAN IBIASの値を書き込む。
  2. 独立した書込みコマンドでMAN_CLKビットに1をセットする。
  3. 独立した書込みコマンドでMAN_CLKビットを0でクリアする。

14ビットのレジスタによる13ビットDACのプログラミング

MAN IBIASレジスタは14ビットですが、バイアスDACの分解能は13ビットしかありません。MAN IBIASレジスタの27ビット(レジスタF9hのビット7とレジスタF8hのビット0)が冗長になっています。次のような形でロールオーバが発生します。

  • 0000hから3FFFhまでDAC値を増大させる場合

    レジスタF9hを使用してDACの下位8ビットがインクリメントされます。レジスタの値がFFhに達すると、レジスタF8hが1ビットだけインクリメントされ、レジスタF9hに80hがセットされてインクリメントが開始されます。すべてのビットが1になるまでこのプロセスが繰り返されます。

  • 3FFFhから0000hまでDAC値を減少させる場合

    レジスタF9hを使用してDACの下位8ビットがデクリメントされます。レジスタの値が00hに達すると、レジスタF8hが1ビットだけデクリメントされ、レジスタF9hに7Fhがセットされてデクリメントが開始されます。両方のレジスタのすべてのビットが00hになるまでこのプロセスが繰り返されます。

結論

ここで示したプログラミング手順によって、PONコントローラDS1863/DS1865のバイアスDACを制御することができます。

著者

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Hrishikesh Shinde