3Aの内部スイッチステップダウンレギュレータでセラミックコンデンサのみを使用して実装面積を縮小
要約
システムの統合が複雑になるにつれ、高速な過渡応答を備えた小型電源の必要性がますます顕著になっています。MAX8505は、周波数1MHzのスイッチ内蔵ステップダウンレギュレータであり、3.8平方センチメートル(0.6平方インチ)以下の面積に3Aの出力電流能力を実現することで、この小型化を実証しています。
今日の小型化設計では、実装面積の縮小が必須です。電源もまた例外ではありません。
MAX8505は、3Aの内部スイッチステップダウンレギュレータで、この要件を満たすために設計されています。この製品は16ピンQSOPパッケージで提供され、実装面積は8ピンSOPパッケージと同じです。MAX8505の1MHzスイッチング周波数によって、お客様はセラミックコンデンサのみを使用した設計が可能で、電源の実装面積を縮小することができます。
図1は、セラミックコンデンサのみを使用し、1MHzで動作するMAX8505の回路図を示しています。
図1. 1MHzで動作するMAX8505ステップダウンレギュレータの回路図
MAX8505は、ピーク電流モードの制御アーキテクチャを使用しているため、電圧フィードバックのループ補償が簡素化されます。単純なタイプII補償ネットワーク(R1及びC8)によって、そのフィードバックループが安定化し、外付けの部品数がさらに削減されます。上記の回路は、図2が示すように、50%のステップ負荷の変化(25%から75%)に対して、初期設定の出力電圧誤差が1%、及び最大出力電圧のずれが5%となるように設計されています。この出力電圧は3.3Vに設定されていますが、他の出力電圧(0.8V~3.3V)は、フィードバック抵抗分圧器(R2、R3、及びR4)を変更することで設定可能です。上記の回路は、0.8V~3.3Vのいずれの出力電圧についても安定しています。表1に部品表を示します。
表1. 部品表
DESIGNATION | QTY | DESCRIPTION |
C1, C2 | 2 | 10µF ±20% 10V X5R ceramic capacitor (1206) TDK: C3216X5R0J106M |
C3, C5, C6, C7 | 4 | 0.1µF ±10% 50V X7R ceramic capacitor (0603) TDK: C1608X7R1H104KT |
C4 | 1 | 47µF ±20% 6.3V X5R ceramic capacitor (1210) TDK: C3225X5R0J476M |
C8 | 1 | 220pF ±10% 50V X7R ceramic capacitor (0603) TDK: C1608X7R1H221K |
C9 | 1 | 3300pF ±10% X7R 50V ceramic capacitor (0603) Murata: GRM188R71H332K or TDK: C1608X7R1H332K |
D1 | 1 | 100mA, 30V Schottky diode (SOD-523) Central: CMOSH-3 (Top Mark 53) |
L1 | 1 | 1.0µH Inductor Coilcraft: DO3316P-152 or DO3316P-102 |
R1 | 1 | 51.1kΩ, 1% resistor (0603) |
R2 | 1 | 33.2kΩ, 1% resistor (0603) |
R3 | 1 | 10kΩ, 1% resister (0603) |
R4 | 1 | 536kΩ, 1% resistor (0603) |
R5 | 1 | 10Ω, 5% resistor (0603) |
R6 | 1 | 2kΩ, 5% resistor (0603) |
U1 | 1 | MAX8505EEE (16 pin QSOP) |
図2. 50%のステップ負荷の変化に対する過渡応答を示す
図1に示す回路のレイアウト例を図3に示します。ボードは1オンス銅の4層で構成されています。総面積は、ジャンパーとPOKプルアップ抵抗を除いて、約3.74平方センチメートルです。