採用事例
ADD GRUP ケース・スタディ
ADD GRUP 磁気耐性の実現と盗電の防止にアナログ・デバイセズの絶縁型計測チップセットを使用 —
ケーススタディのダウンロード(英語) (PDF)
盗電は、世界中の電力会社にとってコストがかかる問題であり、その深刻さは増す一方です。盗難率は上昇し続けており、電力事業者は改ざんをなくし、収益を守るため、スマートメータ・システムに厳しい条件を設定しています。
一般的な盗電方法の1つに、外部磁石を使用してスマートメータを改ざんし、検針値を実際よりも小さくしたり、動作を完全に停止させる方法があります。多くのメータは、入力センサーにカレント・トランスを使用しています。これでは、比較的簡単に外部磁石を使用してカレント・トランスの磁気コアを飽和させ、検針値をゆがめ、電気を盗み出すことが可能です。同期A/D変換とガルバニック絶縁を実装したアナログ・デバイセズの統合型ソリューションを使用すれば、磁気干渉に対する完全な耐性を発揮するメータ・ソリューションを開発できます。
アナログ・デバイセズの完全絶縁型計測ソリューションを採用したADD GRUP
ADD GRUP は、スマートメータの大手サプライヤです。同社の新しいADDAXメータは、ヨーロッパの住宅用メータ向けAMIおよび自動検針(AMR)システム用に設計されており、複数料金体系に対応した多機能な3相高精度(有効電力量クラスB)電子式メータです。ADDAX AMIソリューションは、検針、データ収集、データ処理、通信、ある程度のデータ解析が可能です。
ADDAXメータ・ソリューションの改ざん防止を確実に実施するため、ADD GRUPは、アナログ・デバイセズの ADE7978 および ADE7933絶縁型計測チップセットを採用した計測アーキテクチャを設計しました。ADD GRUPは複数の国にメータを供給しており、それぞれ技術条件が異なることから、500mTの磁気耐性という高い設計目標を設定しました。この目標を達成することで、約20ヵ国の顧客向けに共通のプラットフォームを使用できるようになりました。また、大型のカレント・トランスの代わりにシャント・センサー素子を採用することで、従来のメータと比較してフォーム・ファクタを25%縮小し、おかげで取り扱いが容易になり、製造費用も削減できました。.
ADD GRUPのハードウェア研究開発マネージャVladimir Culiucは次のように語ります。「アナログ・デバイセズの絶縁型計測チップセットにより、シャントをセンサー素子として使用することが可能になりました。その結果、磁気耐性と平らなメータ・ケースというプロジェクトの目標を達成できました。更に、チップセットに絶縁型電源が組み込まれているため、別途絶縁型電源を使用する必要がなくなりました」
電力会社にとって、スマートメータは盗電防御の最前線です。アナログ・デバイセズのADE7978およびADE7933絶縁型計測チップセットにより、電力会社の収益を守るために重要な、改ざんが困難なスマートメータを開発できます。
ADE7978およびADE7933絶縁型計測チップセットについて
アナログ・デバイセズの絶縁型計測チップセットは、最大4つのADE7932/ADE7933 完全絶縁型ADC ICとADE7978 3相計測ICで構成されています。ADCには、アナログ・デバイセズの特許取得技術であるiCoupler®およびisoPower®が組み込まれており、絶縁信号伝達と、5kVの定格絶縁バリアでDC/DC電力変換を実現します。
この集積化により、シャント抵抗センサー素子をカレント・トランス(CT)の代わりに使用して、磁場干渉と改ざんに対する耐性を実現できます。また、CTの代わりにシャントを使用することで、システムのコスト削減と小型化を達成しました。
"アナログ・デバイセズの絶縁型計測チップセットにより、シャントをセンサー素子として使用することが可能になりました。その結果、磁気耐性と平らなメータ・ケースというプロジェクトの目標を達成できました" — Vladimir Culiuc, Hardware R&D Manager |
ADD GRUPについて
モルドバ共和国にあるADD GRUPは、スマートメータ、通信インフラストラクチャ、関連ソフトウェアを含む高度な計測インフラストラクチャ(AMI)ソリューションの大手サプライヤです。この16年間で、ADD GRUPとそのパートナーは400万台のAMIメータを20ヵ国に導入してきました。