ADHV4702-124V~220V高精度オペアンプ

はじめに

ADHV4702-1は、高電圧(220V)、ユニティ・ゲインの安定した高精度オペアンプです。アナログ・デバイセズが提供する独自の次世代半導体プロセスと革新的なアーキテクチャにより、この高精度オペアンプは±110Vの対称両電源、非対称両電源、または220Vの単電源で動作します。

業界初の220V高精度オペアンプ

ADHV4702-1は、オープンループ・ゲイン(A OL)が170dB(代表値)、同相ノイズ除去比(CMRR)が160dB(代表値)の性能を備えています。また、最大2μV/°Cの入力オフセット電圧(VOS)ドリフトと、8nV/√Hzの入力電圧ノイズを実現します。ADHV4702-1の優れたDC精度は、10MHzの小信号帯域幅と74V/µsのスルー・レートという優れた動的性能によって補完されています。ADHV4702-1の出力電流は20mA(代表値)です。更に、調整可能な電源電流、スルー・ブースト回路、柔軟な露出パッド・バイアス電圧といったユニークな機能により、広範なアプリケーションに対応できる理想的な高電圧ソリューションとなっています。

図1 ADHV4702-1の出力スイング回路とその能力

図1 ADHV4702-1の出力スイング回路とその能力

アプリケーション

ADHV4702-1は、小さいフォーム・ファクタで高電圧・高精度の性能を実現した市場初のアンプです。ADHV4702-1は設計上の難しい課題を解決し、ATE(自動試験装置)、ライフ・サイエンス、LIDAR、ヘルスケアなどの多種多様なアプリケーションに使用できます。ATE(自動試験装置)アプリケーションでは、ハイサイド電流測定や高電圧高精度の電源生成が可能です。また、ライフ・サイエンス分野では質量分析システム用の高精度高電圧制御、LIDARアプリケーションではAPDバイアス電圧の正確な制御が可能な他、ヘルスケア・アプリケーションではシリコン光電子増倍管のバイアス・ポイントを厳密に制御することができます。

図2 DHV4702-1の精度性能

図2 DHV4702-1の精度性能

IEC 61010-1のスペース条件に準拠した12ピンの7mm×7mm LFCSP

ADHV4702-1は、国際電気標準会議(IEC)61010-1に規定される沿面距離とクリアランス標準に準拠した、露出パッド付きの12ピン7mm×7mmリード・フレーム・チップ・スケール・パッケージ(LFCSP)を採用しています。このパッケージはソリューション・サイズの大幅な小型化を実現し、DC/DCコンバータやフローティング電源などのサポート部品をなくすことによって、システム・アーキテクチャを簡素化します。

図3 ADHV4702-1の機能ブロック図

図3 ADHV4702-1の機能ブロック図

図4 ADHV4702-1のピン配置

図4 ADHV4702-1のピン配置

著者

yihang-yang

Yihang Yang

アナログ・デバイセズのリニア高精度ソリューション・グループに所属するアプリケーション・エンジニア。高電圧アンプおよびシグナル・チェーンを担当。アリゾナ州立大学で電気工学の工学士号を取得。