マイクロコントローラを使用せずにマキシムのLIUを設定
要約
このアプリケーションノートでは、ほとんどの場合に複雑となるマイクロコントローラの外付け回路を追加せずに、マキシムのラインインタフェースユニット(LIU)を設定する方法について説明します。
LIUの設定
一部のマキシムのラインインタフェースユニット(LIU)は、マイクロコントローラがなくても設定することが可能です。これらの独特なLIUには、従来のパラレルポートの他に特別なシリアルインタフェース(SPI)が備わっています。LIUをSPIスレーブモードにするためには、特定のLIUピンを浮いたままにして、VCCにプルアップするか接地します。特定のピン配置については、LIUのデータシートを参照してください。
LIUがシリアルモードになれば、PROMを使用して、設定に必要な特定のデータをLIUに提供することができます。PROMのデータが規定の方法でフォーマットされている場合、PROMはマスターモードのSPIインタフェースを備えたコントローラのように動作します。
このタイプの設定に通常使用されるPROMは、内部にアドレスアキュムレータを備えています。PROMがこのアキュムレータ機構を備えていることは重要です。PROMは設定メモリ内の次の利用可能アドレスに自動的にジャンプする必要があるからです。ここでは、オートインクリメントアドレス機能付きのバイト幅不揮発性メモリを備えたザイリンクス社製XC18V00デバイスファミリをお勧めします。これらのデバイスは、1Mb、2Mb、および4Mbの密度で提供されています。
図1は、SPIバスの一般的なタイミング関係を示します。このケースでは、すべてのデータは、SCLKの立上りエッジに同期してスレーブデバイスに入力されます。この機能は一部のデバイスで設定可能です。詳細については、デバイスのデータシートをご確認ください。
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図1. 書込みアクセスの場合のシリアルポートの動作
図2は、ザイリンクス社製XC18V00デバイスとマキシムのLIU (SPIモード)の略図です。次の2つの重要な点に留意してください。
- ザイリンクス社製XC18V00のCLKはLIUのMCLKになることができますが、CLKはSPIインタフェースのSCLKではありません。SCLKは必要に応じてプログラムすることができます。メモリマップの例については、表1を参照してください。
- ザイリンクス社製XC18V00のOEがハイになったときにLIUのプログラミングが開始されます。したがって、アプリケーションで遅延が必要かどうかを考慮しなければなりません。一般には、OEピンをパワーアップデバイスに接続すれば十分です。

図2. SPI-LIU間の接続図
表1. メモリ設定 | ||||||||
D7 | D6 | D5 | D4 | D3 | D2 | D1 | D0 | |
Address | CSB | SCLK | SDI | X | X | X | X | |
0x00 | 1 | 0 | 0 | Start of Write Cycle | ||||
0x01 | 0 | 0 | 0 | Bit A0 (Always a "0" for a write) | ||||
0x02 | 0 | 1 | 0 | |||||
0x03 | 0 | 0 | 1 | Bit A1 | ||||
0x04 | 0 | 1 | 1 | |||||
0x05 | 0 | 0 | 0 | Bit A2 | ||||
0x06 | 0 | 1 | 0 | |||||
0x07 | 0 | 0 | 0 | Bit A3 | ||||
0x08 | 0 | 1 | 0 | |||||
0x09 | 0 | 0 | 0 | Bit A4 | ||||
0x0A | 0 | 1 | 0 | |||||
0x0B | 0 | 0 | 0 | Bit A5 | ||||
0x0C | 0 | 1 | 0 | |||||
0x0D | 0 | 0 | 0 | Bit A6 | ||||
0x0E | 0 | 1 | 0 | |||||
0x0F | 0 | 0 | 0 | Bit A7 | ||||
0x10 | 0 | 1 | 0 | |||||
0x11 | 0 | 0 | 0 | Bit D0 (LSB) | ||||
0x12 | 0 | 1 | 0 | |||||
0x13 | 0 | 0 | 1 | Bit D1 | ||||
0x14 | 0 | 1 | 1 | |||||
0x15 | 0 | 0 | 1 | Bit D2 | ||||
0x16 | 0 | 1 | 1 | |||||
0x17 | 0 | 0 | 0 | Bit D3 | ||||
0x18 | 0 | 1 | 0 | |||||
0x19 | 0 | 0 | 0 | Bit D4 | ||||
0x1A | 0 | 1 | 0 | |||||
0x1B | 0 | 0 | 1 | Bit D5 | ||||
0x1C | 0 | 1 | 1 | |||||
0x1D | 0 | 0 | 1 | Bit D6 | ||||
0x1E | 0 | 1 | 1 | |||||
0x1F | 0 | 0 | 0 | Bit D7 | ||||
0x20 | 0 | 1 | 0 | |||||
0x21 | 1 | 0 | X | End of Write Cycle | ||||
0x22 | 1 | X | X |
他の動作用にLIUを設定
スイッチを用いてザイリンクス社製XC18V00デバイスのD5、D6、およびD7ピンをLIUのSDIピンに接続することによって、さまざまなループバック設定を行うことができます。

図3. ループバックを可能にするSPI接続図
結論
マキシムのラインインタフェースユニット(LIU)は、マイクロコントローラがなくても、ザイリンクス社製XC18V00デバイスファミリなどの設定可能PROMを使用することによって、さまざまなモードの動作を実現することができます。LIUの変更はお客様のニーズに基づいて行うようにしてください。
マキシムのテレコム製品に関するご質問は、テレコム製品アプリケーションサポートチームまでお問い合わせください。